「ユーザーが驚くような体験価値をつくる」。ベーシックが仕掛けるSaaS事業成長戦略と事業企画の魅力
2022/06/30

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「Webマーケティングの大衆化」を目指し、2020年12月にSaaS(Software as a Service)事業への一本化を図った株式会社ベーシック(以下、ベーシック)。同社はSasSの中でも、SLG(Sales-Led Growth)型の事業とPLG(Product-Led Growth)型の事業をどちらも展開し、広いポジションでさまざまな人が携わり、プロダクトを創出している。

今回話を聞いた林宏昌氏と佐々木陽氏は、「SaaSはプロダクトの価値で勝負できる」「ユーザーが驚くような体験価値をSaaSでつくりたい」と話す。ベーシックでSasS事業に携わる醍醐味、そこから得られる経験は何なのか。ベーシックの魅力とともに、二人に語ってもらった。

〈Profile〉
写真右/林宏昌(はやし・ひろまさ)
取締役 COO
事業本部長 ferret One事業部長
2005年、株式会社リクルート入社。新築マンション首都圏営業部で、優秀営業を表彰する全社TOP GUN AWARDを2年連続で受賞。2014年、リクルートホールディングスにて経営企画室室長を担い、株式公開を経験。その後、広報ブランド推進室室長、働き方変革推進室長を歴任。2018年にベーシックに入社しCHRO(最高人事責任者)としてミッション・ビジョンや人事制度の刷新、コンピテンシーの策定を推進。現在はCOO(最高執行責任者)としてferret One事業を率いるとともにPLG事業、メディア事業を含めた事業全体を管掌。
写真左/佐々木陽(ささき・あきら)
執行役員 CSO
Product-Led Growth(PLG)事業部長
株式会社東急エージェンシー、株式会社リクルート、株式会社Kaizen Platformを経て、2015年株式会社Oneteamを創業。2019年に職場のコミュニケーションツール「Oneteam」事業を株式会社リンクアンドモチベーションへ譲渡。同年、それまでの経験を生かしSaaS企業発展のためのSaaS専門事業コンサルティング会社である株式会社deflagを創業し、代表取締役社長に就任。2020年にベーシック執行役員 CSO(最高戦略責任者)に就任し、PLG事業・メディア事業を管掌。

※内容や肩書は2022年6月の記事公開当時のものです

SaaSは「嘘をつけない」ビジネスモデル。プロダクトの価値で勝負できることに興味を持った

――まずは、佐々木さんの経歴を教えてください。

佐々木:新卒で総合広告会社に入社し、クライアントワークを中心に行っていました。その中で、自社サービスを提供する側になりたいと思い、リクルートに転職しました。リクルートでは新規事業開発に10年弱携わり、新しいビジネスモデルを求める中で、SaaSに出会ったのです。

当時はSaaSという言葉もまだないような時代でしたが、プロダクトを長く使い続けてもらうことで利益を生み出していくビジネスモデルに非常に共感し、興味を持ちました。

SaaSは、営業や広告を見て「良いサービスだな」と思って契約してもらっても、プロダクトがその期待に応えるものでなければすぐに解約されてしまい、利益になりません。

誇大広告や過剰なセールストークが通用しない、“嘘をつけないビジネスモデル”であり、常にプロダクトの価値を高めていくことが必要です。したがって、内容を伴わないような「政治」よりもプロダクトの価値で勝負したいと考える自分にとてもフィットすると感じたのです。

一方で、大学生の頃から起業を考えており、リクルートで経験できることはやり尽くした思いがありました。

そのため、いずれはSaaS事業で起業したいと思い、起業に備えた「筋肉」を付けるために、次はスタートアップに転職しました。そこでシリーズB(*1)まで見届けたのちに、SaaS事業を軸とする会社を立ち上げ、5年後にその会社を一部上場企業に売却しました。

その後、SaaSに10年以上携わってきた経験を生かして、SaaS専門の事業コンサルティング会社「deflag」を創業しました。ベーシックとは、そのコンサル先として出会い、同社の執行役員として参画することになりました。

――ベーシックに参画した理由は何でしょうか。

佐々木:SaaSと一口に言っても、ベーシックには、SLG(Sales-Led Growth)型(*2)のプロダクトとPLG(Product-Led Growth)型(*3)のプロダクトの両方があります。

SLG型のプロダクトは単価が相対的に高く、営業の手を介して売っていくものです。言うなればSalesforceが代表的なサービスですね。

対するPLG型のプロダクトは単価が相対的に低く、プロダクトを無料で使い始めた顧客がプロダクトを気に入ったり、より便利に機能を使いたいと思ったりすることで、有料化します。ZoomやSlackのようなサービスを想像してもらうと分かりやすいかもしれません。つまりPLG型には営業がおらず、自然にユーザーが増える特徴があります。

私は、SLG型のプロダクトには数えきれないほど携わってきましたが、実はPLG型に携わった経験があまりありませんでした。ベーシックはその両方を持っていることが魅力的でした。

例えばPLG型のフォーム作成ツール「formrun(フォームラン)」には、使いやすさ、UIの分かりやすさなど、PLGとしての可能性を強く感じ、これを育てていきたいと思いました。

また、外部のコンサルタントとしてベーシックに関わる中で、若手社員の吸収力の高さや貪欲さが、他のコンサル先のどこよりも飛び抜けていることにも興味を持ちました。この人たちが質の高い経験を積み続ければ、どこまで成長するのだろうとワクワクしましたね。

――現在もdeflagの経営を続けながら、ベーシックと二足のわらじで活動していらっしゃると伺いました。どちらもSaaSに関する事業ですが、相互に刺激などはあるのでしょうか。

佐々木:ベーシックは世の中的に見てもPLG型への取り組みは先進的なので、その成功も失敗も含めた知見は、deflagのコンサル事業に生かせています。

今後も、コンサルを通じて世の中にもっと還元できればいいなと思っているところです。一方、deflagで数十社の顧問を受け持っているので、ベーシックを相対的に捉えられるのも、私の強みだと思っていますね。

description *1 事業が軌道に乗り、収益や経営が安定した状態でさらなる拡大を目指すこと。 *2 営業が主体となり、プロダクトを顧客にセールスするモデル。 *3 ZoomやSlackのような「プロダクトでプロダクトを売る」という思想の下、プロダクトを無料で顧客に届け、その価値を感じてもらい有料顧客転換化を図るモデル。

ベーシックのSaaSは、BtoB領域のマーケティングを変えられる

――林さんの経歴と経験について教えてください。

:2005年に新卒でリクルートに入社し、しばらく営業に携わった後、社長秘書や経営企画の責任者、広報ブランド戦略の責任者、働き方改革推進室の責任者などを歴任しました。その中で、IPO(新規株式公開)やM&Aなども経験しています。

転機となったのは2017年です。当時はリクルートで働き方改革推進に携わっていて、その経験を買われて他社から手伝ってほしいという声が掛かりました。その企業は副業でお手伝いしていたのですが、そのうちに人や組織に関わる仕事を本業にしたいと思い、起業したのです。

事業を運営していると、他にもやりたい事業がいくつか出てきて、たまたまベーシック代表の秋山と事業について話す機会があり、その際に「一緒にやろう」という話になりました。それがきっかけで、2018年にベーシックに参画しました。ベーシックでは人事の責任者を経て、現在は事業全体の責任者を担っています。

――ベーシックに参画する際、企業として魅力を感じた点を教えてください。

:リクルートは、不動産や求人などの領域でインターネットを駆使したBtoCのマッチング事業を展開しています。マンションを買いたい人と売りたい人をつなげたり、転職したい人と採用したい人をつなげたり、クライアント企業と人材のマッチングを行ったりと、多様な分野で成果を出してきたのは、誰もが知るところだと思います。

その一方で、リクルート時代に感じたのは、世の中における“BtoBのマッチング”は非常に遅れている点でした。

BtoBの取引市場は300兆円を超える大きさなのにもかかわらず、未だに展示会や電話によるアポイトメントが主で、出会うべき企業が出会いにくい状況にあります。そういった課題に対し、ベーシックのSaaSであれば、BtoB領域の意識やマーケティング手法を変えていけるのではないかと思いました。

また、秋山が「人の意志や可能性に期待していく」という考えを持っていることにも魅力を感じました。高度経済成長期は、「どのような商品をつくるか」がビジネスの肝でしたが、近年はソフトウエアや無形商材を扱う企業も増える中で、「人の成長や可能性こそが経営の資本だ」という考え方が生まれてきています。

リクルートは創業時からずっとその方針を持っていて、私も現場で人の成長や可能性によって事業がドライブできることを体感していたので、同様の考え方を持つ秋山に共感しました。

ちなみに、ベーシックの評価制度にもその考え方は反映されていて、過去の実績ではなく未来への期待で役割や評価を決める「期待役割グレード制度」を採用しています。

本人も含めて、この人であれば次にこんなチャレンジができるのではないかと議論し、その期待に対して報酬を設定します。目標を達成できればその報酬水準が適用され、期待を上回ればさらに報酬は上がり、期待に満たなければ下がる仕組みです。

人材採用においても、過去の経験だけに注目するのではなく、これからどう変化し続けていくのか、挑戦し続けていくことができる人なのかを見ています。それもまた、人材の可能性に投資をしたいという考えからきているのです。

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事業企画で求められる、コンサルと事業家の視点

――ベーシックの事業企画は、どのような役割を果たしているのでしょうか。

:ベーシックには、私が直接管掌しているSLGの「ferret One(フェレットワン)」事業と、佐々木が管掌しているPLG事業の大きく2つがあり、事業企画はその事業ごとに配置されています。

事業企画の役割は、シンプルに言うと2つです。1つは、事業全体の戦略を、その事業のトップとともに練り上げていくことで、いわゆる参謀のような位置付けになります。

もう1つは、各事業やプロセスで設定しているKPIをモニタリングし、立てた戦略がKPIの数字につながっているのか、何が課題で、次にどのような施策を打つべきなのかを考えてPDCAを回していく、パートナーのような役割です。

戦略策定に始まり、仮説検証まで担っていくので、コンサル的な視点だけでなく、事業家のような視点も求められます。

佐々木:組織を動かすためにマーケティング部やプロダクト部のメンバーなど、同じ事業部内のステークホルダーと常に連携して動いていくので、高いコミュニケーションスキルも求められますよね。

:そうですね。せっかく戦略を立てても、組織が動いていかなければ何の価値もありません。

現場からすると、立てた戦略に納得感がなくて動けないこともあるので、「なぜその戦略なのか」という理由付けや、現場の人が大切にしている価値観や思いを踏まえてどのようにコミュニケーションしていくのかといったことも十分に考えながら、泥臭く向き合っていくことが求められます。

――事業企画の仕事を通して、得られるスキルや経験はどのようなものでしょうか。

佐々木:事業企画には、経営と事業の橋渡しをする役割が求められるので、経営者がどのような思いで意思決定をしているのか、事業の現場が何に困っているのかといった部分にも触れることになります。

その両方を経験できるのは事業会社ならではの魅力だと思いますね。将来は事業責任者のポジションを目指している人や、自らの手で事業を運営していくことに興味がある人が経験値を積む場合にも、とてもいい環境だと感じます。

「Webマーケティングの大衆化」に向けた、ベーシックの野望

――冒頭の佐々木さんの話にもありましたが、まだ日本に少なく先進的なプロダクトであるPLG型のSaaSについて、特徴や将来性を教えてください。

佐々木:PLG型の大きな特徴は、営業がおらず、無料ユーザーも含めてユーザー数が多いことです。そこから有料ユーザーになってもらうためには、SLG型のSaaS以上にプロダクトを磨き込んでいく必要があります。

また、お客さまと対面でのコミュニケーション機会がほぼないため、プロダクトから得られるデータを分析し、そこから得られる仮説を基に戦略を立てていくこともPLG型独自の特徴です。

PLG型のプロダクトに携わる醍醐味は、SLG型に比べてユーザー数が桁違いに大きくなるので、非常に多くの人に使われていることですね。

プロダクトの価値を高め続けることによって、ビジネスがしたい人、プロダクトが好きで、プロダクトで多くの人に幸せを届けたいと思う人は、やりがいが感じられるのではないでしょうか。

――ベーシックでSaaSに携わっていく魅力は何でしょうか。今後の展望も含めて教えてください。

佐々木:ベーシックは、事業運営において「Webマーケティングの大衆化」というテーマを掲げています。これは、マーケティングのノウハウを特に持たない人でも、やりたいことを実現できるようにしたいという考えに基づいています。

ベーシックが既に提供しているサービスでは、国内最大級のマーケティングメディア「ferret(フェレット)」で初中級のマーケターが知識をインプットし、「ferret One」などのSaaSを使ってアウトプットができるようになっています。プロダクトづくりは、できるだけ簡便に使えるノーコードにこだわっています。

また、PLG型のプロダクトはセールスが不要のため、グローバル展開が比較的容易にできます。ベーシックもPLG型のグローバル展開を見通していて、早ければ年内にもアクションを仕掛けていく予定です。

:今後は、Webマーケティングの大衆化を実現するために、これからも新しいプロダクトを追加してシリーズ展開していく予定です。Webマーケティングにまつわる業務を徹底的に掘り下げ、各プロダクト間の連携を非常に滑らかにします。そして、誰しもが一連のマーケティングが簡単に行える、「これだけでできるのか」とユーザーが驚くような体験価値をこれからもつくってきたいと考えています。

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コラム作成者
Liiga編集部
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