20代で取締役に。もがき苦しみながら生み出したマネジメント手法に迫る。ベンチャー若手経営者へインタビュー #01
2017/08/23
#ベンチャーCXOの実情
#ベンチャーに飛び込みました

はじめに

メガベンチャー2社に勤め、20代のころから経営企画、広告事業部長、取締役など企業の重責を担うポジションを経験した後、従業員30人規模のITスタートアップに転職し、現在は30代半ばの年齢で取締役に就任されている方にインタビューを行いました。

前編である今回は、ご自身のご経歴を振り返る中で若手でも大きなポジションを掴むことができるベンチャー企業ならではの良さやマネジメントの難しさを語っていただいています。

ぜひご覧ください。

後編:「自分が好き病」と「全部やりたい病」に打ち勝つこと

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「起業をしたかった」その思いから新卒でメガベンチャーへ

- 本日はよろしくお願いいたします。まずはじめにご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか。

僕は2006年に大阪大学を卒業した後、新卒でIT系のメガベンチャーに入社しました。その会社で4年間の広告営業の経験を経た後、別のIT系のメガベンチャーに転職し、その会社では子会社への出向とその取締役の経験なども含めて約8年間勤めました。

その後、2度目の転職を経て、現在は従業員30人規模のITスタートアップで取締役に就任しています。

- 新卒入社されてから現在まで2度の転職を経て、計3社のベンチャー企業に勤めていらっしゃるのですね。新卒でIT系のメガベンチャーに入社されたのはどうしてでしょうか。

「起業をしたかった」という思いが強いですね。僕は、自分以外の親戚が全員起業している家系で育ちました。父も自分で商売をしており、そのような環境で育ったので自然と自分も独り立ちしなければいけないなと感じていたのです。

そのため新卒で入社する企業の卒業している人は独り立ちしている実績が多い会社が良いと思ったのでIT系のメガベンチャーを選択しました。

- 近年では戦略系コンサルティングファームや総合商社に新卒入社して何年か勤めた後、起業をされる方も多いと思います。そのような道ではなく新卒でベンチャー企業を選択されたのですね。

正直、戦略系のコンサルティングファームはめちゃくちゃ選択肢の中にありましたね。しかし僕は年明けから対策を始めるほど就職活動を始めるのが本当に遅く、準備不足のせいで戦略系のコンサルティングファームは筆記試験で全部落ちてしまったのです。

そのような経緯もあって、仕方なく4月から面接を開始する日系大手にかけました。

そこで当時の自分の中では独立するとなったら商社か広告代理店、それかベンチャー企業かなあというイメージをなんとなく持ってたのでその3つの業界に絞って就職活動を行いました。

就職活動を進めていく中で商社や広告代理店の方と会ったときに自分には合わなそうだなあと感じてしまった一方で、大企業であるにも関わらず起業家っぽさが感じられるメガベンチャーに惹かれ、そこに入社することを決意したのです。

入社1年目から経営コンサルティングを担うことに

- なるほど。新卒入社された企業ではどのような業務に就かれていたのでしょうか。

新卒で入社した企業ではブライダルカンパニーというブライダル情報紙の事業を行う部署に配属され、そこで広告営業をしていました。

具体的に申し上げると結婚式場に伺い、自社のブライダル情報紙を広げて「ここに御社の結婚式場を載せませんか?」と言ってクライアントさんに提案をする営業ですね。その時は新卒ながら非常に裁量が大きい仕事を任されていました。

- 裁量が大きい仕事でしょうか。

はい。当時勤めていた企業のブライダル情報紙はほぼすべての結婚ユーザーが使うといっても過言ではない情報媒体でした。そのため、その情報紙はクライアントさんにとっても100個や200個ある広告の出し先ではなく、数少ない広告の出し先のうちの1個であり、クライアントさんの広告宣伝費のうち90%を私が預かっていたのです。

そうなってくるとクライアントさんの売上が自分の売上に直結することになり、ただの広告営業の立場では済まされません。クライアントさんの経営の根幹に携わることが非常に多かったですね。

例えば中小企業の役員会議に出席したりとか、役員の方に対して経費の削減の提案なども積極的に行いました。他には隣の駐車場にチャペルを建てること等も提案し、それによる収益を定量的に提示したりもしましたね。

- 広告営業という仕事の領域を大きく超えてしまっているような気がしますね。

そうですね。当時の僕の場合だと10社くらいのクライアントを持ち、中小企業の経営のコンサルティングを行っていた4年間と言っても過言ではないかもしれません。

- 入社1年目から1人で企業の経営コンサルティングを行うなんて聞いたことがありませんが、プレッシャーも感じられたのではないでしょうか。

正直当時のプレッシャーは凄まじかったですね。自分がミスをしてしまうとその会社の業績が傾いてしまうので。今までの社会人生活を振り返っても1、2を争うほどです。

マネジメント経験と事業運営の感覚を求めて1度目の転職へ

- なるほど。それ程、ハイプレッシャーの環境で裁量が大きい仕事を任されていたのにも関わらず、他のIT系のメガベンチャーに転職されたのですね。きっかけは何だったのでしょうか。

転職した理由は2つありますね。

コラム作成者
Liiga編集部
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