経営企画の仕事とは?年収・必要スキル・向いている人・ツライと感じる時
2022/11/30

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企業の中長期目標や戦略を立てるなど、経営陣の近くで仕事をする経営企画。その仕事内容、年収、必要なスキル・資格、仕事の難しさを解説します。



経営企画とは

経営企画とは、企業の中長期目標や経営戦略の立案、そのために必要なリサーチ、実現に向けたスケジュールや各部署との調整、着実な実施のための進捗や予実管理、結果の振り返りなど、幅広い仕事を行う部署です。

責任範囲は企業によって大きく異なるものの、社内の「リーダー役」「舵取り役」であり、経営陣直属の部署であるのが一般的です。企業の方向性を左右する重要な部署であるため、優秀な人材が配属されることが多いです。

【関連記事】経営戦略とは?定義、種類、フレームワーク、戦術や事業戦略との違い

主な業務内容

経営企画の業務内容は企業やポジションによっても異なりますが、以下のような業務を担うのが一般的です。

  • 自社の強み・弱みや取り巻く環境の分析
  • 中期経営計画や年度経営計画、総合予算の作成
  • 財務や予算の計画立案と実績管理
  • 新規事業の立案や既存事業の見直し
  • 組織の改革や再編に向けた計画立案
  • その他、経営者の意思決定・実行のサポート


このように戦略、財務・会計、マーケティング、マネジメントなど様々な視点・業務が求められるのが経営企画です。

Q&A 経営企画と事業企画はどう違うの?

経営企画と事業企画は、検討の範囲や視点が異なります。

経営企画は会社全体を軸に、「将来どのような会社になるべきか」「そのために今後どのような事業が必要か」「どのように予算を割り振るべきか」などを検討します。そのため、場合によっては既存事業の縮小や廃止といった決定をすることもあります。

事業企画は、経営企画によって与えられた方向性や制約を踏まえ、「具体的にどのような事業目標にするのか」「どのように収益を上げていくのか」を考えていきます。


大きな仕事ができるのが魅力

会社経営にダイレクトに関わり、「リーダー役」「舵取り役」として仕事ができるのが経営企画の魅力です。経営者との距離も近いため、高い視座を身に着けることができます。

また戦略や新規事業の立案に関わることができるのも、ポイントです。会社の将来を左右するような大きな仕事をしたいという人には魅力的な仕事でしょう。


大変だと感じるシーンも多い

経営に近い仕事だからこそ、求められることも多く、「大変だ」と感じる人もいるようです。特に以下のような点が負担やプレッシャーになることが多いようです。

  • 幅広い能力が求められる
  • 世の中の動きや事例を知っておく必要がある
  • 繁忙期や緊急対応で残業・休日出勤になることも
  • 他部署との調整が多い
  • 進捗管理、予実管理、MTG議事録作成など地味な業務も多い


全社視点で、しかも中長期を見通した仕事が求められるため、学び続ける姿勢が必要です。また緊急時には残業や休日出勤が求められることもあるため、「残業や休日は絶対に嫌だ」「オフは仕事のことを忘れたい」という人には負担が大きいでしょう。

全社戦略や予算を立てるだけでなく、それを事業部に伝え実行を促していくことも仕事の一つであるため、「経営陣と事業部の板挟みになった」「部署間の調整が大変」だと感じる人もいます。 こうした調整以外にも地味な仕事が多いため、華やかな面だけ見て経営企画を志望した人は、「思っていたのと違う」と感じることもあるようです。

経営企画の待遇

経営企画は会社の将来を左右する仕事で、優秀な人材が配属されることも多いです。新卒で配属されることは少なく、他の事業で経験を積んでいる人が多いこともあり、他の部署よりも好待遇な反面、業務量も多い傾向にあります。


年収は平均よりやや高め

平均年収は600~700万円程度といわれており、他の管理・企画職よりも年収は高めです。幹部候補が配属されていることも多いため、年収が1000万円を超える人の割合も高いです。


残業は月30時間を超える月も

経営企画は総じて業務量が多く、残業時間が30時間を超えるのも珍しくはありません。特に戦略発表や予算編成の時期など繁忙期は、休日出勤の可能性もあります。

また大きな方針変更が必要な時、会社が大きなトラブルに巻き込まれた時などは、緊急対応の舵取りも求められるため、業務量が多くなるだけでなく、プレッシャーも大きいでしょう。

【関連記事】 残業は何時間以上だと長い?平均の残業時間と違法となる時間数

経営企画に必要なスキル・資格

経営企画は戦略、財務・会計、マーケティング、マネジメントなど総合的な力が求められる仕事です。全てを持ち合わせている人であれば経営企画への異動・転職がしやすいですが、そうでなくても機会はあります。


不可欠な資格は特にない

経営企画にこれといった資格は必要ありません。 しかしMBAを所持していれば「ビジネスや経営に対する深い理解がある」という証明になるので、経営企画への転職に有利なことも多いです。また経営には財務や会計の知識も不可欠なので、簿記の資格を持っている人もいます。

また外資系や海外との取引が多い企業の場合、英語力が必須というケースもあります。


戦略や財務の知識があると良い

経営企画に転職した人を見ると、「経営企画・事業企画」「コンサルタント」「財務・会計」の経験者が多いです。

これは戦略立案や実行計画を立てるスキルを持っている人、財務や会計の知識を持っている人が重宝されることを示しています。経営戦略や計画の策定、重要会議の企画・運営、組織改革の推進などの経験がある場合は積極的にアピールしましょう。

コンサルティングファームを経由して経営企画を目指す選択肢も!

事業会社にいると、経営戦略立案や組織改革を経験する機会はそれほど多くありません。「経営企画に入りたいけど今のキャリアでは難しそう」という場合は、一度コンサルタントとして働き経験を積むという選択肢もあります。

コンサルタントの多くは、市場分析、戦略の立案、実施計画の立案、進捗の管理が仕事です。そのため経営企画に必要なスキルや経験を効率よく身に着けることができます。

コンサルティングファームの中には、第二新卒や未経験の人を採用している会社も少なくありません。キャリアの選択肢も増えるので、ぜひ検討してみてください。 未経験可のコンサルティング求人も多数掲載!|Liigaの求人検索

経営企画に向いている人

経営企画は、戦略や新規事業の立案など難度が高く華やかな側面と、予実管理や各部署の調整など着実性が求められる側面があります。 そのため以下のような要素を持ち合わせた人が経営企画に向いているでしょう。

  • 論理的な思考ができる
  • コミュニケーション能力・調整能力が高い
  • 自律的かつ主体的に仕事に取り組むことができる
  • 学び続けることが好きである


世の中の動きや自社の能力を把握し、今後の打ち手に繋げるには論理的な思考が不可欠です。事例や、これまでの実績、調査から見えた数字などを総合的に分析することが得意な人に向いているでしょう。 また関係者に方針や実施プランを分かりやすく説明し、その人たちを動かしていく能力も求められます。立場や利害が異なる人の意見を調整しながら、物事を前に進めていける人に向いた仕事です。

様々な仕事が同時並行し、幅広い知識や最新の知見が求められるため、自律的かつ主体的に働き学ぶことが求められる仕事でもあります。「今、会社にとって最も重要なことは何か」を見極めて仕事をし、同時に将来に向けた自己研鑽ができる人が向いているでしょう。

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コラム作成者
Liiga編集部
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