「日本は競合が少なくチャンスのある市場」投資銀行出身、PEファンド勤務者へのインタビュー #02
2017/11/07
#ファンドとは何か #ファンドにつながるキャリア #ファンドへの転職成功事例集 #ファンドの選考攻略

*こちらの記事は「外資就活ドットコム」からの転載となっております。

はじめに

前編:「明確な夢がなければまずは投資銀行に行け」投資銀行出身、PEファンド勤務者へのインタビューでは、外資系投資銀行という選択肢について長い目でみたときの考えや、入社後具体的にどんな業務に携わっていたかなどについて、お話しいただきました。

後編では、投資銀行の“転職事情”を中心に伺いました。

気になるヘッドハンティングのお話や、現職のPEファンドでのお仕事について、ありのままに語っていただきました。ぜひご一読ください。

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転職活動について

――何年目くらいからヘッドハンティングされ始めましたか?

1年目の後半くらいです。1年目は、主に若手が足りていないという理由からですが、2年目以降は具体的に携わった案件の評価を受けて、直接メールや電話で声を掛けていただけるようになりました。

この経験から、常に自分自身がどう評価されているのかを気にするようになりましたね。

IBDやファンドなど金融業界からのヘッドハンティングが多かったですが、その他では、事業会社やコンサル会社からも声を掛けていただきました。

コンサル業界は、ある程度経験を積んでいる、エッジのある人にも門戸が開かれているので、中途の方が入りやすいのではないかと感じています。

――次はファンドということは最初からイメージしていましたか?

意識している部分はありましたが、最初から想定していたわけではありません。

だんだんと不動産を中心とするディストレス系の投資よりも、もう少しソフトな部分に踏み込む、成長投資に関わりたいという気持ちを持ち始めたのが最初でした。

そこからエージェントや業界の先輩と話す機会を設けるようになり、自分のとれる選択肢を複数検討するようになりました。

ディストレス投資:経営不振に陥り、財務危機に瀕している企業の債権・株式への投資
(不動産や不良債権投資が主)

――なぜ今の会社を選んだのですか?

ヘッジファンドで働いている先輩がいて、不動産・ディストレス投資を少人数で回していて、かつ給料も倍くらいになると知り、ヘッジファンドに興味を持ちました。

一方では、もともと、グロース系の投資や業界再編に関わるようなダイナミズムのある投資に携わりたいという気持ちも持っていて、そんな時、今の会社で勤務している先輩と再会したことをきっかけにプライベート・エクイティ(PE)をやりたかった気持ちを思い出しました。

身につけられるスキルの汎用性も高く、話を聞き始めてみると非常に惹かれる点が多かったこともあり、入社を決めました。

――選考試験はいかがでしたか?

今の会社ではモデルの試験は無く、どちらかというと新卒の選考に近い面接形式で、チームメンバー全員と面接しました。

また、レファレンスは結構みられていたようです。他社ではモデルの試験のあるところもありました。

PEファンドでの仕事について

――実際にPEファンドに入られて、お仕事はどうでしたか?

入って半年から1年くらいは、すでに投資した案件のモニタリングやエグジットを行っていました。日本・東南アジアを拠点とする製造業を担当することになり、監査役という形で会社に入ったのですが、バリューを出しきれませんでした。

製造業の知見があまり無く、会社を売却するタイミングが近かったこともあり、売却プロセスにフォーカスしました。

若手の役割については、会社のカルチャーによるとは思いますが、私の場合は明確な役割ごとの分担などはなく、案件の振り分けのみを受けて、おおまかに話をしながらすり合わせていく形でした。

案件は同時平行で、例えばモニタリング2件と新規案件がきたら2、3件ずつを担当する感じです。

――求められる専門性や知見に違いはありますか?また、新たに必要となるスキルについてはどのように取り組みましたか?

投資銀行にいた時は、「組織とは何であるか」、「経営とは何であるのか」ということをあまり考えていませんでした。

「ガバナンスをどうするか」、「投資家として経営陣とどう対話して現場に落とし込んでいって、あるべき姿に向かっていくのか」などは、ハードありきのマーチャントバンキングでの投資業務では気にすることもほとんどなかったです。

そういう意味でいくと、ドライなところからウェットなところへ来たという感じがありますね。ウェットな部分に関しては、本を読み、さまざまな人にご指導をいただくことで慣れていきました。

評価されたことと言えば、社長があまり把握していなかった数字の部分を正しく把握し、提言をしたことです。

的確な指摘だと判断していただき、信頼していただけるようになりました。

業界歴が圧倒的に長い社長や役員の方々と、20代そこそこの若者が適切なコミュニケーションをとるとなると、このように信頼を得ることが必要になると思います。

逆に言えば、自分のやり方次第で指摘を受け取っていただくこともできるというのは、人数の限られたファンドという業態ならではかもしれませんね。

――印象に残っている経営者などはいますか?

担当していたメーカーの社長はとても地頭が良く、思考はロジカルで意思決定もぶれない方だったので、見ていて勉強になりました。

ストリートスマートの塊のような経営者の方もいましたし、組織運営力に長けていて、まず細かい部分を作り、その集合体としてどんどん会社を大きくしていく方など、さまざまなタイプの方がいるのだと感じました。

もし自分が独立して何かするとしたら、どういう方向性でいくか、ということを考える良いきっかけになりました。

――最終的には経営者になりたいとお考えですか?

私は、役割にあまり強い思いはないので、ある程度楽しく稼げる環境があればそちらに移る可能性はありますし、多少リスクが伴っても、自分が稼ぐ上で効率が良さそうだと感じたら経営者にもなるかもしれません。

――PEに今から入りたいという社会人に対してどのように今からハウツーを教えますか?

もし投資銀行の方でしたら、「主語が自分になる」という切り替えが必要であること、「会社をどうするか」というコンサルライクなところがあることを伝えます。

PEというと昔は狭き門というイメージがありましたが、今は以前より門が広がっていると感じます。

入社して1件目がアジアのあるメーカーだったのですが、2ヶ月程現地に滞在していると、労働市場の競争環境が全く違うことに気づきました。

日本は、自分も含め、日本語に守られているため、バックグラウンドや能力が無い人でも、すごく楽に稼いでいるように感じました。

他国だと競争が激しいので、PEをやりたいのにチャンスがないという話も聞きます。逆に日本は競争が限定的で、人手が足りないPEファームもあります。

投資銀行でなくても、それなりに頑張ってきた人であれば入れるという環境は、世界的に見たらラッキーだと思います。

――今後はどのようにご自身を鍛えていきたいですか?

自分のキャリアの強みや色に関しては社会人になってからずっと考え続けています。

適切にバリュエ―ションをして案件を仕上げるというところに長く携わっているので、そこに関しての筋の良さを持ち続けたいと思っていますね。

――お金を何に使いたいとかはありますか?

基本的にあまりお金を使うことはありません。物にも執着がないのでほとんど貯金か投資にまわしています。

「10億円あれば1%で運用しても1千万になるので、お金の心配からは解放されるだろう」「10億円稼ぐにはどうしたらいいだろうか」と常に考えています。

私は、できるだけ自分で仕事をコントロールできる状況に早くなりたいと思っています。

おわりに

日々のお仕事に忙殺されること無く、常に自分の立ち位置を考え、将来を見据えて日々を生きている姿に、刺激された方も多いかもしれませんね。

人によって大切にしたいものは異なるでしょう。自分は何を大切にしたくて、そのために今は何をしているのか、人生の中で今はどんな位置づけなのか、考え直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

コラム作成者
Liiga編集部
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