はじめに
今回はコンサルティング業界・ポストコンサル転職のサポートに豊富な実績がある株式会社エグゼクティブリンク・伊東和也氏にインタビューを行い、コンサルティング業界への転職事情について伺いました。
伊東氏は計10年超、コンサルティングに従事された後に現職へ転職されました。
第1回である今回は、読者の皆様にコンサルタントのキャリアの実態を知って頂くべく、伊東氏にンサルタント時代の経験を語って頂きました。
どうぞご覧ください。
上海に一人ぼっち
―インタビューに応じてくださり、ありがとうございます。本日は宜しくお願いします。
宜しくお願いします。
―伊東様は人材エージェントになる前、コンサルティングファームに在籍しておられたと伺いました。
はい。大学院卒業後、シンクタンクでインターンをしていたため、コンサルティングの仕事に興味を持ち始めました。そこで研究室推薦ではなく一般的な自己応募でコンサルティングファームの選考を受け、2005年7月に外資系総合ファームのA社に入りました。
1年程、事業会社に勤めていた時期もありましたが、それ以外は新卒入社してから去年まで、一貫してA社に勤めていました。そして去年(2017年)、人材エージェントに転職しました。
―なるほど。まずはコンサルタントの経験からお伺いしたいと思います。どの領域を担当されたのでしょうか。
まずは通信・ハイテク業界メーカーの、主に業務・システムの領域でした。
会計やサプライチェーンの業務改善として、当時は「内部統制」が注目されており、私も内部統制関連のプロジェクトを主に担当していました。
―最初は、通信・ハイテク業界の内部統制で専門性を磨かれたということですね。
はい。例えば国内外の販売会社や生産拠点を回り、内部統制の業務プロセスを改善する、という仕事になります。
特に社会人2年目のプロジェクトが、今でも印象的です。日系メーカーの上海支社でのプロジェクトで、10年間のコンサルタント経験の中でもかなりの無茶ぶり案件でした。
ある日突然「来週から上海に行け」と言われて派遣され、付き添いの上司も一週間でいなくなり、一人ぼっちで上海に残されたのです。
若手1人にプロジェクトを任せる、会社の規格外ぶりを感じましたし、仕事自体も非常に面白かったです。例えば中国語しか話せない社員と筆談で意思疎通しなくてはならないなど、予想外の問題が数多く生じました。
―驚きに満ちた、やりがいのあるプロジェクトだったのですね。
そうですね。その後、A社の強みがあるIT系プロジェクトへのアサインを希望します。
IT分野は不案内だったため、会社による資格取得などのトレーニングを受けてから、ERP運用保守のプロジェクトに行かせてもらいました。トレーニングも含めて、1年半程、IT分野に携わります。
―その直後に、事業会社に転職されたわけですね。