転職に成功した方々に経験を語って頂く選考体験記シリーズ、第2弾です。
今回はトップティアの日系証券会社から外資系投資銀行へ転職する方にお話を伺いました。
今年に入ってからエージェントと面談するなどして転職活動を本格化させ、1ヶ月程で内定を獲得し、世界的に有名な大手欧州系投資銀行(以降A社)への転職が決まっている方です。
ぜひご覧ください。
自分でキャリアを選ぶために社外へ出た
―日系企業から外資系企業へ転職したのは、外資系企業への憧れがあったからなのでしょうか。
いえ、最初は外資系企業に興味はありませんでした。外資系企業に転職しようという思いは、業務をやりながら出てきたものです。
―確か、前職ではホールセール(法人向けセール)の業務をされていましたね。
はい。大手の事業法人向けの債券セールスに配属され、3年程担当していました。業務内容はセールス業務とマーケティング業務の半々です。しかし、そのポジションから社内で異なる業務に移れる兆しがなかったのです。
社内でも、ディーリングやプライシング業務に携わる専門性の高いポジションの方がセールスに異動することは簡単でした。一方で自分のいる部署からそのようなポジションに異動する事例は滅多にありません。
それならば若い内に専門性を特化して、自分の選択肢を広げられるキャリアへシフトしたいと感じるようになりました。
―それで転職を決意したと。
はい。当時の自分の配属先から専門性の高いポジションに異動する道は、社内では用意されていませんでした。それで社外に出ることにしたのです。
―そして実際に社外で専門性を高める道を手に入れたわけですね。
はい。転職先のA社では今までのマーケティング、セールス業務に加えてストラクチャリング、プライシングに携わるポジションを頂きました。ここで専門性を深めていきたいと思っています。
選考フローについて
―最初から金融業界に絞って転職活動をされていたのでしょうか。
エージェントからコンサルティングファームを紹介されたことはありました。しかし自分の性格と業務内容の相性を考えた結果、金融業界に留まろうという結論になりました。
―選考は何社受けましたか。
5社ですね。A社の他に、シティグループ証券、BNPパリバ証券、HSBC証券会社などの4社です。もっともHSBCは募集ポジションを面談で初めて聞かされ、自分のニーズとマッチしていなかったため、その直後に辞退しました。
―A社はどのような選考フローだったのでしょうか。
筆記試験はありませんでした。この点はA社以外の企業も同様でした。
面接は3週間程かけて、1対1の面接を5日にわけて行いました。1日に複数の方と面接する形式でした。
―5日×複数人ですと、合計でかなりの回数ですね。合計で何人の方とお話されたのでしょうか。
合計ですと18人ですね。全て1対1の個人面接で、徐々に日を追うごとに面接官の職位が上がり、人数が増えていきました。最終日は計5名と面接しました。
―5名ですか。相当大変だったかと思います。
その日の面接は、本来はもっと少ない人数で行う予定でした。しかし面接中の逆質問でIT化について聞いてしまい、「それなら担当者に聞きましょう」ということで、海外支社のIT課の方とのビデオ通話による面接が追加されました。
英語で時計の問題を聞かれ、落ちたと思った
―ビデオ通話ですか。
はい。もちろん全て英語なので、骨が折れました…。
―事前にそのような告知はあったのでしょうか。
いえ、特にありませんでした。最初のビデオ通話は当日、面接をする中で「次は海外支社の人とビデオ通話しましょう」といきなり言われた形です。面食らいました。
しかもその面接で突然、「3時15分の時計の針の間の角度は何度か」と聞かれました。
―英語で突然のビデオ通話で時計の問題ですか。なかなかハラハラしますね。
すぐ答えられず、面接官を回答まで待たせてしまいました。その際の面接官の雰囲気が怖かったので、あの時は選考に落ちたと思いました。
―同様の数学的な質問は他にもあったのでしょうか。
「ルート10万の近似値を求めよ」と聞かれたことがあります。
もちろん、普通に転職動機を聞かれたり、その深堀りをされたり、という面接もありました。
続きへ
いかがでしたでしょうか。
今回は転職を決意した経緯、外資系投資銀行での面接の様子を語ってもらいました。
後編ではその面接を通して何を見られていたのか、面接を受けた外資系投資銀行各社ではどのような社風を感じたのか、話して頂きます。
ぜひご覧ください。