面接を受けていて感じたのは、普段の業務から問題意識をもつことの重要さ―私はこうして欧州系投資銀行へ転職した #02
2018/06/21
#投資銀行に転職しました
#投資銀行の選考対策で大事なこと

こちらは大手日系証券会社から外資系証券会社への転職成功者インタビュー、後編です。

前編はこちら

前編では転職を決意した経緯、内定を獲得した外資系投資銀行(以降、A社)での面接の様子を語ってもらいました。

後編ではその面接を通して何を見られていたのか、面接を受けた外資系証券会社各社ではどのような社風を感じたのか、話して頂きます。

ぜひご覧ください。

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面接では何が見られていたのか

―A社の面接ではどのようなことが重視されていたと思いますか。

熱意、転職動機の真正さの2点だと思います。

また面接官の中には転職動機について具体的に聞く方がいました。「厳しい環境に身を投じたいのはわかるが、なぜリスクをとってまで外資系企業に移ろうと思うのか」ということをとことん追求されました。

私は「自分にないスキルをもつ人が社内に多く、それを学びたい」と回答しました。なぜ外資企業、なぜその会社でなければならないのか、面接ではきちんと答える必要があると思います。

―一方で、「3時15分の時計の針の間の角度は何度か」など数学的な質問もされていますね。

それに関しては面接後にエージェント経由でフィードバックを頂いたのですが、「イレギュラーな質問に対してどう答えを考えるのか、その考えるプロセスを見られていた」と聞いています。考える過程も1つのポイントになるのでしょう。

―A社以外の会社の面接ではどのような点が見られていたのでしょうか。

熱意についてはHSBC証券会社についても当てはまりますね。あとBNPパリバ証券の面談では、「自分の覚悟」が見られていたと強く感じました。

―「覚悟」とはどういうことでしょうか。

募集していたのは金融機関向けの債券セールスだったのですが、収益のイメージが具体的にあるかないか、そのポジションの厳しさに耐えられるかが終始問われていると感じました。

1次面談した方からは「私たちは常時このポジションを募集していて、良い人がいればいつでも採っている。その代わり、採用した人数分の社員が解雇される」と伝えられました。

また「失敗した時の君のキャリアが心配だ」と真剣に言われ、環境の厳しさに関するメッセージはかなり強烈なものでした。

結局、実際にそのセールスやっている前職同期の話を聞くなど情報収集した結果、このポジションは1次面談で辞退することにしました。

選考過程で必ず英語チェックが入る

―選考を受けるにあたって、選考対策はどのようにされていたのでしょうか。

A社を紹介してくれたエージェントからは「熱意とハングリー精神」のみが重要だと伝えられていたので、面接では素直にその点に留意して受け答えしていました。

―細かく質問を想定して対策したわけではないのですね。

そうですね。エージェントから特に「これが聞かれる」的な質問項目の情報提供はありませんでした。

―英語での面接も複数ありました。元々英語が得意だったのでしょうか。

いえ、英語に関してはかなり対策しました。前職での業務を通じて英語の必要性を感じており、以前からオンライン英会話を社費、途中から私費で受け続けていました。

特に外資系企業への転職を考え始めて以降は危機感があり、週5回英会話のレッスンを受けていました。

―仕事を続けながら週5回となると、相当大変だったと思います。

そうですね。しかしそのおかげか、A社の英語面接もクリアできているので、苦労した甲斐はありました。

どの会社でも、選考過程で必ず英語チェックが入っているので、英語対策は非常に重要だと感じました。外資系金融機関の選考を受ける際は、英語にアレルギーがないか一考した方が良いと思います。

「日系を捨てるのは正解か考えるべき」

―選考を受けた各社の社員にはどんな印象を持ちましたか。

HSBC証券会社はしっかりした堅い社風で、手堅くビジネスをしている印象を受けました。恐らく銀行が母体となっているからだと思います。前職の日系証券との垣根はあまり感じませんでした。

対照的に、バリパはアグレッシブな印象を受けましたね。1次面談で「良い人がいればいつでも採る」、「採用した分解雇する」と明言していたので、成果重視のUp or Outの姿勢が徹底した、厳しい環境だと思います。

そうした、難易度が高く厳しい環境では入社後に挫折してしまうかもしれないと思い、2次面談の案内を辞退しました。

―どういった経緯で募集案件が出ているのか、案件の質も企業選びのポイントだったということでしょうか。

そうですね。BNPパリバ証券とは対照的にA社は人不足で募集している背景がありました。そこから入社後の活躍の機会の多さを感じとったのも、転職先をA社にした理由の一つです。

―ありがとうございます。最後に、これから転職活動される方へのアドバイスをお願いします。

面接を受けていて感じたのは、普段の業務から問題意識をもつことの重要さです。想定していない質問が来ても、普段から考えていることでしたら、面接でも引き出しやすいですし、中身もあります。

あと、私は前職を辞める際、上司に「不満があるのか」と聞かれて「ありません」と答えたような人間で、前職の人間関係や待遇に不満があったわけではありません。A社から内定が出た際は、本当に転職するべきなのか非常に悩みました。

結局「専門性を深めたい」という思いから外資系企業への転職を決意しましたが、日系企業を本当に捨てて良いのか、それが本当に正解なのかはとことん考えるべきだと思います。

コラム作成者
Liiga編集部
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