本記事は2018年7月に「外資就活ドットコム」に公開されたものとなっております。
仕事をバリバリしたいけれど、結婚や子育てと両立できるだろうか――。
そんな不安を胸に抱きながら、働いている女性の方は少なくないかもしれません。しかし、アビームコンサルティングの執行役員を務めるコンサルタント・岩井かおりさんは「心配しすぎて、自分の可能性を狭めないでほしい」とアドバイスします。
二人の子どもを育てながら、グローバルな舞台の第一線で働き続けてきた岩井さん。これまで、どんなことを考えながらキャリアを歩んできたのか、できるだけ率直に語ってもらいました。(取材・構成:亀松太郎、撮影:岸田浩和)
留学のため、他の学生よりも出遅れた就職活動
――岩井さんは1992年に上智大学外国語学部を卒業して、最初の会社である食品メーカーに入社したということですが、どんな就活をしたのでしょうか?
岩井:私は他の人と比べて、かなり出遅れたスタートでした。大学3年から1年間、アメリカに留学して、帰国したのは4年生の6月でした。
日本に戻ってきたら、友人はみんな就活を終えていました。慌てて会社回りを始めて苦労しましたが、「グローバル」という軸だけは譲りたくなかった。海外で活躍する機会がある企業を中心に探しました。
――食品メーカーを選んだのは、なぜですか?
岩井:その会社の役員が、女性の活躍を意識していて、且つ、グローバルに展開していきたいという考えを持った方だったので、「この会社だったら面白いことができるかもしれない」と思いました。
――前職の食品メーカーには8年ほど在籍したということですが、どんな仕事だったのでしょう?
岩井:当時は女性は一般職で働く方が多かったですが、私は総合職として海外営業の仕事をしていました。いろんな国へ出張して、海外のエージェントに自社の製品を売り込んでいく。自分が紹介した製品が日本から海外へ出ていき、市場に出回るというのは、とても面白い経験で、刺激的でした。
――女性も男性と同じように働ける会社だったということでしょうか。
岩井:私自身の仕事の内容には満足していましたが、会社全体でみると、少なからず男女の差はありました。たとえば、女性だけが全員制服でしたし、女性だけがお茶くみをする、という習慣も残っていました。