はじめに
コンサルティングファームでは、高い英語力をもっている人が多く入社しています。では業務にあたって、どのような英語が求められているのかということを現役のコンサルタントにお答えいただきました。
自己紹介
現在外資系の戦略コンサルティングファームに勤務しているものです。 基本的にクライアントは日系企業なのですが、海外進出や子会社マネジメントに関連した案件が最近増えてきたため、英語を使う機会もそれに応じて増えてきています。新卒で入ってくる若手コンサルタントも、留学経験者や帰国子女など、英語に堪能な人が多くなってきている印象です。
私自身は留学経験もなく、いわゆる純ジャパの状態で入社しました。コンサルティングファームへの転職を考えている方がいるかと思いますので私なりに求められる英語能力についてお話しさせていただきたいとおもいます。
ビジネスの現場で使われる英語とは?
私の実体験になってしまいますが、実際に業務で英語を使う場面をご紹介します。
まずはWritingについて。 私が勤務する会社はグローバルに数十拠点あるファームだったため、ほとんどすべての社内資料は英語で作成しなくてはなりませんでした。また、クライアントへの提案についても、日本人以外が含まれる会議でプレゼンすることが多かったため、60%ほどは英語で作成します。
海外での新規市場参入戦略などは、日本人のみならずクライアントの海外支社長等にもプレゼンする場合がありました。 「Writingならできるよ!」という方は多いと思いますが、ある程度英語に慣れてくるとWritingの難しさに気づいて愕然とすると思います。
もちろん自分の言いたいことを何となく書いていくレベルであれば難しくはないです。しかし、ネイティブであるクライアントや上司向けにメールや資料を作成する際は、洗練された語彙や表現を使う必要があるのです。
英語はあくまで手段ですが、それなりのレベルで話せるようにならないと1ビジネスマンとして認められないのも事実です。 ビジネスレベルのライティングを身に着けている人は、帰国子女であっても案外少ないのが現状です。
効率よく身に着けたい方は、下記書籍を参考に勉強してみてもいいかと。 ビジネス&留学に使えるMBAの英語表現400 具体的にはこんなかんじのフレーズを多用します。
<詳しく説明してもらえますか> Would you please elaborate it?
<こういう問題については、まずあなたの側でちゃんと調べてほしい> Could you please investigate this kind of issue as much as you can at your side
<来週のステコミ(プロジェクト運営委員会)用の資料を添付して送るので、確認してください> Please kindly find attached document for next Steering Committee.
<今週がプロジェクトの佳境になります。みなさんの絶大なるパフォーマンスを期待していますね> As you all aware, this week is the highlight and climax of our project. I’m relying on your incredible performance for success of this project.
<この分析、完了までにだいたい1時間半欲しいですね> I will take roughly half an hour to complete this analysis.
Readingについては、リサーチとメールで必須となる能力です。 提案書やリサーチレポートをまとめる際に、リサーチソースや文献を漁らなければならない状況は多々あります。そこでダラダラと読んでいたらいつまでたっても仕事は終わりません。 事前にハイレベルな語彙力をつけて引っかかるところをなるべく少なくし、必要な情報のみを拾ってきてアウトプットに変換する作業が必要になります。
また、もちろんプロジェクトによりますが、飛び交うメールの量が膨大になる場合があります。 ToではなくCCではあるものの、めちゃくちゃ重要なメールが配信されていることもありました・・・
英語メールで助かるのは、結論がメールの最初に書かれていることが多いことです。そこで最初の一文を読んでどうでもよかったらスルー、重要そうだったらちゃんと読むというメリハリをつけて処理していかないと、メールチェックしているだけで1時間たっている・・・なんてことになってしまいます。 メールを書く際も、ダラダラ書いてしまうと読み飛ばされる可能性が高いので、なるべく簡潔に書きましょう。下記にいい例&悪い例を載せておきますね。