中途半端な目標は、そもそも挑戦しない方がいい「目指す自分に最短で到達するためのキャリア戦略」我究館共催 #01

date_range 2019/02/07

先日、我究館館長・熊谷智宏氏によるLiigaアカデミア「目指す自分に最短で到達するためのキャリア戦略」講座が開催され、「目標の設定」・「戦略の立案」についてレクチャーを行いました。

本コラムでは以下の構成で、その内容をお伝えします。

前編「目標の設定」 ・キャリアの考えが前に進まない ・目標設定の3要素:Being、Having、Giving ・高尚なことは考えなくていい。自分の身の回りで、誰に共感をするかを考える ・その目標は絶対に実現したいものか

後編「戦略の立案」 ・誰とやりたいのか、誰とやりたくないのか、という拘りがあるはず ・絶対に失敗しない「スモールアクション」を繰り返し、成功体験を増やす ・人生はどんどん面白くなる。止まってしまうのはつまらない

ぜひご覧ください。

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〈Profile〉
熊谷 智宏(くまがい ともひろ)
「我究館」館長であり、『絶対内定』シリーズの著者。
横浜国立大学を卒業後リクルートに入社し、2009年にはジャパンビジネスラボに参画。
「我究館」では、10年間で1000人を超えるビジネスパーソンのキャリア戦略構築支援を行ってきた。
難関企業への就・転職の成功だけなく、MBA留学、医学部編入、起業、資格取得のサポートなど、幅広い領域の支援での実績多数。
また国内外の大学での講演や、教育機関へのカリキュラム提供、企業へのコンサルティング業務、執筆活動も積極的に行っている。

キャリアの考えが前に進まない

はじめまして、我究館館長の熊谷と申します。本日はお忙しい中お越し頂き、ありがとうございます。

皆さまは、日常の中でこんなことを考えていませんか。

「いつかMBA留学したい」 「もっと難易度の高い仕事に挑戦したい」 「心から情熱を傾けられるプロジェクトにコミットしたい」

しかし、目の前のプロジェクトに集中しているあいだに、気づけば1年、2年と経っていることはないでしょうか。実力や実績は積みあがる一方で、自分が心から望むキャリアを走っているとは断言できない。そう感じることはないでしょうか。

週末に転職について考えようとしても、「どこに転職するべきか」、「留学すべきか」、「副業をするべきか」と数ある選択肢を前に選びあぐねてしまう。そうこうするうちに平日になり、仕事に追われてしまう。こうして考えが前に進まない、というご相談を、ご活躍されているビジネスパーソンからよく頂きます。

本日は、こうしたキャリアについての思考を前に進めるフレームワークをお伝えし、皆様に持ち帰っていただければと思います。

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目標設定の3要素:Being、Having、Giving

キャリアを考える際は、そこから5年後にどこに到達したいか(目標の設定)、その地点までどのような経路で到達するか(戦略の立案)の2点が鍵となります。

まずは、「目標設定」についてお話しします。例えば「5年後どんな自分になっていたいか」というように、ご自身が本当に望んでいる目標像を言語化する、ということです。

目標を考える際は、Being、Having、Givingの3つの切り口で考えましょう。Beingとは人格、能力、専門性などのソフト面での特性、Havingは地位、名誉、収入といった手に入れたいもの、Givingとは人や社会へ与えたい影響を指します。

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この3点をすべて考えるのは、「とくにかく成長したい」、「高い年収がほしい」、「社会貢献したい」といったモチベーションが偏った目標ではなく、視野を広げ、バランスのとれたものを考えるためです。

そこで、本講座にお越しいただいている方々には、各自のBeing、Having、Givingを考えて頂く個人ワークを行って頂こうと思います。その際、それぞれについて「あるといいもの」ではなく、「絶対にほしいもの」を考えてみましょう。

「絶対にほしいもの」にこだわるのは、「モチベーション」に大きく関わるためです。心の底から望んでいるわけではないのに、軽い「憧れ」だけでMBA取得などの難題に挑むと、実際の難易度の高さを目の当たりにし、えてして熱意を失いがちです。

その場合、目標に近づくことができないまま数年経ってしまい、納得がいかないもどかしさだけが残ってしまいます。時間や労力を無駄にしてしまうので、その程度のものなら最初から挑まない方がいいでしょう。

そうした「絶対にほしいもの」を考えるには、過去を整理し、分析するのが有効です。「競争と協調のどちらが好きなのか」、「大学受験で失敗して学歴コプレックスがある」、「小中高が名門のためプライドが高い」、「お金に困っていたから高い年収がほしい」等々。

中でも、「過去に何を悔しいと感じたのか」が、本当に欲しいものや自分の価値観を考える際に大きなヒントとなりきます。そこに善悪は一切ないので、ご自身に素直になって考えて頂けたらと思います。

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―個人ワーク①―

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高尚なことは考えなくていい。自分の身の回りで、誰に共感をするかを考える

それでは、次のワークに移りたいと思います。先ほど導出したBeing、Having、Givingを共有し、説明することで、それぞれの目標をより明確にする、というものです。聞く側の方は疑問を感じた点を聞き、目標のあいまいな点を掘り出してください。

―グループワーク①―

参加者:Givingに相当するものが思い浮かばない場合は、どうすればいいでしょうか。

対策は2通り考えられます。1つ目は、他の2つの欲求を先に満たすというものです。そもそもHavingやBeingという自分の欲求が強いために、Givingまで気持ちが向いていない可能性があります。自分の欲求をまずは満たしておくと、Givingが思いつきやすくなる傾向があります。

2つ目は「誰に共感するか」という切り口で考えてみるというものです。Givingが思い浮かばないのは、Givingを何か特別な社会貢献として捉えているからかもしれません。もっと身近に考えれば、思いつきやすくなる可能性があります。

その際は、「頑張っている人に共感する」、「勝負や挑戦をしている人を応援したくなる」といった、自分の特徴をおさえるとよいでしょう。人は自分が共感した人しか応援できないので、「誰に共感するのか」はGivingの対象を考える上で非常に重要です。

私の場合、「人生に迷う人」に非常に共感します。私は親が医者で、息子に医者になってほしいという期待と自分の自由に生きたいという思いの間で非常に悩んだ経験がありました。そのため「人生に迷う人」に強いシンパシーを抱くようになり、そういった方々を支えたいという思いから、今の仕事を選びました。

高尚なことは考えなくていいのです。自分の身の回りで、誰に共感をするかを考える。それでもGivingが見えてこない人は、まずは自分の欲求を満たすことに集中すればいいでしょう。

ただし、Givingという大義名分がある方が、逆境で踏ん張れる方が多いですね。

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その目標は絶対に実現したいものか

さて、ワークで導出したBeing、Having、Givingですが、それが本当に適切なものか、「短期的・一時的な」目標ではないか、確認が必要です。

短期的な視座に立つと、衝動的に転職、退職といった行動をとってしまう方が多いです。ここでいう短期的な視座とは、「給料に不満がある」、「上司と馬が合わない」、「配属部署に不満がある」といったものです。

視野が狭いと「同じ失敗を繰り返す」、または「新しい問題が生じる」可能性が高くなります。例えば、「上司と馬が合わず転職した」場合は、どこの組織でも馬の合わない上司がいることに気が向かず、転職先でも人間関係で問題を抱えることがあります。

また、「給料に不満があって転職した」場合は、給料があがる代わりにプレッシャーや労働時間が増えるという「トレードオフ」に気づかず、本来の理想とは異なる転職になってしまいます。

こういった失敗を防ぐには、「今の~が不満だから」というネガティブな理由で、衝動的に目標を設定するのではなく、時間が経っても「絶対に達成したい」と思える目標を設定する必要があります。

その際、今まで生きてきた環境にフォーカスすることが重要です。自分のバックグラウンドに根差した目標であれば、短期的なものではなく、自分が強く切望しているものであるとわかります。

例えば、「小学校から名門にいて、周りが成功している中、自分だけ取り残されているのがコンプレックスである」、「非常に貧しい生い立ちだったから、高給取りになることに強い思い入れがある」等です。

成功した人の高級住宅を見て、「自分も高給取りになりたい」と一瞬憧れることは誰にでもありますが、その思いが日々持続するかは別です。しかし、上記のような経験があれば、過去に何万回と同じような思いをしてきたということであり、目標達成に対して貪欲になることができます。

こういった本当に望んでいる目標であれば、モチベーションは自ずとついてきます。逆に、「絶対に達成したい」わけではない目標はお勧めしません。特に、周りに流される形で格好良さそうな目標を目指す場合です。

例えば、MBA留学を目指すと、英語など能力面で非常に高いハードルを目の当たりにします。地頭の良さに加えて、強い意志が必要です。しかし、モチベーションが中途半端な人はそれに見合う努力ができず、往々にして挫折します。

挫折経験が増えれば、自信を失ってしまい、他のことにも悪影響が出ます。そんな目標は、そもそも挑戦しない方がいいでしょう。

目標設定にあたり、他に心に留めて頂きたいことが2点あります。まずは期限を設けることです。いつまでに目標を達成するのか、自己実現を終えるのか、具体的な締切を決めてください。期限がなければ、日々を漫然と過ごしてしまい、全力を出し切って取り組むことができません。

2点目は、目標の期限は、Being、Having、Givingの各要素に合わせて柔軟に設計することです。要素毎に、異なる期限を設けて頂いて構いません。Havingを達成しなければGivingも達成できないなど、各要素の達成に順番が生じる場合もあります。

続編では、「戦略の立案」の講義内容についてお伝えしています。

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