事業創出も担うコンサルティング業界のイノベーションファーム「イグニション・ポイント」とは? #01
2019/02/20
#総合コンサルの仕事内容
#ポスト総合コンサルのキャリア

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はじめに

3年連続前年比200%超の売上高を達成しているイグニション・ポイント。

2014年に創業し、現在ではBCG、ATカーニー、Deloitte、Accentureなどのトップファーム出身者を中心に破竹の勢いで急成長を遂げています。イグニション・ポイントが他のコンサルティングファームと異なるのは、新規事業を自ら創る「イノベーション集団」としての顔も持っているということ。

今回は、イグニション・ポイント株式会社の共同創業者であり、現在は同社取締役副社長を勤められている末宗喬文氏にインタビューを行い、イグニション・ポイントの圧倒的成長の理由、求める人材像についてお伺いしました。

前編である今回は、末宗氏がイグニション・ポイントを創業した経緯や当社が持つ「ビジネスコンサルティング」×「イノベーション」の2つの側面についてお伺いしています。

ぜひ、ご覧ください。

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〈Profile〉
末宗喬文(すえむね たかふみ)氏
慶應義塾大学経済学部を卒業後、2007年アクセンチュアに入社。
2012年デロイトトーマツコンサルティング(以下、DTC)に転職。
DTC時代に青柳 和洋氏と出会い、2014年に共同でイグニション・ポイント株式会社を立ち上げ、現在は同社取締役副社長を務める。


アクセンチュアからデロイトトーマツコンサルティングへ転職。現社長との出会いをきっかけに起業を決意

―本日はよろしくお願い致します。末宗さんは新卒でアクセンチュアに入社されています。アクセンチュアに入社された理由を教えて頂けますか?

元々、学生時代から30歳辺りで起業したいという思いがありました。

私の父が自営業を営んでいたことや、学生時代にサークルを立ち上げた経験から、0から組織を作ることの面白さを感じていたことが理由です。特に自分発祥の組織作りを社会に出ても続けたいと思っていたんです。

その想いから、様々な企業のコンサルティングを行いながら、経営の知識を身に着けることができるコンサルティングファームへの就職を検討していました。

その中でも、アクセンチュアに入社した理由は経営を学びながらITに関するビジネスを学べる環境や、優秀な社員の方々に惹かれたからですね。

テクノロジー分野のコンサルティングに強いアクセンチュアで、これからの社会で必須とされるITの知見を得ることは自分の成長に繋がると考えました。

―アクセンチュアではどういった経験を積まれたのでしょうか?

業務改革のコンサルティングや、システム導入構想策定/導入支援をメインに担当していました。

―まさにテクノロジー分野の案件をご担当されたのですね。入社されて約5年後にデロイトトーマツコンサルティング(以下、DTC)に転職されていますが、どのような経緯だったのでしょうか?

アクセンチュアでは、当初の目的通り、IT分野の知見を得る事ができたので、「今度は戦略系の案件を担当してみたい」と感じたことが理由です。

当時からアクセンチュアはIT分野の案件に注力していたこともあり、戦略系の案件に携わることは難しかったので、この想いを叶えることができそうなDTCに転職を決めました。

―DTCでは戦略系の案件を担当することができたのですね。

約1年半、在籍する中で、もちろん戦略系の案件を担当することができましたが、その他にも業務改革やシステム構想の仕事を多く担当することができたので、非常にいい経験だったなと思いますね。

―アクセンチュアとDTCは両社とも世界的に有名なファームで、働き方などの共通点は多いと思います。2社を経験されたからこそわかる、お互いのファームの違いはありますか。

最も大きな違いは「社風」だと思います。コンサルティングの仕事の進め方や働き方で大きな違いはありませんでしたが、アクセンチュアの方が「肉食な社風」でしたね(笑)。

―「肉食な社風」というと?

例えば、自己主張が強かったり、起業意欲が高いなど、よりアグレッシブな方が多く在籍している印象でした。その反面、DTCの方々はどちらかというと、落ち着いていてクレバーに仕事を進めていかれる方が多い印象です。

もちろんどちらが良い・悪いということではありませんが、そういった社風だったな、と感じています。

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「ビジネスコンサル」×「イノベーション」

―末宗さんはコンサルティングファームに入社する前から起業への意欲を持っていらしたと思いますが、いざ起業することになったきっかけは何だったのでしょうか。

きっかけとなったのは、現在同社代表取締役社長である青柳と出会ったことです。

お互い起業志向があり、一緒に面白いことが出来ないかと日々事業プランについて話していました。その中で、アイディアが次第に現実味を帯びてきたので、DTCを退職し、会社を立ち上げることにしたのです。

―最終的に決まった事業プランというのは、、

「コンサル×イノベーション」ファームの構想です。

コンサルティング業界には優秀な人材が多く在籍していますが、あくまでキャリアアップの手段としてコンサルティングファームへ勤める方も多く、そういった方はビジネススキルや知見を身に着けた後、事業会社や他の業界へ転職してしまいます。

要するに、優秀な人材でも、コンサルティング業界やその会社に長く在籍してくれるとは限らないのです。

「優秀な人材が他の会社や業界に転職してしまうのは大きな損失ではないか?」

自分の中に、そんな課題意識がありました。

そこで、当時のコンサルティング業界にはなかったコンサルティングビジネスを考案し、長期的に人材が在籍する企業を創りたいと思い、辿り着いたのが「コンサル×イノベーション」ファームの構想でした。

―「イノベーション」ですか。詳しくお聞きできますか。

ビジネスコンサルティングだけでなく、自社で新規事業の創出まで実行する事業形態です。

従来のコンサルティングファームでは、主にクライアント企業への経営や組織に関するアドバイスを行う事業でしたが、我々はクライアント企業や自社の新規事業の創出等、本来事業会社が担う部分まで、コンサルティングファームが挑戦できるような事業を立ち上げようと思ったのです。

元々、青柳はDTCでコンサルタントとして働く前はITコンサルタントや新規事業の責任者を担当していて自分でサービスを創っていた経験があるので、その当時の経験を活かしながら起業しました。

―自分たちで「新規事業を創る」ということですね。

そうですね。最終的には、「イノベーションファーム」と呼ばれるようになることを目指しています。

自社で新規事業を立ち上げる他、コンサルティング事業においては、ただ単に絵に描いた餅ではなく、実行可能なプランを提供すると共に企画立案をしたり、クライアント企業から弊社グループ会社に出資して頂き、共同で事業立上をするといったことも行っています。

単にアドバイスをするだけではなく、我々自身が当事者としてクライアント企業の事業にもコミットしていく姿勢で仕事をしているのです。

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―アドバイスの実現性にコミットできるのは、クライアント企業から見たらとても頼もしいですね。

まさに「提案の実現性」が他の大手ファームと比較した弊社の強みだと思います。

弊社はクライアント企業の内部に入り込んで事業の提案を行うため、事業環境や内部事情を詳しく把握できているので、実現性に優れたな提案をすることが可能なのです。

また、弊社にはクリエイティブチームがあり、より実行に近い形でご支援が出来ることも1つの要因です。

例えば、クライアントから新しい研究開発拠点を作りたいといった依頼をいただいた時に、戦略構想策定だけでなく、実際に設備のデザイン・運営・研究開発まで支援をしていきます。

このように単に戦略提案に留まらず、実行部分まで弊社がサポートさせていただくことも多いので、必然的に実現性が高い提案をすることができるのです。

その結果としてクライアントからは「提案の実行まで共にするので、より実現性が高い提案ができている」と評価をいただくことも多く、とても嬉しい瞬間ですね。

―実行支援までサポートができるということですね。直近ではどのような案件が多いのでしょうか。

領域だと小売業、サービス業、製造業を中心に、業界限らず幅広く手がけていて、内容は新規事業やデジタルに関するコンサルティングが多い状況です。

―新規事業のコンサルティングですか。

例えば、新規事業の市場リサーチから事業の戦略策定、プランニングを行うといった支援ですね。新規事業を立ち上げる際には、IT技術が必要不可欠ですので、うまく活用しながらコンサルティングを進めていきます。

ただ、新規事業支援の中には、事業戦略だけではなく「そもそもサービス名をどうするか」といったブランディング戦略やホームページサイトの「動画をどう作るか」といった新サービスの細かい点まで0から考えてご支援することもあります。

会社としても、プランを描くところから実行支援まで並走したい思いがあって、細部までこだわりを持ったコンサルティングを心がけています。

―本当に0から立ち上げていくのですね。

もちろん全ての案件でサービス名やサイトの作成から行っているわけではなく、案件ごとに、リサーチ→ブランディング戦略策定で終わるところもあれば、共同出資で合弁会社を設立して、一緒に事業を行なっていく場合もありますので、案件次第で状況は変わると考えていただければと思います。

実行支援をしていく場合はシステム構想から導入支援、オペレーション設計等、実際に事業に入り込みながら進めていきます。

一方、自社のイノベーション事業として、新規事業LEARNie*を立ち上げた時は、グループのシナジー効果を利用して、一緒にサービス名を考えたり、サイトの作成を行いました。

※LEARNie(ラーニー)…音声・映像解析を活用したオンライン×グループレッスンサービスを提供するEdtechサービスを提供しているイグニション・ポイントのグループ子会社。

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若手でも経営者になれる

―ここまでイグニション・ポイントはコンサルティングだけでなく、イノベーションに力を入れているということがよくわかりました。社員が新規事業に実際に携わったり、経営したりするチャンスはあるのでしょうか?

CXOチャレンジ制度という制度があり、法人設立を希望する社員に対して会社側で徹底したサポートを行っています。

これはコンサル出身者のメンバーでも、経営者として活躍できる制度で、実際にこの制度を制定してから、3年半で約8名のコンサルタントが企業の社長や取締役に就任しています。

この制度はに2018年、日本の人事部「HRアワード」*でも表彰され、外部の方々からも評価をいただくことが出来ました。弊社の特徴であるコンサル×イノベーションファームを実現している制度の1つだと思います。

※日本の人事部「HRアワード」…人事・人材開発・労務管理などの分野におけるイノベーターを表彰する、表彰制度。

―事業会社で活躍する機会も十分にあるのですね。どのような経緯で経営者になるのでしょう?

現状、事業会社で経営者として活躍している社員の特徴は2パターンあります。

1つ目は、ビジネスアイディアの考案から経営するところまで本人の意思で挑戦してもらったパターンです。

本人がビジネスアイディアを考えていて、その実現性やアイディアに対する本人の情熱、経営を担うことができる能力等、それぞれを高い水準で満たすことができていれば、実際にそのアイディアを事業化すべく、社長として経営してもらいます。

また、もう1つのパターンとして、弊社が出資して設立した会社が人数規模を拡大してくる段階で経営陣の1人としてその会社に出向してもらうケースがあります。

現状、この2つのパターンのいずれかを通じてCXO制度を利用している社員が多いかもしれません。いずれにせよ、起業や経営に対する情熱がある方であれば、会社としては積極的に支援を行なっていく方針です。

―事業会社に出向して活躍できるとは、珍しい事業形態だと思います。現在は事業会社に務めている社員はどのくらいの割合なのでしょうか?

弊社のグループ会社含めて全体で約100名在籍しているのですが、イグニション・ポイントでコンサルタントとして働いているのは、その内の60名ほど。全社員の40%にあたるその他の40名の方は現在事業会社で活躍しています。

現在でも、事業会社に勤める人材の割合は非常に高い水準だと思いますが、年々増え続けていますね。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

現在、急成長を遂げているイグニション・ポイントの創業時の想いや、「コンサル×イノベーション」の両輪で事業を展開されるユニークな事業形態を理解することができたのではないでしょうか。

後編では、イグニション・ポイントで求めている人材像や、離職率が他ファームと比較して圧倒的に低い理由を語って頂きました。

ぜひ、ご覧ください。

なお、イグニション・ポイントにご興味がある方は、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

コラム作成者
Liiga編集部
Liigaは、「外資就活ドットコム」の姉妹サイトであり、現役プロフェッショナルのキャリア形成を支援するプラットフォームです。 独自の企画取材を通して、プロフェッショナルが必要とする情報をお伝えします。