VC黎明期の今だからこそ、Eight Roadsで働く意味とは?
2019/10/01
#ファンドとは何か

sponsored by Eight Roads Ventures Japan

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全世界にネットワークを持つフィデリティグループの投資部門であるEight Roads Ventures。その日本法人のEight Roads Ventures Japan(以下Eight Roads)は、少数精鋭でテクノロジーやヘルスケアに関連するスタートアップ企業に長期にわたって大規模な投資を行い、着実に業績を伸ばしている。近年は東京オフィスのグループ内のグローバルでの信頼度も増し、今後のさらなる飛躍に期待が集まっている。そこで今回は、同社ヴァイスプレジデントのお二方に、ベンチャーキャピタル(VC)で役立つスキルや同社のカルチャー、魅力などについて話してもらった。

<Profile>
写真右/大内陽介(おおうち・ようすけ)
ヴァイスプレジデント
2010年、東京大学教養学部卒業後、日本経営システムに新卒で入社し、国内企業向けの経営改善プロジェクト(中計策定支援、再生DD等)に従事。2012年、Corporate Value Associatesに入社し、国内外のコングロマリット向けにグローバル事業戦略策定支援、新規事業立案、事業DD等を中心に支援。2014年、UBS証券に入社し、金融機関(銀行、生損保)に対するM&Aアドバイザリー並びに資金調達業務に従事。2016年にEight Roads Ventures Japanに参画後、スタートアップ投資及び支援事業に従事し、特にB2B SaaS及びFintech領域に注力している

同左/鈴木利衣奈(すずき・りいな)
ヴァイスプレジデント
慶應義塾大学医学部を卒業後、内科医として東京都立大塚病院に勤務。在籍中に公認会計士試験に合格し、ボストンコンサルティンググループに入社。同社ヘルスケアプラクティスエリアのコアメンバーとして、東京オフィスおよびシカゴオフィスで国内外の製薬会社や医療機器メーカー、病院などへの幅広いトピックに関する戦略コンサルティングに従事。製薬企業、医療機器メーカー、病院のビジネスディベロップメント、M&A関連の業務に多数関わる。バイオテックやヘルスケア領域のイノベーションに強いアスピレーションを持ち、2018年にEight Roads Ventures Japanへ参画。


考え方や内面を見てくれる社員が多く、協業しやすい環境

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鈴木:当初、ヘッドハンターを通じてEight Roadsに誘われました。しかし当時はまだアメリカでやり残したことがあるという思いと、コンサルティング業にやりがいを感じていたため、残念でしたがお断りさせていただきました。

もともと私は、ヘルスケアのイノベーションを加速させたり、システムを大きく変えたりするようなドラスティックな仕事をしたいという希望がありました。そして、本当のイノベーションを起こすのは、スタートアップなど、迅速に行動できる小さな企業だと、前職の頃から考えていました。

その後、日本に帰国することになり、改めてEight Roadsから声を掛けてもらいました。そこで、よくよく考えてみるとEight Roadsは自分のやりたいことにマッチしている会社だと思い、入社を決めました。

大内さんは、どのような経緯で入社されたのでしょう。

大内:スタートアップに興味を持ったきっかけは、学生時代の友人にスタートアップに誘われたことです。業界について調べるうちに、優秀な方々が大きなリスクをとって世界を変えるべく真剣に取り組んでいることに、大きな魅力を感じるようになりました。

そんな感情から、転職するとしたらスタートアップに関わる仕事に就きたいと考えるようになったのです。スタートアップに対する様々な関わり方がある中で、自分の適性や興味・関心、キャリアパスなどを総合的に考えて、一社のスタートアップで働くよりも、ベンチャーキャピタルで働くことのほうが合っているのではないかと考えはじめました。

さらにVCの中でも、コンサルティングファームや投資銀行で培ってきたいわゆるプロフェッショナルスキルを活かすためには、外資系かつレイターステージ投資に特化したVCのほうがよいだろうと考え、Eight Roadsを志望するようになりました。

Eight Roadsとの面接を通して、個人のスキルや経歴だけではなく、考え方や意欲といった内面の部分をしっかりと見てくれる社員が多いと感じたことは印象的でしたね。そうした同僚が多いことで、社員同士が協業しやすい環境がつくられていることは、実際に入社してからも実感しています。

鈴木:私も、会社を選ぶ時の基準として、誰と働くかということをとても大切にしていました。特に、組織のトップの人が興味を持っていることやその人とどれくらい楽しく会話ができるか、目指す方向性に共感できるかといったことが重要だと思っています。 入社前に代表のデービッド・ミルスタインと何回か話をして、すごくリーダーシップがあって面白い人だと感じました。小所帯の会社なので、トップを含めて全員の距離感が近いということも、魅力の一つではないでしょうか。

困難もある起業家とのコミュニケーション、コンサルの経験を生かして乗り切る

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鈴木:前職までのキャリアで、私自身、最も役立っているのは、直前のコンサルティングファームでの経験だと思います。具体的には、ファクトを整理した上で投資判断を行うための論点設定や仮説検証などでしょうか。

現在の業務では、コミュニケーションスキルもすごく大事ですね。スタートアップの起業家さんは、年齢や経歴など実にさまざま。その人たちと同じ視点でコミュニケーションをして、関心を引くような話をするのは、困難なことが多い。何があっても臨機応変に対応できるのは、前職の部下や取引先の幹部から現場の人まで、さまざまな人とコミュニケーションした経験が、生かされていると感じています。

大内:私もコンサルティングファーム時代の経験は、鈴木さんと同じように生かされています。それに加えて投資銀行時代の経験も大いに役立っています。具体的には、社内コミッティー用のプレゼン資料や事業プロジェクションを正確かつ効率的に作成したり、英語や日本語で社内外と議論や交渉をしたり、ロジスティクスを調整したりするスキルは、Eight Roadsでも非常に生きています。また、ファイナンスに関する基本的な概念や資金調達および上場のプロセスに関する基本的な理解があることも、資本市場と向き合って働く上ではアドバンテージとなっているように思います。

新しくメンバーに加わった人への教育体制は整っていると思いますが、鈴木さんも感じていませんか?

鈴木:そうですね。Eight Roadsは少数精鋭の組織なので、シニアメンバーやミドル層が一対一で密に教えることができます。画一化された教育プログラムではなく、常にシニアと一緒に働けるというのがトレーニングの最大のポイントになると思います。

VCの業務の特性上、流動的なことが多いため、必ずしもマニュアル化できるものばかりではありません。先輩社員が一定期間ごとに持ち回りでメンターを担当するのに加えて、ディールや案件ごとに同じチームのメンバーが指導するなど柔軟に対応しています。他にも、日本だけでなく海外オフィスの社員も1カ所に集めて行われる、グローバルの短期集中トレーニング合宿といったものありますよね。

大内:そうですね。社外セミナーや各種トレーニングなども、合理的な理由があれば会社にサポート受けながら受講することも可能です。

個としての成長のためには、社内外含めて多様な人と関わる仕事なので、その中でまずは自分なりのロールモデルを見つけるのがいいと思います。その上で、ロールモデルの方も参考にしながら、自分の長所を活かすような形でキャピタリストとしての自分なりの型のようなものを形成していくのがよいと思います。Eight Roadsでは紋切り型のキャピタリスト像を社員に押し付けるのではなく、社員各自がそれぞれの長所を活かす形でチームに貢献すればよいという考え方があります。これはEight Roadsの特徴的なカルチャーの一つと言えるでしょう。

フィデリティの資金性とブランド力、グローバルに根付いた共創できる環境が強み

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鈴木:業務は、基本的には私たちがスタートアップを探しに行くことから始まります。何回かお話をさせていただいた結果、確度が高いと判断したときに案件化することになりますね。

その過程で社内である程度は情報が共有されており、案件化するタイミングでチームのメンバーを決定。もちろん自分の興味がある案件であれば手を上げることはできますが、一方でその人が既に別の案件を抱えていて手が回らない場合は、手がすいている別の人が選ばれることもあります。

大内:そうですね。先ほども申し上げたように、Eight Roadsでは各自の得意分野を活かすという思想が根本にあるので、それをできるだけ反映できるようなチーム編成が意識されていますよね。

鈴木:ええ。組織が大きくなると、意に反したアサインメントが多くなりますが、Eight Roadsは社員同士のコミュニケーションがしっかりと図れているので、誰がどんな能力を持っているのかといったことをお互いに把握しています。仕事なので100%とはいえないまでも、各自の力を十分発揮できる体制になっていますよね。

大内:他社では社員同士の競争が激しく案件の取り合いのようなことが起きることもあるという話を耳にしたことがありますが、Eight Roadsではそういうことはまずありませんよね。社員間で、競争ではなく「共創」を目指すために、ファンドとして仕組みや環境を意識的に整備しているので、そうしたカルチャーが社員の間にしっかりと根付いているからでしょうね。

他社との違いという観点でいくつか述べると、一つにはキャピタリストとしての時間の使い方が挙げられます。つまり、Eight Roadsはリミテッド・パートナー(LP)が基本的にはフィデリティグループのみということもあり、ファンドとしての資金調達活動やLPに向けた報告業務は比較的少なく、スタートアップと向き合うことに多くの時間を割くことができています。これは非常に幸運なことであると考えています。

また、別の観点では、社内的には「ペイシェントキャピタル」とよく言っていますが、LPの資金性を背景として、必要であれば比較的長い期間をかけて、深く大きくスタートアップに投資できることも大きな違いの一つだと思っています。フィデューシャリー・デューティーの観点からリターンを犠牲にすることは当然しませんが、例えばファンド期限のように、弊社やLP絡みの事情で投資している資金を引き上げるということは想定していません。基本的には起業家と事業の成長にとって、最適なタイミングと形式で、双方にとってハッピーとなるイグジットを目標としています。

鈴木:フィデリティの資金性というのは、本当に大きな強みの一つでしょう。私が多く手掛けているヘルスケア部門では、長期間で大規模の投資をできることが重要です。特に創薬系のベンチャーでは、最初は売り上げが立たず、ひたすら研究開発(R&D)を続けて、ようやく芽が出るというものが多く、その資金も相当かかるのです。

ファンド期限があったり、長期的なインパクト考えていない投資だったりすると、どこかで必ず行き詰まってしまうはず。それをクリアできるのは、フィデリティの資金をいかせるからこそだと考えています。

大内:資金の長期性に加えて、フィデリティグループというブランドは特徴の一つです。上場時に弊社が株主名簿に記載されていることは、パブリック・マーケットに対する強いシグナルとなるので、上場を意識されている起業家の方からもよく言われます。上場を目指すスタートアップから弊社が注目されるポイントの一つではないでしょうか。

また、先ほど、共創のカルチャーが根付いていると話しましたが、これは東京オフィスのみならずグローバルレベルでも当てはまると考えていて、グローバルなVCファンドの中でもかなり高いレベルでグローバルなチームワークを実現できていると思っています。実際、投資委員会も海外オフィスと一緒に行いますし、海外オフィスと連携して取り組む案件も多くあります。その前提ですが、最近は、東京オフィスで投資の実績を多く積んできていることもあって、東京オフィスの意思決定や自律性が、グローバルレベルでもより尊重されるようになってきているように感じています。

鈴木:チームワークは、大きなテーマの一つですね。全員が同じスペースで仕事をしているので社員同士でコミュニケーションする機会が多く、毎週月曜日はチームミーティングを行って意思の疎通ができていると思います。ベースのスキルセットは全員が持っている前提で、その他の各自の得意分野でお互いに補完し合い、チームとしての力を最大化しようとしていますね。

Eight Roadsは当事者意識と知的好奇心を持って仕事をしたい人にフィットする

大内:日本のVC業界は既に大きな盛り上がりを見せていますが、今後の発展余地を考慮すると、まだまだ黎明期と捉えることもできると考えています。このような、いわば立ち上がりの時期は、多彩なことにチャレンジができる、非常に面白いタイミングだと考えていますので、ぜひ色々な業界の方にVCの世界に飛び込んできていただきたいと考えています。VCの中で言うと、Eight Roadsは、協力的な同僚に囲まれながら、長期的かつグローバルなキャリアを積むことができる環境を提供できると自負しています。ぜひ長期的な目線でキャピタリストとして成長されることを志向される方と、一緒に仕事ができればと考えています。

鈴木:私も同感です。当事者意識を持って多角的に物事を考え、自分発で物事を進めたいという人にEight Roadsは絶対にフィットするはず。知的好奇心や探究心も必要ですが、思い付きだけで実行するスキルがないと仕事は勤まりません。その点でプロフェッショナルファームなどに勤務した経験がある人は、ベースはしっかりと備わっていますよね。日本ではVCに対する理解度が、海外ほど高くはありませんが、VCで活躍できるポテンシャルがある方はたくさんいる。よく知らなったために5~10年後に後悔するのはもったいないと思いますよ。

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コラム作成者
Liiga編集部
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