P&Eディレクションズの代表が語る「顧客に寄り添う」ことの真の意味
2019/10/07
#戦略コンサルの仕事内容
#海外大MBAに行く

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絵に描いただけの戦略コンサルティングではなく、クライアントと伴走しながら、しっかり結果が見えるまでナビゲートするスタイルで高い評価を集めている株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ。目に見える成果にこだわり続ける実力派集団を率いる代表取締役 島田直樹氏に、創業の経緯や強み、組織の魅力について聞いた。

〈Profile〉
島田 直樹(しまだ・なおき)代表取締役
一橋大学商学部卒業。Apple日本法人入社。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院(Sloan School of Management)修了(MBA)。ボストンコンサルティンググループなどを経て、2001年ピー・アンド・イー・ディレクションズを創業。株式会社日本M&Aセンター社外取締役、その他上場企業の社外取締役や立命館大学経営管理学科客員教授などを歴任。エバーグリーン財閥運営ファンドの社外監査役、シンガポールの国際財務コンサルティング会社SCS Global Holdings Pte Ltdの社外取締役などを務める。

資本金300万円、事務所は自宅からのスタート

――まずは創業の経緯からお聞かせいただけますでしょうか。

島田:一橋大学を卒業して、最初にAppleの日本法人に勤めました。カリフォルニア大学バークレー校に交換留学しましたが、優秀な同世代のアメリカ人に歯が立ちませんでした。日本に帰ってくる飛行機の中で、数年以内に絶対に経営学修士(MBA)を取りにアメリカにまた戻ると誓いました。そしてAppleで3年半働き、幸いなことに留学のチャンスを得られ、留学後はボストンコンサルティンググループ(BCG)に入りました。

――留学後にコンサルティング会社を選んだのはなぜでしょうか?

島田:好奇心が旺盛なので、一社で一つのことにじっくり取り組むよりも、色々な業界や会社を見たいと思っていました。Apple時代の上司に、ダイエー、HP(ヒューレットパッカード)、マイクロソフトの社長を歴任して現在、パナソニックの代表取締役をされている樋口泰行さんがいらっしゃいました。樋口さんから当時、「MBAに行くのとコンサルティングの2、3年セットで広義のMBAだぞ」というお話を聞いていたのもコンサルティング会社に進む一つの理由でした。

――BCGから創業されるまでにはどのような経緯があったのでしょうか?

島田:BCGを辞めた当時は、ITバブル、ドットコムバブルでした。アメリカに上場している投資会社が日本法人を作るタイミングで役員、マネージング・ディレクターとして転職したのが2000年。BCGを辞めてその会社に入ったのですが、紆余曲折あって香港の会社に買収され、わずか1年で日本から撤退することになってしまいました。

ところが、捨てる神あれば拾う神ありで、取引があった方々から「島田さん、この後どうするの?もし自分で会社を作るんだったら仕事を出すよ」と二人の方から偶然同じ日におっしゃってくださった。

まだ自信がなかった人間にチャンスを与えてくれるというので、これは、受け皿になる会社を作って「もういいよ、お前!」と言われるまでお手伝いするのが筋ではないかと起業を決断しました。資本金300万円、事務所は自宅、電話番号は携帯電話というところからのスタートでした。

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経営者よりも「常に半歩先駆ける」

――創業当時には、どのような思いを抱いていらっしゃいましたか。

島田:創業時から変わっていないのは「ピー・アンド・イー・ディレクションズ」という社名です。PはPlanning、EはExecutionの頭文字です。計画策定と実行のお手伝いをすることによってお客様の事業の成長に貢献するという思いを込めています。2001年の創業当時は「計画を策定するだけではなく一緒に汗をかいて実行のお手伝いをする」というスタイルがまだ目新しかったんです。

――島田さんはなぜ、そのスタイルにたどり着いたのでしょうか?創業時、コンサルティング業界はどのような状況だったのでしょうか?

島田:コンサルタントが自らの知識を著書などで発信し始めている時期でした。私はお客様に信用されて仕事をもらうには結果を出すしかなかったんですよね。ブランドが確立した会社ではなく、「結果は出すので、1回使ってみてください」という状態でした。

弊社は社長(コンサルタント)一名からスタートしているので、ただ考えるだけでは結果は出ないので、お客様と一緒に考えて、チームを引っ張っていく。つまりお客様と一緒に結果創出に向けて動いていくというモデルしかないだろうなと思ったんです。それが原点ですね。

お客様に「こういうふうにしましょう」と提案し、寄り添い続けました。経営コンサルティングというよりも、事業支援、事業コンサルティングをするところに最初から目を向けていました。

日本のGDPの1%を稼ぎ出すような安定したグローバル大企業に対し、大企業ならではの問題解決をすることも必要なことです。一方、新興市場に上場した会社や、これからもう一段成長していこうとしている老舗企業などと共に汗をかいて、お客様と一緒に事業を作っていくことに取り組みました。

――新しいビジネスの立ち上げや成長途中の会社に寄り添ってビジネスを伸ばしていくことにバリューがあるという感覚があったのでしょうか?

島田:そうですね。2018年まで10年間、日本M&Aセンターの社外取締役をやらせていただいていました。創業をした会長・社長と寄り添って、戦略を一緒に考え、実行の手伝いをしてきました。今でもストラテジックアドバイザーという肩書をもらっています。また、インフォマートでも創業社長にずっと寄り添って、一緒に成長していきました。両社の株式時価総額はそれぞれ数千億円まで増進しました。

――寄り添うためには何が必要なのでしょうか?

島田:「常に半歩先駆ける」ことをどの会社に対しても心がけています。経営者も当然先のことを考えてはいますが、それよりも半歩先を考えるというところを常に意識しています。アドバイスをさせていただく時は、「私が入ってやります。私だったらできます」と、自信を持って提案しています。

これがプランニング&エクゼキューションです。経営者が望んでいる方向を把握しつつ、プランを立てるだけではなくて、エグゼキューションのディレクションも実行していきます。

結果を出すために自信のあることを提案するとなると、机上の空論ではダメです。戦略を考えるのではなく「戦略を進めていくんだったらこういうことをやればいい」ということを動き方も具体的に突き詰めていくことを意識してきました。

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未完の組織だから面白い

――創業者である島田さんの個性や培ってきたものをどのようにして社員に浸透させ、組織化しているのでしょうか?

島田:創業15年目までは「文鎮型」でやってきました。上の人間が一人いて、その下に全員が並んでいるようなイメージです。一人が面倒をみることができるのは30人が限界だと言われている中で、40人ぐらいまでチームやセクションを作らずにやってきました。

私が仕事を取ってきて、プロジェクトチームを作って、推進してきましたが、これでは続かない。そこで、お客様に言うだけではなく、自分たちも中期事業計画を作り、普通の事業会社と同じように部(組)、課(班)を設置し、事業会社に近いモデルを目指しました。

――なぜそのような組織にしたのでしょうか?

島田:航空会社の人材育成にヒントをもらいました。航空会社ではほぼ全員の客室乗務員(CA)が毎回違ったチームで飛行機に乗って顧客にサービスを行っていますが、班という10人強のユニットを持ち、班長が班員の面倒を1年間見るという話を聞きました。これを参考に、班に人を所属させることにしたんです。

――班を作ることによって成長が加速するのでしょうか?必ずしも同じ仕事を班長と班員がやっている訳ではないということですね。

島田:その通りです。組班制は今のところ、コンサルティングをクライアントに提供するためのユニットではなく、人事管理育成上のものです。私も組長や班長としっかりとコミュニケーションを取るようにしています。7月にも組長、班長と北京にオフサイト合宿に行きました。終日話をして、食事も一緒に行って、見聞を共にしてきました。

――組織作りにはご苦労もあったかと思いますが、どういう会社を目指していましたか。

島田:人事面では組班というユニット制、営業面では「親亀・子亀制度」を導入しました。親亀と子亀の親子二人で営業に行き、親亀は子亀に営業の姿を見せています。親亀と子亀で受注したら、子亀がそのお客様をしっかり守るというイメージです。営業に行く場合、私のネットワークも利用してもらっています。

四半期に一度は、会社の全員が集まる会議をやっています。会社の業績共有や進捗確認をし、チームに分かれて議論をします。

創業社長に何か想いがあって会社が始まっている場合も多いと思います。でも、私に最初にあったのは、「ピー・アンド・イー」という名前とお客様だけです。プランや能書きだけを言うのではなくて、エグゼキューション、実行も手伝って、結果としてお客様にリピートしてもらって、口コミで広げてもらうんだと。

要するに、コンサルティングの手法モデルが社名になっているんです。だからP&Eを通じどんな会社になっていくのかは社員皆で考えようよと。

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人が動いて、人に働きかけないと何も生まれない

――今後のビジョンについて教えてください。

島田:「騙されるんじゃないか。いい結果が出ないのではないか」という疑念を持って、コンサルティング会社を使ったことがない企業もまだたくさんあるかと思います。私は日本で生き残るべき会社をきちんと生き残らせることに弊社の存在価値を置いて、社会貢献したいと思っています。お客様と共に成長させていただき、成長企業を一社でも多く作りたい。

もう一つは、成果報酬でお金をもらえるような企業体にしていくこと。これは創業以来のチャレンジです。お客様に提供した価値の数%をいただく、あるいは「これを達成したらお金をいただく」というビジネスモデルに転換していこうとしています。結果が出ても出なくても固定費としてお客様からいただくのではなく、ビジネスで結果を出してお金をいただく形を目指しています。

――求める人物像を教えてください。

島田:人間力がある人がいいですね。将来的に経営者になることや事業会社で成功することを目指してくださっても構いません。もちろん、コンサルタントを極めていただくのもうれしい。

世の中というのは結局、人が動いて、人に働きかけないと何も生まれません。お金を動かすのと人を動かすのは全然違います。お金を動かすのはロジック(理)だけでもいいですが、人を動かすためにはロジックだけではダメで、情と理の両方が必要です。

チームプレーができることも大事です。チームワークを理解して、チームプレーのできる人がいいです。分析をする人、調査をする人、プロジェクト設計して運営する人、お客様をマネージする人に分かれて、それぞれが自分の殻に籠って、蛸壺に入ってやるのではダメです。

むしろそれぞれの仕事をつなぐコミュニケーション能力が大切。「こういう情報を知りませんか?こういう企業にヒアリングに行きたいんですけど何かネットワークありませんか?」といったコミュニケーションは社内で活発です。

「事業会社は違うからコンサルティングかな?でもやっぱりコンサルティングも違う」という人たちが来てくれると面白い。逆に「コンサルティング会社に行ったけど、ネクストキャリアが事業会社でもない」という方も歓迎です。

コンサルティング会社と事業会社の良さと限界の両方を知っていると、当社でできることは多いような気がします。コンサルティング会社でできない部分を、一緒に考えていければと思います。

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コラム作成者
Liiga編集部
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