良い転職エージェントに出会うには、タイプを理解しておけ トップ層向け転職エージェントの見極め方 #01
2016/04/15
#良いエージェントの選び方

はじめに

転職活動をするにあたって、多くの方が「転職エージェント」を利用します。転職エージェントといえど様々な方々がおり、自分にぴったりのエージェントに出会うことが、転職活動のみならずキャリアアップに重要な役割を果たすことがあります。今回は多くのエージェントと接触し、自身の転職を成功させた、Kwellwer氏より寄稿いただきました。

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エージェントには4種類ある。まずは、エージェントの業態を理解せよ。

皆様は転職を思い立った際、どんな行動をとるだろうか。ほとんどの人はまず転職サイトに登録するところから始めると思う。

そして、サイトに登録すると転職エージェントから連絡が来る。企業に直接応募したり、企業から直接リクルーティングされたりする場合を除き、通常ほとんどの人がこれらの転職エージェントを通じて応募可能な企業を知り、面接段階における企業とのコミュニケーションを代行してもらい、入社までの世話をしてもらうことになる。今回はそんな転職エージェントについて、筆者の経験を踏まえて、どのように付き合えば良いかという点について共有したいと思う。

筆者の経歴を簡単に話すと、新卒時に金融機関にてストラクチャードファイナンスに従事したのち、転職活動を行い200万円以上の給与upとともに、希望していたが未経験だったM&Aアドバイザリーに就くことができた。

エージェントの種類

まず一口に転職エージェントと言っても、色々な種類のエージェントが存在する。大まかには、「日系大手」「外資系大手」「個人系」「特化型」と分けられるのではないかと思う。もちろん、もっと細かく分類できるだろうし、これら4カテゴリーが必ずしもMECEになっているわけではないことはご了解いただきたい。

(1)日系大手

「日系大手」は例えばR社、MN社、EJ社など。数多くの会社を取り扱っている反面、レベルの幅が広く、ハイレベル転職の領域はあまり得意でない印象だった。とは言え、幅広い業界の案件を目にすることが出来るので、社会全体を見渡した転職活動を展開するにあたっては、筆者も重宝した。次の行き先や給与水準に強いこだわりがない人、まだ転職しようか決めあぐねている人、どんな求人が世の中にあるのか興味がある人向けと言えよう。

(2)外資系大手

「外資系大手」は例えばRW社、RH社、MP社など。外資系ということもあり、基本的には外資系企業とのパイプが強い。特に人の出入りが激しい外資系大手とは日々やりとりがある印象だ。

日本において知名度のある大手外資系企業への転職に関しては、フロントオフィス以外のポジションも加味すれば、総合的には当該カテゴリーのエージェントが一番強いと言えよう。

良いエージェントかどうかは、その人の担当領域がピンポイントであるかどうかが肝要である。例えば「金融・コンサル担当」などと言うのは広過ぎるので、金融の中でもフロントオフィスであるとか、M&A・PEが専門といったように言っているのはよい例だ。

(3)個人系

「個人系」は、固有名詞は挙げないが、数多存在する。転職サイトに登録した後、毎週のように目新しい名前の会社から何らかの連絡が来ることに驚くはずだ。このカテゴリーには、大手転職エージェントや大手一般企業から独立した人が設立した中規模のものから、文字通り1人でやっているような個人規模のものまで、幅広いタイプのエージェントが混在する。

こうしたエージェントの特徴は、人脈を活かした案件の創出が得意なところだ。大手のようにたくさん案件があるわけではないが、大手からは紹介されないような事業会社の幹部クラスやニッチなポジション等の特殊な案件、あるいは限定的にしか公開されないようなポジションの紹介を受けることが期待できる。

筆者の個人的な感想としては、元々外資系大手企業に勤めていた外国人が独立してやっているエージェントは、他では聞かないような面白い案件を紹介してくれることが多かったので、今でも積極的に情報交換の場を設けている。

(4)特化型

最後に「特化型」だが、特に外資系企業における「金融」「コンサル」「メーカー」「IT」「ヘルスケア」等々の業界に特化して人材紹介ビジネスを展開しているエージェントを指す。特に「金融」と「コンサル」業界については「専門」を謳っているところも多い。

これは、業界に対する高い専門的知見が要求されるからということもあるが、人の出入りが多く、全体として給与水準が高い(つまりエージェントとしての収益性も高い)ことが理由の一つだ。

専門としているが故に、業界全体のトレンドや求められる人材スペックに精通している人が多く、応募用書類(履歴書)の添削から面接対策まで細かい対応が期待できる。初めての転職で且つ行き先がトップクラスの「金融」か「コンサル」と決まっている人に向いていると言える。

以上が、大まかな転職エージェントの種類分けとそれぞれの特徴だ。

いいエージェントはあなたのスペックに合わせて案件を出してくれる

転職者のタイプ別にまとめ直すと以下のようになる。

転職が初めてで、まずは様々な業界を見たい、どんな求人があるのか知りたい、という人は「日系大手」。しかしこのカテゴリーのエージェントは、私の経験上、若い人が多いこともあり、エージェントのレベルにばらつきがあった。

さらに、登録者も選別がされていないので、採用側であるトップティア外資企業も「日系大手」には求人をあまり出さないというのが現実だということは念頭に入れておこう。従って、あまり丸投げでお願いするとミスリーディングされる懸念もあるので、あくまで「全体観」としてどんな選択肢があるのかを見るという目的を忘れないこと、相手の話はあまり鵜呑みしないこと、には気をつけたいところだ。

もしも良いエージェントなら、あなたのスペックに合わせ、例えばどんなエージェントが希望に沿った提案が出来そうかというところまで含めてアドバイスしてくれるだろう。

次に、とにかく外資系に行きたい人は「外資系大手」。前述したように、金融、コンサル以外も取扱いがあるし、例えば金融ひとつとっても、フロント以外のポジションを狙うなら特にこのカテゴリーだ。他のカテゴリーのエージェントには求人が来てないのではないかと思うくらいだった。さらに良いエージェントなら、何故そのポジションが良いのか、論理的に説明してくれることだろう。

一風変わったポジションに行きたい人(北欧や豪州企業など)、あるいは外資系出身者によって立ち上げられた小さな企業などに興味がある場合は、「個人系」がお薦めだ。こうした案件を持ってこられるのは、大手との差別化を図るために、エージェントが個人的なつながり等を生かしているからだ。

筆者もタイミングが合えばそういうポジションに飛び込んでみたいと思っているので、こういう人との繋がりは大事にしている。良いエージェントなら、毎回「どっからそんな案件とってくるのだろう」と思うくらい興味深い案件を紹介してくれる。

具体的に行きたい企業があれば、特化型を選べ

最後に、具体的に行きたいところが決まっている人、例えばマッキンゼーに行きたい、ゴールドマン・サックスのIBDに行きたい、バイアウトファンドに行きたい、あるいは総合商社に行きたい、という人は、「特化型」が良いだろう。個別名は割愛させていただくが、それぞれ得意にしているエージェントが存在する。

特にコンサルの場合はケース面接等、相当特殊な対策をする必要があるため、エージェントから事前に入手できる情報やアドバイスはかなり有益だ。

中には、その会社のレベルに達していないと判断され推薦してもらえないということもあるくらいで、彼らはそうやって採用側の信頼を得ることにより、優先的に求人の話を得たり、時にはそのエージェント限定での求人が来たりすることすらある。

つまり、良いエージェントというのは、高い目線を持ち、応募者に厳しくも的確に対応でき、多数の内定実績を持っているところと言えよう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。転職エージェントといってもいろいろな種類があることがおわかりいただけたのではないでしょうか。次回は、転職時、そして転職後のエージェントとの付き合い方についてお話しいたします。

後編はこちら

コラム作成者
Liiga編集部
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