「総合商社で40歳年収1500万以上より、死ぬ瞬間に後悔しない道を選んだ」ー私が商社を捨て、メガベンチャーを選んだ理由
2020/09/20
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人気企業ランキングでも常連の総合商社。転職での入社を狙う方も少なくないと思います。一方で、近年では総合商社から若いうちに他業界へ転職した元商社マンも増えています。

そこで今回は、新卒3年目に総合商社からIT系メガベンチャーへ転職した、現在社会人4年目の田中さん(仮名)に、「総合商社からメガベンチャーへの転職体験談」「総合商社とメガベンチャーの比較」についてお話を伺いました。田中さんは「次の次のキャリアから逆算して、社会からの需要があり、かつ自分に最も合ったキャリアは、“IT系企画職”だった」と語りました。その理由とは。



【目次】
・望んだキャリアへの挑戦ができるのは40歳から, 高すぎるリスク
・海外駐在の道を断ち、需要が高まる「IT系企画職」へ
・心から楽しいと思え、キャリアの幅も広がり、給料も上がると思った
・商社の強みは「失敗経験値」。経験者が語る商社・メガベンチャーの長所と短所
・過去ではなく、未来から逆算してキャリアを考えなければいけない

望んだキャリアへの挑戦ができるのは40歳から。高すぎるリスク

ーー田中さんの経歴について教えていただけますか。

田中:私は新卒で総合商社に就職し、約2年間働いた後、IT系メガベンチャーへ転職しました。現在はあるtoCサービスのプロダクトマネージャーとして、新規プロダクトの企画、既存プロダクトの改善プラン作成、システムの要件定義、プロダクトの戦略立案等々を担当しています。

ーー総合商社では、どんな業務を担当されていたのですか。

田中:食品のトレーディングに従事していました。ビジネスの基本である商売の一連の流れを見るだけでなく、商売における様々なリスクをどのように管理するのか学ぶことができ、非常に勉強になりました。

食品のトレーディングビジネスには2種類のパターンがあります。生産地から原料を日本に直接輸入するパターンと、原料を海外の加工工場に運び、加工してから日本に運ぶパターンの2つです。

私自身若手で何も知らないことだらけなので、事業投資先で働かれている現場経験の長い諸先輩から、一つ一つわからないことを教えていただきながら、買い付け業務、輸入業務、在庫リスク管理、海外の取引先との各種交渉等々、担当する商材の調達・加工・販売に跨る様々な業務を経験しました。

ーー新卒時の就職活動では、総合商社が第一志望だったのですか。

田中:実は、第一志望“群”でした。

当時は様々な企業を受けた結果、「自分はアドバイザーではなく事業主体としてお客様に直接働きかけたい」「お客さんが喜んでいる姿を自分で見たい」という思いを持つようになりました。その為、当時は外資系メーカーのマーケティング職やリクルートなどが第一志望でした。ただ、そうした企業とはご縁がなく、最終的には総合商社2社から内定を頂戴し、社員の方の雰囲気などが合った方の商社に入社しました。

総合商社を選んだ理由は2つあります。まずはマーケティング職とは規模感は異なりますが、「様々な人を巻き込みながら事業を作る」という点では通じるものがあるということです。加えて、どこまでも謙虚な先輩が商社で活躍されているのを見て自分もそのような人と共に働きたいという思いがありました。また、キャリア設計の観点からみても、総合商社出身からは様々な業界で活躍されている方も多く、転職活動という意味でも幅がきくのではないかという思いもありました。

ーー総合商社からITベンチャーへ転職することに決めた経緯を教えていただけますか。

田中:様々な情報を集めた結果、「自分の生き方・価値観を貫いて生きたいのであれば、この会社を出た方がよい」と確信したからです。2年目の終わりぐらいの出来事でした。もちろん、仕事自体は徐々に面白さを感じつつありましたし、何より上司を初めとして本当に全員が優秀な方ばかりでした。だからこそ、そんな環境から出る決断は本当に難しいものでした。

ーー確信できた理由について詳しく教えていただけますか。

田中:自分自身のモットーとして、「あの時これに挑戦していれば」と思う人生よりも、「やりたいことはすべてやった、もう後悔はないな」と思って死にたいという気持ちがありました。 そうした際に、自分が本当にやりたい事をこの会社で成せるのか、それ自体が自分自身にとっては非常に重要でした。私自身は、「自ら考え、プロダクトやサービスを作り出して、お客様にそれを届ける仕事に携わりたい」と考えていました。商社でそのような仕事に携わるには、1)今後増えるであろう企画職のポストにつく、か、2)商品開発系の部署に行くか、その2通りの可能性がありました。そして、それぞれの可能性について、検証してみることにしました。その結果、転職した方がよいという結論になったのです。

――具体的には、どのように検証されたのでしょうか。

田中:それぞれの部署の方にお話を伺い、考えを整理していきました。

まず前者の可能性を検証すべく、そのような企画職が生まれやすい消費財向け産業を担当されている上長の話を聞くと、以下のような内容を述べられていました。「我が社はToC向けのサービス会社とは競合しない。なぜなら、彼らはマズローの五大欲求でいう上位の欲求を扱う一方で、我が社は最下層の欲求、つまり必需品を扱っているからだ」と。

これを聞いて、中長期的なビジョンを考える上長がそのように述べるのであれば、商社はコモディティ、つまり何かしらの付加価値をつけるのが難しいビジネスが引き続き会社の主軸になると思いました。そして、それならば自らの行いたい「付加価値を自ら考え企画するような仕事」は、この会社では増えない可能性が高いと直感しました。まあそもそも商社はトレーディング会社なので、当然なのですが。就活時代の勉強不足でしたね(笑)。

ーーそして、商品開発系の部署の方にも、直接聞いたのですね。

田中:そうです。後者の商品開発系の部署に行く可能性を検証すべく、希望する部署で働いていた先輩に話を聞くと、次のようなことを教えていただきました。

「そもそも、そのようなチャンスを得るまでは非常に時間がかかる(通常指定された部署に移り変わるのは5年かかると言われていました)。加えて、必ずしも5年以上経った先に商品開発の職種に携われるとも限らない。さらに40歳ぐらいになりようやくチャンスを得たとしても、当然のことながら既に商品開発その道何十年という方がいて、その方々と対等に議論してオーナーシップを持って物事を進めるには、さらに相応の時間が必要だ。」

つまり、自らが得たい挑戦をできるかどうかは5年以上経過しないとわからず、仮に5年経ったとしても必ずしもその経験を得られるとは限らない、ということです。

もちろん、その道のスペシャリストの方に対しては、畏敬の念しかありません。しかし、果たしてこのままそのような機会を40歳ぐらいになるまで待つことは、本当に自分にとって最適といえる選択なのだろうか。自分はこのまま待って仮にやりたいことができなかったら、死ぬ瞬間に後悔するのではないか。そう考えるうちに、「一度きりの人生なのだから悔いのない時間の使い方を自分はしよう」と考え、外に出ることに決めました。

海外駐在の道を断ち、需要が高まる「IT系企画職」へ

ーー転職活動はどのように開始されたのですか。

田中:本格的に開始せざるを得なくなったのは、実はちょうどその時期に、急に「海外に2-3年駐在してくれ」という話が出てきたのがきっかけです。もし海外に行ったら、転職は3年ぐらい先になります。だから次の会社が決まっていないのに、「すみません、私会社を辞めるので行けません」と転職意向を上司に伝えざるをえなくなりました。不本意ですが、いずれ話さなくてはいけないので、仕方なく伝えました。とはいえ、海外駐在という期待に対し辞職を伝えたのは、前代未聞だったと思います。期待されていたのにもかかわらず、色々と周りにはご迷惑をお掛けしてしまったと申し訳ない気持ちでしたね。いずれにせよ、会社に対して出ると言ってしまった以上、動かざるを得なくなったという形かと思います。

ーー海外駐在はいいオファーではなかったのですか。

田中:確かに、若手で海外に行かせてもらえるのは、とても貴重な経験だとは思います。しかし、もしトレーディングを行うために海外駐在に行って3年以上経てば、世間的には私のキャリアはトレーディングに精通している人という形になります。もちろん、それも素敵な道だとは思いますが、自らの興味関心のある分野の企画系業務を行いたい自分には合わないと感じてしまったのです。海外行くこと自体を否定するわけではなく、あくまで自分の選ぶ道と違っていたということです。

例えるなら、サッカー好き、バイオリンが嫌いな自分がいたとして、ブラジルにサッカーをしに行くのであれば喜んで行きますが、バイオリンでブラジルに行くのは正直厳しいと感じてしまったーーというような話です。

ーー転職先の候補はどのように絞り込みましたか。

田中:まず、転職エージェントさんに10人程会いました。その上で、気になる業界の先輩方計10人くらいにお話を伺い、転職先の候補をひとつひとつ潰しましたね。さらに、「今の会社から直接はいけないけども、行ってみたい会社・職種の募集要項、年収」を全部見て、すなわち「次の次のキャリア」を概ね決めた上で、「どんな経験をすると将来どれぐらいの年収になりそうなのか」を把握しました。

その結果、「次の次のキャリア」を実現する上では、「IT系企画職」の経験を得ることが有用であるということがわかりました。方向性を決めた後は、IT系企画職の経験を積める企業はどこか探して、現職を含む3社に候補を絞って受験した形です。

ーーなぜメーカーの企画職ではなく、IT系企画職に絞ったのですか。

田中:メーカーのカジュアル面接や、先ほどお話しした各企業の募集要項を確認した結果、「今、メーカーの企画職にいくよりも、IT企業の企画職の方が市場価値の高い可能性がある」と判断したからです。

最近、実は外資マーケターでIT系企業に転職している人が多いのです。 その理由はなぜか、あるメガベンチャーのカジュアル面談で聞きました。するとその面談相手はこう答えました。

「実際にIT系企業に入社された元外資メーカーの人に聞いたことがあるのですが、彼によると、『今までは小売店のどこの棚に商品を置き、どんなPOPで宣伝するか、を考える経験が重要だった。でも、今はオンラインで物が売れる時代。そういった経験は必須ではなくなったからです。』と言っていましたよ。」

この言葉に私はすごく納得がいきまして、「今からメーカーに行くよりも、そこにいた彼らがこれから得ようとしている経験を取りに行きたい」と感じました。

また、様々な外資系FMCG(Fast Moving Consumer Goods:日用消費財)メーカーのマーケティング職の募集要項を見たところ、普通は同業のマーケティング職経験者しか募集しないのですが、加えて「IT関連業務経験者」と提示している企業が現在かなりあったのです。

つまり外資系FMCGメーカーもITに精通している人が欲しい。だから、ITプラットフォーマーのマーケティング経験は価値が高いと思ったのです。上記のような理由から、IT系企画職に転職先を絞りました。

心から楽しいと思え、キャリアの幅も広がり、給料も上がると思った

ーー現在のメガベンチャーでは、どのような業務を担当されていますか。

田中:現在はITサービスのプロダクトマネージャーの仕事をしています。

このサービスには大きく2つのシステムがあります。クライアント側が情報を掲載するためのシステムと、ユーザーがITサービスを利用するためのアプリ/webシステムです。私の担当は、後者のユーザー向けのシステムです。どんなユーザーに向けてどういった機能を作るのか。プロダクトのコンセプトを作り、要件定義をし、システムの概念図に落としてエンジニアさんに発注する。そして、画面デザインをデザイナーさんに発注し、作っていくという仕事です。

仕事は本当に面白いですね。元々興味があった分野なので、どんどん知識やノウハウを吸収できます。好きこそものの上手なれと言いますが、本当にその通りだと実感しています。

ーー未経験でも、メガベンチャーのプロダクトマネージャー職の選考を突破できた秘訣はありますか。

田中:面接官から伺った話では、プロダクトマネージャー職の選考では、「いかに課題意識を持ち、自ら仮説を立て、実行に移したか? そしてその課題がどれだけ難しいかを明確に話せていたかどうか?」を面接官は見ています。

この選考基準に対し、私は前職で食品のトレーディング業務をする中で、実は自ら上司に提案してマーケティングのような仕事もしてはいたんです。その経験談が評価されたのだと思います。

どのような仕事をしたかというと、当時、「私たちが取引していた食品の商品価値が、消費者にしっかり伝わっていないのでは」という課題の仮説がありました。この仮説に対して、ユーザーインタビューを自分で設計し、500人ほどにアンケートを取って検証したのです。そのアンケートの結果を基に、商品の価値がしっかり伝わるように販促物のデザインを変更しました。数十年ほど契約を続けていた印刷会社を切り替える決断を伴いました。

ーー転職に際して、待遇の変化は気になりませんでしたか。

田中:転職先でも年収は同額でしたし、少し気になる程度でそこまで怖さはありませんでした。なぜなら、そもそも自分がこれから獲得しようと思っている経験を持っている人は市場にまだまだ少ないので、市場価値があるからです。常に転職先のその次に就く仕事の年収と求められる経験を見て動いています。

実際、私は社会人4年目の今、スタートアップを含む様々な会社から年収800~1500万円の間でオファーをいただいています。だから、概ねその仮説は間違ってはいないかと思います。

それに、総合商社に3年以上いてしまうと、年収が毎年どんどん上がって、余計に転職しづらくなるんですよね。30歳になる前に年収1000万円を超え、40歳になると年収1500万円以上も見えてきてしまいます。だから、転職するとしたら本当にすぐしないといけないと思っていたのです。もちろん業界、職種を超えない転職であれば、遅くても大丈夫かと問題ないと思いますが、自分の場合はその双方が異なるケースだったので。より一層早く出る必要がありました。

スポーツで例えるなら、ずっとプロバスケの道を歩んできた大人が、いきなりバレーボールの道に行こうと思えば、市場価値は下がりますよね。ただ、まだ若いうちであれば、例えば高校生であれば、バスケからバレーボールへ転向できる。そういう話かと思います。

商社の強みは「失敗経験値」。経験者が語る商社・メガベンチャーの長所と短所

ーー総合商社の長所は、どこでしょうか。

田中総合商社の一番素敵なところは、まずはやっぱり「人」だと思います。本当に皆さん優秀でかつ謙虚な人ばかりで、商社を出ても本当に同期、先輩、後輩からは学ぶことが多いです。会うたびに刺激を受けますね。自分も負けられないといつも思わされます。

もう一つの良い点は、これまでの諸先輩方が築かれてできあがっている「リスク管理規定」です。総合商社は、何十年にも渡り、海外において売買する中で「膨大な量の失敗」を経験しています。国内では確実に大丈夫であることが、海外においては不確実なことが多々あるわけです。そうした「通常ではありえないリスク」を明確にリスク管理規定でリスト化し、リスクヘッジしている。このリスク管理能力こそが、彼らにとっての宝物であり強みだと思います。

ーー短所はどこでしょうか。

田中:このリスク管理に関する良さが逆に短所でもあります。これからの時代、競合よりもどれだけ早く先に事業を始めて、市場を先に占有するかが重要になっていますから、新規事業に蓋然性を求めすぎることは本当に意味があるのか疑問です。リスク管理規定に基づけば、総合商社は一般的には、誰かがすでにやったことのある事業でないと動けない傾向にあります。このスピード感では、ソフトウェアが全てを飲み込むと言われている時代に立ち向かえるでしょうか? 例として、検索機能で2番手の会社を使うでしょうか?どこも皆Googleを使いますよね? Winner takes all。僕らはそのような時代に生きているにもかかわらず、本当に誰かが動いた後で動く戦略で良いのでしょうか? 

もしくは、IT産業に関しては本当に必要な分野に絞るという戦略を取り、元々強い資源や重工産業にフォーカスするというのも有りとは思います。ITサービス産業のみで育ってきた人に発電所を任せるのも根本的にないと思いますし、それこそ大きなリスクをどのように管理するのか、商社のリスク管理能力が必要とされているのであればそこに注力すべきかと思います。

ーーメガベンチャーの良いところは、どこでしょうか。

田中何事も常に動きが早いところです。仮説段階でも、GOサインをどんどん出していくところは、すごく良いところだなと思います。

ーー悪いところはどこでしょうか。

田中:まずは、スピードを優先して全体感をもたず動いてしまい、まれに結果として全体最適にならず部分最適になってしまうこと。他には、コミュニケーションコストがかかること、でしょうか。ベンチャーのまま大きくなったところがあるので、承認プロセスがはっきりしていない状況です。

過去ではなく、未来から逆算してキャリアを考えなければいけない

ーー最後に、これから転職を考えている人にアドバイスがあればお願いします。

田中「過去に基づいて選択をするのではなく、未来に基づいて今の意識・キャリアを考えていく必要がある」という事を伝えたいですね。

未来から逆算すれば、1つの企業にて最後まで働き続けるというのは、人生100年時代という言葉から考えても、企業寿命が短くなってきている事実から見ても、あまり現実的ではないと思います。ということはマーケットの需給バランスを考えて必要とされる経験か考えた上で、一人一人が自らが欲しい経験を取りにいく必要があると考えています。そのような考えに至るには、日頃から様々な企業が出している将来予測レポートを読み、仮説を立て、人の話を聞いて検証しに行くことが重要なのですが、そのようなスタイルがまだまだ浸透していないように感じています。

ーー具体的に、どういった情報から仮説を立てていたのでしょうか。

田中:例えば、マクロ環境を知るのであれば、みずほフィナンシャルグループの『2050年のニッポン』『内外経済・日本産業の 中期見通し』や、野村総合研究所の『ITナビゲーター2019年版』』に掲載されている産業の成長スピード予測や市場予測を見れば、どの業界がどの程度成長・衰退するか、一目瞭然です。もしくはアメリカの動向、例えばa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)の出資先ポートフォリオを見れば、いずれ日本に来るトレンドを読むことができます。

自分の経験と市場価値を判別したいのであれば、転職サイトにて半年に1回程度職務経歴書をアップデートするという手があります。そうすれば、おのずとその経験に「どの企業からどの年収でオファーが来るのか」「今の自分にどのくらいの市場価値があるのか」を把握する事ができます。

また、最近は「スタートアップに行きたいがどうやって選べば良いのかわからない」という声もありますが、どのVCがお金を出しているのか?どのようなフェーズなのか?市場はあるのか?戦略は正しいか?組織、文化も素晴らしいか?等を丁寧に見れば、良し悪しが多少はわかるはずです。もしわからないのなら、実際にどんどん会いに行って、話を聞きに行くことが最初のステップかと思います。

ーー転職活動の方法論以外にも、意識すべきことはあるでしょうか。

田中:大切なのは「どれだけ自分の中で熟考して、自分にあったキャリア選択ができるか」という事だと思います。闇雲に転職することが良いとは全く思っていません。現職も含めて、必要な選択肢を可能な限り並べてみて、それで選んだのが、社内なのか、社外なのか、それはどちらでも良いと思います。

もし悩んでいたとしたら、外に出るつもりがなくても、上記に書いたような事を行ってみると良いと思います。色々見たけど、やっぱり現職でしか得られない経験があると思えば、もっと現職にのめりこめるでしょうし、もしそうでなければ素直に出る決断を行えばよいかと思います。

また、キャリアとは、周りの人のものではなく、自分自身のものです。自分にあったキャリアは自分にしかわかりません。色々な情報を集めていく中で、なぜその会社にワクワクするのか、しないのか、一つ一つ言語化していく事が、自分の進みたい方向を見極める近道だと思います。一度きりしかない人生、時間は巻き戻せません。限りある時間を何に使うのか真剣に向き合え続ければ、自ずと心からワクワクする仕事に出会えるのでないでしょうか。

こうした流れが加速し、誰もが自らの望む道を歩む事で、社会全体で人的資源の最適化がもっともっと進んでいったら嬉しいなと心から思います。

コラム作成者
Liiga編集部
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