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様々な専門性を持つ人材を抱え、戦略策定からアウトソーシングまでの一気通貫対応を強みとするアクセンチュア。戦略コンサルティング本部は、顧客である企業や公的機関と共に未来を描き、形にする少数精鋭部隊だという。従来のコンサルティングは、過去の成功事例をベースにした「確実性」に立脚していた。それに対し、ビジネスを取り巻く環境が急速に変化し未来が不確実になっている今、過去の延長線上で未来を描くことは難しい。そんな中、未来からの逆算により顧客の目指す姿を紡ぎ出すのが、同部門のミッションだ。従来のコンサルティングのやり方のみでは難しいため、ポテンシャル次第では、むしろ事業会社出身者に活躍のチャンスがあるという。
戦略コンサルティング本部が体現する「未来から逆算する」コンサルとはどのようなもので、そこに事業会社での経験はどう生きるのか。コンサル未経験でもスキルアップ、キャリアアップが可能なのはなぜなのか。事業会社から第二新卒として転職したマネジャーの袁泉氏と、同部門シニア・マネジャーで採用・教育も担う松田祐氏に聞いた。
※ビジネスデューデリジェンス:M&A対象会社の経営実態を把握し、事業の将来性を見極めること
顧客と共に「変革のDNAを醸成する」―。ただのコンサルではない戦略コンサルティング本部の真価
――戦略コンサルティング本部が標榜する「未来から逆算する」コンサルとはどのようなものですか。
松田:我々のミッションは、お客様の非連続的な成長を実現し、企業価値を飛躍的に高めること。そのための戦略を作るのが戦略コンサルティング本部の役割です。既存事業の見直しなのか、新規事業の立ち上げなのか、やり方は様々ですが、いずれにせよ「変革」を起こし、大きな成長を実現できなくてはなりません。
従来型のコンサルティングのように、過去の積み上げを整理してターゲットを設定し直すといった手法では、こうした変革を起こすのは難しい。もちろん我々だって過去を参照しますし、現在のアセットも見るのですが、同時に今後世の中がどう変わっていくのかを予測し、仮説を立て、それを検証することが重要になります。
未来のことなので必ずしも「これが正解だ」とは言えないのですが、考えうる未来から逆算して戦略を立てることが求められているのです。
袁:お客様の中にも戦略部門はありますが、企業内、業界内の限られた視点だと大きな成長は困難です。その点、戦略コンサルティング本部には各業界特有の知識を持つ専門家に加え、会計、マーケティングなど、業務領域に精通した専門家が多数在籍しています。例えば私は金融業界の専門家であり、松田さんはM&A領域の専門家、といった形です。
こうした多様な人材が持つ幅広い知見と、外部の専門家集団ならではの視点から、お客様が「本当にやるべきこと」を見極め、それを実行する力を提供するところに私たちの存在価値があると考えています。
――具体的にはどのような形でプロジェクトが立ち上がり、どう進めていくのでしょうか。
袁:ケースバイケースですが、まず私たちなりにその業界の課題を整理し、仮説を作った上で、それをもとにお客様とディスカッションを重ねる。そこから案件化するケースが多いですね。
コンサルというと、お客様から提示された課題を解決するイメージがあるかもしれませんが、実際にはお客様自身も課題の本質がはっきり見えていないことが多々あります。案件化する前にディスカッションを重ねることには、仮説の精度を高める意味もありますが、同時にお客様自身にも強い問題意識をお持ちいただく意味があります。
松田:例えば、プロジェクトがスタートし、業界軸の専門家が問題を掘り下げていくと、その過程で様々な個別の課題にぶつかることになります。その度に私のような業務領域軸の専門家が必要に応じて参画し、両者が協働しながらプロジェクトを進めていきます。
――プロジェクトを成功に導く上で大切になるポイントは。
松田:お客様にいかに“自分ごと化”してもらえるかではないでしょうか。我々がいかに目指すべき事業モデルを作り実証実験まで行ったとしても、そこから実際に利益を生み出すのはお客様自身だからです。加えて大企業の場合は、理想を現実にする上で突破すべき様々な社内の壁があります。こうした壁にぶつかり戦略が“絵に描いた餅”で終わってしまっては、我々の仕事は意味を持ちません。
我々に声をかけてくださった以上、お客様自身の中にも「このままではだめだ」「新しいものが、変革が必要だ」といった想いがあるはずです。しかし多くの場合、想いだけで具体的な成果につなげることは難しいですし、膨大な日常の業務に加えて変革まで行うのは知見の面でもまた工数の面でも負荷が大きくなります。
ですから、我々がやるべきことは、まずはそういう強い想いを持つ方を見つけること。その上で、その方が抱えている悩みが何なのか、課題の本質をはっきりさせること。そして、どうすれば解決できるかを一緒になって考えること。
我々はこれを「変革のDNAを共に醸成する」と表現しています。
袁:戦略コンサルは「人を巻き込むのが大事」とも言われます。私自身まだキャリアは浅いですが、お客様に対して「させていただく」のではなく、巻き込んで「一緒にやる」ことを日ごろから強く心掛けています。どんなにロジカルに仮説を立てても、正論を振りかざしただけでは人は動きません。例えばワークショップなどの手法を使うことで、戦略を作るプロセス自体をお客様と共有するようにしています。
また、理想を形にする力という意味では、アクセンチュアには戦略コンサルティング本部以外にも様々な機能を担う部門があり、ワンストップでお客様を支援できる強みがあります。今私が手がけている金融業界の新規事業についても、我々が手掛けた戦略を実現するために必要となるサービス体験の設計、業務・システムの組成、クライアント社内の組織・人材・運営のマネジメント、更にはユーザーインターフェースのデザインなどにも、全てアクセンチュアの他部門の専門家が携わっています。
「自分主導で大企業を変える」ため戦略コンサルに転職。新卒組に圧倒された日々を乗り越えて
――袁さんは元々大手金融機関にお勤めだったとか。なぜ戦略コンサルへの転職を考えたのですか。
袁:FinTechの台頭や低金利などにより金融業界の既存ビジネスは厳しい局面に立たされていて、まさに今「変革」が求められています。3年という短い在籍期間でしたが、私自身も日々働く中で「どうにかしてこの状況を変えたい」という思いが募っていきました。
けれども、自社の中から変えるのは難しい部分もあります。また、年功序列が残る中で、新卒3年目の私にできることは限られていました。
また、これは多くの伝統的な企業の文化で共通していると思いますが、若手の多くは、主に先輩のサポート役になり、勉強しながら基礎を磨く期間を経験することになります。もちろんそれで身につくものも沢山あるのですが、2、3年と続くと「自分が主担当でやりたい」という気持ちも芽生えてきます。その点、アクセンチュアでは若手を短期間で「即戦力」に育てて、前に立たせる文化があるので、自分にとって転職は自身の成長スピードをぐんと引き上げる良いきっかけになりました。
――前職での3年間が生きていると感じることはありますか。
袁:先ほど「人を巻き込む仕事」と言いましたが、その意味では、金融業界特有の考え方や文化が分かるのはアドバンテージです。例えば「いきなりこういう話をしても響かないだろう」といった勘所が分かりますし。また、「変革」のためにはそもそも現状のビジネスがどうなっているかを知らなければならないわけですが、その点でも過去の経験が生きていると感じます。
――逆に、非コンサルからの転職で苦労したことはありましたか。
袁:新卒からコンサルをやっている人はコンサル的な思考の訓練を積んでいます。私はそうした訓練を新卒入社時から積んでいない分、同僚とディスカッションをしていても「なぜ自分はそういう思考にならないのか」「なぜこういう仮説を立てられないのか」と思わされる場面が多々ありました。それに、アウトプットの質が違うんです。松田さんであれば30分で作る資料に私は2時間かかる。そういう辛さはありました。
それがいくらかでも楽になったのは、先輩からのアドバイスもあって、必ずしもフレームワークでガチガチに固めた型通りのコンサルになる必要はないと気づけたからです。
例えば私であれば「金融の知識があるからそれを武器にしよう」とか、テクノロジーに興味があって詳しい人ならそれを特徴として際立たせるとか、成長への道筋は星の数ほどあります。1つの型に無理に自分をはめようとせず、自分は「こういうコンサルになるんだ」という道を見つけられてから、自信をもって前進できるようになりました。
そうすると時間の使い方も変わります。私の場合は、完璧な資料を目指すよりは、人とのコミュニケーションを通して進めるほうが好きだし得意なので、そちらに時間を割くようにしています。「ディスカッションを重ねることで周りを巻き込んでいく」という、自分なりのスタイルができてきました。
未経験者に求められるのは専門性を磨くこと。豊富なトレーニングを有効活用せよ
――組織としても、ゼネラリスト的になるよりもそれぞれの専門性を磨くことを奨励しているのでしょうか。
松田:そうですね。例えば私が専門とするM&Aにおいても、その中にまた様々なスペシャリティがあります。その全てを一様にできないと昇進できないかと言えば、そうではありません。強みとするケイパビリティを軸にキャリアを築いていく道があります。もちろんコンサルタントとしての最低限のラインは求めますが、その条件をクリアした上であれば、むしろ他の人にない武器を持っていることが大切になります。 非コンサルから転職で入ってくる人に関しても、何か他の人にはないケイパビリティを持っている自覚があるのであれば、ぜひそれを前面にアピールしてほしいですね。袁さんが当初陥っていたように、「ザ・コンサル」のようなイメージに縛られてその能力を活用できないケースはよくあります。「自分はこれで生きていくんだ」という前のめりな姿勢は必要だと思います。
――成長のためのトレーニングにはどんなものがありますか。
松田:戦略コンサルタントとして必要な基本スキルを身につけるためのトレーニングは幅広く用意しています。例えばリサーチや資料作成、簡単なところではマナーなども。また、M&Aチームでは専門領域に関するトレーニングを行ったり、外部講師を招くなど、チームごとにもトレーニングを企画・実施しています。
ただ、こうした座学はあくまで補足であって、基本的な思想はOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)。入社直後は先輩が主担当を務めるプロジェクトにサポートとして入ることになりますが、プロジェクトのフェーズが進めば入社1、2年目であっても一部分をリードすることを任されるケースは多々あります。こうした機会を有効活用することが成長のカギと言えるでしょう。
選考、そして入社後に問われる「議論・思考を楽しむ力」。活躍できるかは最初の1年で決まる
――若手中途入社者に求めるものがスキルや経験ではないとすると、何を求めているのでしょうか。
松田:最も重要なのは「考えることを諦めない姿勢」です。
採用面接のほとんどの時間はケース面接に割くのですが、例えばお題が「スポーツジム業界の課題」だったとしたら、本来「スポーツジム」を熟知していないと十分に課題を引き出すことは難しいですよね。ただ、知識がない中でもなんとかしようとしている姿勢が見られれば、「経験さえあればもっと引き出せただろう」と判断できます。若手に関してはそのようにしてポテンシャルを見るようにしています。
ひと通りのストーリーを語れるだけでは不十分で、「なぜそうなのか?」「ここが違ったら?」という突っ込んだ質問をされても「だったらこうかも」と考え続けられるかどうか、つまりディスカッションや新しいことを考え抜くことを楽しめるかどうかを見ているわけです。
我々の仕事は未来からの逆算で現在の戦略を作ること。完璧な正解がない中、どれだけたくさんの仮説を立て、検証できるかが問われています。その際、ディスカッションを楽しめるとか、諦めないで考えられる力がなければ、すぐに発想の限界が来てしまうだけではなく、戦略コンサルタントとしての成長の限界も見えてしまいます。
袁:私自身もピュアなディスカッションを楽しめるタイプで、その意味では向いているのだろうと思います。ただ、ケースはあくまで仮想の世界なので自由にディスカッションできますが、実際の案件はそう理想通りにはいきません。様々な障害がありますし、色々なことを言う人がいます。そこで自分の意見を曲げてしまってはコンサルとは言えませんよね。
ですから、人の意見に耳を傾ける柔軟さはもちろん必要ですが、一方では正解がない中で、自分の選んだ正解を信じて突き進む芯の強さも大切だと感じます。
松田:事業会社から転職してくる人は、最初はどうしてもスピード感の違いに悩まされることになります。新卒組の若手からは突き上げられるし、「頼むぞ」という上からの期待もある。戦略コンサルティングは少数でチームを組むので、1人ひとりが戦力として必要とされます。その意味で、最初から成長を求められるのは間違いないと思います。
中途で入る人は、最初の1年を走り切れれば、その後は成長軌道に乗れます。その1年で「やり抜ける人」と認められれば、スキルは後からついてくるので心配はいりません。戦略コンサルタントというとスマートなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、泥臭いことも含めてやり抜けるかどうか。結局はそこが一番重要な気がします。