海外オフィスに年単位で籍を置くプログラムや、海外メンバーとのリアルな交流。顔の見える「本物のグローバル」とは
2020/02/03
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世界157カ国、742拠点で27万人以上のスタッフが働くPwCのグローバルネットワークを活かし、数多くのクロスボーダー案件を手掛けるPwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)。同社のグローバル案件にはどのような特長があるのか。実際に数多くのクロスボーダー案件に携わってきたパートナーとマネージャーへのインタビューを通して明らかにしていく。

〈Profile〉
写真右/ 愛場悠介(あいば・ゆうすけ)コンサルティング(経営統合支援)担当 パートナー
日本・米国・アジア地域におけるクロスボーダー統合案件を中心に、コンサルティング業界において15年超の経験を有する。2011年~2014年にはPwC米国法人ニューヨーク事務所のM&A支援チームに所属し、統合契約締結前のデューデリジェンスから締結後のPMIまで、M&Aサイクル全般にわたる支援に携わった。
同左/関口 知栄子(せきぐち・ちえこ) FS(金融サービス事業部) マネージャー 第二新卒としてPwCコンサルティングに入社後、公共事業部にて官公庁向けの成長戦略策定支援や日系企業の新興国進出に向けたマーケティング調査・ビジネスモデル策定支援等を担当し、その後現在の金融サービス事業部へ異動。金融機関向けの業務改革、プロジェクトマネジメントや新規事業立ち上げ支援を中心としたコンサルティング業務を担当。


短中期の出張のみならず、数年単位で「現地メンバー」になるプログラムも

――PwCコンサルティングにおけるグローバル案件の状況をお聞かせください。

愛場:日本国内のマーケットが縮小していくと予想される中、多くのクライアントが新たなマーケットを求め、海外に進出しています。その結果、顧客企業のサポートを行う私たちにとってもグローバル案件が増えている状況です。

グローバル案件の割合はチームによって異なりますが、私が所属するM&A成立後の統合プロセスを手掛けるPMIにおいては、現在3~4割が海外の案件です。今後ますます増えていくでしょう。

確実に海外の案件が増えていく状況を受け、グローバルな環境で活躍することができる人材を早期育成するための海外赴任プログラムがコンサルティング部門でも2011年からスタートしました。

このプログラムでは、短中期の出張とは異なり、籍も現地のオフィスに移し、数年という長期間で海外案件や現地のビジネスを体感します。

私はこのグローバルモビリティプログラムのコンサルティング部門における一期生として、2011年~2014年にPwC 米国法人ニューヨーク事務所のM&A支援チームに所属し、現地への進出を計画する日系企業だけでなく、米国の顧客の支援業務にも携わりました。

また、同プログラムは日本から海外といった一方向ではなく、海外のメンバーも日本に受け入れる双方向のため、PwC Japanにも海外のメンバーが赴任しています。パートナークラスにおいても、このプログラムを利用されている方が複数おり、私たちが持っていない海外の知識やグローバルビジネスの進め方のノウハウなどを伝えてくれています。

このプログラムは、グローバルでのキャリア形成を支援し、将来増えるグローバル案件にも対応できる人を増やすことを目標にしています。その上で、私のチームはグローバル案件を取り扱うことが多いため、海外赴任経験者の知見がとても役に立っています。

関口:私が所属する金融サービス事業部(以下FS)も、PMIと同じく海外案件や、実際に現地で働くメンバーが多いチームで、私自身も海外赴任経験があります。

長期の出張に加えて、数週間、数カ月という短期、中期の海外出張が多いことはFSの特徴ですね。現在もニューヨークで活躍するメンバーがおり、その他、PwCの海外拠点であるロンドン、シンガポール、アムステルダムなどでの機会も増えています。

――赴任先の国や地域の状況を教えてください。

愛場:数年前は米国やオーストラリアといった、比較的マーケットが安定した国への案件が多かったですね。現在は、再び成長が期待できる東南アジアへのクライアントの進出が増えているため、当社の業務もこういった地域向けが増えてきています。私は直近、3週間でインド、タイ、中国に出張していました。

関口:ユニークなところではアフリカもあります。私が初めて携わった海外プロジェクトで、現地に数週間出張しました。

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入社1年目のアソシエイトでも海外プロジェクトの重要部分を担う

――顧客の特徴やプロジェクトの進め方について教えてください。

愛場:国内企業が海外に進出するのをサポートする案件もあれば、海外顧客が当社の持っているスキルや知識を求める場合もあります。

その中でも多いのは国内企業の海外進出です。例えば、海外の買収企業に導入する権限譲渡などに関する基本方針を、現地のPwC オフィスのメンバーを活用して導入します。電話会議で頻繁にコミュニケーションをとって進捗状況を確認するとともに、数カ月に一度は実際に現地を訪れ、国内で定めた方針がきちんと理解され、運用されているのかをチェックします。

関口:業務設計などはマネージャークラスが行いますが、現地での情報収集やチェックなどは、アソシエイトやシニアアソシエイトが行うことが多く、入社数年目の若いメンバーでも、海外に行くチャンスは大いにあります。実際、私はアソシエイトのときにナイジェリアへ行きました。

愛場:海外での働き方は主に3つあります。1つ目は今、関口が話したようなアソシエイト、シニアアソシエイトが短期で出張するケース。期間は数週間が一般的です。

次が中期の出張です。マネージャークラスなどが該当するケースが多いです。数カ月から長いものでは1年以上に及びます。私の場合、マネージャー時代に訪れたニューヨークの案件がまさにこの中期出張でした。プロジェクトスタート時には3カ月の予定でしたが、半年になり、1年に伸び、最終的には13カ月間現地に滞在しました。

そして3つ目は先に説明した、グローバルモビリティプログラムを活用した長期滞在です。期間は数年。完全に現地オフィスのメンバーとなりますから、上司、顧客、評価などは全て現地オフィスの規定に準じます。

アフリカで求められた文化の違いへの配慮。現地メンバーの助言がある心強さ

――グローバル案件におけるPwCコンサルティングの強みをお聞かせください。

関口:主に2つあると考えています。1つ目は、海外に行った際の現地オフィスから受けられるサポートです。私はアフリカ地域で行われたプロジェクトで、まさにこの強みを体感しました。

このプロジェクトは、当時注目されていたBOP(Base of Pyramid:低所得者層)向けビジネスの市場調査でした。現地の政府機関や組織のトップとの折衝に加え、実際にマーケットに繰り出し、現地の人たちにインタビューを行う必要がありました。

まずは現地オフィスのメンバーが持つコネクションを活かし、関係官庁の上位ポジションの方々と話す機会を設定していきました。そこから先の現地調査においても、現地オフィスのメンバーのサポートがいかに貴重かを痛感しました。日本人にはなかなか分からない、宗教、文化などを背景とする男女への対応の差異があり、細かな注意、配慮が必要だからです。

現地メンバーからいろいろなアドバイスをもらえ、とても心強かったです。このようなサポートのおかげで3週間の滞在中、政府、企業、消費者と3つの視点で数多くの人たちにインタビューを実施できました。

その後訪れた東アジアの地域でも現地メンバーの協力により、ナイジェリアのときと同様に業務が円滑に進みました。メインターゲットであった現地の地区で暮らす親子やNGOといった、私たちだけでは到底アポイントがとれないであろう人々への、インタビューや調査を滞りなく行うことができました。

2つ目は、日本にいながら感じるグローバルネットワークの強みです。あるクライアントから現地のニッチなニーズを調べてほしい、との要求があったとします。PwC Japanに調査する方法や根拠となる資料などがなかった場合、世界約27万人のPwCのネットワークを使うことで、かなりスピーディーに必要な情報を入手できる可能性があります。

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「世界共通のスキルマップ」でコンサルタントのスキルを明確化

――それほど早く知見を共有できる理由な何なのですか。

関口:普段からPwCの各国メンバーファームのスタッフが、マインドセットやカルチャーを共有しているからです。今流行りの言葉で言えば「One team」。もちろん私たち各法人は独立して事業を行っていますが、相互に連携を取っています。

そのため、何か尋ねごとをして、嫌がるメンバーはいません。これは私たちにも当てはまります。日々、海外オフィスから問い合わせがありますが、無条件反射といいますか、迅速に応えるのが当たり前という感覚で対応しています。

スキルの明確化も大きな要因です。各ポジションのメンバーの知識やスキルをグローバル基準で明確化しているため、誰に何を頼めばよいのかが可視化されています。逆の言い方をすれば、誰に何を頼めば確実に応えてくれるのかを把握している状況ですね。

愛場:それは、「PwC プロフェッショナル」というフレームワークです。同フレームワークでは業務知識、コンサルタントとしてのコアスキル、グローバル、リーダーシップといった、コンサルタントに必要なスキルや知識が、各ポジションでどの程度必要なのかが明確な基準でまとまっています。関口が話したように、誰に何をお願いすればよいのか迷うことがありません。

関口:相手に何を期待していいのかが分かる、世界共通の一覧表とも言えますよね。

愛場:もう一つ別のフレームワークがあります。社内では「Values」と呼ばれています。

「Act with integrity、Make a difference、Care、Work together、Reimagine the possible」の5つですが、当社はこのValuesを、日々心に留めながら仕事をしています。

知識やカルチャーの共有だけでなく、「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」という私たちのPurpose(存在意義)のために、Valuesに掲げられたことを日々実践しています。PwCのカルチャーは、ファーム内外からの期待や要望に基づくこのようなフレームワークを支えに発展し続けており、ここに私は優位性を感じています。

――どのような優位性なのでしょう。

愛場:メンバー同士が私たちのフレームワークをもとにリアルな交流を深める取り組みを、意識的に全世界で行っていることです。私がインドに行っていたのも、まさにこのリアルなコミュニケーションプログラムの一環でした。

世界各地から200名ほどのパートナーが集まり、3日間にわたり、各地のビジネスや社会課題などについて、意見を交換する。このような機会があるからこそ、先のような状況で「○国の△に連絡すれば、この問いに答えてくれる」というのが、瞬時に浮かぶわけです。リアルに顔を知っている仲ですから、快く応じてくれます。

関口: FSでは年に一度、ニューヨークやロンドンに世界各地からパートナーが集まり、1週間さまざまな議論を交わすプログラムがあります。

また、海外のパートナーと1カ月間仕事を共にしてマインドセットやビジネスを学ぶ「シャドーイング」というプログラムも用意されており、交流を深めたパートナーから情報がシェアされることで、私たちもグローバルを身近に感じられる環境です。

また、こうしたリアルなネットワーキングは国内でも同様に行われています。全社的に行われている毎週金曜日午後の「フライデー・アフタヌーン・インベストメント」は代表例です。研修としての位置付けが強いものの、プロジェクト事例の紹介やパートナーがマネージャー以下のタイトルのメンバーの意見を聞くような時間も設けられています。

私たちはふだんクライアント先にいることが多いため、メンバー同士の関係性や情報の共有が希薄になりがちです。そこで週に一度、リアルに会う場を設けることで、情報交換やコミュニケーションを醸成する機会として考えているメンバーが多いですね。

愛場:またこのようなリアルな集まりは、チームごとでもそれぞれ開催しています。コミュニケーションの醸成はもちろん、スキルアップ研修や海外最新情報の伝達の場としても、機能しています。

困難な状況に身を置く気概、他者を理解する謙虚さを持てるか

――ご自身の体験も含め、グローバルで活躍するにはどのようなスキルやマインドが必要だと思いますか。

関口:「英語力が乏しいから自信がない……」との相談をよく受けますが、尻込みする必要はない、とアドバイスしています。ある程度の語学力は必要ですが、海外で活躍するには、どのような知識や思考を持っているのか、といったことの方がよほど大事だからです。そして、つたない英語でもいいから伝えようとする強い気持ちや積極性も重要です。

愛場:あえて困難な状況に自らの身を置くことを好む人がいいと思います。チャレンジ精神を持っている人がグローバルで活躍できるのではないでしょうか。実際、海外に行くと、日本では考えられなかったトラブルの連続で、精神的なストレスがたまることも多いです。

関口:私も愛場の意見に共感します。海外に行くと、日本と同じことをしているのに、より負荷を感じることが多くあります。ただそういった場面で負荷の要因を分析し、乗り越えるためにはどうすればよいのかを考えるプロセスが重要だと思います。

海外での業務において、チャレンジングな場面に直面する機会が多々ありましたが、今振り返ると、そのような状況を打開しようと思考している過程が、結果としてその後の自分の成長につながったと思います。

当社には、アソシエイトの時期から、海外出張といったチャレンジングな環境に身を置く機会が豊富にあります。そのためか、実際、新しいことに挑戦したいといった気概の人が多く集まっていますし、海外での経験を積むにつれ、皆、確実に成長していると感じています。

愛場:ルーチンワークを好むような安定志向の人は当社には向いていないと思います。もう一つ、重要なのは、他を理解しようとする謙虚な姿勢です。個人のプロフェッショナルとしてのスキルや自立はもちろん重要ですが、先にお話しした通り、当社は他との連携も大切にしながら仕事を進めています。

世の中の課題が複雑になっていくこの先、個々の強みをかけ合わせて解決に向かうスキームは、今後ますます顕著になるでしょう。それも、グローバルレベルで、です。

その時、どのようなスキルやマインドが必要なのか。それは文化、言語、思考など相手のことを理解しようとする傾聴の姿勢と、「自分の常識はグローバルでは常識でないこともある」のを理解しているマインドだと、私は考えています。さらに言えば、そのようなマインドを踏まえた上で、自分の考えをしっかりと発信できる人物であることも重要だと思います。

実際、このような環境に魅力を感じるメンバーが集まり、グローバル案件のコンサルティングを通じてスキルを磨く環境も整っています。現状に物足りなさを感じている方や、海外案件に携わってみたいと考えている方にとって、当社は新たなキャリアを構築できる最適な環境と強くお伝えできる自信がある、これは間違いなくPwCコンサルティングの強みですね。

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コラム作成者
Liiga編集部
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