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「こんなに面白い仕事は他にない!?」 PEファンドの実務とは|連載:PEファンドを語る(1)

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はじめまして。Negotogatariと申します。

2000年代半ばの新卒就職時から一貫してバイサイドの投資関連業務に携わっており、途中米国へのMBA留学を経て、今はPEファンドでPE投資と呼ばれる仕事をしています。

この度、LiigaにてPEファンドの仕事やキャリアについて記事を執筆することになりました。PEファンドは、表に出ることがあまり多くはないですが、私は世界で最も面白い仕事だと思っています。そんなPEファンドの魅力や、就職を目指す方にとって参考になる情報を、発信していきたいと思います。将来的にはMBA留学にも触れていくかもしれません。

まず第1回として、「PEファンドの仕事とはどのようなものか」から始めたいと思います。

〈Profile〉
Negotogatari
慶應義塾大学経済学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院にてMBA取得。新卒入社先では不良債権投資、PE投資、不動産関連投資などに携わり、転職を経た現在はPEファンドにてPE投資に従事。PEファンド、MBA、過去には投資銀行の面接官やセミナー講師も担当している。また本業のかたわら、PEファンド・MBA留学に関する情報発信や、キャリア相談なども行う。
▶Twitter:@negotogatari
▶Blog:寝言



【目次】
・投資先の経営に参画し、企業価値を高める―。限られた期間での成果に“コミット”するのがPEファンド
・数年にわたる投資の出発点、PEファンドの「ソーシング」「DD」とは
・ガバナンス構築から現場での実行役まで。“腕の見せ所”となるバリューアップ活動
・数年間の成果、そして投資先の未来を決める「Exit」。成功案件は、キャリアの大きな財産に

投資先の経営に参画し、企業価値を高める―。限られた期間での成果に“コミット”するのがPEファンド

「ファンド」という言葉には様々な定義がありますが、大雑把に言ってしまえば、多くの投資家からお金を預かり、その資金を投資して利益を生み、投資家に分配する存在を指します。その投資対象が不動産であれば不動産ファンド、不動産投資信託の形であればREITと呼ばれますし、上場株式や債券に対して投資を行っている投資信託やヘッジファンドも「ファンド」です。

PEファンドは、投資家から預かった資金で企業の買収または出資を行い、経営権・ガバナンスを得た上で経営支援(バリューアップ)を実施します。これにより投資先企業の価値を上げていき、最終的にはM&A(企業の売却)やIPO(株式上場)といった手段を通じたExit(投資資金の回収)により、投資家にリターンを分配します。一般的には5年程度の投資期間を通じて、投資額とExit時の回収額の差であるキャピタルゲインを追求する存在です。

同じく企業への投資・バリューアップ・Exitという一連の仕事を行っていても、投資家から資金を集めていない商社や金融機関の自己資金投資部門はファンドとは呼ばれず、商社の場合は事業投資、金融機関では自己資金投資やプリンシパル・インベストメント(PI)と呼ばれます。

Point:商社の事業投資やPIとの違いは?

投資家から資金を預かる際に、PEファンドは実行する投資の形態や規模、投資先の業種や地域などに制限を設けた上で、一定のリターン目標とともに投資期間(一般的には5年間)と回収期間(一般的には投資期間に5年を加えた計10年)を約束しています。

この時限性とリターン目標があり、なおかつ必ずExitしなければいけないのがPEファンドの特徴です。このため、投資先企業に対して、スピード感を持ち企業価値向上を明確な目標に据えたバリューアップ活動を行うことが求められます。

商社の事業投資や金融機関のPI投資であれば、様々な形態の投資が可能であり、場合によっては投資期間を長く設定することができます。商社の場合は、既存事業とのシナジーが見込める案件ならば、事業の一環として半永久的に投資を継続することもあります。

一方、PEファンドは個別の投資を繰り返し、都度Exitしていきますので、事業上のシナジーの追求や超長期の投資は難しい代わりに、一定期間での投資先企業の成長そのものにコミットします。なお、投資先企業にとってシナジーがある別の企業や事業を追加で買収することはあり、「追加買収」や「ロールアップ戦略」と呼ばれます。

数年にわたる投資の出発点、PEファンドの「ソーシング」「DD」とは

投資先企業の候補を発掘し案件化する活動を「ソーシング」や「オリジネーション」と呼びます。ある程度大きな企業の案件になると、投資銀行や銀行が当該企業とネットワークを持ち相談を受けていることが多いため、それらアドバイザーから案件が持ち込まれることが多くなります。

既に売り手である親会社やオーナーが売却を決めている場合は入札に呼ばれることもありますし、売却を検討しようとしている売り手がいれば、アドバイザーと一緒に提案を行い案件化に向けて協働したりもします。

また、PEファンド側で「この業種やこういう企業に投資したい」というターゲットを持っている場合には、それらの企業へ自ら提案に行くこともあります。

ファンドレイズ(投資家からの資金集め)が終わった後のPEファンドの仕事の第一歩はこの案件ソーシングになります。どれだけ成長ポテンシャルのある企業を見つけることができるか、その企業をどれだけ安く買収できるかが最終的なリターンを左右する“肝”になります。

買収に向けた協議が始まれば、まずはPEファンド側では「Blue print」と呼ばれる簡単な投資戦略を描きます。いくらで買収し、どうやってその企業を成長させ、いくらで売却することでどれだけのキャピタルゲインが狙えるのか、という粗いプランを作るわけです。

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その時点ではPEファンドの投資担当者が自ら分析し「LBO(レバレッジバイアウト)モデル」と呼ばれる企業価値や買収・Exit価格を算定するモデルを作成することが多いですが、リサ―チを第三者アドバイザーに協力してもらうこともあります。

それらの初期的な仮説設定と分析を経て、買収の価格や条件などを売り手側に提示し、基本合意書(MOU:Memorandum of Understanding)を締結します。その後、投資先の価値やリスクなどを調査する「DD(Due Diligence)」や、DDを伴う入札のフェーズに入っていきます。

DDでは、一般的には事業DD、財務・会計DD、法務DDが行われますが、業種によっては不動産や環境に関する調査など特殊なDDが追加されることがあります。その際、事業DDは戦略系のコンサルティング会社、財務・会計DDでは会計監査系アドバイザー(FAS)、法務DDでは大手弁護士事務所に依頼することが多いです。また、大きな案件では、それらの専門家を束ね全体を統括するために、投資銀行のM&Aアドバイザリーチームを起用することもあります。

このDDフェーズにおいては、初期的な投資戦略・仮説を検証し、投資候補企業の過去を事業・財務会計・法務の観点からチェックすることで、初期的な見立てが間違っていないか、さらなるアップサイドはないか、リスクが隠されていないかを検証していきます。

その過程で経営陣のスキルや経験も確認し、PEファンド側が立案している経営戦略・成長戦略を実行するには不足があると判断すれば、投資後に追加する経営人材を探すことも並行して行います。

加えて、PEファンドの投資リターンについては、LBOローンによるレバレッジがもたらす効果も大きいため、銀行などとLBOローンの組成・契約書交渉も行います。

そして、それらDDによる検出事項やLBOローンの条件などを全て盛り込んだ投資戦略、事業成長のプランを策定し、あらためてLBOモデルを回した上で最終的な条件を提示し、売り手と交渉します。

その結果、合意できれば、株式譲渡契約などの最終契約(DA:Definitive Agreement)を作り込み、それらの契約を締結し資金決済と同時に株式を取得することで投資実行となります。

ソーシングから投資実行まではどんなに早くても3カ月、案件によっては半年や1年かかることも珍しくありません。それだけ売り手にとって大事な意思決定であり、PEファンドにとっても真剣に目利きを行い、投資条件を定めていくことが大事になってきます。

ガバナンス構築から現場での実行役まで。“腕の見せ所”となるバリューアップ活動

いざ投資を実行すると、そこからが本番です。DDを経て策定した事業計画・成長プランの実行に移っていくのですが、その通り物事が進むことなどほぼありません。いくらDDをしても、その会社の全てを知ることは無理ですし、業界に変化も起きますし、PEファンド自身や投資先の経営陣のリソース不足なども頻繁に起きます。投資後は、経営陣と並走しながら、頭を悩ませ、色々な方々に相談し助けてもらいながら、会社の成長に向けて努力する日々が始まります。

経営にどこまで関与するかは各ファンドの戦略やポリシーによりますが、一般的にはPEファンドの担当者も取締役や監査役に就任し、日々の経営は経営陣に委ねながらも様々な場面で経営サポートを行っていくことになります。

投資先企業の規模や経営体制によりますが、まずはガバナンスの作り込みから始まることが多いです。企業のガバナンスの考え方はさまざまですが、株主レベルのガバナンスである株主総会、そして企業の最高意思決定機関たる取締役会の2つについては、基本的にPEファンドは意識的にマジョリティ(過半数から2/3以上の議決権)を押さえようとします。

それによって、株主総会や取締役会で決議すべき重要な意思決定においてはPEファンドがコントロールできるようになるからです。併せて、取締役会規程を調整することで、PEファンドが必ず意思決定に参加したい事項が取締役会へ上程される構造を作ることも一般的です。

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次に、取締役会以下の意思決定構造に入り込んでいきます。この構造は企業によって異なりますが、PEファンド側が議論と意思決定に参加したい事項を経営会議の決議対象とした上で、経営会議を定期開催する手法などがあります。

これより現場に近い日々の事業活動においては、PEファンドが重要であり支援が必要だと思うことならば積極的に関与していきますし、経営陣や現場に任せることが妥当であれば、取締役会や経営会議レベルでのモニタリングに徹することもあり、完全にケースバイケースとなります。

そして、これらのガバナンス構造の下で、投資当初に策定し都度改定していくバリューアッププランに基づき経営支援を行っていくことになります。その実行に向けてリソースが不足していれば、外部から社長・役員・部長レベルのプロ経営人材を招くこともありますし、第三者アドバイザーを巻き込みながら実行に落とし込んでいくこともあります。PEファンドによっては、担当者自らが実行役を担うこともあります。

投資先における成長テーマ、経営課題などは千差万別ですので一般化は難しいですが、日本においてもPEファンドの数が増え競争が厳しくなったことで、昔のように安く買収することが難しく、レバレッジ(LBOローン)も各ファンドや金融機関が慣れて一般化してきてしまったことで、このバリューアップ活動がPEファンドの収益を左右し、“腕の見せ所”となっています。

数年間の成果、そして投資先の未来を決める「Exit」。成功案件は、キャリアの大きな財産に

数年のバリューアップ活動を経て、PEファンドが考える成長が十分に達成できた、または今後の成長余地はあるもののそれを見越した価値が実現できることが明らかになれば、PEファンドはExitに向かいます。主なExit手法はM&AかIPOによる株式売却となりますが、まれに投資先企業による自己株買いやMBO(Management Buyout=経営陣による買収)によってExitを迎えることもあります。

PEファンドの存在意義だけを考えると、最も高い価値がつく売却手法を選ぶべきですが、重要なのはそれだけではありません。投資先企業の将来にとって最も良い買い手に買収してもらうこと、更なる成長に向けて自走できるのであればIPOを目指すことなどをバランス良く考え、最良の結果となるべく努力します。

M&AであればExitの少し前から買い手候補となる企業と接触しつつ、投資銀行などのM&Aアドバイザリーを起用し、入札により売却することが多くなります。IPOの場合は、さらに数年前からIPOができる体制の整備を進め、投資銀行のIPO部隊と協業し上場を目指すことになります。

Exitにおいては、PEファンドとしてキャピタルゲインという「結果」を得ることが大事ではありますが、同時に、投資先と一緒に過ごした数年間の成果が試される瞬間でもあり、その成果を経営陣に感謝してもらえた時は本当にうれしくなります。

そして良い成果が出ていると、Exit後もその企業や経営陣との仲は続きますし、同じ業界や似た業界において再現性のある案件を見つけ出すことも可能になっていきます。その経験とネットワークの積み重ねが、PEプレイヤーとしての“厚み”になっていくのです。

以上、今回は入門編としてPEファンドの基本的な仕事内容を紹介しました。次回以降、より細かい内容に踏み込んでいければと思います。

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