「GAFAは残業0で、女性より男性の方が育休をとる」GAFA30代女性マネージャーが語る、女性が長く働き続けるコツ
2020/10/20
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一流企業に身を置くも「このまま仕事に100%人生を捧げていていいのだろうか……」と思い悩む方は少なくないのではないでしょうか。とりわけ、将来結婚や出産を視野に入れる女性社会人ならなおさらでしょう。

今回取材した宇野綾華さん(仮名)は現在36歳。大学を卒業後、外資系企業でマーケティング職のトップに就くも「このままで良いのか?」と人生を見つめなおし、転職を決意。現在はGAFAに転職し、ワークライフバランスを維持しながら会社に貢献されています。

今回はそんな宇野さんに「過去に在籍していた会社での女性の働き方の違い」「GAFAを選んだ理由」を伺いました。

〈Profile〉
宇野 綾華(仮名)
GAFA マーケティング事業部 マネージャー 私立大学を卒業後、日系企業にて6年間、営業とマーケティングの経験を積む。その後MBA留学を経験し、日系企業を経て、外資系ラグジュアリー企業のマーケティング職のトップに。現在は4社目となるGAFAでマーケティングマネージャーとして活躍中。


【目次】
・「もっと上の役職に? 答えはNo!」バリキャリ女性が外資系企業のマーケティング職トップを手放した理由
・GAFAで男女差別をしたら一瞬でクビ!?「GAFAは妻より夫の方が育休をとっている」
・「20代はガッツ、30代はスキル、40代はネットワーク」女性が長く働くための秘訣(ひけつ)とは?

「もっと上の役職に? 答えはNo!」バリキャリ女性が外資系企業のマーケティング職トップを手放した理由

――3社目の外資系企業ではマーケティング職のトップだったそうですが、なぜその立場を手放したのですか?

宇野:ワークライフバランスを重視したかったからです。

結婚だけでなく、出産もするとなれば、35歳を過ぎると体力的にも厳しくなってきます。前職では月に120時間も残業するほど、がむしゃらに働いてきました。しかし、そのペースをずっと維持し続けることは厳しいと判断したのです。

――月120時間の残業とはすごいですね。

宇野:前職の会社は常に成長スピードを求めるところがありましたから。

加えて出世するほど精神的な拘束時間が増えましたね。なぜかというと、社内ネットワークでケアしなくてはならないことが増えるからです。特に転職前の最後の1年は土日もずっと仕事のことを考えていて、リフレッシュできる環境ではありませんでした。

そこで一度立ち止まり「これ以上偉くなりたいかな?」と自問自答したところ、答えは「No」でした。

それに、マーケターとしてまだやりたいこともあったのです。

――どのようなことをやりたかったのですか?

宇野:デジタルマーケティングの分野です。デジタル全盛期の今の時代にあって、この分野を身につけないまま管理職を続けるのは、何か違うと感じていました。

――その後GAFAに転職されていますが、やりたいことはできていますか?

宇野:取り組めています。うれしいですね。

プラットフォームの力を利用して外に対して様々な広告を売ったり、SNSを通じてコミュニティーのマネジメントをしたりと、やりたかったデジタル領域のマーケティングに携われています。自分の仕事が売り上げに直結するため非常に面白いですね。

また、成果さえ出せればOKという風潮なので、残業時間もほぼゼロになり、以前よりはるかにワークライフバランスがとれています。

GAFAで男女差別をしたら一瞬でクビ!?「GAFAは妻より夫の方が育休をとっている」

――3回の転職を経験されてきたなかで、各社に女性の働き方の違いは見られましたか?

宇野:各社大きく違いました。

1社目、2社目は経営基盤のしっかりした日系企業だったので、仕事と子育てのバランスがとりやすい環境でした。ただその分、前に出ていかない女性が多かったです。

前職の3社目は真逆で、「全部自分でやりたいです!」という本当にパワフルな女性が集まっていました。いわゆるバリキャリ女性がひしめき合っている感じです。

――前職はライフよりワークに偏っている女性が多い会社だったのでしょうか。

宇野:いえ、彼女たちからは「バリバリ働く、でも子育てもしっかりする。どっちも諦めない!」という信念を感じました。実際にパートナーよりも稼いでいる女性も多かったですね。

女性は、働く中で出産や育児など様々なことを考えなくてはいけません。その中で、仕事を選択肢として優先している女性は、男の人に比べると「覚悟」が違うような気がします。

――「覚悟」ですか。

宇野:「肝が据わっている」とも言えるかもしれません。決断も早いし、自分に都合が悪いことからも逃げない。違うと思ったら「違う!」と言えるのも、女性の方が多いように感じます。

彼女たちはベビーシッターを活用したり、パートナーが子供の面倒を見たりしていましたね。

――現在のGAFAは女性が働く環境としてどうですか?

宇野:これまでの会社の中で、いちばん男女に対してフェアな環境です。女性が当たり前に活躍しているので、わざわざ「女性活用」なんてことも言いません。

GAFAでは女性を差別するような発言をしたらその瞬間にクビになるのではないか、と思うくらい男女差を感じませんね。

例えば社内結婚をした夫婦の場合、妻ではなくむしろ夫の方が育休や介護休暇をとるケースが多々あるのは驚きました。またコアタイムがないため、家で育児をしながら仕事をすることもできます。これは女性だけでなく、親としてもすごく働きやすい環境ですね。

――確かにGAFAの企業がわざわざ「女性活用」を謳っているイメージはありません。

宇野:あまりにも男女フェアなことが当たり前だからだと思います。これまで私が勤めてきた企業は軒並み「女性活用」を謳っていましたし、だからこそ優秀な女性が集まっていました。

でも、わざわざ言わなければならないということは、まだまだ「女性活用」が当たり前になっていないということだと思いますね。

「20代はガッツ、30代はスキル、40代はネットワーク」女性が長く働くための秘訣(ひけつ)とは?

――女性ならではのワークライフバランスを実現するための、会社選びのポイントはありますか?

宇野:「自分が会社に貢献できること」と「会社が自分に求めていること」の2つのバランスがうまくとれる会社を選ぶとよいと思います。そこが合致していれば、入社後にバリューを発揮することができます。

特に女性はライフステージによってサポートしてもらわなければならないタイミングがあります。そのときにバリューを提供できていれば、ライフステージが変わっても、きっとみんなサポートしてくれるはずです。

「私は◯◯が得意だから、このポジションに就かせてほしい」とか、「自分の経歴なら◯◯の分野で活躍できる」といった、自分の都合ばかり考えている人は失敗するリスクが高いと思います。

――20代、30代の女性に向けて働き方やキャリアについてのアドバイスはありますか?

宇野:「人として素敵だ」と思う人に出会えたら、ぜひそのご縁は大切にしてください。

「20代はガッツ、30代はスキル、40代はネットワーク」という言葉があります。

私は40代に近づくにつれ、ネットワーク(=人脈)の大切さに気づくことが増えました。最近では20代のころに一緒に仕事をしていた人と、今では会社も業界も違うのに、再び一緒に仕事をすることもありました。

ネットワークを長く築くポイントは、良い意味で自分の印象をしっかり残し、相手のことも大事にすることです。

これは女性が得意な分野です。場を和ませるスキルや人間関係の構築力を強みに変えて、理想のキャリアと人生を築いていってください。

――今後は宇野さん自身はどのようなキャリアを考えていますか?

宇野:40歳まではこのままマーケティングの現場に身を置き、以降は自身の知識を活かしながら人を育成する側に回りたいと考えています。

また、終身雇用が当たり前の時代ではなくなったので、サイドワークでこれまでの経験を社外レクチャーできる活動もしていきたいですね。

コラム作成者
Liiga編集部
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