キャリアを諦める必要はない。女性管理職が選んだ「自分の力を最大限に生かせる場」
2020/10/09
#戦略コンサルのプライベートを覗く
#事業会社からコンサルになる方法

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女性が結婚、出産後に働き続けることが当たり前になった現代。ただ、出産を経ての転職やキャリアアップとなると、今も難しさを伴うことがある。

今回は、そうした中でも転職しキャリアアップを続けるコンサルティングファームの女性管理職2人にインタビュー。役職者としての高度な仕事と家庭の両立などについて、語ってもらった。1人目はアクセンチュアで時短勤務をしながらマネジング・ディレクターとして活躍する藤井亨子氏。

〈Profile〉
写真左/藤井 亨子(ふじい・りょうこ)
アクセンチュア株式会社 ビジネス コンサルティング本部マネジング・ディレクター
アクセンチュア新卒入社。その後外資系戦略コンサルティングファームや外資系メーカーの新規事業責任者を経験し、再びアクセンチュアに入社。マネジング・ディレクターとしてプロジェクトやチームの管理などに携わる。2児の母。

時短勤務で仕事と子育てを両立。業務効率化のポイントは「1人で抱え込まず、チームの力をレバレッジすること」

――時短勤務されているとのことですが、1日の仕事と生活の流れはどんなものなのでしょうか。

藤井:子どもが2人いるのですが、まず6時半に起きてお弁当と朝食を作ります(*)。小学校1年生の上の子が学校に行き、下の子を保育園に預けた後、朝食の片付けをして9時から仕事を始めます。

勤務を終えるのは16時です。その後は下の子を保育園に迎えに行ったり、夕食の用意をしたりします。

月~木曜日の9時から16時まで、週24時間働いています。フルタイムの60%分ですね。 *取材当時

――時短勤務前提で管理職の方が入社するのは、一般的には珍しい印象です。

藤井:確かに、そもそもマネジング・ディレクターの職位で入社する人は多くないですし、また時短制度や育休についても、一生懸命に働いてきた人への「ご褒美」として考えている会社がまだまだ多いのかもしれません。

ところが、アクセンチュアに再入社する際の面接で「期待通りの価値を出してくれるのであれば、どんな働き方をしてもいい」と言われたんですね。時短で働きたいと伝えたところ、あまりにもあっさりと受け入れられたことに正直驚きました。

また、印象的だったのが「チームで仕事をするので、時間や知識、経験において足りないことがあっても、それを自分の限界にする必要はない」と面接官が言ってくれたことです。今は、他のマネジング・ディレクターのほか、シニア・マネジャー、チームメンバー、リサーチチーム、海外にいる専門家など、さまざまな人たちと一緒に仕事を進めています。

――時間を効率的に使うために、工夫していることはありますか。

藤井:自分の仕事に初めから100%の完成度を求めず、80%の状態で周りの人にぶつけて、意見をもらうことを心掛けています。残りの20%の精度を自分一人で高めるより、80%の段階で共有して共に創り上げる方が、効率もいいし、120%、150%の結果につながります。チームメンバーにもそうしてもらっていて、階層に関係なく、それぞれが得意な分野の観点から意見を出し、1人で創るよりももっと良いものを創り上げていきます。 description

――マネジング・ディレクターとしてどんな業務に携わっていますか。

藤井:日々、クライアント企業の経営陣のお話を伺って、ご相談にのらせていただいています。お話を伺う中で課題が具体化したらプロジェクト化し、解決に向けてチームが動くという流れです。マネジング・ディレクターの役割は、ソリューションの提案とプロジェクトの2つの方向性を決めることで、船でいうと船長のような役割ですね。

事業会社を経験後、「変革の力」を求めコンサルティングに再挑戦

――どんな案件が多いのでしょうか。

藤井:私の担当では、BtoBtoCからBtoCへのビジネス変革を支援する案件が多いです。例えば従来、日本の消費材メーカーは製品の多くを小売店経由で販売してきましたが、デジタルの顧客接点が増えた今では、直営店やECサイトで消費者と直接つながりたいと考える企業が増えています。今までは直に向き合っているのは小売店だったのが、今度は消費者と直接向き合うようになるわけです。そうした取り組みをサポートしています。

前職の消費財メーカーでも、BtoBtoCからBtoCへの変革を加速させるような新規事業の立ち上げを経験しました。ですので自分が「事業会社にいた時にこんなサポートがあったら、絶対に利用していたのに」と思うソリューションを創り上げ、クライアントに提供したいと考えています。

――新卒でアクセンチュアに入り、事業会社などを経験した後、2020年7月にアクセンチュアに再入社されました。どのような経緯で戻ってこられたのでしょうか。

藤井:アクセンチュアを“卒業”した後も、コンサルティング業界でしばらく働いていたのですが、やはり事業会社の変革に直接関わりたいと思い、キャリアチェンジしました。

前職の消費財メーカーでは先ほど述べた新規事業をはじめ、大変素晴らしい経験をさせてもらったのですが、「変革を実現していく力」という観点で考えた時に、今のアクセンチュアに魅力を感じ、戻ってくることにしました。

最近の企業変革はデジタルが必須ですが、今のアクセンチュアは昔は弱かったその領域で圧倒的な存在感を示しています。昔を知っているだけに、自らを愚直にコンサルして変革してきたという点にも、大きな魅力を感じました。

――他の外資系コンサルティングファームも経験した上で、現職の特徴をどうとらえていますか。

藤井:かつて所属した他のファームは、新卒で日系の大手事業会社に入社したエースの方がMBA(経営学修士)を取得し、中途で入ってくることが多かったですね。ピラミッド型の組織で、より「会社らしい」雰囲気でした。

一方アクセンチュアは、私が1度目に入った頃は新卒のメンバーが大半で、毎日が文化祭の前日のようにチームでワイワイと仕事していました。「ソリューションをもっと良くするために、みんなで自由に意見を言おう」という感じですね。当時あった「Talk straight」というアクセンチュアのバリュー通りの文化でした。

今は私を含め中途入社の人が増え、組織もだいぶ大きくなりましたが、名残はありますね。きちんと成果を出していればかなりの自由が与えられますし、チームとの働き方の例で述べたように、活発に意見を出し合うフラットな雰囲気があります。 description


介護の悩みも気軽に相談。「キャリアがライフイベントの犠牲になりにくい」

2人目は事業会社からマネジャーとしてアクセンチュアへ中途入社した速水桃子氏。ワークライフバランスのほか、コンサル未経験入社からどのように適応しているのかや、実際の仕事ぶりなどを紹介してもらった。

〈Profile〉
同右/速水 桃子(はやみず・ももこ)
アクセンチュア株式会社 ビジネス コンサルティング本部マネジャー
大手SIer(システムインテグレータ)や大手EC事業者での勤務を経て、2015年に前職のビジュアルコンテンツ制作会社に入社し、企業や自治体などに対するビジュアル活用のコンサルティングに携わった後、アクセンチュアに転職。1児の母。


――仕事と家庭の両立という意味で、現職にどんな印象を抱いていますか。

速水:良い環境だと思います。女性であることにハンデを感じることもありません。事業会社だと部署ごとのポジション数が限られているため、例えば産休・育休でも1年以上離れるとなると、自分がいない間にポジションがなくなってしまうのではないかという不安が生じるんですね。アクセンチュアではプロジェクト単位で能力や状況にあった仕事に配属されることもあり、そうした不安を聞くことはありません。 description

私の話でいうと、子どもが中学生ということもあり育児はひと段落ですが、今度は親の介護の問題が出てきました。上司のマネジング・ディレクター(藤井氏とは別の社員)も女性ですが、そのようなことを相談すると、ご自身の経験も踏まえてアドバイスしてくれます。キャリアがライフイベントの犠牲になりにくい会社なのではないでしょうか。

――業界未経験でマネジャーとしてコンサルティングファームに入る例も、珍しいのではないかと思います。どのように新しい領域に適応していったのでしょうか。

速水:どんなに細かいことでも上司に相談してインプットするようにしました。未経験で転職すると「こんなこと聞いたらいけないかも」と気後れしてしまいがちですが、そうさせないような周囲のサポートがあったので良かったですね。

アクセンチュアには「経験、知識を仲間とどんどん共有した方が、自分のためにも会社のためにもなる」という文化があるので、周囲にサポートを仰ぎやすいと感じます。

現在は海外発のシステムに関連するグローバルなプロジェクトを担当しているため、実績のある海外オフィスのメンバーにもサポートしてもらっています。

それに過去の事例が数多く社内に蓄積されていて、各社員が閲覧できるようになっているので、非常に参考になります。

――そもそも、なぜコンサルティング業界に入ろうと思ったのでしょうか。

速水:前職はビジュアルコンテンツを制作する会社でしたが、言語化、定量化が難しい商材を扱う中で、根拠を持ってソリューションを提供する力が自分に足りないと感じていました。

そうしたソリューション提供を学びたいと思ったことが、転職の大きな理由です。

ビジネスとシステム、クライアントと自社などの間に“橋”をかける―。あらゆるものをつなげるのがマネジャーの仕事

――現在関わっているプロジェクトについてお聞かせください。

速水:新しいBtoCのプラットフォーム立ち上げのご支援をしています。クライアント企業が新しいビジネスを作って生き残るのをサポートする、DX(デジタルトランスフォーメーション)にも関連する案件です。

伝統的なビジネスモデルの企業では、今までの収益構造からなかなか脱却できず、いい資産を持っているがゆえに、次の一手を打ちづらいところがあると感じています。いかに新しい収益化の方向性を見出し、その企業にとっての未来をつくっていくか、伴走しながらそれをご支援するのが仕事です。

――プロジェクトにおいてマネジャーとしてどのような役割を担っていますか。

速水:現在は主にシステム導入を行っていますが、全体を俯瞰してUI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)を考えながら、ビジネス領域とシステムの連携を促しています。

また、マネジャーは様々な立場、階層の方々の間に“橋”をかけなくてはなりません。クライアントと自社をつなぎ、そして、上司のマネジング・ディレクターやシニア・マネジャーとチームメンバーのコンサルタントをつなぐことを心掛けています。考え方や文化の違う個々人の事情を把握しながら、皆が仕事をしやすいように調整していますが、それが難しさでありやりがいでもありますね。 description

コラム作成者
Liiga編集部
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