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介護・医療をはじめとした多分野でAI(人工知能)事業を展開し、注目を集めるエクサウィザーズ。外資系コンサルティングファーム出身者が、新規事業などで数多く活躍していることでも知られる。今回はボストン コンサルティング グループ(BCG)を“卒業”した後、エクサウィザーズで新規事業責任者などを務める2人に、コンサルとの違い、バリューを生むために心がけている点などを聞いた。
コンサルを出る不安より、「成長が止まる不安が強かった」
――コンサルティングファームから転職した理由をお聞かせください。
大植:学生時代はデータサイエンスを研究し、将来はテクノロジーで世の中にインパクトを与える仕事をしたいと思っていました。そのためにビジネスの経験も得たくて、事業戦略や企業の課題の解決を学べるBCGに入りました。
入社して4~5年経ったころ、ある程度仕事の“型”が見えてきて、次は自分が事業を起こしたいと考え、事業会社への転職を検討し始めました。当時は20代後半でした。大手の事業会社に転職した場合、その年齢だと部分的な仕事しか任されないことが多いですよね。そこで、ベンチャーかつ学生時代から興味のあるAI分野の企業に注目しました。
何社か訪問した中で、エクサウィザーズは社長の石山(洸氏)の話が圧倒的に面白く、ポテンシャルを感じたんです。「社会課題の解決」というスケールの大きい目標を掲げている会社は、他になかったですしね。
前川:私は新卒ではソニーに入社し、研究開発に携わりました。3年経ったところで、限られた領域だけで仕事を進めていくことで小さくまとまってしまうような危機感を覚えました。様々な産業で経営アジェンダに関われるコンサルティング業界に入って一度視野を広げ、視座も高めたいと思い、BCGに転職したんです。
BCGには6年半在籍し、楽しく働かせてもらいましたが、同時に心地よく仕事を“こなしてしまっている”自分に成長の鈍化も感じ、「このままでいいのか?」と思い始めました。また、事業経験がない自分のコンサルティングがどこまで有益なのか疑問があったことや、AIという大きな“波”に当事者として触れてみたいという気持ちもあって、エクサウィザーズに入社しました。
新しい環境に飛ぶこむ不安よりも、成長が止まることへの不安の方が強かったので、迷いはなかったですね。
個社の課題ではなく「みんなの課題」を解くのがエクサウィザーズ
――コンサル時代と仕事はどう違いますか。
大植:コンサルの仕事は経営者の悩みに対する答えを見つけること。今はアドバイザーではなく事業の主体者なので、答えを見つけるだけではダメで、実際に業績を上げなければ会社がつぶれてしまいます。
ゴルフで例えると、コンサルタントは超一流のインストラクターであり、非常にうまいものの実際にコースで試合はしません。一方、エクサウィザーズでは下手でもコースに出ないといけない。この違いはとても大きいですね。今は事業に自分の人生を懸けているような感覚があります。
前川:コンサルでは、よく「オーナーシップを持て」「ドライバーズシートに必ず座れ」と言われますし、自分もそのつもりで取り組んできました。ただ、やはりアドバイザーという立場なので事業に対して最後まで責任を持つわけではありません。
エクサウィザーズでは、自分が事業のオーナーなので、メンバーの雇用も含めて責任を持っています。コンサル時代とは背負う重みが違うと感じます。
――コンサルの仕事と比べ、自分の仕事が生むインパクトの違いはどのような点でしょうか。
前川:影響を与えられる範囲ですね。コンサルタントが解決する課題は、基本的には大企業を中心としたクライアントの課題です。その先には、もちろんクライアントのお客様がいますが、そのサービスを使える方は、一歩引いてみれば限定的です。一方、エクサウィザーズで解決するのは個社の課題ではなく社会の課題です。例えば、コンサルがなかなか関わることのできない介護分野では、介護施設、病院、市民など様々な立場の方々から感謝の声をいただいています。コンサル時代では得られなかった経験です。
大植:エクサウィザーズでは、介護やサービス業のようなコンサルでは関わることの難しかった業界にも、ソリューションを汎用化(プロダクト化)して低価格化することでサービス提供をできます。関われる業界が広い、という点もインパクトの違いかもしれません。
前川:また、経済的なインパクトの点でも違いがあります。例えば当社のプロダクトで介護者負担の軽減や要介護度の維持・抑制が見込めれば、巨大な社会インパクトを生み出せます。そのためには、官公庁や政治関係者とも会話をしながらサービスやプロダクト開発を進めなければならないシーンも多いですが、目指すインパクトの大きさゆえのチャレンジと考えています。
いち早くインパクトを出すために、中間成果物にはこだわらない
――新規事業をゼロから作ることができる点も、コンサル時代とは違うのではないでしょうか。
前川:私は身内が介護を必要とするようになったことがきっかけで、希望して介護関連の新規事業に携わるようになりました。
エクサウィザーズは社会課題を解決する会社です。世の中には解決すべき課題があふれているので、やるべきことはたくさんあります。新規事業の立ち上げを最初からやりたい人にとっては、とてもいい環境だと思います。
大植:観点は少し異なりますが、最近では新型コロナウイルスの感染拡大が社会課題ですし、アフターコロナにおける日本企業や自治体のデジタル化が進まなければ生産性は上がっていかないという問題もあります。そういった自分が覚える“課題感”に対して、ピュアに打ち込める=解決に向かって考えられる環境、土壌がエクサウィザーズにはあるように感じます。
――エクサウィザーズの仕事に適応するにあたり、ご自身の中で変えなければいけないことはありましたか。
前川:お客様が求めているのは、議論用のきれいなスライドや議事録ではありません。中間成果物の完成度を高めるのに時間を費やすのは、時に無駄になったりします。当初はコンサル時代のクセが抜けきらず、きれいな議論用資料を作っていましたが、お客様に読んでもらうことすらできなかったこともあります。「紙だけじゃ何も前に進まない。実際に何ができるのか、目の前で動くものが欲しいんだ」と。
大植:納品するものはスライドよりモック、モックよりもプロトタイプによるデモ、プロトタイプより完成に近いソフトウェアというように、よりお客様にインパクトを与えるものをいち早く届けることを意識するようになりましたね。
理学療法士や海外出身者など、多様な人材との協業にはバックグラウンドへの理解とリスペクトが必須
――クライアントとの接し方も変わりましたか。
前川:いわゆる“コンサルっぽい”話し方はやめました。例えば横文字は極力使わないとか、とにかく分かりやすく伝えることを心掛けています。プロダクトを作っても、現場の人に使ってもらえなければ、社会課題は解決できません。現場の人が打ち解けて本音で話してくれるように、コミュニケーションのスタイルを変えていったんです。
また、お客様を深く理解するため、休日にボランティアで実際に介護を経験したり、複雑な法規制などの勉強会に参加したりしています。現場の人と“共通の言語”で話せるようになることが、大事だと思います。
大植:論理的にアドバイスするだけではなく、本当の仲間になって事業を作っていく、という姿勢を採るようになりました。その結果として、お客様から新たなお客様を紹介してもらうことも増えました。
――変化という意味では、理学療法士、エンジニア、デザイナーなど異なるバックグラウンドの仲間と協業する機会が増えたのも、大きいのではないでしょうか。
前川:大きいです。一例ですが、介護や医療の現場を経験したメンバーは、福祉の世界にいたので、事業会社の”事業”に対する見方や考え方が違っていたりします。社会課題を解決するにはより多くの方に我々のサービスを使ってもらわないといけないですが、事業をスケールさせるためには、彼・彼女らに丁寧に考えを説明し、賛同を得なければならないこともあります。その際には、各メンバーのプライベートな面も含めたバックグラウンドの理解が不可欠です。チームのマネジメントについてはコンサル時代より深く考えるようになりました。
大植:チームで仕事をするので、同僚をリスペクトすることを心がけています。今やエンジニアの海外出身者の比率が3~4割となり、出身国は22カ国に上ります。多様性の中でチームをうまく機能させるため、リスペクトは不可欠だと思います。
――コンサル出身者がエクサウィザーズに勤めることによって、どのようなキャリアが開けると思いますか。石山社長(石山社長の記事はこちら)は経営のプロやプロダクトマネージャーへの道について言及していました。
前川:起業の選択肢もあり得ますね。現在エクサウィザーズは、新規事業を担う1つのユニットを少人数で回しているのですが、各ユニットはアーリーフェーズの会社のように独立性を持っています。ユニットの責任者になれば社長と同様の経験が積めます。
大植:BCGからの転職を考えた時には起業も選択肢に入っていたのですが、経験や人脈が足りないと感じて転職を選びました。当時とエクサウィザーズで新規事業の責任者を経験した今を比較すると、起業した場合の成功確度は格段に高まっていると思います。