「GAFAをなめていた」GAFA転職で年収は1,000万円アップ、しかし求められる仕事は圧倒的ハイスピード・ハイレベル。現役社員が語るGAFAの内部事情とは
2020/12/12
#GAFAでの働き方

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「キャリアの到達点」として憧れる人も多いGoogle、Amazon、Facebook、Apple(GAFA)。今回お話を伺った、GAFAのうち一社に勤められる久永稔(仮名)さんも、「GAFA以上に働きやすい環境はない」と断言します。

今回は、GAFAの年収事情や働き方、そして実際に転職したからこそわかるGAFAの意外な事実についてお話しいただきました。

〈Profile〉
久永稔(仮名)
GAFA セールス
大学を卒業後、外資系・日系問わず事業会社や広告代理店を複数社経験。前職のWEB広告代理店を経て、GAFAの1社に転職する。現在はこれまでの経験を生かし、セールスとして活躍中。

【目次】
・「GAFAに転職して年収は1,000万円上がった」転職でつかんだ”GAFAドリーム”
・「GAFAのレベルをなめていた」求められるのはハイスピード・ハイレベルな仕事、しかし結果を出せれば他は自由
・「社員の男女比率はほぼ50:50」「出社するのはリモート前から50%以下」これ以上働きやすい場所はない?GAFAの働きやすさとは
・「GAFAで最も評価されるのは、0→1の新しい価値を生み出していくこと」GAFAに入って分かった意外な事実


「GAFAに転職して年収は1,000万円上がった」転職でつかんだ”GAFAドリーム”

――GAFAへの転職で年収にどれくらい変化がありましたか?

久永:だいたいプラス1,000万円になりました。前職のおよそ2倍ですね。前職までの経験を高く評価してくれたのだと思いますが、正直驚きました。

――久永さんはGAFAに入る前にも複数回転職をご経験されていますが、前職までの年収の上がり幅と比べてどうですか?

久永:それはもう、比べ物にならないくらいの上がり幅ですよ(笑)。

いくつかの経験をしたなかで、特に広告業界は、社内でどうこうするよりも転職してしまった方が年収を上げやすい傾向が強かったと感じます。そのため、私もこれまで大手・中小問わず、複数の代理店を経験しました。

ですが、1,000万円なんて上げ幅は初めてです。これまでの転職では上がってもせいぜい100万〜150万円くらいでしたから、信じられないですよね。

――社員の方の平均年収もそれくらいなのでしょうか?

久永:ジョブレベルによりますが、私のレベルが全体の真ん中のちょっと上くらいですから、平均年収もだいたい同じくらいじゃないでしょうか。

――ジョブレベルはどれくらい分かれているのですか?

久永:はっきりとは答えられませんが、全部で8~10段階程度です。

――ストックオプションはありますか?

久永:あります。年収とは別に年に数回付与されます。ただ1回あたりの金額はそこまで大きくはないです。

「GAFAのレベルをなめていた」求められるのはハイスピード・ハイレベルな仕事、しかし結果を出せれば他は自由

――入社の前後でギャップを感じたことはありますか?

久永:想像していたよりもはるかに優秀な人間が多かったことです。正直、GAFAのレベルをなめていました(笑)。

20代から30代前半の若手も多いのですが、今まで出会ってきた同年代の人材に比べると、聞いたこともないような物事の考え方やアイデアの生み出し方ができる人たちがゴロゴロいます。衝撃でしたね。

――GAFAに入社して苦労したことはありますか?

久永:求められるキャッチアップの質と量が圧倒的にハイレベルだったことです。社内情報を共有するシステムにおいてシェアされる情報を常に意識的にキャッチアップしないと、自分だけが取り残されます。

また、その情報を取捨選択し、ビジネスにどうつなげていくかを考え続けることを求められます。その点に関しては、誰も何も教えてくれないので、自分でしがみついていくしかありません。

あとは、時間管理の面でも最初は苦労しましたね。

――どういうことでしょうか?

久永:仮に会議の時間が30分に設定されていたら、本当に30分で終わるんです。そのためミーティングひとつひとつに対して事前にしっかり準備をしていかないと「あれ、これ何のためのミーティングだっけ?」と思っているうちに会議が終わってしまいます。

今まで勤めてきた業界のなかでも、特に広告業界は「時間をかけて皆でブレストしアイデアを煮詰めることに価値がある」というような暗黙の了解があったので、1時間の会議の予定でもバッファをみて1.5~2時間は見込んでおく事が多々ありました。それと比べると、まったくの別世界ですね。

――決められた時間内に業務を終わらせる文化があるということは、退勤時間も早いのでしょうか?

久永:だいたい定時には退社している人が多いですね。

基本的にやらなければいけないことをきっちりやっていれば、そのあたりは本当に自由です。「仕事は大切だけど、それに等しくプライベートも大切にするべきだ」という考えのもと、会社としてそれぞれの社員が家族や友人と過ごす時間を重要視しているんです。

――拘束時間が短くなったことで、前職より楽になりましたか?

久永:正直、慣れるまでは前の方が楽でした(笑)。1つ1つの仕事にものすごいスピード感が求められるので、1時間に対する集中力はGAFAの方が圧倒的に必要ですから。でも、慣れてしまえばこっちの方が楽だとは思います。

――それに適応できずに辞めていく人もいるのでしょうか?

久永:いますね。自分から辞める人もいれば、採用されたあとパフォーマンスが低いまま改善しなかったりして、解雇されるケースもあるようです。

「社員の男女比率はほぼ50:50」「出社するのはリモート前から50%以下」これ以上働きやすい場所はない?GAFAの働きやすさとは

――社風について、印象的だったことはありますか?

久永:男女平等に関する意識がとても強いことですね。

グローバル企業なので、一人一人を尊重する風土が強く、女性に対するケア、女性をリーダーにしていくような男女の垣根をなくす活動が非常にしっかりとされています。女性マネージャーや管理者もこれまで在籍した企業と比べると圧倒的に多いです。

――男性にも女性にも働きやすい職場を作ることを心がけているのですね。

久永:そうですね。労働環境的にも働きやすいように整えられていているので、正直これ以上働きやすい環境はないんじゃないかと思っています。

――他にはどのような点でそう感じますか?

久永:いろいろありますが、たとえば、働く場所が非常にフレキシブルなことです。

新型コロナウイルスが流行する前から弊社はリモートが多く、出社するのは全体の5割をきっていたくらいでした。だから私が面接に行った際もオフィスには人が少なく、妙な不安感を抱きました(笑)。

さすがにチームミーティングがあったりするので週5でリモートは難しいのですが、週1~3日はリモートの人が多いです。

「GAFAで最も評価されるのは、0→1の新しい価値を生み出していくこと」GAFAに入って分かった意外な事実

――GAFAの悪いところはありますか?

久永:これといったものはありませんが、強いてあげるとすれば危機感があまりないところでしょうか。GAFAは正直、放っておいても売り上げが上がっていくので、「業績が悪化したらどうしよう」といったことを考えている人が少ないような気がします。

なので、業績が傾いてきた時に社内がどう変わるんだろうというところは、個人的に興味がありますね。

――売り上げが勝手に上がるとなると、GAFAは何を評価軸としているのでしょうか?

久永:「いかにして社会的に価値のあるビジネスを起こしているのか、新しいアイデアを生み出しているのか」です。単純に売り上げだけをあげても、GAFAではそれほど評価されません。

GAFAというと、もうすでに企業として完成していると思われがちですが、実は0→1で何かを作っていくことがとても多いんです。

新しいアイデアや新しい価値を生み出していくことを売り上げ以上に本当に重視する会社は私の経験上あまりなかったですし、私自身も今までその視点を持てていませんでした。だから、今GAFAで働いていて、本当に面白いですよ。

コラム作成者
Liiga編集部
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