M&Aの「想定外」を味わったからこそたどり着いた境地

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M&A後の統合効果を最大化するための統合業務PMI(Post Merger Integration)は、M&Aの成否に大きく影響を及ぼす。だが、どこかつかみ所がないのは、明確な定義が存在しないからだろうか。今回は、M&Aの目的を達成させるために不可欠なPMIの現実について、PwCアドバイザリーのDS&O(戦略・実行支援)でディレクターを務める2人に語ってもらった。PMIの黎明期から今に至るまで、PMIに携わる2人だからこそ語れる、業務の魅力や背景に迫る。

〈Profile〉
写真右/山口雄司 (やまぐち・ゆうじ) ディレクター
2006年 あらた監査法人(現、PwCあらた有限責任監査法人)に入社。上場企業の法定監査、米国上場子会社の米国基準監査、海外のPwCネットワークファームへのレポーティング業務などに従事し、 2011年から約2年間PwC米国に赴任。SEC(米国証券取引委員会)上場クライアントのグループ監査人として、各国の子会社監査チームの管理なども経験。2015年からPwCアドバイザリー合同会社(以下、PwCアドバイザリー)に移り、クロスボーダー案件のプロジェクトに多数関与し、さまざまな産業・業界にてサービスを提供している。
写真左/赤間穏子 (あかま・しずこ) ディレクター
前職の外資系コンサルティング会社では、業務プロセス改善をはじめ、人事制度策定、設備管理システム導入に伴うチェンジマネジメント、企業文化成熟度診断、グローバル化検討支援など、多岐にわたる業務に従事。2009年、PwCアドバイザリーに参画し、PMIを中心として、クロスボーダー・国内、完全子会社化・合併など種々の組み合わせ案件に関与。合併案件では、プロジェクトマネージャーとして、プロジェクト体制整備などの立ち上げの段階から、クライアントとともにハンズオンでの支援を実施している。



専門家として寄り添いPMIを成功に導く

――おふたりが所属する部門が提供するサービスの内容を教えてください。

赤間:PMIでは、M&A後の統合効果を最大化するために、非常に多岐にわたる業務を行います。PMIを、買収対象事業の所有権が買収先に移管した統合初日「DAY1」以降のプロセスだと認識される方が多いのですが、そうとも限りません。

実際には、買収の検討初期段階から、将来的な企業価値の向上を見据えて、PMIに関するチームが組まれ、クライアントを支援していきます。

例えば、2つの会社を1つにする合併であれば、制度統合、業務オペレーションの統合、ITシステムの統合などの検討領域があります。また、買収後に法人格の統合は行わず、買い手の子会社として位置付ける場合は、検討しているシナジーの実行計画を見直し、新しい親会社のカバナンスを利かせるための決裁基準の整備、連結決算の体制整備などの検討領域があります。

このように、PMIの業務に関するものは、機関設計、決裁権限などのガバナンス、財務経理、税務、ITシステムなど、まさに会社の仕組みを変えるような領域に及ぶため、1つのプロジェクトを1人で担当するということはありません。各領域の専門性を持つメンバーと協力し、チームを組んで遂行することになっています。

山口:実際、私たちが1つのプロジェクトでどこまで関与するかは、クライアントのニーズに応じて大きく変わります。基本的に統合プロジェクト全体を統括するIMO(インテグレーション・マネージメント・オフィス)を任されることが多いですが、財務経理、人事、ITなどの各機能領域に関しての支援を依頼される場合もあります。例えば、カーブアウトを伴うM&Aの場合、売り手が事業部門の一部や子会社を切り出さなかったりすると、ある特定の機能は買い手が補完しなければならず、その補完すべき機能を一から構築することが必要です。このように、私たちPMIチームはDAY1以降を見据えながら、各課題の解決に向けてお手伝いをしていきます。

――実際、PMIのプロジェクトとはどんなものなのでしょうか?

赤間:イメージしやすいように「新しい事業領域に挑戦するため、国内企業が海外企業から一部事業を買収する」という例でご説明します。このような、法人格ごと買収するのではなく、事業部門の買収である場合、私たちPMIチームは、デューデリジェンス(価値やリスクを把握する調査)の段階で参画し、その事業部門のみを引き取ったとして、当該事業部門が単独で事業運営することが可能かという点をまず診断します。例えば、買収部門の運営に必要な機能(特にバックオフィス機能や購買などの部門共通機能)が手放されないということはないか、部門を買収してもそこに部門の業務プロセスを支えるITシステムが含まれないということはないかなど、どの程度、買い手側でそれらを準備しておかねばならないのかを調査します。

比較的独立して事業運営を行っている事業部門を買収した場合でも、やはりDAY1までにすべきことはたくさんあります。新たに親会社となる買い手に事前承認を得るべき事項の特定や、親会社への報告ルール(報告内容や頻度、レポーティングライン)の整備、連結決算の仕組み構築、DAY1以降に必要な運転資金の確保、キーパーソンをつなぎ止めるリテンションプランの策定などです。PMIの業務が、決して1人では切り盛りできないことがおわかりいただけると思います。

――日本企業によるM&Aで、特徴的と感じることはありますか。

赤間:買収した企業の自主性や自律性を非常に尊重する傾向にあるように感じます。自分たちが介入すると、元来の対象企業の良さを損ねてしまうのではないかという不安が背景にあるのですね。その結果、親会社としてどこまでを主張すべきか、という点で悩まれることが多いように感じます。その背景には、海外の慣習や文化、経営陣やキーパーソンの資質といった要素もあるので、どこまでを割り切るかという観点から、どこに基準を設定するかで悩んでおられるように思います。

――M&AでPMIアドバイザーが必要だと思うのはなぜでしょうか?

山口:統合案件で考えると、DAY1やDAY100に向けた準備の中で、対象会社の現状を把握するためにワークショップを開催したり、統合に向けたPMIプランの策定を支援したりします。さらに、DAY1以降は、策定されたPMIプランの実行推進に関する支援を継続して行います。

どこまで支援させていただけるかは、クライアントのご要望にもよりますので、DAY1以降の支援は不要となることもあります。ただ、当事者同士のコミュニケーションがうまくとれないことが原因で、策定したプランが実行されず止まってしまえば、当初企図したM&Aの目的が達成されない恐れがあります。策定プランをどう実行に移し、どう推進していくか、それには、やはり、専門性を持ったPMIアドバイザーの存在が必要だと思います。

PMIアドバイザーは、売り手と買い手の間に立ち、まずコミュニケーション不足による混乱がないよう問題点を整理することができますし、知見を生かしたサポートが可能です。

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M&Aは計画通りに進まない。その「想定外」も「やる気」に変えられる人が向いている

――PwCアドバイザリーによるPMIの特長は何でしょう。

赤間:当社のPMIには2つの特長があります。「チームアップの柔軟性」と「スピード感のある対応」です。PwC Japanグループは、部門の垣根を越えて、税務チームなど含め、横の連携が非常にスムーズなため、さまざまな領域・機能におけるプロフェッショナルをクライアントのニーズに合わせて、柔軟にチームアップできます。また、グループ間の風通しが良いので、クライアントから専門的な質問をいただいたときにも、知見のあるプロフェッショナルの見解を、クライアントに迅速に届けることが可能です。

――PwCアドバイザリーでPMIに携わる方はどのような業界出身が多いですか。

赤間:当社には、コンサルティングファーム、監査法人、投資銀行の出身者や、事業会社の経営企画部門にいた者が数多く在籍しています。他のバックグラウンドを持っている者も多く、M&A、PMIに興味があり、クライアントとともに「買収に込められた思いを実現したい」という意欲の高いメンバーがそろっています。

山口:M&Aは世界中の企業を対象にするため、海外の文化やワークスタイルに関する理解が不可欠です。私たちのチームが多様性に富んでいることも、決して偶然ではないと思います。

――PwCアドバイザリーに転職をされる人は、どのような方が多いのでしょうか。

赤間:「スタッフ」と「マネージャー以上」で回答は異なると思うので、それぞれ分けて説明します。

まずスタッフですが、M&Aに関する知識や、自身の得意領域の経験がまだ豊富とはいえない状況ではあっても、それを軸にしつつ「M&Aに挑戦したい」という強い思いから新しい領域に飛び込んでくる方が多いですね。実際、前職でSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の仕事をしていたメンバーは、自分の軸を「業務オペレーションや連動するITシステム」領域に置きつつ、対象事業の業務特性を理解した上で、どのような決裁基準を設定するべきかといったガバナンス領域の検討にも挑戦中です。

一方、マネージャー以上には、特定分野の高い専門性を軸にした上で、買収直後に突発的に発生する事象に対しての応用力が求められます。何に起因して発生した事象かもわからず、複数の要因が混在しているような状況の中で、潜在的な課題を特定し、その解決に向けてどのような知見が必要なのかを把握し、その専門性を持つ人材を巻き込みながら、それぞれの専門性を生かして、課題を読み解き、解決に向けて取り組んでいく。そこに面白みを感じている者が多いと思います。

――PMIの業務に向いているのはどのような方でしょうか。

山口:M&Aプロセス全体を俯瞰(ふかん)しながら他者を巻き込んで動かせる人ですね。今、何をすべきかを状況に応じて柔軟に思考できる力が大事です。これまで培ってきた知識や経験を生かしながら、他領域の専門家やプロフェッショナルと連携して、クライアントの課題解決のために切磋琢磨できる方は活躍できるでしょう。

赤間:「想定外」を「やる気」に変えられる人、ですね。私自身も経験してきたことですが、企業の「平常時」に実施する業務改善などのプロジェクトでは、オンスケジュールがほとんどで、途中でプロジェクトが止まる、案件が消失するといったことはほぼ起こりません。これに対して、M&Aは「会社の仕組みが変わる」という、当事者にとっては非常時中のプロジェクトといえます。買収交渉が長引いたり、事前調査内容で結論が揺れたりして、計画通りに物事が進むということはあまりありません。また、利害関係人が多すぎてシナジー施策の実現が想定通り進まないこともあります。当事者が頑張れば何とかなるという域を超えた事象も発生します。ですから、物事が計画通りに進まなくても、その想定外をストレスに感じることなく、臨機応変に立ち向かおうとする人には、向いている仕事だと思います。

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既存の枠組みにはまらない、もう一歩踏み込んだサービスを提供したい

――おふたりが今後チャレンジしていきたいことをお聞かせください。

山口:新しい価値提供のスキームの実現です。当社のさまざまな専門チームと話し合いながら、革新的なサービスやソリューションの提供に向けて模索中です。今イメージしていることが早く実現できるように、全力を尽くしたいと考えています。

赤間:クライアントに対して、既存の枠組みにはまらない、もう一歩踏み込んだサービスを提供したいという思いがあります。私たちのPurpose(存在意義)はPwC共通で、「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」ことです。PMIの業務を通じて、統合後の企業価値をいかに早く最大化できるか、立ち止まることなく追求していきたいと考えています。

M&Aは企業にとって大きな経営判断です。近頃は、クライアントのM&Aに対する理解も進んできていて、M&Aを繰り返し行うことで成長するというトレンドも出てきています。私たちもPMIを含むM&Aに対する知見をどんどん蓄積している自負があります。新しい世代が、従来のM&A/PMIをいかに進化させていくか、非常に楽しみです。

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date_range 2021-02-22

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