40人のベンチャーが4000人のセガ子会社の株式を取得。「企業群構想」を掲げるPEファンドの正体

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企業の価値向上に全力を尽くすプロ集団「プライベート・エクイティ・ファンド」(PEファンド)。投資先企業への経営陣の投入や金融スキームの改善など、多様にある成長戦略の一つに上げられるのがM&Aだ。それは投資先、買収先企業だけではなく、PEファンドの名前とともに世間の注目を集めることもある。

その一例として挙げられるのが、2017年設立のPEファンド「株式会社ミダスキャピタル」(吉村英毅・代表取締役パートナー)の投資先企業「株式会社GENDA」(片岡尚・代表取締役会長、申真衣・代表取締役社長)によるM&A事例だ。

ミダスキャピタルにジョインすると同時にGENDAを創業した申氏と、ミダスキャピタル本体を支えている寺田修輔取締役パートナーは、いずれも外資系金融機関出身者。ふたりは吉村氏が掲げるミダスキャピタルの「企業群構想」に引かれ、参画を決めた。

ミダスキャピタルの企業群構想とは何か。老舗アミューズメント企業「株式会社セガ エンタテインメント」を買収した直近のM&A事案を振り返りながら、ふたりに語ってもらった。

M&Aは「ファイナンスが一番の肝」。3期目の業界新参者が挑戦

それは2020年7月のことだった。アミューズメント関連事業会社GENDAの申社長は、同社共同創業者の片岡尚氏に入っている、とある面談予定に気が付いた。相手は、セガサミーホールディングス(HD)株式会社の関係者。「もしかして、その時が来たか」。申氏は、M&A案件が具体化する気配を察した。

セガサミーHDの子会社セガ エンタテインメントは従業員約4000人、全国約200店舗のゲームセンターを運営する、アミューズメント施設運営の老舗だ。一方のGENDAは創業2年を過ぎたばかり。施設に対するゲーム機のレンタルやオンラインクレーンゲームを主要事業にしていた。

GENDAがいつか、国内の“リアルな遊び場でのエンターテインメント”に動き出すことは、申氏にとっても折り込み済みだった。なぜなら、片岡氏はファミリーエンターテイメント企業「株式会社イオンファンタジー」元社長。古巣で約20年手掛けてきた得意中の得意分野であり、今後の業界再編の可能性も踏まえれば当然の成長戦略だった。

とはいえ、企業としてはまだ新参者のGENDAがM&Aを成功できるかどうかは「ファイナンスが一番の肝」(申氏)。大きな飛躍に向け、申氏は動き出した。

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ゴールドマンMDからの転身。きっかけは「大きな夢」と「違うようで似ているビジネスパートナー」

申氏は2007年、新卒で入社したゴールドマン・サックス証券株式会社(GS)で法人営業や商品開発、いわゆるマーケットサイドの業務に従事。2018年には当時最年少でマネージングディレクター(MD)にまで上り詰めていた。

そんな中で申氏は、ビジネスでもプライベートでもつながりのなかったアミューズメントの世界になぜ飛び込んだのか。その背景には、後に申氏自ら参画することになるミダスキャピタルの創業者・吉村氏との再会があった。

申氏にとって吉村氏は東京大学経済学部のゼミの先輩。2018年春、卒業生が集う場で久々に再会すると、後日「仕事をオファーしたい」と面会を打診する1通のメールが届いた。

申氏が訪れた都内某所のオフィスで吉村氏が語ったのは、2017年に自身が創業したミダスキャピタルの掲げる、大きなビジョンだった。投資先企業の時価総額合計を2024年に1兆円へ、2030年に10兆円へ、2040年にはどの日本企業もたどり着いていない100兆円という高みを目指していく―――。

ミダスキャピタルは、他のPEファンドとは異なるスキームを構築している。通常、PEファンドは外部資本を集め、案件ごとに一定の投資期間や回収期間を設けつつ、投資先企業の価値を高めてExitを目指す。

一方、ミダスキャピタルではファンドへの出資者をミダス企業群関連の経営者や実業家、プロフェッショナルファーム出身者らに限定しており、外部投資家に資金を償還する必要がないため実質的なファンドの期限が到来しない。投資先企業は、ミダスキャピタルから資金面や経営面の支援を受け、中長期的な成長を目指せる。

しかし当時のミダスキャピタルは、着物やブランド品の出張買い取りサービスを展開する株式会社BuySell Technologies(バイセルテクノロジーズ)を傘下に収めたのみで、専任社員も存在していなかった。

前述のスキームさえまだはっきりしない段階でありながら、夢を語る吉村氏。申氏は「率直に言えば夢だけがある状況に、ぽかんとした」のだが、吉村氏の姿勢に、自身のそれまでを顧みずにはいられなかった。

昔から「目標を設定し、それに向かってやり抜く力」に自負があった申氏。GSに新卒入社した当時は「40歳までにMD就任」を目標に掲げた。直後にリーマン・ショックの不況に直面しながらも生き残り、優秀な人材ぞろいの環境で高みを目指した。

ただ、33歳でのMD就任は、自身の目標から見れば5年以上も前倒しだった。他人との比較ではなく自身の問題として「コンサバな目標しか立てられない私は、目標設定が低い」と思ってしまうことさえあった。

一方、目の前には途方もなく大きいビジョンを本気で口にする吉村氏がいた。「これからは、自分が想像できなかったような高すぎる目標を掲げる人たちと、一緒にいたい」という気持ちが、転身の決め手だった。

同時に吉村氏から打診されたのは、片岡氏との、エンターテインメント分野での共同創業だった。実際に片岡氏本人に会うと、自分に近い「数字で語る」バランス感覚を感じた。

イオンファンタジーの施設にも足を運んでみた。「ショッピングモールの中にある店舗は明るく、小さい子どもが遊びやすいよう機器も低く設計されていて、こんなふうになっているのかと驚いた」(申氏)

思い返せば中高生の頃、写真シール作製機の前に友人と列をなし、自分の手帳いっぱいにシールをコレクションしていた。その時代で止まっていた申氏の業界に対する印象が、一気に変わった経験だった。

「共同創業するなら似ているところも違いも両方持っている人と、知見がない業界でやりたかった」。2018年5月、この上ないビジネスパートナーとともに、申氏のチャレンジが始まった。

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従業員規模100倍のM&Aの機会を逃さなかった。業界人の人脈×金融系スペシャリストによる資金調達

ミダスキャピタルに出資している「ミダスメンバー」は大別すると、吉村氏や片岡氏のような経営者や事業家、そして申氏のようなプロフェッショナルファーム出身者の2つに分けられる。各メンバーは、主に各企業で経営を担う申氏のような場合と、ミダスキャピタル本体の業務に携わるパターンがある。後者に当てはまるのが、2020年7月にジョインした寺田氏だ。

寺田氏はシティグループ証券株式会社を経て、求人や不動産などの情報サイトの運営を手掛ける株式会社じげんのCFOに就任。数々のM&A案件を成功に導き、じげんの東証1部上場に貢献した寺田氏に対し、吉村氏がオファーを正式に打診したのは2019年秋だった。

その頃のミダスキャピタルには、申氏と同様に吉村氏のビジョンに共感するプロたちが集まり、彼らが手掛ける会社が一社、また一社と「企業群」を形成していた。2019年12月にはミダスキャピタルの第1号案件だったBuySell Technologiesが東証マザーズ上場を果たし、吉村氏の「夢」は、明確な「ビジョン」となりつつあった。

「このスキームを最大限活用すれば、吉村の言う『時価総額を1兆、10兆、100兆』という成長も荒唐無稽な話ではないと感じた」(寺田氏)。2020年7月、寺田氏はミダスキャピタルへのジョインを決めた。

GENDAによるセガ エンタテインメントのM&Aが動き出したのはちょうどその直後だった。

このM&Aで老舗の買収側企業がGENDAに白羽の矢を立てたのは、3期目のベンチャーでありながらアミューズメント業界を知り尽くす片岡氏が、創業当初から「リアルな遊び場づくり」への意欲を示し続けてきたからだろう。片岡氏は買収側企業との価格や条件交渉に立ち、一方の申氏の特命事項は「ファイナンス(資金調達)をどう付けるかというところに尽きる」。寺田氏は、「ファイナンスは数も稼がないといけない中で、こちらから投げたボールを申さんがどんどん打ってくれていた」と振り返る。

また、GENDAは40人規模の組織に公認会計士2人を擁する「エグゼキューション能力(M&Aの事務手続きの管理や実行のための能力)が高いコーポレート部門」(寺田氏)を作り上げていた。組織体制の強さも功を奏し、GENDAは2020年11月の公表日に向けて突き進んだ。

そして迎えた11月4日。「アミューズメント施設事業の拡大に強い意欲を持つGENDA社へ、株式を譲渡」。GENDAがセガ エンタテインメントの株式の85.1%を取得し、セガサミーHDの連結子会社から除外されるニュースが、世間を駆け巡った。GENDAにとっては、従業員規模100倍の4000人の企業へと急成長を遂げた瞬間だった。

買収側企業のウェブサイトで、株式譲渡のリリースを確認した申氏は「ちょっと安心しつつ、ここからがスタート、と気を引き締めた」。「M&Aは、ご一緒してからのほうが本番」(寺田氏)だということを、プロフェッショナル達は心得ている。

「社員の方も店舗で働いているアルバイトの方も、皆さんセガのことがすごく好き。多くの方々の生活を預かる責任は大変重いし、その『好き』という気持ちを大事にしたい」(申氏)。2020年末にM&Aは完了し、GENDAの子会社となったセガ エンタテインメントは「GENDA SEGA Entertainment」として新たなスタートを切った。

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1社のグロースには限界があるが、企業群としてなら輝ける。ミダスキャピタルのストラテジー 

ミダスキャピタルの企業群には、3つの形態がある。1つ目はバイアウト、2つ目は現物出資(オーナーファンド)、3つ目は新規設立だ。

1つ目は既存の株主からミダスファンドが株式を買い取り投資先とする方法で、一般的なバイアウトと同じだ。一例として、BuySell Technologiesが上げられる。

現物出資は、経営株主が個人で所有する株式をファンドに現物出資し、かつ経営株主はミダスキャピタルのメンバーに加わる。

新規設立の場合、ミダスファンドが筆頭株主となり、経営者、事業家やプロフェッショナルファーム出身者が会社を設立する。GENDAはこの3つ目にあたる。

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どんなに優秀なビジネスパーソンがいても、1社をグロースさせるのには限界がある。ミダスキャピタルに参画することで企業群として成長を果たせば、「世界に冠たる企業群」として輝ける。

このビジョンを達成するため、メンバーたちの“舵取り役”となった寺田氏の業務は幅広い。成長ステージが異なる一社一社の時価総額の見込みを想定し、企業群としての道筋を描いていく。

「オーガニックの事業成長だけでたどり着く投資先もあれば、M&Aやファイナンスで一気に経営戦略自体を加速させていく場合もある」(寺田氏)。より本質的な事業の成長に資するため、テクノロジー面、ビジネス面での最適な人材のソーシングもするし、時には寺田氏自身が「一緒に汗をかく」こともある。

また、オーナーファンドとして新規参画する候補企業の発掘やコミュニケーション、更にミダス企業群の社長がそろう「社長会」の定期開催といった組織作りも、寺田氏が加わってから本格化した。

寺田氏の参画は、ミダス企業群にとって「夢の解像度が上がる」(申氏)好影響を及ぼしている。

求められるのは、オーナーシップと高い目標

今回、GENDAが実行したM&Aは、グロースの真っただ中にいる企業群のメンバーにとっても大きな刺激となったに違いない。

2月時点でミダスのファンドがマジョリティーや筆頭株主となっているのが8社、マイノリティー出資先が5社、これらに携わるミダスメンバーは約30人。投資銀行やコンサルティングファーム、監査法人など出身のプロフェッショナルが半分、経営者や実業家が半分といった構成になっている。いずれも真に事業を成長させられる、“超一流”ぞろいだ。

この構想に加わる人材に求められる素質とは何か。

寺田氏自身も事業会社で約5年、CEOの右腕として経営に向き合い「オーナーシップが求められる」現場を数多く経験してきた。ミダスキャピタルでもオーナー経営者と向き合う機会が多く「『株を持っているから』ではなく、『この会社、組織、事業は、自分が何とかする』というマインドを強く持てる人と働きたい」と言う。

具体的には「上場前後の企業の子会社経営陣や事業部長のように一国一城のあるじを組織人としてされていたような方や、事業そのものに対してコミットし、成長させてきたような方」と話す。

申氏は振り返る。「人ありき」の外資系金融機関での約11年は「スタンダードが高く、刺激が多い環境でビジネスに向き合えた」と断言できた。その後、吉村氏のビジョンに引かれたのも、片岡氏というその道のプロとタッグを組み畑違いの世界に転身したのも「人ありき」だった。

前職も現在も優秀な人材とともに働くという共通項があるが、あえてチャレンジングな新しい環境に飛び込んだのは「目標が高い人たちと夢を形にできるから」であった。申氏は「ミダスキャピタルの組織の形はユニーク。だからこそ、いろんな優秀な人が活躍できる場があり、そのような方々の参画は新しい刺激にもなる」と強調する。

ふたりは、傑出した人材からなる企業群同士が切磋琢磨し、日本企業がまだ見たことのない高みを目指す将来に、期待を膨らませている。

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〈Profile〉
写真右/申真衣(しん・まい)
株式会社GENDA代表取締役社長。
大阪府出身、東京大学経済学部卒。2007年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。金融法人営業部にて金融機関向け債券営業、金融商品開発部にて商品開発に従事。2016年金融商品開発部部長、2018年マネージングディレクターに就任(当時最年少)。2018年5月、株式会社ミダスエンターテイメント(現GENDA)を共同創業。2019年6月より代表取締役社長。
写真左/寺田修輔(てらだ・しゅうすけ)
株式会社ミダスキャピタル 取締役パートナー。
千葉県出身、東京大学経済学部卒。2009年シティグループ証券株式会社入社。セルサイド・アナリストとして不動産、REIT、住宅、建設業界の株式調査業務などに従事し、2014年より不動産チームヘッド。2016年3月、株式会社じげんに入社。2018年6月、取締役執行役員CFO。2020年7月、株式会社ミダスキャピタルに参画。




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