バイサイドってどんな世界? -『Liiga Buyside Bootcamp』を受講してみた -
2021/06/30

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外資系金融という言葉で一番身近は、「投資銀行」をあげられる方も多いと思います。しかし近年では、投資銀行以外にも資産運用会社に対する注目が集まっています。資産運用会社は「バイサイド」と呼ばれ、新卒採用だけでなく、中途採用でも転職の難易度が高い業界となっています。

そこで、今回は、6月3日に行われた『Liiga Buyside Bootcamp 基礎編』の内容を一部公開しながら、「バイサイドとは何か」についてをお伝えします。

『Liiga Buyside Bootcamp 基礎編』
・バイサイドとセルサイドの違い
・バイサイドの企業とは
・バイサイドのプレーヤーとは
・バイサイドの職種とは
・バイサイドの世界を知り、キャリアアップやキャリアチェンジを

バイサイドとセルサイドの違い

そもそも、バイサイドとは一体どのような業界なのでしょうか。 証券業界には、株や債券の売買をする業界と株や債券を組み合わせて運用する業界があります。前者をセルサイド、後者をバイサイドと言います。

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『Liiga Buyside Bootcamp』講師 清水伸太郎氏 「セルサイドは証券を売っている側だと考えてもらえるとわかりやすいのではないでしょうか。機関投資家、つまり証券を買っている側がバイサイドになります。この2つを比較した時に4つほど特徴があると思っています。

1つ目はビジネスモデルが違います。証券会社は比較的フロービジネスが中心です。商品やアドバイスを提供して手数料をいただくというビジネスです。新規案件を獲得し、積み上げることで年間でのレベニューを他社と競いながら案件をとっていきます。常に次の四半期のことを考え、開拓しながらではないといけないということがセルサイドのビジネスモデルの特徴です。 一方のバイサイドは一度お客様からお金をお預かりすると解約されない限り時間軸の効果が続きます。例えば100億円預かって、手数料が1%とすると運用報酬がつきます。プラスで成功報酬が入ってくることもあります。いつでも運用報酬が入ってくるため、安定しているところが大きな違いです。

2つ目はプロダクトについて大きな違いがあります。株式を買う際の手数料では、競争優位性の付加が難しいです。顧客との信頼関係だけでなく、付加価値やアナリストの知見を使うことで差別化を図ることが必要です。 一方で、バイサイドの場合は、同じファンドが存在しません。そのため、各商品ごとに差別化が図られています。過去の運用の実績で自分たちの優位性を示すことができるため、ユニークな商品を持っていくことができるところがプロダクトの部分で大きく異なるところになります。

3つ目は働き方です。セルサイドは、結果を出し、評価を得てから出世するスピードが速いです。そのため、20代でマネージングディレクターになる方もいることが特徴です。 一方で、バイサイドは、中長期に戦略を持って働く人がバイサイドには求められます。

4つ目は、報酬の部分です。セルサイドは業績に対して単年度で払われることが多いです。そのため、給料のレンジが広くなります。リストラするときは優秀な人を残しつつ、稼いでいない人を切るため、評価はシビアになる傾向があります。 バイサイドはサブスクリプションモデルなので、短期的な効果は得られません。そのため、譲渡制限株式やファンドの持ち分によって、運用によって報酬をもらうインセンティブをもらう形になります。お客様との利害の一致がある形になることが魅力の1つです。」

更に詳細を深めたい方は、全ての講義を、動画にて視聴することが可能ですので、お申し込みをご検討いただければ幸いです。


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バイサイドの企業とは

前のセクションで、バイサイドとセルサイドの企業の比較を行いました。 では、いったいどのような企業がバイサイドに当てはまるのでしょうか。

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『Liiga Buyside Bootcamp』講師 清水伸太郎氏 「バイサイドというと様々な企業が存在しますが、一般的にはここに書いてある全ての会社がバイサイドだと思います。しかし、アセットオーナーになる企業と運用する側に分かれているため、ここではインベストメントマネージャーをバイサイドと呼びます。お客様のお金を預かり、増やすことで付加価値を出すビジネスを狭義のバイサイドの定義とします。広義のバイサイドにはさまざまな会社が当てはまります。」

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バイサイドのプレーヤーとは

お客様の資産を増加させることで付加価値を出すビジネスを狭義のバイサイドと定義をしました。

では、バイサイドでどのような企業があるのかをスライドを用いて解説していきます。

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『Liiga Buyside Bootcamp』講師 清水伸太郎氏 「バイサイドのプレーヤーを分ける伝統的資産と非伝統的資産に分けることが一番綺麗な分け方だと思っています。伝統的資産とは、株式や債券といった流動性資産に分散投資する運用会社が扱うものです。伝統的資産を扱う会社は、一般的には新卒採用もしており、資産額も大きいので、セカンドキャリアでバイサイドを目指す時に第一候補に上がる会社だと思います。中途でマーケット部門から転職する時にも行きやすい会社が多くあります。投資信託などで個人が購入できる商品を販売しているのも伝統的資産に括られる会社です。

しかし、最近では非伝統的資産に進出する会社や、人材も増加傾向にあります。非伝統的資産とは流動性が低い資産のことを指します。つまり、一度投資をすると解約や売却の機会が限られていることが特徴です。解約の機会が限られている分、その分高リスク高リターンになっているところが、非伝統的資産の特徴として挙げられます。伝統的資産が目標のリターンが一桁後半に対して非伝統的資産だと20%のリターンを目指しています。プライベートエクイティファンドやベンチャーキャピタルがあげられます。グロースのある会社に投資して、上場させてエグジットといったことを行います。」

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バイサイドの職種とは

ここまで、バイサイドとセルサイドの比較から、プレーヤーについて解説してきました。 ここからは、バイサイドに実際にどのような職種があるのかを解説していきます。

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『Liiga Buyside Bootcamp』講師 清水伸太郎氏 「バイサイドの職種は3つあります。セールス・マーケティング、ポートフォリオマネジメント、そしてオペレーションです。 セールス・マーケティングの一番の醍醐味は、日本における金融市場の中で唯一の成長市場だと言えるところです。また、新卒・中途とも募集人数が多く、バイサイドへの間口が広いことも特徴です。日本は投資先ではなく、営業拠点として進出することが多いことが挙げられます。 また、お客さんの現地視察の同行を行うため、海外出張も多くなります。販売チャネルは3つのチャネルに分かれています。それぞれのチャネルによって求められる英語力やスキルが異なります。 例えば、金融法人営業の場合、自分で海外の運用者と話を繋げられる英語力が重宝されます。また、年金営業に配属になった場合、資料作成能力が求められます。

ポートフォリオマネジメントは、バイサイドにおける付加価値創造の本家本丸の部分になります。そのため、一般的には部署転換での抜擢がメインのルートになります。 ポートフォリオマネージャーになるために必要なことはいかに運用経験を積むかというところです。新卒の場合は、証券会社のアナリストから転身することが一番王道のルートになります。 異業種から転職する場合には、中小の運用会社で修行してから大きいところを目指すというところが一番可能性のあるケースになります。 ポートフォリオマネージャーとプロダクトマネージャーのふたつがこのセグメントには存在します。ポートフォリオマネージャーは運用成績が求められている一方、プロダクトマネージャーは資金流入を最大化することが求められます。プロダクトマネージャーは運用者と一緒に行動をし、運用者の代わりに商品について説明を行います。 選考の一例として、複数提示された株や債券の中で、投資推奨することが求められます。レポートやモデルの作成を通じ、どのように考えるのかを見て採用という流れになります。ヘッジファンドや、日系のアセットマネジメントでも似たような選考内容があると思います。

オペレーションは、セルサイドと異なるところは効率化されているバックオフィスが多いことが特徴です。そのため、レイヤーの高い業務が多く、ビジネスと近く仕事ができます。セルサイドは規制対応などの細かい事務仕事が多いのですが、バイサイドのオペレーションは専門性がつきやすく、ファンドスキームや税務に詳しい人が重宝されることが特徴です。例えば、新ファンド設立の場合に、ファンド設立までの段取りをマネジメントする仕事があります。グローバルに国内外の法律事務所や監査法人、また本国の人間とコミュニケーションができる英語力が必要です。ビジネスサイドに協力的な人が特徴です。」

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バイサイドの世界を知り、キャリアアップやキャリアチェンジを

いかがでしたでしょうか。今回はバイサイドとセルサイドを比較するところから始まり、バイサイドの職種の解説まで行ってきました。

バイサイドは情報が少なく、内情が見えにくい業界です。しかし、転職をする際には、転職先の業界の内情を知ることがとても大切です。そのため、『Liiga Buyside Bootcamp』で一つでも多くの情報を得ることが、内定に近づく一つの手段だと思います。多くの情報を得て、ぜひ内定を掴み取ってください。

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▼総論編

  1. バイサイド総論(バイサイドを理解する) ・バイサイドとは何か~セルサイドとの違い(収益構造、顧客像、給与、働き方) ・日系 vs. グローバルファーム ・バイサイドのプレイヤー(GSAM / JPMorgan AM / Blackrockなど総合ファーム各社の特徴と違い、ヘッジファンド、プライベートアセット各社の紹介) ・バイサイドの各職種の魅力、求められるスキル、キャリアステップ

  2. 選考のプロセス(バイサイドの入り方と将来性) ・ファーストキャリア(新卒) vs. セカンドキャリア(中途) ・一般的な選考プロセス ・バイサイドの典型的な選考パターン ・選考で重視されるスキルセット、マインドセット ・志望動機の形成方法

詳細はこちらからご覧頂けます。 【特典】講師へのオンライン質問会に参加できます!

▼各論編|Day.1 株式投資戦略

・アクティブ運用 vs. パッシブ運用 ・ジャッジメンタル運用 vs. クオンツ運用 ・ロングオンリー vs. ヘッジファンド(絶対収益型) ・バリュエーション手法(PER, PBR, EV/EBITDA) ・ファンドの形式、運用報酬

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▼各論編|Day.2 債券通貨投資戦略

・ソブリン債 ・クレジット運用 ・IG/HY社債 ・バンクローン ・CoCo債 ・モーゲージ債(Agency/Non-Agency) ・エマージング債券 ・バリュエーション手法(Duration, YTM, Spread, Average rating) ・ファンドの形式、運用報酬 ・その他(コモディティ運用【原油、貴金属】・保険商品【CATボンド、保険料収入連動】

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▼各論編|Day.3 非流動性資産(オルタナティブ資産)

・バリュエーション手法(IRR, Multiple, Net) ・ファンドの形式、運用報酬 ・プライベートエクイティ投資戦略 ・VC(ベンチャーキャピタル) ・アーリー/グロース ・ミッドキャップ~ラージキャップ ・ディストレス ・プライベートデット投資戦略 ・ダイレクトレンディング ・LBOローン ・インフラストラクチャー投資戦略(エクイティ及びデット) ・不動産投資戦略(エクイティ及びデット) ・その他(マルチアセット運用、ファンド・オブ・ファンズ、セカンダリー投資戦略、航空機リース)

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講座についてご質問や気になる点などございましたら、講座運営事務局まで、お気軽にお問い合わせください。

liiga_lcb@howtelevision.jp

コラム作成者
Liiga編集部
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