社会課題の解決と、ビジネスとしての収益性を両立させる。難しい命題だからこそ、挑戦する価値がある

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貧困や格差、環境問題など、社会が抱える課題をビジネスで解決しようとする動きが活発化している。「社会のために自分は何ができるのか」を考えて、就職先を選ぶ人も少なくないだろう。しかし、社会課題の解決とマネタイズの両立は困難な命題であり、道半ばで挫折してしまう事例が後を絶たない。

そんな中、「コンサルタントこそ、この命題にチャレンジするべきだ」と話すのは、KPMGコンサルティング株式会社の執行役員・パートナーの関穣氏だ。

同氏がリードするGIE(Government, Infrastructure and Energy)部門では、社会課題の解決と収益性の両立を実現するための挑戦が日々おこなわれている。高い理想を掲げるだけではビジネスとして継続することができないこの領域で、彼はどのような思いを抱きながらチャレンジを繰り返しているのだろうか。

〈Profile〉
関 穣(せき・みのる)
KPMGコンサルティング株式会社/執行役員・パートナー
外資系コンサルティング会社、日系コンサルティング会社を経て、2016年にKPMGコンサルティングに参画。一貫して公的機関(中央省庁、地方自治体、独立行政法人、文教・医療施設など)に対するコンサルティングに従事しており、特に学校法人に対するコンサルティングは15年以上の経験を持つ。業務改革やシステム構想策定に加え、大規模・マルチベンダーでのシステム導入案件でのPMO案件も経験豊富。近年は、RPA/AIなどデジタル関連の案件も多数手掛けている。


他のコンサルティングファームが踏み込めない領域にも、積極的にチャレンジする

――まず、ご自身のこれまでのキャリアと、どのような思いを持ってKPMGに参画されたのかを教えてください。

:新卒で入社したのは、KPMGコンサルティングとは別のグローバルファームです。そちらでは、大学などの学校法人を主なクライアントとして担当していました。その後技術力に強みを持つ日系のコンサルティング会社に転職し、パブリックセクター(公的機関)の本部長を経て、最後の3年は社会イノベーション本部の本部長に就任。「高齢化問題」や「少子化問題」などの社会課題を解決することをコンセプトに、さまざまなプロジェクトを推進していました。

――公益性の高い領域でキャリアを積み重ねてこられたのですね。社会課題の解決は、通常の民間企業向けのコンサルとはまた違った難題があったのではないでしょうか?

:基本的にコンサルティングは、お客様にサービスを提供して対価をいただくという1 to 1のビジネスです。ただ、企業ではなく“社会”がお客様になると、どのようにして収益を生み出すのかを考えなくてはいけません。さまざまな社会課題と対峙して「これはたしかに我々の力が求められる領域だ」と思う一方で、ビジネスとして成立させる難しさも痛感していました。

これまでとは違う環境での挑戦が必要だと思っていた時に出合ったのが、KPMGコンサルティングです。2016年に参画し、当初はパブリックセクターのリードを担当。昨年からはより範囲を広げて、GIE(Government, Infrastructure and Energy)と呼ばれる公益的な部門を統括しています。

少しずつではありますが、社会課題の解決とビジネスの両立に近づいていることを実感しています。

――GIE部門はどのようなミッションを担うチームなのか、具体的にお聞かせください。

:GIEは、公益性の高い業種を一貫して扱うために立ち上げられた部門です。直接的に社会課題を解決するプロジェクトにも取り組みながら、中央省庁や独立法人のIT案件のマネジメントや上流工程を担うことで、間接的にも社会課題解決に貢献しています。

仕事の進め方として大切にしているのは、クライアントと深くかかわること。「お客様のインサイダーになる」という表現をよく使うのですが、そういった関係性を築けなければ、真の課題を発見することも、当社のビジネスを大きくすることもできません。

お客様と苦労をともにしながら前進することで、強固な信頼を獲得していく。1つの案件を深掘りして長期的なお付き合いに発展させるスタイルが評価されているのだと考えています。

――さきほど、「“社会”がお客様になると、どのようにして収益を生み出すのかが課題」だとおっしゃっていましたが、GIEではその突破口が見つかったのでしょうか。

:正直なところまだ模索中ではありますが、いくつか新しいモデルは動き始めています。たとえば、何らかの社会課題を解決しようとしている企業を顧客として、成果報酬でフィーをいただくケース。お客様も我々と同じように収益性には悩まれているので、プロジェクトのスタート時に高額のフィーをいただくのはハードルが高い。そこで我々自身もリスクを負って、クライアントとともに新たな未来を生み出すための挑戦に取り組んでいるところです。

さらに一歩踏み込んでいけば、クライアントとのジョイントベンチャー設立や、官民連携のソーシャルインパクトボンドといった仕組みも考えられるでしょう。

――ソーシャルインパクトボンドとはどういった仕組みなのでしょうか?

:簡単にいうと、社会課題の解決に向けた行政の事業を、民間のプレーヤーが成果報酬で請け負うというスキームです。たとえば、地域の糖尿病患者を何%以上減らしたいというKPIを設定し、期間内にそれを実現できれば削減された医療コストの中から民間事業者に報酬が支払われます。病気になる方が減り、行政コストが減り、プレーヤーは利益を得る。まさに三方良しの仕組みです。当社ではまだ実例があるわけではないのですが、前向きに検討していきたいと思っています。

民間企業に対する成果報酬モデルは、すでにいくつか導入しています。従来のコンサルティングファームがなかなか踏み出せなかった領域ですが、こういった新しい挑戦ができるのもKPMGの大きな特徴ですね。 description

年間1.5億円のコスト削減を実現し、浮いたコストでAIを駆使した新たな取り組みに挑む

――関さんが担当されたプロジェクトの中で印象的なケースがあれば教えてください。

:大手私立大学さんとのプロジェクトは印象深いですね。元々は別のファームさんと大規模なERPの導入を進めておられたのですが、非常にチャレンジングな内容だったこともあり、いくつかの壁にぶつかっていたそうです。そこで我々が第三者評価のような役割を担うことになり、約2カ月でリプランニングを完成させました。

そのプロジェクト自体も評価していただいたのですが、印象的なのはここからです。新たなシステムの導入にあたって、学内に散在していた伝票処理をひとつの場所に集約する経理処理センターのようなものを作ろうとされていたんですね。ところが、改めて計算すると経理処理センターに必要な人員が当初想定よりも大幅に増えてしまう結果になった。これでは逆にコスト増になってしまうという事態に直面していたわけです。

ちょうどKPMGはRPA(Robotic Process Automation)やAIに力を入れていたので、テクノロジーを活用した業務効率化の提案をしたところ、それは面白いと。先方のルール上コンペ形式にはなりましたが、最終的に伝票処理業務の圧縮プロジェクトを任せていただくことができました。

――どのような成果が出たのでしょうか?

:我々が導入したRPAによる処理時間の削減は、約30%です。伝票1枚当たりの処理時間は40分程度なので、1枚につき12分ほど削減できることになります。この数字だけ見ると、大きな変化が起きたようには思えないかもしれません。しかし大学という場所には、膨大な数の伝票が存在しています。その数ざっと20万枚。4万時間ほどの効率化を実現できる計算です。

これを人件費に換算すると、およそ1.5億円という莫大な金額になります。しかもこれだけの金額を、毎年削減できるわけです。大学の担当者さんも驚いておられましたね。

浮いたコストでさらに新しい取り組みにチャレンジしようという話になり、ロボットに処理させる伝票の起票そのものをAIに任せるトライアルも実施しました。請求書や領収書を読み込んで、購入した品目から勘定科目をAIで類推するという取り組みです。すべてうまくいっているわけではありませんが、一部機能はすでに導入されています。

――2カ月間プロジェクトに関わるだけのはずが、そこからさらに一歩踏み込んでプロジェクトの開発に携わることになったのですね。

:最初にお客様の“困りごと”があって、その課題を解決することでハートをつかむことができたからこそ、悩みをダイレクトに共有していただけたのだと思います。我々も大学にRPAを導入するケースは初めてだったのですが、結果として大きな成果を残すことができました。そこからは、大学さんとKPMG共同の講演会も実施しています。“お客様のインサイダーになり、ビジネスを動かしていく”非常に良いモデルケースになったのではないでしょうか。 description

大切なのは、会社や業界の根っこに存在する“人間”を見極めること

――信頼関係を築き、対等なインサイダーとしての関係を作る。これは、ただ長く付き合っていけばできることではないように思います。関さんが意識しているポイントなどはありますか?

:当たり前の話ですが、まずはプロジェクトのデリバリーをしっかりやるということ。コンサルタントの語源である「コンサルト」は「ともに座る」という言葉から来ているそうです。一緒に座る相手は誰かといえば、何かの理想を実現されようとしているお客様。彼らの悩みごとややりたいことを肌身に感じて、それに対して答えを導き出すために全力で動くことが、信頼を勝ち得る上で重要なのだと思います。

――人の心をつかむための特別な方法はなく、実直に結果を出すしかないということですね。

:その通りですね。私はこれを、コンサルタントの「4つのステップ」と表現しています。「1.徹底的に考えて」「2.考えたことを書き」「3.書いたことを伝えて」「4.伝えた結果として人が動く」という4つのステップがコンサルタントには欠かせません。

ところが、伝えるところまでをゴールに設定してしまうケースが非常に多いのです。ロジカルなペーパーを作って、完璧なプレゼンをして、拍手喝采を受けて満足する。しかし一番重要なのは、人が動くことなんですよ。どれだけ素晴らしいプレゼンができたとしても、人が動かなければそのプロジェクトは失敗だと言ってもいい。

これは私の経験則ですが、人を動かすことを意識しながら正しいことを伝えれば、8割くらいの人たちは動いてくれます。でも残り2割はそう簡単にはいきません。その2割の中にキーパーソンがいた場合、そのプロジェクトは破綻します。だからこそ、インサイダーになることでキーパーソンを見極めていかなければなりません。その方がどういう思考回路なのかを把握して、動いてもらうための方法を考え、模索し続けていくことが重要です。

――なかなか動いてくれない相手を動かすためのポイントなどはありますか?

:信頼を得るための特別な方法がないのと同じように、人を簡単に動かせる魔法の杖もありません。相手の立場に寄り添って、地道に試行錯誤するしかないでしょう。

コンサルという仕事の魅力を伝える場合、教科書的な答えを提示するのであれば、「いろいろな会社や業界を見ることで、幅広い知見を得られる」ことがそのひとつだと思います。けれど、会社や業種という枠にばかりとらわれてしまうと、その根っこにいる“人間”の存在を見失ってしまう。同じ会社だとしても、そこにはさまざまなタイプの人がいます。その人たちがどうすれば動いてくれるのかを考え抜くことこそ、コンサルタントの醍醐味(だいごみ)だと私は思います。

――そうしたスタンスを大切にするKPMGコンサルティングでは、どんな人を求めているのでしょうか。

:近年は社会課題の解決に魅力を感じてくれる人が増えているようで、私たちのコンセプトをお伝えするとたくさんの方が応募してくれます。ただ、そういった新たなチャレンジに打ち込むためには、原資となるプロフィットが不可欠だということも忘れないでください。

GIEの部門でいえば、約8割がしっかり利益を出すためのビジネスで、その利益をもとに新たなチャレンジである“社会”をお客様とした課題解決のプロジェクトを模索しています。部門としてのポートフォリオを大切にしているともいえますが、一人ひとりのコンサルタントにも、自分自身のポートフォリオを明確に設計してほしいと思っています。

やりたいことをやっている時は10の力を発揮するけれど、それ以外は戦力0という人は、私たちは求めていません。常に10の力で動きながら、自分のポイントにはまった時は12の力を出せるという人に来てほしい。それに、自らの意識次第でどんなプロジェクトからでも学べることはあるはずです。理想が高いのは素晴らしいことですが、コンサルティングという仕事の本質を理解した上で、柔軟な動き方ができることが最も重要なのではないでしょうか。

――「コンサルティングという仕事を理解した上で」ということは、未経験の方が活躍するのはやはり難しいですか?

:決してそんなことはありません。先ほど申し上げた「考える・書く・伝える・動かす」という4つのプロセスは、概念化すると誰もがビジネスでやっていることです。つまり、どんな会社でどんな仕事をしていたとしても、価値あるコンサルタントになるための扉は開かれている。ただしもちろん、簡単な仕事ではないことも事実です。

繰り返しになりますが、大切なのはあらゆる経験から何かしらの学びを得て、自らの成長につなげること。そして、4つのステップのうち最重要項目である「動かす」ところまで視野に入れてチャレンジし続けること。この2つにコミットできるのであれば、どんなバックグランドを持った方でも大歓迎です。 description


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