AI SaaS CompanyとしてPhase2.0へ。新章に入ったPKSHAの未来
2022/02/08

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クライアント向けの研究開発やDX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトにとどまらず、そこで得た知見を基にアルゴリズムを社会実装する。人類の暮らしそのものを変えるために、未来のソフトウエアを形にする――。

PKSHA Technology(以下、PKSHA)が目指す事業のあり方だ。M&Aなども駆使しつつ、上場後4年をかけ自社を「AI SaaS Company」に進化させてきたPKSHA。2021年度からは「Phase2.0」として、新たな段階に入ったという。

事業開発とM&Aをリードしてきた杉原雅人氏は、外資系IT企業、マザーズ上場スタートアップ、戦略コンサルティングファームを経験した上で、PKSHAにジョインした。彼は、なぜこの場所を選んだのか。これまでのキャリアを振り返りながら、「今PKSHAにジョインすべき理由」をストレートに語ってもらった。

〈Profile〉
杉原雅人(すぎはら・まさひと)
PKSHA Capital(投資部門)パートナー 兼 経営企画責任者
BEDORE執行役員 Workplace事業本部長
アシリレラ取締役 Sapeet取締役
IBMとテクノロジー系スタートアップを経て、2007年にアクセンチュアの戦略グループ入社。サステナビリティやスマートシティーを中心にDXプロジェクトの実績を重ね、マネジングディレクターを務める。その後独立してスタートアップ支援を始め、2018年よりPKSHAに関わる。PKSHAではソリューション事業開発に携わった後、PKSHA CapitalのパートナーとしてM&Aをリード。現在は、SaaSに関するプロダクト事業のPMIや経営企画を推進している。

「コンサルを究めた先に何があるのか……」キャリアの到達点で抱いた思い

――これまでのキャリアについて聞かせてください。

杉原:学生時代は起業志向で、就職活動では、よくある「経験を積むため」という目的で外資系コンサルティングファームを選び入社しました。そのファームが大手IT企業に買収されたため、結果的にファーストキャリアはIT業界となりました。

想定外のスタートでしたが、ちょうどネットビジネスが勃興しており、プログラミングを担いながらシステム開発などのプロジェクトを経験できました。同時に、IT業界における日本固有の非生産的な下請けや丸投げ構造、優秀な若い技術者の能力が生かされていない課題など、後のPKSHAのミッションにつながる業界への問題意識を深める契機となりました。

その後、学生時代の親友がマザーズ最年少社長となったスタートアップへジョインし、自らもソフトウエアプロダクトの事業開発責任者となりました。そこで、上場後の会社が新たな成長課題にぶつかる体験をしたんです。企業価値を高める取り組みに励み、そして多くの辛酸もなめました。

このような経験を経て、テクノロジーの可能性にさらに挑戦するために、戦略から実行支援まで手がけていた、デジタルに強いアクセンチュアの戦略グループへいくことにしたのです。

――アクセンチュア勤務時代は、どのような形でプロジェクトに関わっていたのでしょうか。

杉原:通信やハイテクセクターの戦略プロジェクトに関わりました。

最初のプロジェクトでは、研修期間中に急きょ呼ばれて、クライアント先へ1人でいきなり飛び込むことになりました。上司に面倒を見てもらえるわけではなく、知力を駆使して経営課題にぶつかるしかない状況でした。その後も、そういったプロジェクトが続き、かなりストレッチさせてもらう貴重な経験をさせてもらいました。

当時のアクセンチュア・戦略グループは、まだ急成長の途上だったこともあり、コンサルタントの段階でも自ら提案して、真っ白なキャンバスを前に自由にプロジェクトをデザインする余地がたくさんありました。多分、今はもう違うかなと思いますが、当時は、そういったカオスな側面が刺激的で楽しかったですね。

私には、成長途上のファームのカルチャーが合っていたのでしょう。個人戦で勝負しなければならず、精神的にも体力的にも厳しい環境を乗り越えてきたプロフェッショナルな同僚たちとともに、レベルの高い仕事ができました。

――PKSHAへ移った経緯について教えてください。

杉原:結果的に私は、最短パスでマネジング・ディレクター(パートナーに相当する役職)へ昇進できました。ある意味ではファームでのキャリアの一つの到達点といえます。リンダ・グラットン氏の著書「ライフ・シフト」の影響を受けながら、40代を迎えつつあった自分の将来を見つめて、「コンサルを究めた先に何があるのか?」と考えるようになっていました。

そうした思いの下、さまざまなスタートアップとの交流を深め、探索を続けていく中で、PKSHA代表取締役の上野山(勝也氏)と出会いました。深層学習が注目されていた2018年当時、PKSHAはこの領域のビジネスにおいて、最も可能性のある企業だと目されていました。また、優秀なエンジニア集団であり、IT業界の負の課題を乗り越えて、手触り感のある良い仕事ができるとも感じました。

加えてPKSHAには、百億円以上の非連続な成長投資ができる経営基盤がありました。かつて所属したスタートアップでは上場後の再成長の壁にぶつかり苦労しましたが、そうした壁を乗り越えられる仮説や展望など、さまざまな可能性が見えてきました。 description

一企業のプロジェクトにとどまらず、社会インフラとなり世の中を変える

――大手IT、スタートアップ、ファームをそれぞれ経験している杉原さんから見て、現在のPKSHAにはどんな魅力があると感じますか。

杉原:テクノロジーを社会全体へ実装するプロセスに関われることです。

AIベンチャーというと、PoC(概念実証)のトライアルを繰り返しているイメージを持つかもしれません。しかしPKSHAは違います。PKSHAでは、創業時より重視してきた、社会で本番稼働する仕組みをつくる「こだわりのカルチャー」が今も存在感を放っていると感じます。単なるコンサルやデータ分析、受託開発だけで終わる仕事はありません。

現在、PKSHAは自社事業を「AI SaaS」(AIを使用した、サービスとして提供されるソフトウエア)へとシフトし、IRでも情報発信し始めているところです。個別のR&Dとクライアントワークで獲得してきた機械学習・アルゴリズムの知見を社会全体へ実装するために、SaaSプロダクトを軸に成長する事業会社であることを、宣言しています。

――プロジェクトで支援するビジネスモデルにとどまらないということですか。

杉原:具体例で説明しますね。PKSHAが作った実績の一つに「ハッカーによるクレジットカードの不正利用を検知するアルゴリズム」があります。これは、既に一企業に対するソリューションのレベルを超えて、多くの企業が利用するシェアNo.1のプロダクトとなっています。

これが何を意味するかというと、皆さんの日々のお買い物の裏で、我々が数兆円のトランザクションをさばいて支援しているということなんです。もはや社会インフラネットワークであり、我々はそのビジネスモデルをより進化させようとしています。

このように、個々のプロジェクトを積み重ねた先に、「未来のソフトウエア」が実現されているモデルを目指しています。それが代表の上野山のビジョンで、かつてのMicrosoftやAppleにも志向性が近いかもしれません。

あらゆる経済活動を「定式化」できる、優秀なエンジニア集団

――PKSHAがこうした事業展開を進められる理由を聞かせてください。

杉原:私のPKSHAでの実体験とともに説明しますね。

私は2018年にハンズオンでPKSHAに関わり始め、アルゴリズム開発プロジェクトのセールスやデリバリーをたくさんやりました。この仕事で、優秀なエンジニアとともに働き、その実力に驚かされました。

例えば、当社のエンジニアは、グローバルでのAI開発の技術を競うコンペティションで上位に入ったりするレベルです。その中には、日銀出身の海外MBAホルダー、医者とボストン コンサルティング グループのコンサルタントの両方を経験している人、外資系投資銀行のアナリスト経験者、国内最大級のECのデータサイエンティストだった人などもいて、「猛者ぞろい」なのは間違いありません。

彼らを観察して分かったのは、本当に優秀なエンジニアは、ビジネスを理解する際の解像度がとても高いことです。さまざまな経済活動を定式化して、ビジネスにおけるあらゆる意思決定や目的を定量的に表現する。それを当たり前に深いレベルで行っていました。

――「経済活動を定式化する」とは。

杉原:AIはあくまで“道具”です。なので、その正解を決めたり評価したりするための目的関数は、人間が設計しないといけません。しかし、多くのビジネスパーソンは、経験や感覚の積み重ねで判断をしており、計算可能なレベルでの定式化ができているわけではありません。

PKSHAのエンジニアは、「経済活動は最終的に数式に落とすことができる」という視座を持ち、クライアントの意思決定についてもその担当者が気付かない経営レベルまで定式化しようとします。

彼らのこうした習慣を垣間見て、私は素直にすごいなと感心しました。「ファームのスーパーコンサルタントクラスのポテンシャル人材が集まっているな」と。 description

――杉原さん自身はM&Aやその後のPMIなど、経営上の重要な業務に関わっていますね。

杉原:現在のPKSHAには、グループのリソースやシナジーを生かして、新しいモデルをつくり、自分で経営に携わる機会が眠っていると思います。コンサル出身者も、投資や事業に関する仮説があればそれが可能です。

実際にPKSHAでは、私のコンサル時代の同僚がソリューション事業の責任者として経営を担い、さらに、大手保険会社やヘルスケア大手との共同出資会社の取締役もまた、コンサル出身です。

コンサル人口がさらに増えていく中で、いかに差別化するか

――AI SaaSとしての成長を目指す上で、PKSHAは今後、どのような人材を求めていくのでしょうか。

杉原:私たちは、テクノロジーが深く関わらない事業はやらないので、テクノロジーへの圧倒的な好奇心や学ぶ力を持っていることが大前提となるでしょう。社内では、機械学習・マシーンラーニングにかけて、「我々は、ラーニング・マシーンであり続ける」と言っています。

加えて、コンサル出身者としての個人的な見方からいうならば、「何らかの技術実装に関わる事業に挑んで失敗した経験がある人」はPKSHAで活躍できる可能性が高いかなと感じます。コンサルから一度スタートアップなどへいき、机上の空論ではなく実際に失敗や苦労をしたことがある人なら、当社にそろっている人・モノ・カネのリソースの価値がより深く理解できると思うのです。

個人勝負のコンサル会社ではなく、チーム志向で地道に粘り強く成果を出す事業会社としてPKSHAを見たら、そうしたカルチャーやリソースの魅力がハイライトされるでしょう。

――現在コンサルの現場で働いている人の中には、従来型のコンサルワークを繰り返すことに疑問を覚えたり、将来のキャリアに不安を感じたりしている人も少なくないと思います。杉原さんから、今後のキャリア形成に向けたアドバイスをいただきたいです。

杉原:ここしばらく、転職市場ではコンサルティングファームによる積極採用が続いていますね。事業会社からコンサルへの「民族大移動」が起きていて、この流れはまだまだ加速し、コンサル人口はさらに増えていくはずです。

結果、コモディティーとは言いませんが、職務経歴書だけみると、同じような内容の人が大量に存在している現象が起きています。

私もコンサルの現場で働いている若手からよく相談されるのですが、彼らが差別化の難しさに不安を感じるのは大いに理解できます。一部の人は、もうコンサルだけで将来つぶしが利く時代ではないと、ある意味、健全な不安感を抱えています。

では、優秀な人たちは10年後を見据えて、どこに活躍の機会を見出すべきなのか。

PKSHAとしては、テクノロジーの領域にもっともっと力を貸してほしいと思っています。昨今のいわゆる「AIブーム」は置いておくとしても、5年や10年といったスパンで考えれば、アルゴリズムの入ったソフトウエアが活躍する領域が増えるのは不可逆的な流れです。

「software is eating the world(ソフトウエアが世界を飲み込んでいる)」の言葉の通りですね。

だからこそ、PKSHAで身につけられるスキルや能力は、希少価値がとても高いと思っています。今まさに、5年後、10年後を見据えた社会のインフラとなるソフトウエアをつくっているわけですから。 description

コラム作成者
Liiga編集部
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