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商社で働いてみて

総合商社のコーポレート部門で働き始めて丸4年が経過した。 この間に感じてきたこと見えてきたこと等を書いてみようと思う。なお、私が働いている 1社において見てきたことが主であり、他社にはあてはまらない点も多いであろう旨ご留意いただきたい。 1. 文化面 入社前に想定していた以上にドメスティックな文化が支配的だと感じる。給与・昇進・人間関係などあらゆる場面で入社年次が関わってくる。社員の太宗も日本人が占めており、グローバル市場にふんどしを履いたまま乗り込んでいくという印象。 一方で、ビジネスモデルが変化するのに伴い、(*別の機会に詳述予定)求められるスキルも多様化・高度化しており、中途採用についてはどこの商社も積極的に行っている模様。また、海外転勤が前提になっている中でいかに女性が活躍していける場にしていくかというのは大きな課題であり徐々に変わりつつある面もある。 2. 組織面 事業分野毎の縦割りが強い。人事権も各部門に寄っており、人事部自体は人事権をあまり持たない。営業部門とコーポレート部門のパワーバランスは商社業界でもそれぞれ異なるようである。 3. 待遇面 国内にいる場合、国外にいる場合で手当て等は大きく変わるが日本の大企業の中ではかなり恵まれている印象。ただし、付き合いでの飲み会なども多く、その分の手当てとして事前に供与されているだけではないかとの説もある。実際に飲み代を立て替え翌月のカード代支払いまで、そのキャッシュでつなぐ自転車操業を続けているたくましい若手社員も多く見受けられる。 海外駐在の際の手当てについては、当該国での生活水準によりいわゆるハードシップが設定されている。途上国などでは、言われていた「駐在すれば家が建つ」ほどではないようである。一方、現地での住居などはあてがわれ不便はないように設計されていることが多い。 アジアの一部の国などでは単身で10部屋程度がついた豪邸に住んでいるというような話も聞くことがある。 4.キャリア面 よく言われるように「配属リスク」が大きい、かつ多くの場合にはその部門で育て上げるケースが多く、該当分野についてはトップレベルの客先との折衝が求められる。他の業界と比べると若いうちから大きな額をある程度裁量を持って動かせるというのは事実のように思われる。業界で顔が聞くようになってから、他社から引き合いがあることもあると聞く。 ここ10年ほどで事業会社で収益を稼ぐ経営スタイルに変わってきており、出向先でマネジメント経験を積ませることも増えてきている。片道切符ではなく、事業会社で結果を出した後に、本社に幹部として戻ってくる事例も多い。 一方で、本社での管理職(課長など)になるには入社20年近く経ってからの場合が多く、場合によってはそれまでマネジメント経験が積めない可能性もある。最近の若手の流出の一因になっているようである。人事制度の硬直性はどの会社でも問題となっている模様。

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