フィンテックについて思うことを1つだけ

最近フィンテックという言葉がよく宣伝に使われているのと、この記事が流れてきて自分でも少し考えてみました。 http://hajipion.com/2153.html 色々と思う所はありますが、折角なので最近よく見る「金融機関のAPI公開」に関して、ここに1つだけ書き溜めておきます。 なお、私の主張としては前述の記事と変わらないので、ちょっとした補足程度の内容です。 - 金融機関のAPI公開について 複数の金融機関から資金の状況を総合したり、自動で決済を行ったりと、便利なサービスが出てきています。 私もマネーフォワード(MF)の有料会員です。 これらサービスの影響があってか無くてかは分からないですが、FinTechの見出しで金融機関のAPI公開がよくニュースに上がってきています。 ですがそもそもMFが無理やり(APIを使わず)データを取得していた状況が問題視されるべきで、そこにFinTechというキレイな言葉を付けるべきではないと思います。 MFなどのサービスが最近まで無かったのは、金融機関や国内の証券会社がIT的に遅れているためであって、本来「できて当然」のサービスだと言えます。 理想的な姿は各社がAPIを提供し、共通規格ができている状態ですが、それとはあまりに掛け離れているのが現状です。 FinTechブームからしばらくたった現在でも、ほぼ全ての金融機関、特に需要の大きいはずの証券会社は国内では絶望的で、APIが提供されている所は極僅かです。 岡三証券・楽天証券・マネックス証券はその中では進んでいますが、提供されているのが不思議なExcelでRESTも無し。 FX業者は新しいためか比較的進んでいますが、APIが提供されている所はまだまだ少ないです。 > 主題とは逸れますが、海外に目を向けると、米国のInteractive Brokers(お気に入りです)ではReadonlyのアカウント発行は勿論のこと、APIに各種言語のライブラリ(Java/C#/Pythonなど)が提供されており、次元が違います(ちなみに、ライブラリはgithubで管理されています)。 > また、E*tradeも同様にAPIが提供されています。 > これは米国が進んでいるという話ではなく、このようにIT的に次元が違う証券会社もあるということです。 > この領域で米国が進んでいたという例では、Yodleeが挙げられるかと思います。 > https://en.wikipedia.org/wiki/Yodlee 結局、APIの提供は「悪かった環境が普通になった」程度の話であり、革新的な技術として語られるべきでは無いと思います。 ただの負債の解消で、むしろやっていなかったことを問題として取り上げるべきでしょう。 (特に参照系の)APIを公開していないために、MFのような便利なサービスを作る土壌が無かったのは問題視されるべきだと言えます。 金融機関の利用者はITに強くない人が多いでしょうし、法律の規制などの問題が多い箇所のため開発が進んでいなかったのでしょうが、「作ったよ!凄いでしょ!」というのは「10年早ければ凄かったかもねー」という感想しか浮かびません。 テクノロジーで新しいことが出来るようになったというより、ただ改修されただけです。 結論として、「API公開は騒ぐことじゃないし、ましてや新しい流れでもない」というのが私の思うことです。 ……と、色々不満を述べたものの、エンジニアとしてこのFinTechブームは望ましい状況です。 これにより様々な金融機関のAPI公開が進み、「普通に」便利なサービスが作れるようになることを願ってやみません。

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