グローバル企業のトップ同士のつながりから広がる顧客
2023/05/30

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Mars & Co(以下、Mars)というコンサルティングファームを理解するには、やはり「1業種1社制」の約束事がキーになるだろう。クライアントと共に得た知見は、決して他の企業には漏らさない。そうした信頼があるからこそ、グルーバル企業のCEOからまた別のCEOへと、口コミで顧客が広がってきたのだという。

東京オフィスの立ち上げから携わってきたシニア・バイス・プレジデントの川瀬達也氏に、Marsの特徴や仕事のやりがい、そしてこの「変わった会社」に向いている人物像について話を聞いた。記事の後半では、2023年1月に中途入社したエティエン・サンギネティ氏のエピソードも紹介する。

〈Profile〉
川瀬 達也(かわせ・たつや)
シニア・バイス・プレジデント
Mars & Co 東京/アジアオペレーション代表
London School of Economics and Political Science にて 情報システム学修士号を取得後、グローバル商社を経て、1998年にMars & Coロンドン・オフィスでグローバル戦略系経営コンサルタントとしてのキャリアをスタート。1999年にMars & Co東京オフィスを開設。厳選されたグローバル有力企業のCEO向けに持続的かつ有益な成長戦略を考案・提供している。

※内容や肩書は2023年5月の記事公開当時のものです

顧客との取り組みで知り得た情報は、決して外に漏らさない

――川瀬さんはMars の東京オフィスの立ち上げメンバーだと伺いました。当時のことを少し振り返っていただけますか?

川瀬:15歳の頃からイギリスで暮らしていまして、社会人としてキャリアをスタートしたのもイギリスです。最初は違う業界で4、5年働いていたのですが、たまたまMarsのロンドンオフィスにいた人と知り合って、これは面白そうだと。Marsに転職したのが27歳で、東京オフィスの立ち上げ時はまだ入社から3年目くらいだったと思います。

ある日「今度東京オフィスを作るんだけど君は日本人か」と聞かれて、YESと言ったらじゃあ行ってきてと(笑)。東京オフィスの立ち上げは1999年の年末ですね。ロンドンから私、サンフランシスコから2人、パリからも1人メンバーが集まって、段ボールに囲まれた事務所でスタートしました。

――たまたま転職してきたということですが、それ以来25年この業界にいるということは、やはりそれだけの魅力が?

川瀬:それは間違いありません。何年やっていても同じ案件は1つもないので、飽きることはないですね。同じクライアントでもプロジェクトの内容は異なりますし、日々さまざまな業界のトップ企業の方々にお会いできる。非常に刺激的な仕事です。

――東京オフィスの立ち上げは順調だったのでしょうか。

川瀬:苦労も多かったですが、毎日が新鮮で楽しい時間を過ごさせてもらいました。ビジネスという意味では、経営者間のネットワークで少しずつクライアントを開拓していきました。簡単に言うと口コミです。経営者の方からまた別の経営者に、「変わった会社があるんだけど、一度会ってみない?」と。グローバル企業のCEOはみんなつながっているんです。

――コンサルティング業界の中でも「変わった存在」だと認知されているのですね。

川瀬:いろいろな見方がありますが、大きいのはMarsが貫く「1業種1社制」でしょう。ファームの規模を拡大しようと思うなら、確実に間違った戦略です。だから他のファームはプラクティスを横展開しながら規模拡大を追求していますが、Marsがそれをやることはありません。

コンセプトとしては、弁護士事務所に近いと思います。顧客との取り組みで知り得た情報は、絶対に外に漏らさない。だからこそ、クライアントと長期的な信頼を構築できるのだと考えています。 description

世の中にあふれる“ファクト”を集めて分析し、新たなビジネスを創造する

――1業種1社という約束の中、どういったプロジェクトが多いのでしょうか?

川瀬:既存ビジネスのコスト構造の改善などもありますが、やはり多いのは新規事業の創造に向けたプロジェクトです。例えば最近私が強い興味を抱いているのは、スポーツ業界。日本にいると感じづらいかもしれませんが、世界ではスポーツに関する新しいビジネスモデルやユーザー体験が続々と生まれています。

新型コロナウイルスの影響で、スタジアムにお客さんを呼べない期間が続きましたよね。その状況でどうやって利益を出すのかを、みんな考え始めたわけです。

欧米でサッカーの試合を見ていると、PKの時にはキッカーとキーパーの間に綺麗なグラフが表示されます。「この人はここに蹴る確率が30%」といったデータをリアルタイムでチェックできるんです。5Gというテクノロジーがベースになっているのですが、そういう世界観の中でどういうビジネスモデルが考えられるのか。そんなプロジェクトが今も動いています。

――Marsはファクトベースで提案するというイメージが強いですが、新規事業だとファクトはないですよね。そういう時はどうやってプロジェクトを進めるのでしょうか?

川瀬:いえ、世の中をきちんと見渡せばファクトに溢れていますよ。ただ、それらが体系だったデータになっていないというだけです。さまざまなソースから数多くのファクトを集めてきて、いろいろな角度から見て分析する。ブロックの玩具のように、バラバラなパーツを整理して、少しずつ形づくっていくイメージです。

だから、いろんな領域や新しいものに興味を持てる人がいいですね。私はスポーツもテクノロジーも、食品や化粧品も、ありとあらゆるものが面白いなと思っているので、仕事をしているという感覚はあまりありません。いろんな面白い人にも会えますし、この職業に出合えたことはラッキーだなと思います。

――新しい領域や知識はどのように勉強されているのですか?

川瀬:勉強といいますか、興味があるので自然と触れる機会が増えているだけです。私だけじゃなく、Marsに入社して大きく成長するメンバーを見ていると、大体いつも楽しそうにしています。

モノがあるならまずは触ってみればいいし、男性だって化粧品を使ってみればいい。Marsのネットワークを使えば業界の先駆者たちから話を聞くこともできるでしょう。いろんな業界や新しい世界をいち早く見てみたいという人には向いていると思います。

あとはやはりどんなビジネスも根っこには共通点があるので、幅広く経験するうちに「どうやって利益を出すのか」という根本を肌で感じられるようになってくるはずです。

――ビジネスの仕組みや利益構造を理解できれば一人前ということですね。

川瀬:そう言っちゃうと硬い(笑)。これもやはり興味の部分で、「なんで人はこれに2万円出すんだろう」と自然に考え始めて、そこを解き明かせたときに「面白い!」と思えることが大切です。

英語では「aha」と言うのですが、点と点がつながったときって面白いですよね。全く違うニュースだったり、時間軸や地域軸が異なる事象だったり。そういったものがつながって「点が線になる」瞬間に心が躍る方は、ぜひMarsの扉を叩いてみてください。 description

世界全体でワンオフィス。地域も年齢も超えてフラットに議論する

――知的好奇心や興味関心の強さの他に、Marsに向いている人の特徴などはありますか?

川瀬:当社は世界全体でそれほど大きな組織ではないので、カチッと固まった体制で働きたい人には向いていないと思います。世界中の全都市にブランチがあるわけでもないですし、プロジェクトの中で海外に行く機会も多いです。いろんな意味で流動的な環境なので、自分自身でやり方を工夫しながら進めたい人に来てほしいですね。

――Marsの海外オフィスと連携する機会もあるのでしょうか?

川瀬:非常に多いですし、むしろ東京だけで完結するプロジェクトはほとんどありません。Marsは支社や支店のようなコンセプトではなく、世界全体でワンオフィスです。私もほとんどの海外メンバーを知っていますし、何かあればニューヨークや上海の同僚に電話して相談しています。そもそもクライアントがグローバル企業ですから、我々自身も国やエリアで区切ることはありません。バックグラウンドも年齢も関係なく、フラットに議論しながら進めています。

――ということは、チームプレイが多い?

川瀬:自分一人でできることなんて少ないですよね。私自身は、自分のことをスポーツでいう監督だと思っています。全てが100点というメンバーはいないので、一人一人の得手不得手や好き嫌いを理解した上で、最大限力を発揮してもらえる体制を整えることが仕事です。

――ありがとうございます。これからのキャリアを検討中の若者にメッセージをお願いします。

川瀬:私がコンサルタントになったのはたまたまだと申し上げましたが、人生は良くも悪くもプラン通りにはいきません。だからこそ、思い切って「自分が行きたいと思う道」にチャレンジしてほしい。若いうちは特に、失敗した経験も貴重な財産になるはずです。誰かの意見に左右されることなく、あなた自身の信じる道を探して、あなた自身の人生を切り開いていってください。

〈Profile〉
エティエン・サンギネティ
シニア・アソシエイト・コンサルタント
フランスの大学時代に1年間日本に交換留学。フランスの修士課程修了後はグローバルな製薬会社の東京オフィスに就職し、2年間サプライチェーンのDXに従事する。2023年1月Mars & Coに転職。Marsへの入社理由は、一企業の一部門で特定のタスクを担当するのではなく、その企業全体にインパクトを与える仕事に携わりたかったため。

※内容や肩書は2023年5月の記事公開当時のものです description

まだ誰も見たことのないインサイトを導き出す仕事

――エティエンさんは現在どのような案件を担当しているのでしょうか?

エティエン:今やっているのは、健康食品のプロジェクトです。コンシューマーのニーズや好み、今売れている商品の特徴や競合企業の分析を担当しています。いろいろなソースからデータを集めて分析し、クライアントにとって価値あるインサイトを導き出すことがミッションです。

Marsは常に新しいテーマに取り組むファームなので、ここで得られるインサイトは、誰も見たことがないものばかりです。分からないことがあれば先輩たちに気軽に聞ける雰囲気ですし、日々「新しい発見」を楽しみながら仕事に取り組むことができています。プロジェクトが完了してしばらくしたら、コンビニに自分の仕事の成果である新製品が並べられると思うので、それを想像するのも楽しいですね。

――プロジェクトはどういう順序で進めていくのですか?

エティエン:案件によって異なりますが、今回はコンシューマーのニーズリサーチからスタートし、次に競合他社の戦略を分析。現在はクライアントが具体的に今後どう進んでいけばいいかという、キーサクセスファクターを明確化するフェーズに入っています。

――Marsで働く魅力や醍醐味(だいごみ)はどんなところだと思いますか?

エティエン:やはり先ほど申し上げた、日々新しいインサイトを発見するという仕事そのものがとても楽しい。あとは、カジュアルで自由度の高いカルチャーも魅力です。私も今日は久しぶりにシャツを着ましたが、夏だと短パンを履いてくる人がいるというウワサも聞きました。

ランクによって話せない人などはいませんし、採用前の面接も非常に楽しかったですね。他のファームはケース面接ばかりでしたが、Marsは3回のうち1回がケースで、あとの2回はフラットなディスカッションのような感じです。お互いの理解を深めようという姿勢が伝わってきました。また、採用面接で話したシニアのコンサルタントたちは、全員充実していて仕事を楽しんでいるように見えたので、働く環境も良さそうだと感じました。

自由度が高く毎回新しい内容へのチャレンジになるので、それをしんどいと感じる人には向いていないと思います。ただ、成長意欲が高くて新しい発見が好きだという人には、本当にベストな環境です。皆さんと一緒に働けることを楽しみにしています。 description

コラム作成者
Liiga編集部
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