膨大なデータを分析し、ビジネスの本質を導き出す。そのプロセスはまるで宝探し
2021/08/23
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今回紹介するのは、アクセンチュアのAIグループ(Applied Intelligence)のデータドリブンコンサルティングチーム。AIやデータサイエンスなど最先端のデジタルテクノロジーを組み合わせ、データドリブンなソリューションを提供することがミッションのチームだ。社内の組織図においては、ビジネス コンサルティング本部に位置している。データ分析とコンサルティングの両輪でクライアントのビジネス変革を支援する“データドリブンコンサルティング”の真の価値とは一体何か。2015年にITベンチャーからアクセンチュアに転職し、データアナリティクスの最前線でアナリティクス・コンサルタントとして活躍している岩崎壮伸氏に話を聞いた。

〈Profile〉
岩崎壮伸(いわさき・まさのぶ)
2013年、早稲田大学国際教養学部卒業。業務効率化を支援するITベンチャーで営業職を経験した後、圧倒的な成長環境を求めて2015年にアクセンチュアに転職。金融、物流、通信業界などにおいて、アナリティクス関連の案件に数多く従事している。



本質的な変革を実現するために、やるべきことはすべてやる

――ここ数年、AIをビジネスの変革に生かそうという動きが活発化していますが、多くのケースにおいて狙い通りの成果は出せていないように感じます。その要因は何だと思いますか?

岩崎:いろいろな観点があると思いますが、1つ共通点を挙げるとするならAIの導入が部分最適に終わっているからではないでしょうか。単一のプロジェクトとしては成功したように見えたとしても、それを取り巻く業務や基幹システム、実際に活用する人といったところまで一体として変革しなければ、真のトランスフォーメーションは実現できません。

たとえばアクセンチュアでは、複数のAIエンジンをシームレスにつなぎ合わせ、人間のオペレーターとの連携も可能なAI HUB プラットフォームという独自のソリューションを構築しています。もちろんそうしたテクノロジーを使いこなすプロフェッショナルがプロジェクトの最初から最後まで伴走し、実際の業務に落とし込むところまでコミットします。

さらに言うと、変革を達成した後にクライアントであるお客様が自分たちでPDCAを回していけるように、人材育成の領域まで踏み込んでご支援するプロジェクトも増えていますね。そこまで徹底しなければ、本質的なデジタルトランスフォーメーション(DX)を成し遂げることはできないというのが私たちの考え方です。

――「本質的なDX」には、どれぐらい時間がかかるものなのでしょうか。

岩崎:これも各社の置かれている状況によってさまざまです。データの蓄積に苦戦しているケースもあれば、ある程度基盤の構築やデータ収集は進んでいるものの活用フェーズでなかなか成果が出ないケースもあります。お客様とともに課題を定義するところから始まることもありますね。

現状分析からAIなどを活用した高度分析の実践をご支援することもあれば、それらをお客様自身が実施していくためのデータ収集基盤の構築や組織の再構築までご支援することもあり、短いプロジェクトで半年から1年。長ければ数年単位でご支援することもあります。近年ではお客様とアクセンチュアでジョイントベンチャーを設立して、中長期的にお客様とより密に伴走していく事例も生まれてきています。

――岩崎さんが担当されたプロジェクトの中で、印象深い案件についてお聞かせください。

岩崎:数千万人規模の顧客基盤を持つお客様に対して、データドリブンマーケティングの実現をご支援しました。もともとお客様の社内でもデータを活用していましたが、規模が大きいので人の力では分析しきれないデータ量だったんですね。

まずは大量のデータを横断的に収集できる基盤を整備して、その上で機械学習やアナリティクスの先端技術を活用しながらマーケティングを最適化する仕組みを整えていきました。どのようなお客様にどういったチャネルで、どんなポイントを訴求すれば届くのか。単にデータを参照するだけではひもとき切れない事実を明らかにして、数億円規模のインパクトをもたらすことができました。

現在は、さらに次のフェーズとして経営そのものをデータドリブンに変革する、経営陣直轄のプロジェクトに着手しています。 description

感覚でしか理解できていなかったビジネスの核心を、定量的に可視化する

――データドリブンな経営とは、具体的にどのようなものなんでしょうか?

岩崎:データ活用の本質的な意義は、アナログだと見えないものをデジタルの力で可視化して、正しく事象を理解した上で最適な意思決定につなげていくことだと考えています。その点を踏まえてお話しすると、さまざまなデータを基に「本当に重要なKPI(目標達成のための指標)は何かを浮かび上がらせること」と、「そのKPIを改善するための実行可能なアクションを導き出すこと」がポイントではないでしょうか。

最終的なゴールを利益の最大化とした場合、最初に考えられるKPIは2つです。つまり、売り上げ(アップ)とコスト(ダウン)。これが最も単純化した図式ですが、特に売り上げは非常に複雑な要素の掛け合わせで決まります。10個のサービスがあるとしたら10個の売り上げの和が総売り上げになるわけですが、それぞれのサービスごとにチャネルや地域、顧客単価などいろいろな要素があるわけです。

事業によって、ユーザー数が重要なのか利用率が重要なのかも異なるでしょう。アクセンチュアがご支援してあらゆるデータを集約・分析した結果、これまでお客様が重視していたKPIが実は売り上げとの相関性が低かったというケースも少なくありません。

――それだと、どれだけ改善しても利益の向上にはつながらないですね。

岩崎:その通りです。だからこそ、まずは何をKPIに設定するかが重要なのですが、全社レベルでここを可視化するデータ集約と分析も、決して簡単ではありません。さらに、現場レベルで何を変革すれば設定したKPIが改善できるのかを解明していくプロセスは、非常にチャレンジングです。

――仕事を通じてやりがいや面白みを感じるのはどんなところですか?

岩崎:私としては、やはりデータ分析そのものが面白いと感じています。データって一見するとただの数字や文字列でしかないんですが、実はお客様が懸命に取り組まれてきたビジネスの成果の結集なんですよね。

無機質に見えるデータの羅列から、お客様のビジネスの本質をひもといていく。高度な技術も使いながら、分析軸をいろいろと切って料理していくと、これまでは感覚でしか理解できていなかったものを定量的に可視化することができるわけです。法則や傾向を見つけ出して次のアクションにつなげていく一連の工程は、まるで宝探しのような面白さがあります。

しかもそれが、お客様に多大なビジネスインパクトをもたらすことにもつながっていく。実際に変革を目の当たりにするダイナミズムも、アナリティクス・コンサルタントとしての大きなやりがいです。

――苦労したことや難しく思うところはないのでしょうか。

岩崎:それはいっぱいありますよ(笑)。まず、さまざまな統計手法や機械学習といった高度なテクノロジーを駆使するので、学ぶべきことは限りなくあります。私は文系出身ですし、前職はITベンチャーでしたが営業職だったので、最初は特に苦労しました。ただ、アクセンチュアは研修やトレーニングが非常に充実していますから、やる気さえあれば未経験の方でもキャッチアップすることはできると思います。

最も難しいと感じるのは、お客様企業全体を、つまり一人ひとりの“人”を動かすところです。データドリブン経営では、会社にとって本当に必要なKPIを見定めてアクションまで落とし込んでいくわけですが、ほとんどの企業はもともと何かしらのKPIを設定しています。

データ分析の結果として、追うべき目標が変わるわけですね。言葉で言うとシンプルですが、昨日まで違うゴールを目指していた“人の心”はそう簡単に変えられない。非常に強いリーダーシップを持って進めていく必要があります。ビジネスが大規模になればなるほど難しく、だからこそ面白いところでもあると感じています。 description

しびれるほどの変化も辞さない。だからこそ、自信を持ってお客様をリードできる

――データ活用やDXを支援するファームは増えていますが、アクセンチュアならではの強みはなんですか?

岩崎:独自のAIプラットフォーム、経営陣に伴走しながら全社を変革に導く手法、グローバルレベルでの最先端の知見。挙げていけばキリがない中で、あくまでも私の考えにはなりますが、この規模になっても変化を恐れず変わり続ける企業としてのスタンスだと思います。

これほど環境変化が激しい時代においてお客様をリードしていくためには、自分たちこそ圧倒的なスピードで進化していかなければいけません。アクセンチュアは、まだ世の中でAIや機械学習が主流ではなかったころから専門チームがありました。私が入社したのは6年ほど前ですが、その時点で他社に先駆けてデジタルコンサルティング本部もすでに立ち上げていて、単純にすごいと思いましたね。そしてさらに、2020年には会社として新たな成長モデルを発表し、またも大規模な体制変更を行いました。

アクセンチュアが「The NEW」と位置付けたデジタル、クラウド、セキュリティー領域の売り上げが全体の約70%に達したこと、あらゆるプロジェクトでデジタル技術を伴うことが当たり前になってきたことから、デジタルコンサルティング本部は発展的解消を行い、全ての本部にメンバーを再配置したのです。

――クライアントのDXを全方位的に、迅速にリードできる体制に切り替えたというわけですね。

岩崎:現代は、マーケティングも業務改革も、あらゆる領域でテクノロジーやデータアナリティクスが必要不可欠な時代になりました。アクセンチュアのCEOジュリー・スウィートは、“Digital is everywhere.”と表現しましたが、真に意味のあるDXを実現するためには、デジタルを“当たり前”のモノとして活用していく必要がある。そうした考えから、1つの部門としてデジタルを標榜するのではなく、全ての領域でデジタルを武器にできるよう組織を変革したわけです。

これは相当な衝撃を受けました。そこまで覚悟を持って踏み込むのかと。社内制度やシステムなどを細やかに変えていくことは頻繁に進めていますが、時にこうした大胆な変化すらも積極的に取り入れるからこそ、他社には負けないレベルまで進化し続けているという自負が生まれますし、自信をもってお客様をリードしていくことができるんだと思います。

――先ほど前職はITベンチャーの営業職だったという話がありましたが、岩崎さんはなぜアクセンチュアに入社されたのでしょうか?

岩崎:学生時代から、いずれはコンサルティングファームに入りたいと思っていました。圧倒的に成長して自分の市場価値を高めるためには、先進的な手法を用いて多様な企業の課題解決にコミットするアクセンチュアのような環境が最適だろうと。

ただ一方で、最初から上流の戦略領域に入ってしまうと、ビジネスの現場を正しく理解できないコンサルタントになってしまうのではないかと仮説を立てたんです。そこで営業職のような利益創出の最前線でキャリアをスタートし、そこで経験を積んでから転職しようと考えて、その通りに進んできました。

――その仮説は正しかったですか?

岩崎:営業経験は非常に役立っていますが、今考えると仮説自体は間違っていたと思います。入社してみて分かったことですが、少なくともアクセンチュアでは現場を理解せずに上流だけ見て支援するコンサルタントなんて1人もいません。誰もが本質を見定めた上で、お客様と真剣に向き合っています。そうでないと大きな価値を生み出せないことを理解しているからです。

そうであるならば、教育制度や機会提供の仕組み、フォロー体制も整っていて、コンサルティング未経験の人でも圧倒的に成長していけるアクセンチュアのような環境の方が、新卒入社する場所としては最適だったかもしれないと思います。

――とはいえ難度の高い仕事ですし誰でもいいというわけではないと思います。アクセンチュアで成長、活躍するためには、どんな素養が求められるのでしょうか。

岩崎:コンサルティングファームとして、お客様企業への価値提供にコミットしていくことが重要です。そのために自分自身を成長させるべく、思いを持ってこの領域に取り組める人がいいですね。経験やスキル、知識はあった方がもちろんいいですが、私自身コンサルティングもデータアナリティクスも未経験の状態でスタートしたので、必須ではないと胸を張って言えます。求めたいのはやはり思いの強さです。

周りの優秀な先輩たちも親身になってサポートしてくれますから、不安に感じる必要はありません。データドリブンコンサルティングの知見を身につけて企業や社会を変革したいと思う方は、ぜひご応募ください。 description

コラム作成者
Liiga編集部
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