投資銀行の業務内容を部門ごとに紹介。「投資銀行って実際何をしているの」に答えます
2022/05/13

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「投資銀行ってダイナミックなイメージはあるけど、実際何をしているの?」と思っている方は多いです。そこで、本記事では、投資銀行の業務内容や求められる人材等について紹介します。

投資銀行の部門別 業務内容解説

まずは投資銀行の業務内容について部門ごとに解説します。

投資銀行とは。証券会社、銀行との違い

投資銀行の業務を簡潔にいうと、企業の資金調達等のサポートをすることです。投資銀行のイメージを明確にするために、銀行と証券会社との違いに触れていきます。

銀行は一般消費者の預金をもとに、企業等に融資して、手数料を得るというビジネスモデルとなっています。一方で、証券会社は、証券取引を仲介して手数料を得ています。

証券会社の顧客は企業も個人もいますが、投資銀行の顧客は企業のみであり、個人の顧客に対して営業するリテール営業はありません。

投資銀行部門

ここからは投資銀行を部門ごとに説明していきます。

まずは、投資銀行部門です。
投資銀行部門(IBD)は、採用数が一番多い部門でもあります。

投資銀行部門の業務内容は、新規に資金調達をしたい企業のサポートです。例えば、M&Aする際の買収額を調べたり、買収する側と買収される側の間で交渉することです。

また、企業が証券を発行するときのサポートも行っています。投資銀行部門には、営業のカバレッジとプロダクトという2部門に分かれています。

カバレッジでは、「M&Aをしませんか」「証券の発行をしませんか」等のように顧客に営業をかけていきます。プロダクトでは、カバレッジが獲得してきた案件を処理し、「様々な財務手法を用いて、これくらいの買収額だろう」と計算します。

マーケット部門

マーケット部門には、セールス・トレーダー・ストラクチャーの部署があります。

セールスは、銀行や保険会社の融資部門に対して、おすすめの債権や株等の営業をかけます。トレーダーは、会社の資金をもとに、株や債券等のトレードを行います。そして、ストラクチャーは、金融商品の設計を行います。

投資銀行部門が大きな案件をチームプレーで完遂していくのに対して、マーケット部門は比較的、個人プレーとなります。

リサーチ部門

リサーチ部門では、金融関連情報を調査・分析して、レポートを作成します。レポートは、社内外の様々な人が、自分の業務のためや、金融・経済情報をキャッチアップするため等の場面で参考にされます。そのため、金融に関する高度な専門性が求められます。

アセットマネジメント部門

アセットマネジメント部門は、顧客の資金を運用する部門です。顧客に「資金運用させてくれませんか」と依頼をかける営業と、資金運用する2つに分かれています。アセットマネジメント部門は、投資銀行とは別会社になる場合が多いです。

投資銀行とは何か?業務内容を分かりやすく紹介

では、ここでは、投資銀行の業務内容について、紹介します。

投資銀行とは、「銀行業」ではなく「証券業」の一種

まず、投資銀行=銀行の一種と思っていませんか?

名前が「投資銀行」なので、ややこしいですが、実は、投資銀行は銀行ではなく、証券会社の一種です。つまり、投資銀行は、証券会社と同様に、証券取引を仲介する会社なのです。

法人向けに有価証券の発行や取り扱いをサポート

企業が資金調達するには、直接金融と、間接金融があります。

投資銀行は、直接金融による資金調達サポートを行っています。相手企業の50%以上の株式を保有すると、子会社にすることができます。

投資銀行は、M&Aで発生する大量の株式の売買をサポートしており、売買での手数料から利益を得ています。銀行の貸付では定期的な利息がありますが、投資銀行は1つの取引で1つの手数料のみなので、案件の獲得に力を入れています。

「企業が有価証券を自力で発行することは困難」など投資銀行の存在意義

企業が有価証券を自力で発行することは難しいです。幅広く有価証券を販売するには、証券業の免許が必要であるためです。投資銀行の存在意義は、投資銀行が仲介することで、企業が諸手続きを削減できることです。また、有価証券等を適切な価格・量・タイミングで売買できることも、投資銀行の存在意義として上げられます。

企業の資金調達を活性化させるのが投資銀行であるならば、これを言い換えれば投資銀行がなければ企業の資金調達は少なくなり、経済は停滞するかもしれない、ということです。

日本における投資銀行とその種類

日系大手、日系準大手、外資系投資銀行の種類について紹介します。

  • 日系大手→SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー、野村證券や大和証券等
  • 日系準大手→SBI証券、いちよし証券等
  • 外資系投資銀行→ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、ドイツ銀行、HSBC等

外資系の投資銀行 業務内容

ここでは、外資系投資銀行の業務内容について紹介します。

外資系の投資銀行とは?

外資系の投資銀行としては、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー等が挙げられます。企業や機関投資家等の顧客に対して、資金調達やM&Aのサポート、金融商品の売買を行っています。

業務内容

業務内容は、M&Aのサポート等を行う投資銀行部門、金融商品の売買を担うマーケット部門、金融の調査レポートを担うリサーチ部門、顧客の資金を運用するアセットマネジメント部門に分かれます。

外資系の投資銀行の特徴は実力主義である点です。成果を出せば、若手であっても重要な業務を任せられます。

外資系の投資銀行への転職方法

ここでは、外資系投資銀行への転職方法についてです。

コンサルティングファームや監査法人等でのM&A関連の業務経験や、総合商社やメーカーでの事業投資経験があれば、転職しやすいでしょう。また、外資系なので、高い英語力が必須です。

投資銀行で働く!業務内容や求められる人材

ここでは、投資銀行の業務内容や求められる人材について、紹介します。

法人企業向けの専門的な技術サービス

投資銀行では、法人企業向けに有価証券の売買や、M&Aの財務アドバイス等の専門的な業務を担っています。日本では証券会社や銀行が投資銀行業務を担っていることが多く、ゴールドマンサックスやモルガン・スタンレー等のような独立投資銀行は少ないです。

資金調達や株式上場の支援を通した企業拡大を支援

投資銀行は、資金調達や株式上場の支援によって、企業拡大をサポートしています。

資金調達方法には、株式を発行するエクイティファイナンスや、借入を行うデットファイナンス等の様々な方法があります。投資銀行は、顧客に最も最適な資金調達方法を提案することが求められます。

論理的に考え、コミニケーション力がある人が求められている

求められる人材として、論理的に考え、コミュニケーション力があることが挙げられます。
顧客の抱える問題を解決するために、論理的に考えられることが大切です。

また、投資銀行では、社内外のたくさんの人とコミュニケーションを図ります。その際に、相手のことを理解することや、自分の意見を的確に伝えられることが必須です。

まとめ

本記事では、投資銀行の業務内容や求められる人材等について紹介しました。また、あまり知られていない投資銀行の意義についても解説しました。

投資銀行の転職を考える際の基礎情報としていただけましたら幸いです。

コラム作成者
Liiga編集部
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