得意領域を軸に、未経験の分野に挑戦し続ける。そこで広がる視野とネットワークが、ビジョン実現の力となる
2022/11/10

sponsored by シグマクシス description

「物流をテーマにした案件や事業を、自ら創り出したいと考え入社しました」。物流、アパレル、総合コンサルティングファームを経てシグマクシスに入社した池田祐一郎氏は、当時の思いを、こう振り返る。

その志の通り、自らが発起人となって立ち上げた大規模勉強会では、物流領域のキープレーヤーとのネットワークを社内外に広げていった。また、それまでの知見を生かして描いた構想提案でつかんだ案件では、大型商業施設の共同配送スキームを実現した。

経験・知見・ネットワークを駆使して新規事業を形にするコンサルタントとして活躍する池田氏が今日に至るまで、どのような道のりがあったのか。自らのビジョン実現の場としてシグマクシスを選んだのはなぜか、話を聞いた。

〈Profile〉
池田祐一郎(いけだ・ゆういちろう)
株式会社シグマクシス インダストリーシェルパ サービスチーム プリンシパル。
新卒で日系大手物流企業へ入社し、海外向け発電設備輸送のプロジェクトを数多く経験。学生時代の友人と起業し、欧州アパレル企業の日本法人立ち上げに事業運営責任者として参画した後、外資系物流企業へ入社。クライアント企業の物流業務における要件定義や拠点戦略策定などに携わる。その後はコンサルティング業界へ転身し、日系総合コンサルティングファームを経てシグマクシス入社。アパレル業界向け共同配送網の企画・立ち上げなど、新規事業開発や物流機能統合、事業戦略策定案件にプロジェクトリーダーとして参画している。社外では物流のエコシステム化を目指し、物流関連の異業種交流会「エコオケの会」を主催。

※内容や肩書は2022年11月の記事公開当時のものです

「個として事業を動かしてみたい」。大手物流企業から一転、30代で起業に挑戦

——まずは池田さんのキャリアについて聞かせてください。新卒では日系大手物流企業を選んでいますね。

池田:学生時代に学んだ土木工学に関連性の高い、物流業界に関心を持っていました。また新卒当時は「グローバルに活躍できる人材になりたい」という将来への思いもあったことから、海外へタービンや発電機、ボイラーなどの発電プラント品を輸送する大規模なプロジェクトを展開する物流企業に入社しました。海外を中心に働けるという点にも、大きな魅力を感じたんです。

まずは国内プロジェクトで実績を積み、入社6年目から海外プロジェクトに参画することができました。北米を中心にサウジアラビアやバハマ、ヨーロッパなどさまざまな国へ発電プラント品を輸送する仕事です。上流の輸送計画はもちろん、現地の業者を手配し、輸送後は現場を測量して機器の設置を完結させるところまで手掛けました。こうした仕事に4年ほど携わり、1年の大半は海外での仕事が占めていました。

——いろいろな面で刺激的な日々を送りながら、当時の池田さんはどんなキャリア観を持っていたのでしょうか。

池田:大企業の中で仕事も充実し、昇進の流れもある中で、どこか物足りなさも感じていました。自分の仕事のゴールは物流がうまく回っていくことに帰結しており、事業全体を動かしてみたいという気持ちがあったのです。

また、それまでに出会ったさまざまな人との交流の中で、世界には「個」として働いている人が多いことに気付かされました。これまでの経験や身に付けてきた物流の知識を生かして、全く異なる事業に「個」として挑戦したい。そんな思いで、30代前半で起業しました。 description

得意領域の「物流」をテーマに、企業の成長に貢献したい

——物流大手を飛び出し、異業種のアパレル業界で起業。当時、こうしたケースは珍しかったのではないでしょうか。

池田:周囲に会社を立ち上げる人はほとんどいませんでしたし、止められもしました。起業後は欧州のアパレル企業の日本展開に携わったのですが、最初は販路開拓がなかなか進まず苦労したり、売り上げが立つようになると今度は適正在庫や納期といった物流の課題に直面したり。自身で事業全体を手掛けるからこその、一筋縄ではいかない難しさがあり、そのぶん学んだことも多かったです。

——その後、事業が軌道に乗りながらも再び物流業界へ戻っていますが、なぜでしょうか。

池田:事業を通じて、アパレル業界全体の物流に関する課題が見えるようになりました。そこで物流をテーマに、企業の課題解決や成長支援に挑戦したいと考えるようになったのです。業界全体を動かす影響力を持つ外資系物流企業へ移り、大手アパレル企業のオムニチャネル化を支援するプロジェクトに携わりました。

この仕事では年間20億円の物流業務を5年契約で受注し、「アジア太平洋地域の中で、上流工程から獲得した一番大きな案件」として同社内でも高く評価いただきました。私にとっても、物流の現場とアパレル事業の現場という2つの経験で得た知見を生かし、物流の変革によって事業にどのようなインパクトを出すことができるかを実証する取り組みになりました。

この経験から、物流変革を通じてクライアントのビジネスの成長に貢献することを、さらに突き詰めていきたいと考え、日系コンサルティングファームへ転職しました。そこでも大手アパレル企業のプロジェクトを担当し、クライアントのIT部門と業務部門の橋渡し役となりながら、倉庫システムの要件定義や実装、そのグローバル展開などを支援しました。

自分の強みを軸足にしつつ、もう片方の足で新たな領域に挑む

——さまざまな業種、企業に身を置きながら、池田さんが価値提供し続けられた理由はどこにあるのでしょうか。

池田:私は決して万能型の人間ではありませんが、キャリアにおいては常に、得意分野を軸足としながら未経験の分野や苦手な領域に挑戦することを、自分に課してきました。

例えば、日系大手物流企業で経験した海外輸送のプロジェクトでは、業務自体のノウハウは持っていましたが、英語が苦手でした。そこであえて海外の関係者をコントロールしなければならない現場へ飛び込んだことで、英語だけでなくグローバルビジネスの感覚を身に付けることができました。

また、起業した際には、物流の知見をベースに、当時未経験だったアパレル業界について学びました。その後の外資系物流企業では、物流・アパレルの知見を基にオムニチャネル化に挑戦し、コンサルティングファームへ移ってからはITという分野にも触れることで、自らの領域を拡大していきました。

もちろん、そのどれも一人でやり遂げることは難しく、周囲とのコラボレーションなくしては成し遂げられないものでした。プロジェクトに携わるさまざまな人との関係性を大事にしたからこそ、私の能力も引き出されて周りに認められ、結果につなげることができたのだと考えています。

「インダストリーや階層の壁がない」とリアルに感じた瞬間

——シグマクシスへの転職のきっかけは何だったのでしょうか。また、どのような部分に魅力を感じましたか。

池田:事業会社における物流は通常、業務プロセスの一部でしかないのですが、私の中では徐々に、「物流という領域を中心に、新しい変革が起こせるのではないか」という考えが大きくなりました。

というのも、物流業界では個社最適での競争が進む一方で、物流業界全体の課題は山積していたのです。

例えば、人材不足。働き方改革が進み、ドライバーの残業規制がどんどん厳しくなってきているため、このままではさらに人材が不足して「モノが運べない時代になる」とさえ言われています。こういった業界課題を解決するには、企業や業種を超えて「物流」をテーマとしたエコシステムを形成し、企業間で共有できる新たな手法を実現する必要があります。

そんな時、同僚のつながりから知ることになったのが、シグマクシスでした。「アグリゲーション×シェルパ」を自社の強みに掲げ、企業の枠を超えて人材や技術を組み合わせて個社の課題を解決するだけでなく、企業間を連携させて産業全体の課題も解く。シグマクシスが掲げる事業方針は、まさに私が挑戦したいことでした。

——とはいえ、新たに参画したファームで新たな提案をし、実現していくのは難しいようにも感じます。

池田:シグマクシスは組織や職階の壁がとても低く、誰しもがフラットに提案できる風土があります。また、社内外を問わずコラボレーションを重視しています。多様な意見や知識を取り入れることで、最適な構想を提案し、迅速に実装し、成果を実現することを目指しています。

そのため中途入社する社員には、今までのキャリアで得た知見を生かすことはもちろん、他にはない視点を共有することが求められており、新たな提案はむしろ歓迎されています。

——「組織や職階の壁が低い」ことを実感した入社後のエピソードがあれば聞かせてください。

池田:私は、入社直後に早速「エコオケの会」という社外勉強会の場を立ち上げました。「エコシステムのオーケストレイターになりたい人の会」の略称でして、物流企業はもちろん、荷主となる商社やシステム構築に関わるシステムインテグレーター、さらにベンチャー経営者など、物流に関わるさまざまなプレーヤーが集まり、業界の課題や事例について腹を割って話し合っています。現在では35社から75人の方々に参画いただく規模となりました。

発足当初、この活動について当時の上司に話したところ、「自分も入ってみたい」と言われました。「社内の○○さんに話せばクライアントを紹介してくれるかもしれないよ」と教えてくれた人もいます。リアルに、業界や階層の壁がないと感じた瞬間でした。

また、当時はまだ個人的な活動であったにもかかわらず、組織や職階を超えてフィードバックやフォローしてくれる人も多く、シグマクシスならではの企業文化だと感じています。

——こうしたシグマクシスの風土の源はどこにあるのでしょうか。

池田:企業理念の中で掲げているバリューへの共感だと思います。例えば「仲間を思いやり、助け合うこと」もバリューの一つです。

普段はそれぞれのクライアントと向き合い、別々に動いていても、常にチームであることを意識してパフォーマンスを向上していきたい、クライアントに貢献したい、業界を変えていきたい、といった思いは共通しているんですよね。

ですので、知識は一人で持つより仲間と共有して、チームとしてのレベルアップを図る。実際に、物流業界を知らない人でも気軽に勉強会に参加していますし、それを歓迎する雰囲気があります。 description

物流業界が長年抱える課題を解くプロジェクトに挑戦、社外の複数プレーヤーとタッグを組み、6カ月で実現

——池田さんが携わっている現在のプロジェクトについても教えてください。

池田:ある大型商業施設の物流改革プロジェクトで、テナント店舗の商品を共同配送する取り組みを進めています。従来は各店舗が独自に配送体制を作るのが当たり前で、コスト面はもちろん排出ガスという観点でも非効率な状況でした。そこで施設オーナーのデベロッパーを主体に、小売業界の配送に強みを持つ物流会社も引き入れて本構想を描き実装し、現在ではこの枠組みを約20店舗が活用しています。

——店舗ごとにバラバラに入庫していたトラックが1台になるのは大きな変化ですね。

池田:構想自体は多くの人が考えるものの、なかなか実行できていないと聞きます。やれたとしても数年単位の時間がかかる。今回のケースでは、エコオケの会で得た純度の高いネットワークと情報を活用することで、物流機能の統合の方法を具体的に描きクライアントに語れたことに加え、その実現を支援するプレーヤーを自ら集めることでプロジェクトを前進させたことが、実現の後押しになったと考えています。

また、プロジェクトを進める際には、大手物流企業にヒアリングを重ねて一つ一つ実現方法を詰め、大型のテナント店舗に協力いただいて、プロジェクト開始から1カ月でPoC(概念実証)を行いました。その結果、提案から6カ月後には共同配送を実現できました。

物流の現場や事業会社での経験を生かしたこともありますが、自らアクションを起こしてプロジェクトをけん引することが、クライアントに手応えを伝えることになり、また事業化へとつなげる力になっていると感じています。

自ら案件を組成できる環境は、コラボレーションの中で自ら創っていくもの

——こうしたプロジェクトに取り組む中で、苦労した部分を教えてください。

池田:シグマクシスに入社した頃は、「物流を通じて新規事業を創りたい」「エコシステムを実現したい」という漠然とした思いがありながら、具体化していくための切り口もネットワークも持っていませんでした。

前職までの経験から、テーマや戦略に沿って要件に落とし実行計画に入るというフェーズは得意だったのですが、もう一階層上流の工程、つまり戦略を策定する経験は不足していて、高いハードルでした。

そんな私に当時の上司は「案件がないなら他領域のプロジェクトをデリバリーしなさい」とは言わず、案件組成でもサポートしてくれました。

また、営業戦略を描いているメンバーと一緒にプロジェクトに参画する機会にも恵まれ、戦略的視点の持ち方や、案件化の際の動き方などを学ぶことができました。自ら実現したい環境は、仲間とのコラボレーションの中でつくっていくものだということを、改めて実感した経験でした。

——自ら案件を組成し、新規事業を創れるコンサルタントになるためには、何が必要だと思いますか。

池田:まずは世の中の変化を読み取り、自分が興味を持っている産業やテーマがどう変わっていくのかを考え、自らの経験を基に示唆を持つことだと考えます。それを仲間と議論しながら実現方法を考え、恐れずアクションに移すことで、案件を組成する機会は広がっていくのではないでしょうか。

また、自分が誰にも負けないと自信を持って言える得意領域を持っていることが、その議論を大きく膨らませてもくれますし、実現に近づけてくれるとも思います。自らの専門性を日々コツコツと磨いていくことも、とても大事です。

シグマクシスには、そういった動き方を当たり前のようにするコンサルタントがとても多いため、そんな環境に身を置くことも自分を前進させる選択肢の一つでしょう。

さまざまな領域のプロフェッショナルに触れ、学び、互いに能力を生かし合いながら世の中を変えていきたいと考えている人には、仲間として参画してもらい、コラボレーションから生まれる価値を多彩なものにしたいと思います。 description

コラム作成者
Liiga編集部
Liigaは、「外資就活ドットコム」の姉妹サイトであり、現役プロフェッショナルのキャリア形成を支援するプラットフォームです。 独自の企画取材を通して、プロフェッショナルが必要とする情報をお伝えします。