NEC戦略コンサルティングサービスで収益化の多様化を推進
2023/01/13

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NECの「戦略コンサルティングサービス部門」はクライアントのDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略策定やDX推進を支援する部署だ。大手SIer(システムインテグレーター)のNECが“変革”を掲げていることや、システムやテクノロジー、セキュリティー、デザインなど各領域に特化したコンサルタントが活躍していることでも注目の存在となっている。

戦略コンサルティングサービス部門設立以前の構想段階からNECに参画し、組織の成長にまい進してきたのが、戦略コンサルティングサービス部門における事業戦略を担当している熊谷健彦氏だ。

組織全体の戦略策定に関わり、必要な人材の獲得やグループ企業の協力を求めるために海外を飛び回ることもあると話す熊谷氏。戦略コンサルティングサービス部門が目指す世界、熊谷氏自身が感じる「NECのDXコンサルティング組織で仕事に取り組む意義」を聞いた。

〈Profile〉
熊谷健彦(くまがい・かつひこ)
NEC デジタルビジネスプラットフォームユニット ユニット直下 Global Investment & Strategic Alliance担当 兼 戦略コンサルティングサービス部門 事業戦略担当
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒で生命保険会社に入社。総合職として支店管理職業務を経験後、情報システム部を経て外資系コンサルティングファームに転職。M&A後のPMIプロジェクトなどに携わった。その後外資系ITベンダー・日系大手IT企業などを経て2019年にNECに入社。デザイン思考を活用したサービスデザインに注力。事業会社・ITソリューションベンダーでの営業・プロダクトマーケティング部門での経験を生かし、業務とシステムを統合したアドバイザリー業務やオファリング開発に携わり、現在はDX領域の投資業務、コンサルティング部門の事業戦略を担当している。

※内容や肩書は2023年1月の記事公開当時のものです

事業会社、外資系コンサル、ITベンダーを経験、転職ごとにスキルを増やしキャリアの最終イメージに近づいていった

――これまでの経歴を教えてください。

熊谷:新卒で入社したのは生命保険会社です。総合職として支店業務を一通り経験しましたが、大学時代にコンピューターサイエンス関連分野を学んだこともあって、情報システム部に配属されることになりました。

そこから、この会社を含めた金融機関数社でBtoCサービスを提供する合弁事業を設立することになり、生命保険会社のシステム領域の代表者として参加したのが1回目の転職につながりました。

社外の人たちと会う機会が増え、大規模な案件を推進することになったのです。そんな中、プロジェクトを通して知り合った人からの評判がヘッドハンターに伝わり、外資系コンサルティングファームから直接声をかけられたんです。

その後、日系生命保険会社をクライアントとして、M&A後の財務会計領域のPMI(Post Merger Integration)プロジェクトに携わりました。

また、苦手だった会計分野を克服するために米国公認会計士の資格取得を目指した予備校のプログラムで、日本の大学での学位に加えて米国の大学の単位も取得し、そのおかげもあって米国が買収した国内保険会社が日米監督官庁双方向けに作成する財務会計報告書のプロセス設計にも参加するなど、キャリアにおいて“世界”との接点ができていきました。

――新たなキャリアへと進んでいく際は、どのようなことを大切にしていたのでしょうか。

熊谷:何度か転職を経験していますが、いつも「自分が今持っているスキル」の中で3つは強みとして言えるように意識しています。例えば、外資系コンサルティングファームから外資系ITベンダーへ進む際はそれが「システム構築」「会計」「経営全般の知識」でした。その3つはタイミングによって移り変わっていくのですが、転職のたびに1つを軸にピボットして、スキルや知見を増やしていくようなイメージです。

それから、キャリアの最終イメージはこの頃から既にありました。それは大企業でコンサルティングまたはIT関連組織のリーダーになること。もしくは外資系企業で日本法人のカントリーマネージャーになること。最近、ようやく近づいてきたかなと手応えを感じていますし、やりたかったことがいよいよ現実になってきたように思います。

――そうした「やりたいこと」への道の上に、なぜ日系企業が転職先候補として浮上してきたのでしょうか。

熊谷:前職で海外赴任をしていた際に遠くから日本のことをよく考え、日本人としてのアイデンティティーを強く意識し始めました。

外資系企業の日本法人は、いわば販路拡大のための組織。もっと内部から、本社に身を置いてビジネスを動かしてみたい、日本の製品とともに文化の輸出をしたい……。

そんな思いから、次は日系の大企業で本社機能を果たしたいと思ったのです。前職では海外赴任を経験し、帰任後は日本で新たに立ち上げるデザインスタジオ創設とクライアント向けサービスの提供をイタリア人のデザイナーと協業しながら関わることになりました。

――NECへ入社する決め手となったのはどんな部分でしょうか。

熊谷:充実した日々ではありましたが、徐々に自分の仕事でも「カタチ」のあるものを扱いたいなと考えるようになったのが、NECへ移る決め手ですね。これまでサービスやソフトウエア、データ、コンサルティングなど、いずれも無形商材を扱ってきたので、ゆくゆくは有形商材を扱う仕事がしたくなったんです。

NECではハードウエアも扱っているし、製造業という「モノ」を生み出す産業に関わるチャンスが大きい。また、自社の製品を用いてクライアントにソリューションを提供できる点も魅力に感じました。 description

ハワイ、シンガポール、日本の3拠点が協力し、2週間後の製品テストに間に合わせた

――現在はどのような業務を担当されているのですか。

熊谷:特定の統括部というチームに所属するのではなく、役員クラスの部門長であるマネージングディレクターの下で戦略コンサルティングサービス部門の方針や戦略、事業展開に関わるさまざまな案件に従事しています。

また、私を採用したユニット長(常務執行役員)の直下の機能として、DX領域に関する投資の担当を2022年の4月から務めています。バイリンガルかつ少数精鋭の投資案件推進チームを立ち上げ、新規事業立ち上げや経営管理の知識を活用し、企業M&Aや投資判断を行う社内メンバーにアドバイスや投資案件推進のリードを行っています。

また、もう一つの役割である戦略コンサルティングサービス部門における「事業戦略担当」という肩書の通り、コンサルタントとしての知見や能力を持つさまざまなタレントの力を結集して、この部門をいかに成長させていけるかを考え実行に移しています。

さらに、私と同じように領域を限定せずに動け、将来のコンサルタントとしての専門領域を発見してもらう目的でチームもつくることになりました。現在、NECの他のユニット出身の若手社員をベースにメンバーがどんどん集まってきているところで、さまざまなプロジェクトやタスクフォースで活躍し始めているところです。

――NECに入社してから、最も印象に残っているプロジェクトを聞かせてください。

熊谷:米国法人(NEC Corporation of America)とタッグを組んだ、ハワイの主要5空港へのサーマルカメラ(*)導入支援プロジェクトです。

ハワイ州もコロナ禍で打撃を受けました。観光客を呼び戻す施策には感染対策が必須です。そこで、水際対策として感染の可能性がある「発熱者」を見分けるソリューションが求められていて、その入札にトライすることになりました。200台ほどのカメラを主要5空港の空港内に設置し、1カ所のコントロールルームで管理するという要件でした。

NECが提供するのは、世界トップレベルと評される顔認証・映像分析技術、さらに検知した発熱者の情報を管理者へ伝えるソリューションです。ハードウエアとしてのカメラの技術はNEC内には現在はないため、米国政府が認定する高性能なカメラを提供してくれる企業を探して協力を取り付ける必要がありました。

加えて、NECシンガポール研究所で新たに開発されたばかりのNeo Centerという生まれたばかりの製品を実運用として初めて採用することになり、短い入札までのスケジュールと時差の中で日本と米国、そしてシンガポールの3拠点が並行して動く点でもハードなプロジェクトでした。

――特に苦労した点を教えてもらえますか。

熊谷:最もハードだったのは、入札時の製品テストです。実際に導入する製品を現地で接続・設定し、「使える」ものかどうかを2週間後にデモンストレーションしてほしい、と依頼が入り、シンガポールからはソフトウエア、米国本土からはカメラや機材などのハードウエアを配送してもらったり、現地の空港へ飛べるメンバーを招集したり……。

初めて組み合わせるツールの設定は理論上では可能と分かっていても、普段と異なる環境で設置するのにはプレッシャーがかかりました。また、輸送面でも不安がありましたが、なんとかクリアできたのは本当に良かったと思います。

結果、他の入札予定社も含めた環境の中、最も不利な場所でテストすることをハワイ州から指示されたのですが、通行者の動きを止めることなくスピーディーに体温を検知できる性能の高さが認められて落札もできましたし、「勉強になった」という経験だけでなく、案件を勝ち取れたことは大きな収穫になりました。 *遠赤外線を検出し、対象物の温度を検知して映像モニター上に表示するカメラ description

コンサルタントの能力を生かして稼ぐ仕組みをつくり、新しい価値を提供

――熊谷さんが考える、戦略コンサルティングサービス部門として実現したいことは何ですか。

熊谷:実現したいのは、これまで行ってきた顧客から専門性を提供する役務の対価を得る従来のコンサルティングサービスだけではなく、「コンサルタントの能力を生かして事業で利益を出す仕組み」をつくり収益化の多様化を推進することです。

プロジェクトのサイクルを回し、部門として利益を出し、自走できるようになってきた。ここからいよいよ新しい「NECの戦略コンサルティングサービス部門」が動き出します。

――コンサルタントの能力を生かして利益を出す仕組みをつくる……。興味深いのですが、現時点で話してもらえることがあれば伺いたいです。

熊谷:お話しできる内容は限られていますが、既に当社のキークライアントとともに合弁企業を立ち上げるための準備プロジェクトを推進しています。つまり、一緒に会社を立ち上げて、出資割合に応じて収益をシェアすることになるのですが、これまでのコンサルティングだけでは成し得なかった利益の創出が可能になります。

「利益を出す仕組み」をつくることも、コンサルタントのスキルの生かしどころ。合弁企業を立ち上げるだけではなく、NECが買収した企業の経営改善にもコンサルタントの介入できる余地があります。これまで行ってきたような支援だけでなく、経営に関わったり、関心分野の企業に入り込んだりもできます。

例えば、戦略系コンサルティングファームのコンサルタントが、クライアント先のCEO、あるいは役員になるケースがありますが、それをNECで全て完結するイメージです。メンバーが「やりたい」と望む仕事の可能性をどんどん広げていけるといった期待も大きいです。

――今後の戦略コンサルティングサービス部門の成長には、どのような人が必要だと考えていますか。

熊谷:パッションのある人がまずは一番です。キャリアアップを目指すことに対してもですが、「NECで自己実現や社会貢献をしたい」という強い思いのある人と仕事ができたらうれしいです。

現状の不満は転職理由の大きな要素になりがちですが、それよりも自分が心からやりたいことを大切にしてほしいです。やってみたい仕事がある、最先端の技術に触れてみたいなどの思いがあって、「NECなら実現できそうだ」という人が一番マッチすると感じます。

――今のNECはどのようなカルチャーだと思いますか。

熊谷:極端な言い方になりますが何でも「できる」のではと思います。

例えばNECでは今、創薬分野への進出に取り組んでいます。「NECが医薬品?」と思うかもしれませんが、成長戦略の一つとして海外の製薬企業を買収し、業務提携の結果として量子コンピューターを活用して生産ラインを管理する実運用を始めているんですよ。

このように、NECが持っている価値とつながる分野はそれこそ無限にあります。「やってみたい」というパッションを起点に、それができる環境が整いつつある。「らしさ」を自分で作っていけるのがNECです。

――DXに関する知見は、入社後でも伸ばすことができますか。

熊谷:もちろんデジタルやITの知見を研鑽することは大前提ですが、トレーニング制度も整っていますし、私のチームでも惜しみなくノウハウを伝えています。マネージャーの思いは一つで、「自分たちを超えるコンサルタントを送り出したい」です。だからこそメンバー間で助け合える文化が育っていますし、「自分さえよければいい」という空気はありません。

――熊谷さんは、今後NECでどのようなことを成し遂げたいですか。

熊谷:短期的には、NECが約1360億円で買収したデンマークの大手SI「KMD」のグループであるKMD A /S(以下、KMD)ポーランドのデリバリー部隊と協業しているところです。具体的には、日系のクライアントへのソリューション導入支援の準備に取り組んでいます。

KMD本体のようにコンサルティングやエンジニアリング、アウトソーシングなどにまつわる本社機能を作ることが中長期的なプランで、例えば今NECが取り組んでいるコンサルティングのメソドロジーを海外法人やこれからM&Aを行う企業に伝え、そこにも仕事を作っていく見通しを立てています。

海外の優良な製造業も、販路の開拓に苦しんでいるという現状をよく耳にしています。素晴らしい技術だけれども、事業につなげられない。良いモノはあるけれども、それを売る道がうまく見つけられない……。こうした企業の課題に、私たちコンサルタントが介入できる余地があります。

戦略コンサルティングサービス部門には中途採用者も多く、さまざまな領域に明るいメンバーに恵まれた組織です。日本を代表する企業として、優良な製品やサービスを輸出しながら日本の文化も輸出する、NECでできることは本当にたくさんあるので、その可能性を一緒に切り開けるパッションのある人との出会いを楽しみにしています。 description

コラム作成者
Liiga編集部
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