“M&A”と“事業経営”を両方リードしたい方へ。日本のいいモノを世界へ届けるECロールアップ型ビジネス
2023/10/30

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ロールアップ型ビジネス、と呼ばれるビジネスモデルをご存じだろうか。数億円規模の企業を複数M&Aで統合し、「まとめて運営する」ことで加速度的に成長させていく手法だ。欧米では数年前から活発化していたが、2021年に日本で初めてECのロールアップ型ビジネスを立ち上げたのが、forest株式会社だ。

日本の商品の魅力を世界に伝えていく戦略、そして20代から「投資」と「経営」のハイブリッドキャリアを積める同社の魅力について、代表の湯原伸悟氏に話を聞いた。

〈Profile〉
湯原伸悟(ゆはら・しんご)
代表取締役CEO
forest起業前は、CITIC Capital(PE)、モルガン・スタンレー(IBD M&A)およびEY新日本監査法人(公認会計士)にて勤務。PE在籍時には投資先のアパレル企業にてEC事業の再構築をリード。父親が内装デザイン会社の経営者として苦労する背中を見て育ったことから、小規模事業者が抱える課題に取り組む。

※内容や肩書は2023年10月の記事公開当時のものです。

会社設立以前に9億円を資金調達、現在累計調達額は38億円に

――まずはforestさんのビジョンや事業内容についてお聞かせください。

湯原:事業内容を一言でいうとECブランド運営ですが、M&Aロールアップを積極的に活用しているところが普通のEC企業とは異なる点です。ブランドは、自社でゼロから構築することもありますが、多くはM&Aを通じて売上高1億から10億程度のECブランドを譲渡していただいています。複数社を統合することで、1社単体ではできない戦略を実行しています。

具体的には、マーケティングやサプライチェーン、商品開発など、各分野のプロフェッショナルたちが集い、M&Aで譲り受けたブランドをさらに成長させていく。金融やコンサル界隈の方に対しては、「エグジットを前提とせず、ECに特化したPEファンドのようなビジネス」だとご説明すれば、イメージが湧きやすいでしょうか。

――PEファンドはエグジットによって利益を得るモデルだと思いますが、なぜ貴社はそうしないのでしょうか?

湯原:ファンドではなく自分で事業を運営したかったから、もっと言えば純粋に小売りやECのビジネスが好きだからです。私は前職がPEファンドなのですが、最初はさまざまな業種に投資していたものの、小売りが好きだと気づいてからはリテールビジネスに集中して投資してきました。経営者に伴走しながら成長を支援する仕事にもやりがいを感じていたのですが、PEファンドだとどうしても関われる領域が限定的ですし、数年も経てばエグジットして離れることになってしまいます。

PEファンドを辞めて1年ほどフラフラしていたのですが、欧米でロールアップ型ビジネスが盛り上がっていることを知りました。世界には物流や介護、飲食などのロールアップ型ビジネスもありますが、われわれはそういう経緯なのでECに集中しています。

PEファンドの仕事と似ているところもありますし、前職の後半は小売企業の経営に専念して、その中でECの再構築なども経験してノウハウもたまっていたので、この領域でやっていこうと決めました。会社を設立したのは2021年の7月です。

――最初から順調に立ち上がったのでしょうか?

湯原:スモールスタートではなく当初から大きな目標を掲げて動き出したので、資金集めも組織作りも大変でした。このビジネスはM&Aが前提になりますから、まずは会社を承継するための資金を集める必要があります。私はPEファンド時代バイアウト側にいたのでベンチャーキャピタル(VC)のネットワークはなかったのですが、幸運な出会いもあって2つのVCから資金調達することができました。

1つはイギリスのVCで、日本のECに投資したいというニーズが先方にあったこともあり、2回ほどの面談で決まりました。もう1つはUTECという東京大学系のVCです。お声がけしたパートナーの方が、過去にご自身でECを運営した経験があり、私が感じていたECの個人事業主の課題に賛同してくださったんです。

その結果、合計9億円の調達のお約束をいただきました。まだ会社もできていないタイミングだったのですが、このビジネスには可能性があると確信したポイントでもあります。 また、今年2023年にはシリーズA調達も実施し、累計調達額は38億円となっています。 description

「これをやれば確実に売り上げが上がる」という確信を持って投資する

――先ほど「ECの個人事業主の課題」というお話がありましたが、どのような課題なのでしょうか?

湯原:個人でやれることにはやはり限界がありますよね。マーケティング、商品開発、販売チャネルの拡大、工場との原価交渉、物流の最適化。皆さん得意不得意があるので、全てきちんとやろうと思えば人が必要になるわけです。大体売り上げ1億から3億くらいで組織化の壁がきて、1人でその規模でやり続けるか、組織化するかを考えるようになります。

そのタイミングで、「誰かにブランドを譲ることで成長するならそうしようか」と考える方も時折いらっしゃって、そうした方々とお話をさせていただいているということです。

forestにはECマーケティングやサプライチェーンマネジメント、データアナリティクス、財務経理などEC運営に必要なスキルを持ったエキスパートが集まっています。現在10ブランドほどですが、それらのバックヤードを統合することで、効率的にブランドを運営することが可能になるわけです。

ブランドを横断したセット商品の開発といった目に見えるシナジーも時にはありますが、われわれの本質としては、ユーザーから見えない部分を統合・最適化しているところですね。

――M&Aで買収するかしないかの基準があれば教えてください。

湯原:ジャンルとしては、ある程度マス向けに販売できる規模のマーケットがあること。現状取り扱っている例を挙げると、アウトドアグッズやペットグッズ、スマートフォンのアクセサリーなどです。その中でも、きちんと真面目にモノづくりに取り組んでいることが条件になります。

特に海外から日本のECモールに出店してくるセラーに多いのですが、粗悪品も多いんですよ。そういう商品は価格も安く設定されていますから、真面目に作って販売している日本企業はなかなか勝てない。これもECの抱える課題の1つですが、弊社の各ブランドが束になって戦うことで、正しく勝てるブランドに育成しています。

対象外としているものもあって、ファストファッション系は取り扱いません。ひたすら商品開発し続けなければならないので、われわれの強みを生かせないからです。あとは、インフルエンサーを使って一時的に売り上げを上げて、またすぐに下がってというような商品も扱っていません。アップグレードや微修正はあるにせよ、5年から10年は継続的に売れ続けるプロダクトを対象にしています。

――そうした条件に合うプロダクトが見つかれば、今度は数値的な分析を進めていくわけですね?

湯原:その通りです。まずはデータを基に分析して、最終的には人が判断します。ECモールの裏側では詳細なデータを見られるようになっているので、デイリーのランキングや単価、ユーザーレビュー、流入キーワードなどのデータを取得して、forestが作り上げている“型”に流し込んで分析します。もちろん財務数値も合わせて分析し、最終的にわれわれが譲り受けた後に伸ばす余地があると判断すれば、投資を実行するという流れです。

この時点でのPEファンドとの違いを挙げると、上流の戦略に加えて、かなり細かな施策まで作りこんでから承継するところですね。PEにいたころは「営業が弱いので営業部署を強化しましょう」といった粒度のプランニングで、そこから先はコンサルタントやプロ経営者たちにお任せしていました。

しかし現在は「このキーワードが弱いから強化しよう」「カラー展開としてこの色の商品を開発しよう」といったところまで考案しています。買収後の100日プランを練り上げてやるべきことを明確化し、「これをやれば確実に売り上げが上がる」と確信を持った上で投資するわけです。より実業に近いPE型ビジネス。そうしたモデルに興味を持ってくれる若手の人材を探しています。 description

自分で直接ビジネスを運営したい人には最適な環境

――ビジネスモデルへの興味関心以外に、求める人物像を教えてください。

湯原:職種としては、M&Aアソシエイトとブランドマネージャーを募集しています。M&Aアソシエイトは、PEファンドや投資銀行、FASなどでM&Aのエグゼキューションや分析に関わってきた方。近年は色々な会社がM&Aを進めているので、総合商社やメガベンチャーでこの領域に携わっている方もウェルカムです。

投資の最終判断はリーダーや私も関わりますが、最初の検討段階は全てお任せしたいと考えています。「こういうストラクチャーで、金額はいくらで投資したいと思うんだけどどうですか」と提案してほしい。精度が高くなるには1年くらいかかるかもしれませんが、入社から3、4カ月もすればほぼ1人で考えていただくので、かなり主体的にできる環境だと思います。

ブランドマネージャーは、各ブランドの売り上げや利益に責任を持つ役割です。先ほども申し上げた通り社内にはモール運営やデザイン、仕入れなど各部門のエキスパートがいますから、彼らを束ねながらブランドの成長を追い求めていただきます。ただ、面接などでいつもお伝えしているのは、「プロジェクトマネージャーで終わってもらっては困る」ということです。

最後まで責任を持って、周りが動けないときは自分で手を動かすというマインドセットを持っていてほしい。おそらく、小売りやECが好きでなければ難しいと思います。「試しにこんなクーポンを作ってみたらこんなに売り上げが伸びた」というように、試行錯誤を楽しめる方に来てほしいですね。

こちらはかなり幅広いバックグラウンドの方を迎え入れています。スタートアップで事業創造の経験がある方や、売り上げに責任を持って事業を運営してきた方、EC経験者、コンサルで培ったベーススキルを生かしてビジネスをしてみたい方などはぜひご検討ください。

また、いずれの職種も20代から活躍できる点も特長です。例えば現ブランドマネージャーの1人は戦略コンサルファーム出身で20代後半なのですが、入社当時はEC未経験でした。しかし、今では複数ブランドの運営責任を担っています。もちろん相応にタフな環境にはなりますが、20代から責任を持てる機会は貴重かと思います。

――M&Aアソシエイトとビジネスマネージャーの両方を担当する方もいるのでしょうか?

湯原:はい。実はその通りで、自分が投資実行したブランドをそのまま担当して成長させているメンバーもいます。その時々の会社側の事情もありますが、本人の適性や希望によっては一気通貫で携われる環境です。

――先ほどおっしゃった「求める人物」が、今貴社に参画するメリットは何でしょうか?

湯原:われわれは日本の素晴らしいプロダクトをECで世界中に届けようとしているので、そのビジョンに共感していただけるなら、ぜひ一緒にチャレンジしましょう。

実益的なところで言うと、まだプロフェッショナルファームの給与水準には及びませんが、これから上げていこうとしていますし、ストックオプションも用意しています。あとは将来自分で起業したい方にとっても良い経験ができると思います。ブランドの運営責任者はスモール企業の経営者とほぼ同じ仕事なので、その経験を積みたい方も大歓迎です。

forestはプロフェッショナルファームから来てくださる方もいるのですが、彼らはやはり自分でビジネスを運営したいとか、PLに直接貢献したいというモチベーションのメンバーが多いと感じます。

そういう方にとってはPEファンドのアソシエイト採用も視野にいれることになると思いますが、私の経験からするとPEファンドでは、上流の戦略だけ描いてあとは外から迎え入れたプロ経営者に託すことになるので、ビジネスに直接関わることはあまり多くないのが事実です。「投資もビジネスもやりたい」という方はぜひforestを視野に入れてほしいですね。

――グローバルで活躍する機会もありますか?

湯原:もちろんです。ECは簡単に国境を越えますから。実際に今は中国向けに新たなビジネスを立ち上げるプロジェクトも進んでいます。市場になかなか良いブランドがなかったので、M&Aではなく自分たちで商品開発を行っています。まさに新事業の創造ですね。社内のメンバーもこの規模にしては意外とグローバルで、カナダ人やインド人、中国人、イギリス人などが在籍しています。

自己成長したいという気持ちが強い方には、絶対にその思いに応えられる会社だと思っています。業務内容もそうですし、forest自体がアーリーステージでポジションが空いているという事業フェーズも同じくです。この環境で大きく飛躍し、私たちと共に日本のモノづくりを世界に広げていきませんか。 description

コラム作成者
Liiga編集部
Liigaは、「外資就活ドットコム」の姉妹サイトであり、現役プロフェッショナルのキャリア形成を支援するプラットフォームです。 独自の企画取材を通して、プロフェッショナルが必要とする情報をお伝えします。