投資先に寄り添い、中長期的な支援を。自己勘定投資だから実現できる中小企業支援の魅力とは
2024/02/02

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2022年3月の創業以来、業種を問わず中小企業の経営コンサルティング・事業承継支援などを手がけてきたNYC。「2027年までに100件の投資を行い、中小企業経営のイノベイターとなる」ことをビジョンに掲げ、これまで自己勘定投資による中長期的な支援を数多く実現してきた。

今回は創業者の一人である代表取締役副社長の尾上侑己氏と、シニアアソシエイトの梅本弘祐氏に、創業の理由や業務のやりがい、ワークライフバランスなどについて話を聞いた。

〈Profile〉
写真左/尾上侑己(おのうえ・ゆうき)
代表取締役副社長。
新卒で静岡銀行に入行し、中小・中堅企業に対する法人営業やPEファンド向け投資業務などに従事。PwCアドバイザリーに転職し、化学、物流、機械、再エネ業界など幅広いセクターにおける国内外のM&Aアドバイザリー業務に従事。
独立系バイアウトファンドで経験を積み、2022年3月NYC創業。
投資先の大阪にある美容医療機器の製造・販売会社の代表取締役に就任。二拠点生活(大阪・東京)を続けながら、半常駐でのハンズオン支援を実施。
写真右/梅本弘祐(うめもと・こうすけ)
シニアアソシエイト。
SMBC日興証券入社。金融・公共法人グループにて投資銀行部門のカバレッジとして主に金融機関を中心にM&Aやファイナンスの提案活動に従事。M&Aアドバイザリー第一部へ異動後、小売、消費財企業や金融機関向けのM&Aのエクゼキューションに従事。2023年3月NYC入社。 投資先の東京にある設備設置会社の取締役に就任し、代表取締役の業務の引き継ぎを行っている(2024年2月より代表取締役就任予定)。半常駐でのハンズオン支援を実施。

※内容や肩書は2024年2月の記事公開当時のものです

中長期的な視点で投資先を支援したかった

ーーまずは経歴を教えてください。

尾上:私は新卒で銀行に入行し、中小企業に対する融資の営業をしていました。その後、投資ファンドに出向し企業投資を経験。M&Aの世界に興味を持ち、PwCに転職してM&Aアドバイザリー業務に従事しました。その後、日本グロース・キャピタルという中小企業に特化した投資ファンドに移り、中小企業への経営支援を経験し、同僚だった堀口(翔平氏)、中塚(庸仁代表取締役社長)と私の3人でNYCを立ち上げました。

立ち上げた理由は、売り主である会社オーナーからすると、一生に一度の決断をして会社を譲ってくれたにもかかわらず、ファンド形式の場合、保有期間などの制約があり、できることが限定的だと思ったからです。自己勘定投資の形であれば、中長期的な視点で投資先の支援ができると考えました。

梅本:私は新卒でSMBC日興証券に入社し、投資銀行部門で金融セクター向けにM&Aの提案をする営業を1年ほど担当しました。その後、コンシューマーセクターと金融セクター向けのM&Aのアドバイザー業務を3年ほど担当。2023年3月にNYCに転職しました。 description

ーー数ある選択肢の中で、NYCに転職した理由を教えてください。

梅本:ワークライフバランスを保ちながら、スキルを生かして働けると思ったからです。新卒の頃はやりたい仕事が明確になっていなかったので、汎用的なスキルが身に付く環境を求めていました。かつ激務でも報酬が良くて、モチベーション高く自分が成長できる職場が理想でした。最初の会社で3~4年ぐらい勤めて自分の志向性が見えてきたら転職しようと考えていたのです。

転職先を考えたときにファンドも一つの選択肢でしたが、結婚などライフステージの変化がある中で、ワークライフバランスを確保したい気持ちもありました。そんな折にNYCを見つけ、働き方を見直しながら、キャリアアップできると感じたのです。また、アドバイザーという立場ではなく、より経営の当事者に近い立場で働けることや、金融領域に限らず事業サイドにも関わることができる点にも魅力を感じました。

事業戦略がない中小企業は多い。だからこそ、伸びしろがある

ーーNYCのビジネスモデルの特徴である「自己勘定投資」とはどういうものでしょうか。

尾上:自己勘定投資は、ファンドのように投資家から預かったお金で投資を行うのではなく、自己資金で投資をするモデルです。最近は増えてきましたが、自己勘定投資により投資先を成長させ、売却をして利益を得る会社は、まだまだ多くはありません。というのも1社への投資でさえ億単位の資金が必要になるからです。

NYCは私を含めメンバーに投資業務の経験者が多く、銀行とのネットワークもあるため、円滑に資金を調達できます。比較的小規模な投資を分散して行っているため、リスクを抑えて安定した収益を得ることに成功しています。

今、後継者がおらず、廃業など存続が危ぶまれている会社が全国に数多くあります。一方で中小企業に投資する事業者は多くはないので、市場性は高いと考えています。

ーー投資先はどうやって選んでいますか。

尾上:月50件ほど仲介会社などから紹介してもらい、その中から業績が安定している優良企業を選んでいます。NYCはメンバーの前職を含め過去の投資実績があるので、仲介会社も先方に説明がしやすいのだと思います。また、投資家など外部の利害関係者がおらず、柔軟な取り組みや対応ができる部分も、投資先の会社のオーナーに選ばれるポイントだと思います。

また、NYCであれば中長期的な経営支援が可能ですが、スモールキャップ(EBITDAで1億円以上5億円未満)のファンドなどは2〜3年の短期間での支援が一般的です。そのため株主がころころ変わってしまい、従業員に対して申し訳ないといった感情を抱いてしまうオーナーは非常に多くいます。

オーナーは価格だけで売るわけではありません。例えば、従業員や屋号を守るなど、柔軟な対応を評価してもらい、比較的に割安で投資が実現していると思います。 description

ーー自己勘定投資で中長期保有する場合、保有中は利益が出ませんが、どのように利益確保していますか。

尾上:金額は小さいですが、各投資先から経営指導料をもらっています。ただ、基本的には売却によるキャピタルゲインを得るビジネスモデルです。

ーー業種・業態ごとにいろいろな課題があると思いますが、どのように経営指導を行い課題を解決しているのですか。

尾上:中小企業ならではの共通する経営課題があります。例えば業務の効率化ができていない、管理面が行き届いていない、採用がうまくいかない、などです。それらは業種を問わず、これまでの経験を生かして対応が可能です。

また、中小企業の多くは事業戦略を描けていないので、まず会社の課題を一緒に分析し、中長期的な戦略を立て、それを実行に移しています。裏を返せば、伸びしろがある会社が中小企業には多いとも言えます。

現場の人たちと向き合い、より良い支援を

ーー「売る」意思決定をした会社オーナーは、自社の課題を理解しているとは思いますが、役員や現場の人などとの意思疎通もすんなりいくものなのでしょうか。

尾上:そこがキモで、今までやってきた方法を変えることを嫌がる人は多いです。なので、そんな人たちをどう巻き込んでいくかが重要になります。従業員から見ても少しずつ会社がいい方向に向かっていると実感してもらえると、「この人たちが言うことだったら協力しよう」と思ってくれます。

ーー「自社がよく分からない会社に買われたらしい」と不信感を抱く人はいませんか。

尾上:従業員は日々の業務であまり株主の存在は気にしないように感じます。加えて、基本的には社長には続投してもらうので、不信感はあまり与えないのではないかと思います。

とはいえ、現場で一緒に業務効率化やデジタル化などを進めていく上で、投資先の従業員ともコミュニケーションを取っていくと、やはり最初は「急に若い人たちが来たけど、何なんだ」といった反応はされます。以前も、初日に食堂で従業員の皆さんにあいさつしたのですが、シーンとなってしまって……。いきなり全員と連帯するのは難しいので、まずは社内で影響力を持つキーマンと良い関係を築くことが重要だと感じます。

ーー梅本さんは具体的にはどんな業務を担当していますか。

梅本:NYCの事業領域は、コンサル事業と投資事業とに大きく分けられ、私は両方とも担当しています。コンサル事業の方では、おのおののバックグラウンドに応じて案件を受託します。私の場合は、M&Aのアドバイザーとして案件を受けています。

投資事業の方は仲介会社から紹介を受けた企業を精査し、投資提案をして先方の合意を得ることができれば、投資を行い支援を進めていきます。 description

ーー梅本さんは投資先の人と関わる際にどのような心がけや工夫をしていますか。

梅本:中小企業には真面目に働いてくれる人たちが多く、こちらがいろいろ話を聞いたり、「こういうことをやってください」とお願いをしたりすれば、素直に聞き入れてくれます。その過程で先方の不満や問題意識なども聞きつつ、日々小さいやりとりを積み重ねていくことで、だんだん打ち解けていく感触はあります。

投資先の従業員と仲良くなるためには、ロジカルなコミュニケーションではなく、もう少しウエットなコミュニケーションが必要だと思っています。その上で、前職の経験や、今身に付けようとしているスキルを最大限に生かすことができれば、向こうも、NYCが自分たちの成長のために頑張ってくれていると捉えてくれると感じています。

ーーNYCで活躍するには、スキルだけでなくマインドも重要なのですね。

尾上:他には、高齢の社長にビジネスチャットの「Chatwork」を導入してもらうなどの簡単なITサポートも、いとわずに楽しめるマインドも重要だと思います。スキルでいうと、絶対これがないと駄目というものはないので、どこかの領域で強みを持っているといいですね。梅本はM&Aの知識や経験がありますし、他のメンバーも自身の知見はそれぞれ生かせていると思います。

ーー今後もコンサル事業を続けていくのか、投資事業の一本になるのか、どちらでしょう。

尾上:コンサル事業をゼロにはしません。コンサル案件で学ぶことも多いので、自分たちのためになりそうな案件があれば入っていくというスタンスです。

自分で意思決定して、即実行できる

ーー梅本さんが、NYCに転職して良かったと思うのはどのようなときですか。

梅本:前職では、家族の顔を見ることも全然できないほど忙しかったので、今は“まとも”に生活ができているとしみじみ感じます。趣味の時間も確保できています。業務内容では、前職ではアドバイザーだったので、どんなに考えて提案しても採用されないことがありましたが、現職では私たちが当事者なので、自分で考えてやるべきことを素早く意思決定し実行できるのは魅力です。

また、領域の幅に制限がないので、上流から泥くさいところまで、さまざまな経験を積むことができます。

ーー働きやすい環境づくりには注力しているのですか。

尾上:子供がいるメンバーも多く、あるメンバーは出勤前に子供を保育園に送ってから出社し、帰りも早めに退勤して子供を迎えに行き、帰宅してから夜に作業をしています。そのように柔軟に勤務環境を調整できるようにしています。

ーーNYCにはどんな人が向いていると思いますか。

梅本:NYCはワークライフバランスに限らず、いろいろなバランスが取れる会社だと思います。私で言えばM&A業務の経験はありますが、事業サイドは未経験です。そういう、自分の強みを生かしたいけど、新しいことにもチャレンジしたいという思いがある人には向いていると思います。

尾上:NYCは投資からマーケティング、バックオフィスまで、さまざまな工程をその気になれば際限なく勉強できます。また、業種問わず投資しているため、いろいろなビジネスモデルを見ることができる点も魅力の一つ。

日々、投資先とやりとりをして判断して進めていく仕事で地道な部分もありますが、それを楽しめる人や裁量を任されたい人には合うと思います。私が担当している会社には、社長が退任し、中継的に私が社長を務める会社もあります。若い段階から経営を学び、経験することができるはずです。

ーー5年後にはどのような会社になっていたいですか。

尾上:2027年までに100件投資することを、目標として掲げています。まずはその実現に向けてメンバーを増やしていきたいです。

事業承継は社会的課題にもなっているので、その件数をこなすことは社会課題の解決にもつながると思っています。単純な数だけでなく、成長を促していくことで、少なからず経済にも貢献できたらいいですね。 description

コラム作成者
Liiga編集部
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