2億MAUに迫る大規模グローバルサービスのPdMから急成長ベンチャー企業へ参画。「課題設定の精度が高く、解決までやり切れること」こそ最強のスキル
2024/01/31

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2023年にCPOとしてクーリエに参画した入江和孝氏は、「プロダクトマネージャーとしての本質的なスキルは、どれだけ時代が変わってもニーズがなくなることはない」と語る。事実、同氏はいわゆるガラケーからキャリアをスタートしているが、主戦場がスマートフォンに移り変わっても、その知見が色あせることはなかったという。

データドリブンなマーケティングとオペレーションに強みを持つクーリエが、プロダクトのプロを迎え入れたことでどう進化していくのか。そしてこの仕事を通して身に付けられる本質的なスキルとは。プロアクティブなキャリア構築を目指す方には、ぜひご一読いただきたい。

〈Profile〉
入江和孝(いりえ・かずたか)
CPO
長崎大学工学部卒業。パナソニックMSE(現NTTデータMSE)に新卒入社し、同社初の試みとなるAndroidスマートフォンの立ち上げに携わる。その後グリー株式会社にてプロダクトマネージャーとして300万以上のMAUを誇るスマートフォン向けSNSの開発運用を担当。
2014年LINE株式会社に転じ、LINE企画統括執行役員として複数国家に跨る企画・開発チームをリードした後2023年10月にクーリエ参画。現在は、CPOとしてプロダクト戦略を統括。

※内容や肩書は2024年1月の記事公開当時のものです。

卓越したマーケティングとオペレーションに、プロダクトの力をプラスする

――入江さんはCPO(Chief Product Officer)として3カ月前に参画されたそうですが、これまでのご経歴について教えてください。

入江:クーリエに参画する前は、グリー株式会社とLINE株式会社で計10年ほどプロダクトマネージャーとして経験を積んできました。ユーザーの課題を解決する手段全般をプロダクトだと捉えていて、その中でも、スマホアプリやウェブサービスといった媒体を通じて価値を提供することが私の専門領域です。

――貴社にはすでに圧倒的シェアNo.1の「みんなの介護」や「みんなの介護求人」といった素晴らしいプロダクトがありますが、CPOにはどんな役割が求められているのでしょうか?

入江:そう言ってもらえるのはありがたいのですが、実際には改善の余地がまだまだあります。というのも、クーリエはプロダクトの専門家がいない状態でここまで成長してきたんですね。もちろんWebディレクターは社内にいますが、社内の他部門から異動してきたメンバーが主で、プロダクトマネジメントを専門的に経験してきたメンバーはほとんどいなかった。逆にその状態でこれだけの事業規模を築いてきたのは、本当にすごいことだと思っています。

私が考えるクーリエの強みは、マーケティングとオペレーションです。どちらも極めてデータドリブンに改善していく仕組みが整えられており、それぞれのメンバーがKPIを徹底的に追い切ることでビジネスを伸ばしてきました。

「みんなの介護求人」で言えば、マーケティングは多くのユーザーをプロダクトに誘致することがミッションです。オペレーションは、応募してくれたユーザーの皆さんや法人側と伴走しながら採用成約まで導く仕事。この2つについては、かなり緻密にデータを分析しながら常に最適化されていると思います。

しかし、プロダクトの中でユーザーがどういうアクションを取り、どこで離脱しているのかは可視化されていない状況でした。そうした状況では適切な改善を行うこともできません。せっかくマーケのメンバーが頑張って集客してくれても、プロダクトが穴の開いたバケツのような状態では抜けていってしまいますよね。ですからまずは、閲覧してくれたユーザーをしっかり訪問まで誘導することが、プロダクト領域の責務だと考えています。

――なるほど。マーケティングとオペレーションに加えてプロダクトの品質が上がれば、ビジネスとしてさらに強くなるということでしょうか。

入江:その通りです。プロダクトの品質を上げて3つの力が掛け合わさった時には、そうとう面白いことになるでしょう。かなり大きな可能性を感じていて、これは私がクーリエに参画した理由の1つでもあります。

プロダクトに関しては悪く言えばカオスの状態ですが、良く言えば自分の裁量で1から作り上げていくことができる。凝り固まったルールやポリシーがあるわけでもないので、どんなプロダクトを作るべきかから関われることも魅力です。しかも、プロダクトを作って終わりではなく、クーリエの強みであるマーケやオペレーションのチームがしっかりとユーザーの手に届けるところまでやり切ってくれるわけですから、やりがいも非常に大きいですね。 description

何をやるか、優先順位をどうするか。データを基に的確な打ち手を決めていく

――入社動機について話がありましたが、他にも参画を決めた理由はあったのでしょうか。

入江:先ほどの話とも近いですが、自分の手でカルチャーや組織を作り上げていけることもポイントでした。LINE時代もまだ人数が少なかった頃の企画チームにジョインして、10年近く苦楽を共にしてきた組織にはとても愛着がありましたし、率直に好きだったんですよ。これからクーリエに入社してくれる皆さんとも力を合わせて、当時以上に愛着を持てるチームを作っていきたいと思っています。

あとは、ベンチャーとはいえこれだけの規模になっているにも関わらず、意思決定のスピードが全く落ちないところもいいですね。例えば私の採用プロセスでも、すでに何社か候補がある状態で声をかけてもらったのですが、そこから内定の意思決定まではどの会社よりも早かったと思います。信念を持ってビジネスを推進しつつ、スピード感のある意思決定も失っていない。なおかつプロダクトやそのチームはこれから作り上げていく段階で、最後はもうこの会社しか考えられないという状態でしたね。

――プロダクトの改善はどういったステップで進めていく予定なのですか。

入江:具体的な内容はなかなかお話しできないのですが、まずはクーリエのビジネス全体の構造や関係者をしっかりと把握した上で、各KPIを達成するために何が問題でどの数字を改善すればいいのかを可視化していきます。先ほども申し上げた通り、プロダクト以外の領域は非常に的確にKPI設定がなされていて、データドリブンにPDCAを回しているのですが、プロダクトについてはまだユーザーの行動を見極め切れていない状況です。

そうした基礎的なところを構築した後は、ファクトから見えてきた課題に優先順位を付けて、解決に向けて取り組んでいくことになります。何をやるかも当然重要なのですが、優先順位の設定もプロダクト改善には不可欠な要素です。1つ1つ改善して、その結果を注視しながらさらに次の課題と向き合っていく。その繰り返しですね。

――現時点での感触としてはいかがですか?

入江:もちろんやってみなければ分からない部分も大きいですが、現在集中的に取り組んでいる「みんなの介護求人」は、かなり良いものに仕上げていけると感じています。ただ私の肩書はCPOですから、一刻も早くこのプロダクトを一定の水準に引き上げて、会社全体を見て動いていかなければなりません。先日も「みんなの介護マーケット」という新規事業を発表しましたが、創業から10数年蓄積してきたデータを生かして各事業をどんどん成長させていく必要がありますからね。 description

どんな領域のプロフェッショナルにも求められる、本質的かつ普遍的なスキル

――入江さんは、プロダクトマネージャーに向いているのはどんな人だと思いますか。

入江:一言で表すなら、「課題設定の精度が高く、解決までやり切れる人」です。これを分解すると3つの要素が必要だと考えています。1つ目は、高い視座を持っていること。自分の担当範囲だけでなくプロダクト全体、そしてプロダクトだけでなく事業や会社の未来を考えられる人に向いていると思います。

一方で、視座だけ高くて自分の手を動かさない人も向いてないですね。どんなに高い視座を持っていても、行動が伴わなければ意味がありません。細かい知識やスキルは後から付いてきますから、まずは高い視座と荒削りでも行動に移せることが重要です。

3つ目は、お互いにリスペクトしながらチームワークを大切にできること。一口にプロダクトマネージャーと言っても、データ分析に強い人もいれば、UI/UXのスペシャリストやデザイナー、ユーザーリサーチに長けている人もいます。もちろん人間ですから、逆にそれぞれ不得意な領域もあるでしょう。大きなプロダクトであればあるほど1人で完結することは不可能なので、お互いに得手不得手を補完し合いながら進められる人に来てほしいですね。

――プロダクトマネージャーだけでなく、あらゆるプロフェッショナルに求められる素養にも感じます。

入江:私もそう思います。私自身も前職ではプロダクトに関することだけでなく、人事やプロダクト領域以外の課題が発生すればその都度対応していました。もちろんクーリエでも自分の領域を区切らずにビジネス全体を見て取り組んでいくつもりです。

何を解決すべきかを自分で言語化し、自分の行動で変えていく。そのスタンスでやればプロダクトマネージャーとして成長するでしょうし、逆に言えばその経験があればどこへ行っても成功できる。そういう意味ではつぶしが利く職種ですから、今後のキャリア構築に悩んでいる方にもお勧めできる仕事ですね。

――領域を限定せずに働くことは、CPOだから許されるというわけではないのでしょうか。

入江:もちろんです。われわれは急成長中のベンチャー企業ですから、何にでもチャレンジできる環境は間違いなくあります。部門のすみ分けもファジーですし、いい意味での領海侵犯はいつでも大歓迎です。

――ありがとうございます。最後に、今後のキャリアを検討中の皆さんにメッセージをお願いします。

入江:プロダクトマネージャーは、あらゆるパラダイムシフトに負けずキャリアが生き残っていく希少なポジションです。例えば、私がキャリアをスタートした時はまだガラケーの時代でしたが、それがスマホに置き換わってもやるべきことは変わりませんでした。

いつかスマホがなくなって、世の中の主流が仮にメガネ型のデバイスに置き換わったとしても、あるいは映画のように空間に映像が浮かび上がる時代が来ても、われわれの役割がなくなることはないでしょう。自ら課題を特定し、自らの手で解決するという本質的なスキルは、どんな時代でもニーズが尽きることはありません。そういう感覚を持って、プロダクトマネージャーを志してもらえるとうれしいですね。

クーリエは領域を問わず何でもやれる環境だとお伝えしましたが、ひょっとしたらそれはいつか変わってしまうかもしれません。もっと人が増えてきたら、ある程度役割を定めたり専門性ごとに部門を区切ったりする必要に迫られるかもしれません。今この時が、チャレンジするには最適なタイミングです。優秀で意欲的な皆さんにお会いできることを、楽しみにしています。 description

コラム作成者
Liiga編集部
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