企業の経営課題をひも解き、デジタルを活用して経営の再構築(REGENERATE)を実現していく
2024/03/11

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戦略系か総合系かを問わず、コンサルティング業界におけるデジタル領域のプロジェクトは拡大の一途をたどっている。それだけ社会的なニーズが高いということではあるが、それに伴いコンサルティング業界や各ファームのあり方にも大きな変化が起きているのだという。

今回話を聞いたのは、A.T. Kearneyのシニアパートナーである大塩崇氏と、プリンシパルである長内正一氏。世界的な戦略ファームとして知られる同社が、コンサルティング業界の変遷や今後をどう見ているのか。その中でA.T. Kearneyはどのような役割を担っていくのか。2人に率直に語ってもらった。

〈Profile〉
写真右/大塩崇(おおしお・たかし)
シニアパートナー
早稲田大学理工学研究科卒。NTTデータ、米系戦略コンサルティングファームを経てA.T. Kearneyに入社。ハイテク、通信・ICT、エレクトロニクス、商社、消費財、ヘルスケアを中心に、シナリオプラニング、新規事業構築、Go-to-market、事業ポートフォリオの再構築、中長期経営計画、M&A戦略、収益改善、営業改革、オペレーション改革、IT組織変革、ITコスト削減などのコンサルティングに従事。
写真左/長内正一(おさない・まさかず)
プリンシパル
東北大学理学部卒業、同大学院宇宙地球物理学科修了。大手ICT企業、国内コンサルティングファームを経てA.T. Kearneyに入社。ICT企業、金融機関、製造業などのクライアント企業に対して、デジタル変革、コーポレート機能強化、オペレーション変革、コスト構造改革などを中心に支援。

※内容や肩書は2024年3月の記事公開当時のものです

A.T. Kearneyのデジタルプラクティスが持つ2つの機能

――まず、A.T. Kearneyのデジタルプラクティスが提供しているサービス概要についてお聞かせください。

大塩:大きく分けて2つのサービスを提供しています。まずは、皆さんがデジタルと聞いて最初にイメージするであろうDX領域のコンサルティング。企業の経営課題をひも解き、デジタルを活用して経営の再構築(REGENERATE)を実現していく仕事です。

よくあるのは、経営陣とIT部門、そして現場の3者で目指すゴールや課題感が異なっていること。そこで私たちが、経営課題を理解しつつ課題や目的の解像度を高め、現場の方々ともコミュニケーションを取り、最適なテクノロジーやオペレーションに仕立てていきます。経営とテクノロジーと現場をつなぎ、それによって価値を出すことが私たちのミッションです。

長内:また、大規模なITシステム投資をする場合、長期間使い続ける必要があるという特徴もあります。そのため、投資前から将来の戦略・ありたい姿を考えておくことが非常に重要です。先を見据えたテクノロジーやオペレーションを計画することも、私たちの提供価値だと考えています。

大塩:今お伝えしたのが「テクノロジーを使う側」の高度化だとすれば、2つ目のサービスは「テクノロジーを提供する側」の変革支援です。前者はクロスインダストリーで幅広く提供していますが、後者の対象は主にICT業界やエレクトロニクス、ハイテク産業など。彼らのビジネスを今後どうしていくべきか、そのためにはどんなケイパビリティを身に付けて、どうマネジメントしていくのかといった戦略立案の支援を行っています。

A.T. Kearneyには10以上のプラクティス(産業軸や業界横断テーマ軸で括ったチーム)がありますが、デジタルプラクティスに関しては、“デジタル技術”を軸にホリゾンタルにサービス提供する機能と、“ICT業界”と相対してバーティカルにコンサルティングする機能の両面があるわけです。テクノロジーを提供する側と使う側がどちらも進化しなければ、日本全体としては変わらないのではないかと考えています。

――なるほど。近年ICT業界ではどのような変化が起きているのでしょうか。

長内:例えば、これまで日本の大手ICT企業はOne to oneでシステムの受注開発を得意とする会社が多かったのですが、このビジネスはあくまで足し算の成長になります。これから掛け算で指数関数的な成長を実現するためには、オファリングサービスを開発して複数の顧客にサービスを提供するモデルへシフト、あるいは組み合せていく必要があります。

そうすると、戦略はもちろんビジネスのあり方も、経営管理・計画/実行オペレーション・デジタルのあり方も、全て変革しなければなりません。そしてその変革を実現するためには、戦略・オペレーション・デジタルのトータルの知見が必要になります。そういった背景から、私たちのような戦略ファームにお声がけいただくことが増えてきているのでしょう。 description

A.T. Kearneyは中立性を保持すべく、システム開発ケイパビリティを具備することは決してない

――1つ目のホリゾンタルなサービス、つまりDX領域のコンサルティングについては競合も多い領域だと思います。A.T. Kearneyならではの特徴はどんなところでしょうか。

大塩:このところ、戦略系ファームと総合系ファームの垣根が低くなってきていることは皆さんもご存じでしょう。これまで戦略系と呼ばれるファームはマネジメントに重きを置いていましたが、近年は多くのファームが規模の拡大を志向して、業務コンサルやデジタルのソリューション開発ができるようなケイパビリティを持ち始めています。

しかし、私たちはあえて自社ソリューションを持たない方針を貫いています。なぜなら、戦略コンサルは数人でも提供できますが、システム開発をするためには数十倍の規模が必要になります。その固定費をまかなうために、自社のソリューションを販売しようという組織の力学が働いてしまうからです。

私たちは、コンサルタントはあくまでも中立的・客観的な立場からベストな選択肢を見つけることが重要だと考えています。どこにも肩入れすることなく、本当に解くべき経営課題は何か、課題解決に必要なテクノロジーはどんなものか、それを活用したベストな業務のあり方は……と、客観的かつ中立的に見極めていく。そのために、自社ソリューションは持たないと決めています。そこが最大のユニークネスではないでしょうか。

長内:私たちが大切にしている“Essential Rightness”、“Tangible Results”という言葉にも現れていますが、経営課題やゴールを常に意識していることもA.T. Kearneyの特徴だと考えています。事業会社がITの改革をしようとする際、コンサルティングファームにRFP(提案依頼書)を出しますよね。そこには「こういうシステムを導入したいから提案してほしい」と書かれているわけですが、われわれは「そもそも経営課題は何で、この改革で何を解決したいのですか」というところから確認します。

先日もあるクライアントから「KEARNEYに聞くとどうやってモノを作るかではなく、本来は何をすべきかから提案されますね」と言われました。将来の経営戦略がある程度固まっていればそれを踏まえてオペレーション・デジタルのあり方を考えますし、戦略から考える必要があれば、消費財や通信等の各インダストリーのプラクティスと協働しながら戦略立案を進めていきます。社内にあらゆる業界のプロフェッショナルがそろっているからこそできることですね。

――プロジェクト事例を教えてもらうことはできますか?

大塩:直近で増えてきているのは、「一度DXに取り組んでみたけどうまくいっていない」というご相談です。アジャイルだとかアナリティクスだとか、流行りに合わせて導入したものの「そもそも何のためにやったのか」が分からなくなっているケースが増えています。

アジャイルやアナリティクスは言うまでもなく手段ですが、この手段が目的化してしまい、本来解くべき課題や目指す目的を見失っているケースを見ることが多々あります。課題や目的が曖昧だと、手段が目的化することが多いのかもしれません。

そこで、どんな課題を解く必要があるのかという目的を再整理して解像度を高め、何を変革するのか、目指す姿は何かを解像度を高めた上で関係者の合意形成を図り、その上でグランドデザインを引き直すところから私たちが支援しています。戦略策定、プランニングだけでなく、“テクノロジーを使いこなす”、“変革を推進していく”ための組織のケイパビリティを上げていくような支援もしています。

一方で私たちがやらないことは、ソリューション導入やシステム開発、システム導入時のIT PMOなどが挙げられますね。この領域はクライアントの情報システムの方々、システムインテグレーターやITコンサルティングファーム等にご協力いただき、私たちは戦略策定やプランニング、ケイパビリティ強化などの得意領域に集中します。

こうしたDXニーズは、今後もしばらく増加していくと私たちは見ています。

――ケイパビリティを上げるということは、人材育成をしているということですか?

大塩:私たちが講師として研修を行うこともありますが、それはあくまで手段の1つに過ぎません。外部から人材を採用するためにブランディングの戦略を立てることもありますし、場合によってはM&Aも検討します。企業全体を変革するためには、あらゆる選択肢を排除せず考え抜くことが重要です。 description

変革の実現に必要なのは、何よりも“やり切る”覚悟

――あくまでも中立な立場で顧客の変革を促していくA.T. Kearneyでは、どんな人が活躍できるのでしょうか。

大塩:やはり企業の変革に強い関心を持っていることがベースですね。戦略の企画立案はトランスフォーメーションの重要なプロセスの1つですが、先ほど申し上げた通り単にプランニングするだけでは企業は変わりません。

スキル面は経験していく中で身に付いていくものですから、まずは「最後までやり切る」というパッションを持っていてほしい。バックグラウンドには特に制約はありません。客観的な立ち位置でクライアントのあるべき姿を思い描き、何度壁にぶつかってもその理想を追求し続けられる人であればきっと活躍できるでしょう。

長内:デジタル変革に限った話ではないかもしれませんが、現場を変革するのは本当に難しいのです。この大切さと難しさを実感していることが重要だと思います。例えば大手システムインテグレーターやITコンサルティングファームで働いていて、より経営課題からのアドレスすることを望まれている人。もっと経営の根幹から変えていきたいという思いを持っている人。会社を変えたいと思いながらも、その難しさを知っている人に来てほしいですね。

――変革が難しい原因は何なのでしょうか。

長内:難しさの1つには、立場によって見えているものや目指すゴールが違うことが挙げられますね。例えば営業担当とサプライチェーン担当では、“最適な”在庫の量は違います。サプライチェーン側が良かれと思って在庫を減らすと、営業にとっては機会損失になるかもしれない。変革の現場では、そういった事態はいくらでも起こりえます。

それぞれの立場や責任、役割、利害関係、そして人の心理まで含めて理解しておかなければ、そもそも会話になりません。大規模な改革であればあるほど、トップの一言だけで物事は決まらないということです。部長さんにも課長さんにもその方なりの思いがありますから、さまざまな部門や役職の方々とコミュニケーションを取りながら進める必要があります。

だからこそ、今大塩が申し上げたように「最後までやり切る」というパッションを持っていることが重要なのです。

――なるほど。そういった強い思いを持った方たちにメッセージをお願いします。

大塩:急拡大しているファームの方からよく聞くのが、仕事が細分化されているということ。考える人、中身を埋める人、確認する人と役割が明確に区切られているらしいのですが、A.T. Kearneyは他ファームに比べて人数が少ないこともあり、1人に任される範囲は非常に大きくなっています。

課題や論点を特定するところから、「これも考えておいた方が良いのではないか」と自由度を持って進めることになりますから、若いうちから自分で考えて意見をぶつけていきたい人に向いているし、そういう人には相当な成長機会を提供することができるでしょう。一方で、与えられたことをちゃんとこなしたいという人にはやや厳しい環境かもしれません。

ご自分の特性を見極めた上で、自分の裁量でさまざまなことにチャレンジしたいと思うなら、ぜひA.T. Kearneyへの応募を検討してみてください。

長内:転職を検討する時って、自分はこのままでいいのだろうかという不安と、本当に踏み出していいんだろうかという不安が両方あると思うんですよね。私もA.T. Kearneyに入る際は、そのまま安定した道を選ぶこともできたので、やはり悩みました。でもそういう時は、変化できる、成長できる環境に身を置くことが大切なのではないでしょうか。皆さんの挑戦をお待ちしています。 description

コラム作成者
Liiga編集部
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