これからの10年で、間違いなく時代が変わる。イノベーション領域は、今が一番面白い
2024/05/02

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デロイト トーマツ ベンチャーサポート(以下、DTVS)。スタートアップや政府官公庁、大企業など、多様なプレーヤーと協働しながら世界のイノベーションを加速させている。

今回は、DTVS初のヨーロッパ拠点の立ち上げを任されている床島遼氏、そして学生時代にもグローバル規模でイノベーション創出を支援した経験を持つ打越まどか氏にインタビューを実施した。印象的だったのは、2人が口をそろえて「日本のイノベーション領域は今が一番面白い」と話していたことだ。それは一体どういう意味か。マーケットの現状と今後の展望について伺った。

〈Profile〉
写真左/床島遼(とこしま・りょう)
2013年神戸大学大学院法学研究科修了後、大手総合商社に就職。アフリカ・欧州・米国関連のエネルギーインフラ投資案件を開拓。コートジボワール/アビジャン支店の設立登記を行い、現地人脈をゼロから構築。欧米では数十億円規模の投資を複数件実行するとともに、スタートアップ企業への出資を条件交渉から行い数十億円規模の投資を複数件実現。その後、アクセンチュア株式会社を経て2022年8月DTVSに入社。DTVSでは気候変動ユニットにてプロジェクトに従事。欧州リードとして、DTVS初の欧州拠点を立ち上げ現在フランスに駐在。
写真右/打越まどか(うちこし・まどか)
2020年上智大学卒業。在学中、ロシアの地方国立大学に留学し、日露イノベーション創出を目指すコンサルティング会社でインターンを経験。卒業後は大手コンサルティングファームに入社し、DXを伴う全社業務改革案件に従事。大規模案件のPMO、会計業務のDX化、RPA開発など幅広く経験する。2022年ベンチャー企業に転職し、社長室で新規事業の企画推進、新領域の開拓、社内の業務効率化など経営全般に携わる。2023年5月DTVS入社。「テクノロジー領域における大企業とスタートアップのマッチング」「技術部門向け、カーボンネガティブ領域の海外スタートアップ(主に欧州、北米)リサーチ」「欧州イノベーション施設との交渉、連携」「メタバースやAI関連のスタートアップのサポート」などを担当。

※内容や肩書は2024年5月の記事公開当時のものです

世の中を変えるための仕組みを作り、それを文化として根付かせていく

――貴社は社名に「ベンチャー」と入っていますが、日本のベンチャー企業やスタートアップの現状をどのように見ていますか。

打越:主語が大きいので答えるのが少し怖いですが、私の目線からすると課題はやはり人のところだと思っています。イノベーションやスタートアップをキーワードにしている人が、日本にはまだまだ足りていません。DTVSとしては、大企業とスタートアップのオープンイノベーション促進や、官公庁との協働案件など、さまざまな形でこの課題の解消に向けた取り組みを進めています。 description

床島:日本のスタートアップエコシステムに、さまざまな面で人が足りないのは事実です。ただ誤解のないように補足しておくと、当然ながら世界と比較して日本人がダメだというわけでは決してありません。私はイノベーションなど物事が大きく動くときには4つの要素が不可欠だと考えています。それは、文化とシステム、お金、そして人です。ここでのシステムというのは単純なITソリューションではなく、政府や大企業、あるいはNPO/NGOなどによって規定されていく大きな仕組みや枠組みのことを指しています。

スタートアップ領域では、シリコンバレーはもちろん、近年ではフィンランド、パリが有名ですが、彼らと比べて日本人が…というか、ある人種がある人種に対して能力的に劣っているなんてことはあり得ない。

お金に関して言えば、シリコンバレーと比較すればまだ少額ですが、日本政府が投下する予算はこの数年間増え続けています。従って、日本のエコシステムには必要な資本が流れ始めており、人材も優秀。そうなると、こうしたお金を使って人が挑戦するための土台となる、文化やシステムが醸成し切れていないことが、とりわけ現時点での課題だと思っています。その意味で、究極的には「イノベーションが起こりやすいシステム」を作り上げ、それが「文化として根付く」ところまでサポートすることが、DTVSの使命です。

――予算の面でも増えているし、お金の流れとしては着実に変わりつつあるということですね。

床島:その通りです。2022年末に政府が策定した「スタートアップ育成5か年計画」では、スタートアップ企業への投資額を5年間で10倍以上となる10兆円規模に拡大することが定められています。国全体で、現状の課題であるシステム・文化の部分をドライブしようとしているわけです。個人的には、これからの5年10年が「時代が変わる最も面白いフェーズ」だと感じています。

打越:タイミング的に素晴らしいというのは私も実感しています。私は学生時代にロシアに留学していて、その時に日露イノベーション創出を目指すコンサルティング会社でインターンをしていたのですが、当時のロシアは非常にスタートアップ領域に注力していました。ところが、新型コロナウイルス感染症の流行や政治的な要因で急激に閉ざされていく一面も目の当たりにして、やはり社会や政府の後押しがなければ国全体を変えていくのは難しいと痛感しています。

その点現在の日本に目を向けると、国も注力していて社会も非常に注目している。こういう時期に、国が変わっていく最前線で仕事ができるDTVSは、本当に刺激的です。

床島:文化が変わるまでには、少なくとも10年はかかるでしょう。それを後押しするのがシステムと投資です。現在はそれがどちらもそろい始めているので、今からがきっと一番面白い。もちろん簡単ではありませんが、だからこそやりがいも大きいですね。 description

起業家と同じ目線に立つことは極めて難しい、だから第三者としての冷静な判断で彼らに貢献する(打越)

――先ほど打越さんのインターンの話がありましたが、その経験からスタートアップ領域に興味を持つようになったのでしょうか。

打越:そうですね。主に日本の大企業とロシアのスタートアップをつないでオープンイノベーションの可能性を探る活動を行っていたのですが、「他社との協働によって今までにない新しいものを作り出したい」という熱意を持った方にたくさん出会いました。この時の経験が私のキャリアの軸になっていることは間違いありません。

大企業とスタートアップそれぞれの内情を知るために、まずは大手のコンサルティングファームに入社して、大企業の業務改革やIT/DX案件を経験しました。その後、一度スタートアップに転職しています。

1年ほどスタートアップの社長室でさまざまな経営課題に向き合った後、2023年の5月にDTVSに入社しています。最初に斎藤に出会った時から「この会社のビジョンや事業なら、自分の持つスキルや時間を全て投下できる」と感じていたので、いずれ入社することは心に決めていました。

――両方を経験したことが、今の仕事に生きていると感じますか?

打越:はい、もちろんです。特にスタートアップでの経験は生きています。当時痛感したのが、会社を立ち上げた人と雇われて働く人とでは、どこまでいっても同じ目線にはなれないということです。自分がどれだけ勉強しようが経営陣と話そうが、起業家が実際にどう感じているかまではたどり着けませんでした。それがとても歯がゆくて、起業家が孤独だと言われるゆえんなのかなとも感じます。

ただ、全く同じ視点が持てないのであれば、逆に第三者的な目線から冷静に課題を分析することで役に立てるのではないかとも思っています。DTVSは経営者の方々とかなり密なコミュニケーションを取りますが、彼らの考えを客観的に理解して、それに対して必要な問いや情報をお渡しできるよう心掛けています。逆説的ですが、第三者視点を持つことで経営者に寄り添うことができる、というのは興味深いですよね。 description

日本と欧州をつなぎ、気候変動という社会課題にイノベーションを起こす(床島)

――床島さんのキャリアと入社動機も教えてください。

床島:学生時代から事業投資に興味があり、新卒で入社したのは大手総合商社です。ただ、その時点では「どのエリアで」「どんな事業に」投資するかというビジョンは見えていませんでした。現在は「欧州」×「イノベーション」という2点をキャリアの軸に据えていますが、これは商社での経験が大きく影響しています。

当時は石油化学プラントに投資するチームに所属しており、途中でフランスやコートジボワールに赴任するタイミングがありました。ここで欧州という軸ができて、さらに近年の石油化学プラントは脱炭素や脱化石燃料というテーマと不可分なので、いきおい気候変動関連の流れに関わることになる。20代後半あたりには「日本と欧州をつないで気候変動領域を中心にイノベーションを起こしたい」というビジョンが明確になっていました。

その後アクセンチュアに転職して、同じく欧州の化学系のプラント案件などに携わっていたのですが、それまでの2社がどちらも大手だったので、次は個人の力で勝負できる環境で挑戦したいと思ってDTVSに参画させてもらいました。

――迷いはなかったのでしょうか?

床島:他のファームからも2社ほどオファーを頂いており、正直少し迷いはありました。ただ、そちらの2社は、最初から私が欧州に赴任することを確約してくださったんですね。一方でDTVSは、会社として欧州でのビジネスを立ち上げる思いはあり、そのために必要なサポートは全力で行うが、かといって座して待つのではなく、自分が行きたいなら現地のネットワークや案件の可能性は自分で切り開きなさいというスタンスで。だったら確約してくれた会社を選べばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、そもそも転職を考えたのも「会社に貢献しながら個の力で勝負したい」という動機だったので、DTVSに決めました。

――既に、DTVS初の欧州拠点の立ち上げを任されているそうですね。

床島:はい。入社して1年半ほどたち、欧州拠点の立ち上げのためにパリに赴任することになりました。この記事が出るころには既に現地におります。これまでも出張ベースで欧州のスタートアップと日本の投資家をつないだり、官公庁の案件で日本の起業家を欧州に派遣したりしていましたが、やはり現地にいなければ果たせない役割も多くあります。

日本と欧州の両方で、イノベーションを軸として起業家や自治体、大企業の実態を深く知っている人はあまりいないので、現地でしっかりと自分の使命を全うしたいと考えています。 description

成し遂げたいことが明確な人も、これから見つけたい人も

――DTVSにはどんな人材が合うと思いますか?

床島:2つあって、1つは自分自身で「これを成し遂げるんだ」というビジョンを明確に持っている方。そしてもう1つは明確には持っていない方。もちろん後者には注釈が付いていて、「まだビジョンが明確ではないけれど探し求めている方」です。

私の場合は欧州や気候変動といった明確なビジョンがありましたし、周囲にも宇宙やヘルスケアといった特定の領域に情熱を持って取り組んでいるメンバーが多くいます。実際にここ1、2年で「この領域をやりたい」と言って入社してきて、実際にその領域で生き生きと貢献するメンバーが毎年のように出てきています。

しかし一方で、特に若い年次の方であれば明確な目標がまだ見つかっていないことも多いでしょう。それでも、DTVSにはすぐ隣で欧州だ、宇宙だ、と言ってがむしゃらに頑張っている人たちがいますから、そういった環境に身を置く中で、自分自身のやりたいことも見えてくる気がします。

ひょっとしたら、全然考えていなかったけど大企業の支援が向いていると気付くかもしれないし、特定の産業領域が面白そうだと感じるかもしれない。ひょんなことから新たな世界との出合いが無数にあって、それに全力を傾けているメンバーがすぐ隣に座ってたりする。これは、互いの顔が見えており、個人のエネルギーを大切にするDTVSならではの環境だと思います。

ただ、何となく入社して何となくそのまま活躍できるという場所ではないことも事実です。自分の持て余すカロリーのぶつけ先を探しているけど、それが何なのか分からない、見つけるために全力で頑張りたいという気概のある人であれば、きっと活躍できるし楽しいでしょう。

打越:本当にその通りですね。私の目線から少しだけ追加させていただくと、やはりスタートアップやイノベーションに強い関心があることは重要だと思います。今床島から話のあった個人のビジョンとは別で、DTVS全体のビジョンとしてこのポイントは欠かせません。

ただ、それだけならベンチャーキャピタルなどの選択肢もあり得るでしょう。個人的に思うDTVSならではのポイントは、この会社がコンサルティングファームだということです。案件ベースの働き方もそうですし、第三者的な立場でスタートアップの方たちの悩みに寄り添うこともできる。コンサルティングのスキルを伸ばしながらイノベーションやスタートアップに寄り添える環境は、他にはなかなかないと思っています。

私自身がまさにそういうタイプなのですが、イノベーションに興味があって、かつコンサルタントとして成長したいと思う方にはベストな環境なのではないでしょうか。

――ありがとうございます。最後に、そういった人材に対してメッセージをお願いします。

床島:DTVSは「挑戦する人と共に未来を拓く」というミッションステートメントを掲げています。これはクライアントや起業家の方だけでなく、当社の社員やこれから参画してくださる皆さんのことも指しています。新しいことにチャレンジするとき、迷いや不安が生じるのは当然のことです。しかし、DTVSはそうした迷いを持ちながらも挑戦するあなた自身のことも応援する環境、文化のある企業だと思います。全力で皆さんの挑戦を応援しますから、ぜひ前向きに考えてみてください。

打越:繰り返しになりますが、DTVSはコンサルタントとしてイノベーションに関わることができる非常にレアな会社です。もしその環境に興味を持ってくださったなら、ぜひ一度話を聞きに来てください。そういう方と一緒に切磋琢磨することができれば、とてもうれしく思います。 description

コラム作成者
Liiga編集部
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