起業家と共に世の中を変える——コンサル出身の2人がジャフコで追いかける理想と現在地
2024/05/09

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VC(ベンチャーキャピタル)とコンサル——。近いようで遠い両者の仕事の違いとは?共にコンサル業界を経てVCのジャフコ グループに入社した新谷良太氏と田中友基氏は、「成果までの時間軸」や「期待される役割」が全く異なると話す。そして2人は、VC未経験者であっても自由に担当領域を突き詰められるジャフコでの刺激的な体験も語ってくれた。自身のキャリアを懸けて投資を決断し、投資先企業と共に歩む——。大きな覚悟が求められる現場へあえて飛び込んだ2人は今、どんなやりがいを見いだしているのか。

〈Profile〉
写真左/新谷良太(しんたに・りょうた)
東京大学工学部電子情報工学科卒業。野村総合研究所、ソフトバンクロボティクスを経てBCGデジタルベンチャーズにてAI(人工知能)やWeb3などディープテックに関わる新規事業創出に従事。2023年にジャフコ グループ入社。産学・ライフサイエンス投資グループに所属し、工学・バイオ領域の研究開発型スタートアップを中心とした投資・支援を担当する。
写真右/田中友基(たなか・ゆうき)
新卒でトヨタ自動車に入社し、新製品の企画・開発・生産を取りまとめるプロジェクトマネジメントに従事。同時期にヤフー(現・LINEヤフー)やスタートアップで新事業企画・開発担当も兼務。その後はアーサー・ディ・リトルで製造・モビリティー・IT領域を中心に新事業創造や事業戦略立案などに従事。2022年にジャフコ グループへ入社し、業界を問わずシード、アーリーステージのスタートアップを対象とした投資・支援業務に携わる。

※内容や肩書は2024年5月の記事公開当時のものです

「世の中を変える」「高難度の仕事を」——VCを目指した2人の思い

——新谷さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

新谷:私は元来ものづくりが大好きで、大学ではAIを研究していました。卒業後はシステムインテグレーター(SIer)でエンジニアとして働き、前職のコンサルティングファームでもデジタル組織の新規事業やプロダクト開発を担当していました。

そうした経験を積む中で、デジタル領域だけでなく、もっと幅広い分野のものづくりに関わりたいと思うようになったんです。事業会社では自社の強みに縛られがちなので、プロジェクトベースで多様な機会を得られる環境がいいと考え、VCに興味を持ちました。

——コンサルティングファームでもプロジェクトベースの多様な機会を得られるのではないでしょうか。

新谷:はい。ただ、コンサル時代のプロジェクトは1年程度しか関われないことが多かったですね。プロダクトの開発に携わる醍醐味(だいごみ)を感じていましたが、他方で10年先の未来をクライアントと一緒に見ることができないもどかしさを感じていました。

また、最先端の技術に関わりたくても、クライアントワークではリスクを取り切れない現実もあります。新規事業開発で大学の先生と協働し、盛り上がっても、実際にはAIなどのとがったトピックにはなかなか踏み込めない。そうこうするうちにOpenAIが出てきて、市場は一気に変わってしまいました。「自分も世の中をガラリと変える側に回りたい」という気持ちがVCへの興味を加速させていったんです。

——田中さんのキャリアについても聞かせてください。

田中:私は新卒でトヨタ自動車に入社し、PM(プロジェクトマネージャー)として新製品の企画・生産・開発に3年ほど携わりました。その後はコンサルティングファームに転職し、製造業をメインに戦略策定や中計策定などに従事。私の場合はトヨタ時代からVCに興味があり、その間に逆算してコンサルのキャリアを挟んだんですよ。

——なぜVCに興味を持ったのですか。

田中:私は学生時代にスポーツに熱中し、できるかどうか分からないラインの、ギリギリの目標を追いかけるのが好きでした。そんな私が入社したトヨタは既に高い目標をクリアし続けてきて、強固なオペレーションが確立されている。企業として素晴らしい状態であることは間違いないのですが、私はむしろ、その強い事業構造や強固なオペレーションを自分自身が主体的に関わって作り上げていくことに興味を持つようになりました。

そんな思いを起業家の友人に打ち明けたところ、「VCの人に相談してみるといい」とアドバイスをもらいました。実際に話を聞いてみると、VCの仕事はまさにギリギリで目標を追いかける日々なんです。投資先企業の上場という非常に高難度のゴールを目指すプロセスもあります。それを自分が追いかけている姿を想像し、とてもワクワクしたことを覚えています。 description

ジャフコ流の人材育成プロセス。そのノウハウは「ソーシング」にも

——数あるVCの中から、2人がジャフコを選んだ理由を教えてください。

新谷:VC未経験の私にとっては、新卒と中途がバランスよく入社している環境が魅力でした。中途入社組ばかりのVCだと一から対応することに苦労しそうですが、ジャフコは約40年にわたり新卒採用を重ねてきており、人材育成のプロセスを明確に持っています。かつ中途で入社した先輩プロフェッショナルの知見も借りることができます。

もう一つ、ジャフコに決めた大きな要因がありました。VCによっては個人の経験や強みによって担当領域を固定される場合もありますが、ジャフコは違うんです。突き詰めたい領域を自ら見いだし、責任を持って追いかけられる。キャピタリストとして最も成長できる環境だと感じましたね。

田中:私の場合は、トヨタ時代からジャフコ入社を目標にしていました。理由の一つは新谷さんと同じく自由度に魅力を感じたからです。そしてもう一つは、VCの中でも知名度の高いジャフコなら「会社の看板をポジティブに使えそう」だと思ったことです。

私は新卒でトヨタ、2社目で外資系戦略コンサルに在籍し、ブランド力のある社名によって仕事がしやすくなる場面を何度も経験しました。こう言うと他力本願のように聞こえるかもしれませんが、目的に向かって最短距離で進めるなら、会社の看板をフル活用すべきだと思うんです。

——それだけ、投資先候補企業の探索や交渉を行う「ソーシング」が難しいということでしょうか。

田中:そうですね。ソーシングは本当に難しいです。ここがキャピタリストとしての差別化ポイントなので、皆さん独自のスタイルを持っています。それは一朝一夕に身に付くものではなく、自分自身で試行錯誤し、投資家としての視点を磨きながら方法論を見つけていかなければなりません。

新谷:難しい仕事だからこそ、ジャフコは長い目で見守ってくれていると感じます。経験豊富な先輩が入社からずっとメンターとして付いてくれていて、月間でどれくらい起業家に接触すべきか、どんなポイントを見極めるべきかなどのコツを学んでいるところです。そうした知恵を教わりつつ、どの領域にアプローチするのかを自分で決め、成果を追いかけています。

初案件から論点整理やタスク整理を任され、投資実行の場面を体験

——ジャフコ入社後に2人が経験したプロジェクトについて聞きます。田中さんはプロジェクトに加わってみて、どんなことが印象に残っていますか。

田中:入社後初の案件は、経験豊富な先輩キャピタリストがソーシングした農業関連の企業でした。

私にとっては右も左も分からない領域なので、まずは業界構造を理解するために必死に勉強しました。投資検討プロセスに加わるのも当然初めてですが、上司がいい意味で放任主義だったこともあり、自分で考えながら論点整理やタスク整理、各プロセスの納期設定などを進めて、投資実行にこぎ着ける場面を体験しました。ゴールから逆算して考え、自分で細かな要素の状況を把握し対応する過程では、コンサル時代の経験も生きましたね。

——初めての案件なのにゴールから逆算して動けたのはなぜですか? 苦労はなかったのでしょうか。

田中:私が関わるのは初めてでも、会社としての経験は豊富なので、社内にはインプットすべき大量の資料があります。そうした資料からおおよその流れを学び、タスク設計の初期段階で上司であるパートナーに相談しながら、どんな時間軸で何を整理すべきかを追いかけました。

もちろんうまくいかないこともたくさんありましたし、精神的なプレッシャーもありました。ただ、コンサル時代には1週間で200枚のスライド資料を作成することもあったので、当時と比べれば体力的には余裕がありました。これは成果物として資料と示唆を提供するコンサルティングファームと、自社でリスクを取って投資の意思決定を行うVCの違いなのかもしれませんね。

起業家が問うのは、苦境のときでも絶対に諦めない覚悟

——新谷さんは直近でAI関連企業への投資を実行したと聞きました。

新谷:きっかけは、その企業の設立をニュースで知ったことでした。AI界隈(かいわい)では著名な研究者がジョインしていたので、すぐにアプローチしたんです。「会いたい」というメールを送る際には自分自身のAIへの愛を綴り、あまり情報が公開されていない中で起業の狙いなどを予測しながら長文で思いを伝えました。

ジャフコでは基本的に、動き出した本人が会社を代表して話を進めます。どうにか初回面談にはこぎ着けたものの、先方は既に複数のVCと接触していて、他社の窓口に立っているのは経験豊富なシニアキャピタリストばかりでした。自らの経験値を誇れるわけではない自分を選んでもらえるのか……。次回面談の約束をもらえるまで、恋人からの返信を待つようにドキドキしていましたね。

——新谷さんを選んでもらえた要因は何でしょうか。

新谷:上司にも協力を仰ぎましたし、ジャフコの看板によって選んでもらえた部分も大きいと思います。しかし、最終的な先方の意思決定の場面で、担当者自身の力量が問われることは間違いありません。どんな自分であればパートナーとして選んでもらえるのか。これは今も模索し続けています。

起業家は投資が実行された後、事業が思うように進まないときにも近くにいてくれるかどうかを気にしているはずです。会社が苦境に陥っても一緒に乗り越えてくれる人間なのか。その覚悟が問われているんです。

——企業の命運を左右する投資実行の決断を下し、覚悟を背負うことに怖さはないのでしょうか。

新谷:怖いですよ。だからこそ覚悟を決めなければいけないんです。いいエグジット(投資回収)につなげられなければキャピタリストの価値はありません。自分のキャリアを懸けて投資し、実行支援にも深くコミットしていきます。起業家にはかなわないかもしれませんが、私たちも相当のリスクを取っています。そんな仕事だからこそ、私はやりがいを覚えています。 description

初めての成果を見るのは5年後かもしれない。それでも自分を奮い立たせる

——現場の最前線に立つ今、コンサル出身の2人は、VCとコンサルティングファームの違いをどのように感じていますか。

新谷:最大の違いは、成果が出るまでの時間軸ではないでしょうか。コンサル時代は数カ月単位のプロジェクトがほとんどで、「明日の夕方までにこれをお願い」といった特急タスクの指示が出ることも多く、日々の達成感がありました。

しかし、VCの場合は投資リターンが出なければ最終的な成果が見えませんし、KPIもそこに置かれています。入社してまだ日が浅い私が初めての成果を見られるのは5年後になるかもしれない。それまで、成果を誇れない期間も自分を奮い立たせていかなければいけないんです。

田中:仕事の中身でいうと、コンサルは経営アジェンダを実行するために顧客企業や事業を深く理解し、実行性の高い方法論を作ることが求められると思います。VCは経営者と共に経営アジェンダそのものを作ることが求められるので、両者は近いようで全く違う。どちらがいいか悪いかではなく、どちらのミッションが自分に合っているのかを考えるべきなのでしょう。

プロジェクトの規模を見ればコンサルの方が圧倒的に大きいと感じます。ただVCには、起業家という最強に優秀な人たちと一緒に仕事ができる喜びがあります。私の場合はこの喜びを譲れませんでした。

——改めて、2人が感じるジャフコの魅力を教えてください。

新谷:ジャフコは国内のスタートアップに積極的に投資をしています。「日本からいいものを生み出したい」と考えている私にとっては共感するところが大きいですね。長い歴史と事業会社との豊富なネットワークを背景に、日本のスタートアップのエコシステムを盛り上げていけるんです。こんな会社はそうそうありません。私は今後、産学連携にも貢献し、大学の基礎研究を新たな事業の可能性につなげていきたいと考えています。

田中:私が感じる魅力は、「本当に自由」なところですね。ジャフコは歴史と実績にあぐらをかくことなく、世の中の変化に敏感であろうとしている。だからこそ担当者個人の自由度を重視しているんです。私は今、モビリティーとものづくりの領域でキャピタリストとして第一人者になることを目標としています。数少ない自動車業界出身のキャピタリストとして、スタートアップと大企業をつなぐハブになりたいと思っています。 description

コラム作成者
Liiga編集部
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