キャリアアップコラム―「経営のプロになる」
2019/09/14
#スキルの選び方

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※本記事はクライス&カンパニーのオウンドメディアキャリアアップコラムのからの転載です。

〈Profile〉
工藤 直亮ーコンサルタント

人材開発・組織開発領域の人事コンサルティング業界、教育業界と注目されているスタートアップベンチャー。コンサルタント、企画系職種(経営企画・事業企画・人事)の支援。
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経営のプロとは

転職相談の場面で、将来のイメージについて質問させていただく際に将来的にはどんな環境下でも必要とされる経営人材を目指したいというビジョンをお聞きすることがあります。

経営のプロとは一言で言うと、いつでもどこでも結果を出せる経営人材のことを指します。汎用性のあるスキルと、そこから成果を生み出す実行力を兼ね備えた人材であり、その数が希少なためいつの時代もあるゆる業界から必要とされることになります。

10年ほど前までは「有事のスペシャリスト」と呼ばれる人材ニーズが多かったと言われています。これは多くの企業が再生フェーズにあったことに起因し、「選択と集中を効率的にやり遂げる」「バランスシートをきれいにする」「痛みの伴うコスト削減をあえて実行する」など荒療治をやってくれる経営のプロのニーズが高かったということです。

しかし今は、「持続的な成長を加速すること」「遠くの光を見せ、結果・実績を着実に出していくこと」が求められます。グローバル化という正解のシナリオが誰も分からない時代にあって、次世代の収益の柱をイノベーションによって構築できるような経営人材です。

このように今、「成長のパートナー」として期待される経営のプロが、企業からのニーズが強く市場でも高く評価されます。

経営のプロに求められること

ではどうすれば、「経営のプロ」として認められるのか?それには以下の2つの要素をバランスよく兼ね備えている必要があります。

(1)経営知識・スキル  ・ミドルマネジメント、シニアマネジメント、トップマネジメントとしての経験、スキル。

(2)業務上の実績  ・事業としてのPL貢献実績  ・事業開発に必要なB/Sマネジメント  ・事業開発に必要な組織開発  ・ピープルマネジメント実績

最先端のケーススタディや知見が瞬時に共有できる今、「経営知識・スキル」については知っていて当たり前の時代となっています。

重要なのは、「経営知識・スキル」をいかに自社に当てはめて結果を出したかという「業務上の実績」となります。机上ではないリアルなビジネスの世界で限られた時間と、情報の制約の中で失敗に至る要素を除外し、いかに最適な意思決定をしてきたか。その実績が問われることになります。

この実績を積むためには、スポーツで言えば「試合に出続ける」ことが重要になります。しかしそう簡単に実績を積むチャンスが訪れるわけではありません。

実績を積む機会を掴むために

そこでどうすれば実績を積む機会に恵まれるのか?そのヒントなる点をいくつか紹介します。

■自分の想いやビジョンを言語化し、心ある周りの人たちに伝えておく 何かのときに想起してもらえる存在となる。

■人の嫌がる、小さい仕事でも取りに行く 小さな仕事でも自分が意思決定をさせてもらえる機会があれば、取りに行く。

■思い切ってリスクを取る 実績を積む機会に恵まれたら、臆することなくチャレンジをする。

■期待値を言語化・数値化する 着実に実績を積むためにはどんな実績を期待されているのか、その期待値を言語化、数値化する癖をつける。 

専門性にこだわり過ぎないこと

また実績を積む際に気を付けたいのは、若い時期から「自分の専門性」にこだわり過ぎないことです。いまや「労働人生50年時代」とも言われ、長期スパンで見ればビジネスにおけるあらゆる専門性がトレンドの影響を受けることになります。こだわって身に着けた専門スキルも、突然外国人やAI・ロボットなどに奪われてしまったり市場の動向によっては、その仕事自体がなくなることもあり得ます。

オンリーワンとは専門性ではなく、掛け算の積となります。多様な経験を重ねる中で、自分の「タグ」をいくつも作っておき、それらを必要なときに「掛け合わせる」ことができる人材のほうがどのような環境になっても必要とされるオンリーワンのキャリアと言えると思います。

一足飛びに経営人材になるのは難しいことですが、まずは一つひとつ将来の為に、目の前の仕事を頑張って積み上げていくことが重要だと言えます。



※本記事はクライス&カンパニーのオウンドメディアキャリアアップコラムの記事を再構成したものです。 ※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

コラム作成者
Liiga編集部
Liigaは、「外資就活ドットコム」の姉妹サイトであり、現役プロフェッショナルのキャリア形成を支援するプラットフォームです。 独自の企画取材を通して、プロフェッショナルが必要とする情報をお伝えします。