AI、量子コンピューターなど先端技術を「使い倒せる」。IBMの戦略コンサルティングが特別な理由
2020/05/29
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ITインフラをはじめ多種多様な製品・サービスを手掛けるかたわら、戦略コンサルティングファームの顔も持つIBM。戦略コンサルティングといっても、価値の生み方は他の外資系ファームと一線を画する。最大の特徴が、大規模かつ広範な技術に対応する研究部門を持つことによる、テクノロジー面での“強さ”だ。先端技術と戦略コンサルティングの掛け算で、どんな価値を生み出しているのか。コンサルティング部門でパートナーを務める鹿内一郎氏に聞いた。

〈Profile〉
鹿内 一郎(しかうち・いちろう)
日本アイ・ビー・エム株式会社 パートナー
新卒で入社した外資コンサルファームには約14年勤め、企業の戦略立案、業務改革、プログラムマネジメントなどを経験。2011年にIBMに移った後は、先端テクノロジーを活用した金融機関向けの新商品・サービス開発支援や業務変革などを担当。近年は主にBPR(ビジネスプロセスの再構築)周りのプロジェクトに携わる。

Techだけでもコンサルティングだけでも経営は変えられない。両方あるのがIBMの強さ

――コンサルティング部門でパートナーを務める鹿内さんから見て、IBMの強みはどこにありますか。

鹿内:やはり、人の厚みでしょうね。IBMは専門性を持つ人材の宝庫です。AI、アナリティクス、クラウドなどビジネスで使われるあらゆるテクノロジーの専門家が在籍し、いつでも気軽に相談できます。必要な時に必要な人材をアサインできるわけです。しかも彼らは、各領域の第一人者と呼べる人たちです。最新の量子コンピューターの専門的内容について同僚に質問できる戦略コンサルティングファームは、IBMくらいでしょう。

転職してきて間もない頃に、ある大手金融機関にAI関連の提案をするため訪問したのですが、その時は社内の研究員に同行してもらいました。IBMの研究所では、世間でAIが注目されるはるか前、それこそ何十年も前からAIの研究を行っています。当時の私自身はAIに関する知見がほとんどゼロの状態でしたが、クライアントから飛んでくるどんな質問にも的確に即答している研究員を見て、「これはIBMの大きな強みだ」と感じたことを覚えています。

現在も膨大な数の研究やプロジェクトに取り組んでいますから、たとえ当該のインダストリーで事例がなくとも、近しい案件を参考にしながら戦略を立案することができます。幅広い領域における豊富な専門家と蓄積されたナレッジが、IBMならではのソリューションを可能にしています。

――テクノロジー人材の層の厚さが強みということですね。

鹿内:そうですね。今の世の中でビジネスに活用されるテクノロジーに関しては、ほとんどそろっているといっていいと思います。ただ、いかに組織としてテクノロジーに強くても、その力を存分に発揮することは簡単ではありません。そこで登場するのが我々コンサルタントです。まず、ソリューションを考える前にクライアントの経営状況を詳細に分析し「どのような状態を目指すべきか」「本当に解決するべき課題は何か」という、“目的”をしっかり定めるプロセスが必須です。

テクノロジーは課題解決に貢献できて初めて価値が生じます。最近ではだいぶ減ってきましたが、時として組織の上の方から「他社がAIに取り組んでいるからうちもAIを」といった目的と手段を取り違えた指示が出ることもあります。そうすると、後から「なぜこれをやるのか?」という議論が巻き起こったり、取り組みの優先順位が決められずに、次の工程に進めなかったりしますから、あらゆるプロジェクトにおいて最も重要なプロセスといえます。

そしてその次に、目的を果たすために「必要となるタスクを特定し、その上でどの専門家をアサインすべきなのか」を検討します。コンサルタントにもテクノロジーに関して一定以上の知識レベルが求められますし、ある程度、誰が何の専門家なのかを把握しておく必要があります。先ほどもお話しした通りIBMは非常に幅広い技術分野に対応しているので、それらすべてを学ぶことは簡単ではありませんが、だからこそ提案の幅も個人のやりがいも他社ではありえないほど大きくなる。この環境を生かさないのであれば、IBMにいる理由がないと思っています。

技術者のキャリア、採用、そして業績予測…AI×コンサルティングがあらゆるものを変える

――具体的にはどのようなプロジェクトを推進しているのでしょうか。

鹿内:我々が担当しているのはクライアントの経営に直結する領域なのでなかなか表に出せる事例がないのですが、お話しできる例でいうと「企業における人的資源の最適配置」プロジェクトがあります。例えば、自動車業界はCASE(Connected、Autonomous、Shared/Service、Electric)に代表される大規模なイノベーションの渦中にあります。企業からするとそれまで機械系のエンジニアが主流だった中で、電気系のエンジニアが必要になり、育成するにしても時間がかかり、またノウハウも充分にない。外から採用するにもスピード感が欠ける。できれば自社の社員で、新しい領域で価値が発揮できる人材を探したいと思うわけです。

そこで、AIとアナリティクスを用いて「これまでに培ったスキル」と「新しい技術領域」のマッチングをサポートする仕組みを開発・導入しています。完璧にマッチすることは難しいとしても、実運用に貢献できていると考えています。

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人の配置だけではなく採用領域でも、AIを活用したソリューションが増えてきています。中途採用を行う時に、実績・実力は経歴を見ればある程度判断できますが、難しいのはカルチャーフィットの部分です。実際に、離職者の多くは人間関係や社風のミスマッチが要因であるというデータも出ています。そこでAIを活用した性格分析結果も交え、企業カルチャーとのマッチング度合いを可視化するソリューションを導入した事例もあります。人材採用や配属の判断は、現代においてもかなりの部分が人間の曖昧な感覚に頼っていることも事実です。

――それ以外に、IBMのテクノロジーで革新している領域はありますか。

鹿内: AI、アナリティクスの世界では人事に限らず、企業の業績予測もAIアナリティクスで高度化しています。これまでは、「君は今期どれくらいの業績を達成するのか」と聞かれ、予測というよりも“願望”を語るケースがあったと思います。管理職側からすると、目標を超えそうだと早めに言ってしまうと「もっと」となり、目標との差分が大きすぎると怒られるので、経営陣の腹積もりを計算して「これくらいで考えています」と。もはやアートの世界です(笑)。

IBM自身がコンサルティングだけでなく事業会社の側面を持っていることも強みになっていますが、我々は四半期の業績の着地を最初の1カ月が経過した段階で極めて高い精度で予測できる仕組みを整え、運用しています。各事業部からリーダーの声を集めて“願望”を数値化するのではなく、もっている見込み案件や、その営業ステージ、過去の成約率などのデータを基に、より精度の高い数字を計算によって導き出すわけです。未来予測の精度は経営判断の成否に直結します。

その他、テクノロジー視点だと、AI、アナリティクスに加え、ブロックチェーンやクラウドコンピューティング、量子コンピューターと多岐にわたります。最近では、インテリジェントワークフロー、すなわち、AI-OCRやチャットボットを介したインプット情報のデータ化。AIを組み合わせたワークフローによる一部人の判断領域も含めた業務の自動化、また、ブロックチェーンの活用による業界横断での人間系処理の最小化。そして、データを活用した状態の可視化、アナリティクスによる兆候や示唆の提示と企業の業務をEnd to Endで効率化・高度化していく案件が増えてきています。

IBM自身の業務改革の実績・経験をコンサルティングサービスに活かし、お客様の改革を支援できることは、大きな強みであると考えています。これは間違いなく、事業会社でありコンサルティングファームでもあるIBMならではのソリューションです。

大事なのは変化を恐れないこと。「この会社で学びや成長を止めることは許されない」

――カルチャーフィットの話が出ましたが、IBMはどのような企業カルチャーなのでしょうか。

鹿内:まずひとつ言えるのは、懐の深さだと思います。私は他の外資コンサルティングファームから転職してきたのですが、IBMに来るまでITに関わるプロジェクトは経験したことがありませんでした。それでも当初から大規模プロジェクトの提案を任せてもらえましたし、その中で試行錯誤している私を見た周りの皆さんの反応は「他ファームから変わった奴が来た」ではなく「新しい領域に飛び込んできた面白い奴がいる」というものでした。

他のファームを経験している人間として、「ここが変だよIBM」と題し問題点を指摘するプレゼンを当時の役員に持参したこともあります。その際も当時の役員は真摯(しんし)に耳を傾けてくれました。

またある時は、自分が所属していたコンサルティングチームの提案力をもっと高める必要があると考えて、有志3人で新しい研修を企画したのですが、数年たって、今ではコンサルティング部門全体でその研修が採用されています。

何か新しいことや大きな革新を自分自身の手で実現したいと思うなら、受け入れられる土壌はあるので、そのような志向を持つ人にはぜひ飛び込んできてほしいですね。

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――ではIBMでコンサルタントとして活躍するために、求められる素養はどのようなものがありますか。

鹿内:今の世の中は変化のスピードが非常に速くなっていますが、コンサルティング業界もこれから大きく変わっていくことは間違いないでしょう。そういう意味では、変化を恐れないことと、時代の流れに敏感であることが重要です。私自身のことで言うと、新しいものが好きな元研究所のメンバーと2週間に1度は必ず時間を取って新しいテクノロジーがもたらす世の中への影響や人口動態、人の価値観の変化など、未来がどうなりそうか議論しています。

IBMに入社いただけるのであれば、この組織を“使い倒す”くらいの気持ちで来てほしいですね。本当に幅広い技術や専門性を持った人たちがいますから、自分次第で面白い人と面白いプロジェクトに携わっていくことができるでしょう。IBMは、時代ごとの環境変化に応じた経営課題を、最先端のテクノロジーとソリューションを駆使しながら解決していくことが義務付けられた会社です。この場所に身を置いている以上、必要な学びや自分自身の成長を止めることは許されません。

私自身、IBMに入社して前職で培ってきたコンサルタントとしての企画の力に加え、クラウドやAI、アナリティクスといったソリューションを活用して実際に仕事を変えられる”武器”が大幅に増えたことを実感していますが、もちろんここがゴールではない。

中学の頃に読んだ漫画のキャラクターが、戦いに勝利した後に「気にすんな、お前が弱いんじゃねえ。俺が強すぎるんだ」と言うシーンがあるんです。私はこのセリフが今だに忘れられず、いつか自信を持って言えるくらい圧倒的な価値を世の中に提供したいと思っています。残念ながら、今のところまだ言えてはいないのですが、IBMという会社であれば、それだけの価値提供と、そのための成長を遂げることができると感じています。

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コラム作成者
Liiga編集部
Liigaは、「外資就活ドットコム」の姉妹サイトであり、現役プロフェッショナルのキャリア形成を支援するプラットフォームです。 独自の企画取材を通して、プロフェッショナルが必要とする情報をお伝えします。