「若くして高年収」がいいとは限らない。外資コンサル、ベンチャーCFO経験者が語る、転職で一番大事なこととはーーLiigaキャリア相談室(1)

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20代から30代の若手社会人の会員が多い「Liiga」。これから転職、キャリア形成を考えている人、あるいはそろそろ方向性を定めたい人も多いはず。だが、何を軸にして考えればいいのだろうか。

そこで今回、あるLiiga会員から、キャリアの悩みや疑問を経験豊富な社会人にぶつけてもらった。回答者は「Liiga」の兄弟サイト「外資就活ドットコム」のQ&Aサービス「外資就活相談室」でも活動している、かねどーさん。

相談者は新卒でITメガベンチャーに入社し、将来は事業会社の管理部門で経営企画や財務系の仕事につきたいとのこと。彼の悩みを深掘りしていくうちに見えてきた、転職を考える際に一番大事なこととはーー。

〈回答者Profile〉
かねどー
社会人10年目で、IT企業の経営企画・財務に従事。新卒では外資系コンサルティングファームに入社。以後、現在とは別のIT企業の経営企画・財務、ベンチャーでCFO・管理部門長を経て現職。「外資就活ドットコム」のQ&Aサービス「外資就活相談室」の回答者。大学時代は「外資就活ドットコム」のインターンシップ1期生だった。
外資就活相談室 https://gaishishukatsu.com/box/users/kanedo_
〈相談者Profile〉
荒川慎吾(仮名)
20代後半。大学を卒業後、ITメガベンチャーに入社。経営企画部を経て、現在は管理部門で関連会社の管理を行っている。
※本文の顔写真は荒川さんではありません。

コンサルを経験すべきか否か。カギは「仕事内容に興味を持てるか」

今日はよろしくお願いいたします。

今日はざっくばらんに本音でお話ができたらと思います。早速ですが、これまでのご経歴について教えてください。

新卒でITメガベンチャーに入社して、現在社会人5年目です。転職経験はありません。入社後、サービス内容の企画を経験したのち、管理部門に異動し、現在は関連会社の管理を行っています。

それで悩まれていることというのは?

将来的に事業会社の管理部門で経営企画や財務系の仕事をしたいと考えています。具体的には投資事業戦略などをイメージしています。というのも、これまでのキャリアも管理部門ですし、自分はサポート気質の性格なので向いていると思うからです。

ただ、現在の会社では関連会社の管理といっても、バリューアップやポートフォリオ管理などの具体的な投資業務をしているわけではないですし、スキルが身に付かないのではないかと危惧しています。

そこで、M&Aを扱うようなコンサルティングファームに行ってスキルアップを図るか、別の事業会社の管理部門に転職することを考え始めました。

その際に、判断の軸として大事なことが何なのかわからない、どういう風に進めていけばいいのかを悩んでいる、といった状態です。実は現在、M&Aに特化したコンサルティングファームに内定をもらっていて、どう返事をするかも悩んでいます。

なるほど。ではまずコンサルティングファームは経験したほうがいいのかどうか、という話からしたいと思います。

これは結論から言うとどっちでもいいです。

えっ、そうなんですか。

はい。正確に言えば、コンサルタントの仕事に興味が持てるのなら経験してもいいと思いますが、専門性を高めるという意味ではあまりおすすめしないですね。

というのは?

コンサルティングファームでは基礎的な問題解決能力は身に付きます。でも具体的にどう事業を回していくか、そのための数字をどうつくるかという話になってくると事業会社の管理部門にいたほうが、よほどためになります。

転職機会が多いのも、そういった具体的なノウハウを持っている人で、特に30代以降はその傾向が顕著になります。

コンサルのほうがいろんな案件に関われるので、その分野に詳しくなれるのかなと思ったんですが……。

確かに高速で業界の状況を知る必要はあるので、一定のレベルまでは詳しくなります。新しいことにキャッチアップする能力はあがるでしょう。

ただ、コンサルの仕事というのは、クライアントの問題を解決するために、論点を整理したり、人を動かしたり、1つ1つ進め、プロジェクトを終わりまで遂行することです。具体的に実行するのはクライアントなので、案外、事業会社で求められる税務処理や、取締役会のルール、来期の予算の作り方などは身に付かないんですね。そしてそのわりに仕事量が多く、負荷が大きい。

でも、荒川さんはまだ20代半ばで、専門性がないからといって、転職先が限られるような年齢ではないですよね。興味があるならコンサルに行ってみてもいいかも。

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ちなみに専門性ではなく、ポテンシャルで採用されるのは何歳ぐらいまでなんでしょうか?

求人情報でいうと、スタッフレベルの募集は35歳以下であることが多いです。それ以上の年齢になると、何らかの領域での専門性やマネジメント能力が求められがちですね。

35歳までになんらかの専門性を持つことを目指したほうがよさそうですね。

そうですね。私もキャリアパスを意識的に考え始めたのは、30歳ごろからでした。ただ20代はどんなに右往左往しても、なんとかなります。キャリアに関する考えは変わることもあるので、あまり固執しないで、フィーリングが合う案件があれば、飛び込んでみてもいいと思いますよ。

会社の規模によって経験できること、生かせるスキルが違ってくる

では、事業会社の管理部門に転職する場合のことをお聞きしたいのですが。あまりに若いベンチャー企業の管理部門や経営企画部門には前任者がいなくて、体系的なスキルが身に付かないのではと思っています。どういったフェーズの会社にいくべきでしょうか。

傾向として言えるのは、大きくなればなるほど専門特化、小さくなればなるほど網羅的かつ、自分で推進する力が求められるということです。それぞれ一長一短あります。

あくまで目安ですが、

社員数50人以下のベンチャーの管理部門では、担当者が自分しかいないという状況が生まれます。先輩から仕事を教わるという感じではなく、自ら試行錯誤する、社長と一緒に走るという世界観です。ただそれはそれでとても勉強になります。

次に、社員数100人規模は、経理の担当者と管理会計や予算統制を考える担当者が別になって、管理会計をきちんとやるフェーズです。また、誰が何を決めるのかについて決裁権限を振り分けたり、会議体を整理したりもします。上場が見えてくる会社もあり、上場規則などの専門知識が求められることもありますね。

社員数300~500人規模では、管理部門の人数が二桁に増え、しっかりした組織になってきます。子会社をつくったり、違う会社を買収したりするなどといった話も出てきます。

なるほど。フェーズによって出てくる問題が全然違うのですね。

おっしゃるとおりです。つまり、生かせる強みも違うということです。ちなみに、荒川さんが現在携わっている関連会社の管理はかなり後のフェーズで出てくる仕事です。

荒川さんがいらっしゃるような、社員数数千人規模のメガベンチャーは、銀行や商社に準じた硬いプロセスを導入しているはずで、むしろ体系的な仕組みが作られていると思います。

そういう意味では、望まれていることとは違うかもしれませんが、ご自分のスキルを生かすという観点では、現職でもう少し経験を積んでから、100人規模の、事業を効率化したいフェーズの会社に移るという転職はありかもしれません。

私も、かつて在籍していたIT企業で学んだことを、現在の会社で生かせているところはたくさんあります。自分がいたところよりも少し小さいベンチャーに移って仕組みを移植するという転職はおすすめです。

若いうちに高年収にこだわるなら、道は限られる。欲しいものは何か自問すること

ところで先ほど、コンサルティングファームはさほどおすすめしないといいましたが、給与の面では、経由するメリットはあるかもしれません。転職の際には、前職での給与をベースに次のオファー金額が決まることが多いからです。年収にはこだわっていらっしゃいますか?

新卒時には年収のことはまったく考えていなかったのですが、実は最近、他の会社に行った同年代の友人が自分よりも年収が高いことが気になっています。仕事ができたり、出世したりしていれば、誰よりも年収が高いわけではないんだと今さら気づいたといいますか……。

失礼ですが、今荒川さんの年収はどのくらいですか?

600万円くらいです。

自分よりも年収が高いというご友人はどのくらい?

700万円いかないくらいでしょうか。

なるほど。600万~700万円ぐらいの年収のレンジでしたら、転職の機会が減ることはあまりないといっていいでしょう。

ただ、30歳の時点で1,000万円以上の年収を狙うなら、業界は限られます。総合商社、一部のもうかっている事業会社、外資系投資銀行、外資系コンサルティングファームぐらいでしょうか。

年収は高すぎるのも考えもので、高い年収を維持しようと思うと選択肢が狭まるんですね。逆を言えば、ただ高年収が欲しいだけなら、職業が限られているので話は簡単です。

そうか……。それは意外です。年収が高いほど優秀で選択肢が広がるのかと思っていました。狭まるというのは盲点でした。

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年収というのは業界と会社でほぼ決まるんですよね。

30歳くらいだと転職の案件があるのは、年収800万円くらいが上限値です。実際、案件が多いのは年収600万~700万円くらいだと思います。

荒川さんの年齢だったら、2年後に年収700万円くらいを狙うのは現実的だと思います。転職するときに自分は何が欲しいのか、そしてどのくらいの年収なら許容範囲なのかを考えておくことをおすすめします。

はい、今お話を聞いていて、自分は年収にそこまでこだわっていないなと思いました。自分のやりたいことと年収のバランスについてはきちんと考えたいと思います。

ちなみにベンチャーでCFOを経験して、現在IT企業で経営企画や財務の仕事をしている私の年収は800万円プラスボーナスくらいですよ。これはもしコンサルに居続けていれば3年目の年収と同じくらいです。

それで後悔はないですか?

そうですね、私には年収を維持することよりもやりたいことがあったので。今は仕事量も適切で残業もないですし、年収に縛られず思い付きで転職できるくらいの金額で、それが楽しいと思っています。

それよりも“誰と働くか”、これは転職においてはかなり重要です。

あ~、なんとなくわかる気がします。

転職未経験でいらっしゃるなら、これは思われているよりも、かなり大事です。特に社員数が数百人以下の会社の場合、誰と働くかによって仕事内容や気持ちのありようが大きく変わってきます。

このぐらいの規模の会社では、大体自分の上司になる人が採用面接に出てきます。その人をよく見て、どういう人なのか、一緒に働きたいか、こちらも選ぶ意識でいるといいでしょう。

新卒の就職活動は「個人戦」、転職活動は「情報戦」 

他に転職活動において気を付けるべきことはありますか?

幅広い情報収集を心がけることと、焦らないことでしょうか。転職活動は、新卒の就活に比べると、やり方がいろいろあります。新卒の就活が決められたルートの上での個人戦なら、転職活動は情報戦です。

エージェント経由もあれば知人の紹介、転職サイト経由もある。どれかが正解というわけではありません。連絡不精なエージェントが一番いい案件を持ってきたりすることもあります。

周りを見ていると、必要に駆られてからの転職活動はあまりうまくいかないことが多いです。急いでいるので、視野が狭まるし、時間的な制限もある。

そうではなくて、長い目で見るほうがいいと思います。定期的にエージェントと会ったり、転職サイトを見たり、友人と話したりするのもいいでしょう。その中から自分がよさそうと思う案件だけを拾って、余裕があるときに、自分のためになるから転職するというのがベストだと思います。

現状、新型コロナウイルス感染拡大の影響で採用が絞られている気がするのですが、今、転職活動をするのはどう思われますか?

今はあまりポストが出てこないタイミングではあると思いますね。というのも、企業にしてみたら、状況がわからないので、ひとまず足下の経営を整えることに集中したいからです。事業拡大のために、新しく人を採用するというのは控えるんじゃないでしょうか。

ただ、先ほども言った通り、エージェントに話を聞いたり、情報を集めたり、活動を始めること自体はいいと思います。

今日はありがとうございました。転職について考えるための、いろんな視点をいただいた気がします。中でも、私は高年収であればあるほど、優秀で道が広がると思っていましたが、年収にこだわることはある意味選択肢を狭めること、というのは印象的でした。

自分は年収を1番に考えるという価値観ではないということにも気づくことができました。

今いただいている内定も、年収ではなく、仕事内容が自分の志向と合っているか、そしてそのあとどうなりたいかを考えて慎重に決めたいと思います。


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