クライアント内にDX人材を育む―。デジタル“強者”・アクセンチュアによる人事組織コンサルの真価
2021/02/10
#総合コンサルの仕事内容

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世界屈指の規模を誇るコンサルティングファーム、アクセンチュア。デジタルテクノロジーを強みに、さまざまな分野・産業に対して戦略、業務、ITをはじめ、多様なコンサルティングを提供している。今回の主題は、ビジネス コンサルティング本部にて人材・組織コンサルティングを行うTalent & Organization(T&O)。デジタルやテクノロジーの知見に強みを持つ同社ならではの人材・組織改革とはどのようなものか。シニア・マネジャーの佐々木有香氏は、クライアントの社内にデジタル人材を育成することがDX(デジタルトランスフォーメーション)推進においては肝だと語る。

〈Profile〉
佐々木 有香(ささき・ゆか)
アクセンチュア株式会社ビジネス コンサルティング本部、シニア・マネジャー
新卒で日系のクレジットカード会社に入社し、債権回収の仕事に従事。結婚と2人の出産を経験したことで、自らのキャリアを見つめ直すきっかけを得る。育児休暇中に、小学校英語指導者資格や通訳案内士の資格を取得した後、オンラインで海外大学院MBA(経営学修士)の取得に挑戦。学ぶ中で人事組織領域に強く引かれ、この領域のコンサルタントになることを決意する。2016年、コンサルティング未経験でアクセンチュアにコンサルタントとして入社。2017年にマネジャー、2019年にシニア・マネジャーに昇格し、現在に至る。

大事なのは、顧客や自社ビジネスモデルを熟知した社員をデジタル人材に育てること

――アクセンチュアのT&Oが提供しているソリューションについて教えてください。

佐々木:Talent & Organization、つまり人材・組織領域のコンサルティングということになりますが、一般的なイメージとは少し違うかもしれません。

人材・組織というと、評価や給与などの人事制度設計を想像する人が多いと思います。もちろん、私たちもクライアントとの企業変革の過程でそのような依頼があればお受けしますが、決してそれがメイン業務ではありません。

私達は、経営視点からクライアントの立ち位置や課題に応じた人材・組織の変革プランを描き、アクセンチュアの強みであるデジタルやテクノロジーの知見と融合しながら、変革を支援しています。多くの企業が直面している課題であるDXを推進する上でも、単にデジタル技術を取り入れるだけでなく、そのデジタルを活用する「人と組織」の変革も両輪で進めていく必要があると考えています。私は、現在、クライアント内にデジタル人材を育成する支援をしています。

――アクセンチュアがDXを推進してくれるなら、わざわざクライアント側にデジタル人材を育成する必要はないようにも思うのですが。

佐々木:それは間違いです。まさにその誤解が、日本企業のDXがうまくいかない最大の要因です。

自社や顧客に価値をもたらすDXでは、デジタルの知見だけではなく、自社の顧客やビジネスの知見こそ重要となります。たとえば、「AI(人工知能)を活用しデータアナリティクスを実現したい」といって、外部に案件を発注したとします。このプロジェクトの中に自社の顧客やビジネスの課題を深く理解した人材や、自社のあるべき姿を理解し適切に軌道修正できる人材がいなければ、途中でAIモデルを説明されてもその確からしさや、出来上がるものが正しい方向に近づいているのかも判断できないまま進めてしまうでしょう。また、DX案件の多くは、一度作ったものが最終形ではなく、変化する環境に合わせて改善し続ける必要があるのに、外部ベンダー任せでは、導入後に現場では使えないソリューションになってしまうわけです。

DXとは単にITやデジタル技術を取り入れるものではなく、それらを手段として顧客体験やビジネスモデルを変革する、企業の競争優位確立のための取組みであると考えれば、社内にデジタル人材が必要な理由をお分かりいただけると思います。

――なるほど。佐々木さんが担当された具体的なプロジェクトについて教えてください。

佐々木:私は、これまで金融業界をメインに担当してきました。現在のクライアントは証券会社です、少し前まではRPA(業務プロセス自動化技術)などによって、投資銀行バンカーの業務を効率化し、主要業務に注力してもらうプロジェクトに携わっていました。

クライアントのオフィスに常駐し、何がボトルネックになっているかをあぶり出すところからスタートします。投資銀行では担当案件が多く、夜中まで仕事に向き合う方も少なくありません。本質的な価値は削らずに長時間労働を削減する、そのためにデジタルテクノロジーを活用した働き方に変革することが当時のミッションでした。

現在は先ほど例に挙げたAIやデータアナリティクスの案件が増えてきています。

多くの企業が、膨大なデータを保有しているものの、顧客に対しいつどのタイミングでどの商品を提案するのかは属人的な経験や勘に頼っています。私も現在、クライアントにデータアナリティクスを導入し、刻々と変わるマーケットの中でベストな金融商品を提案できたり、取るべき行動を予測、示唆できるようにするための案件推進をしており、加えて、データアナリティクス自体をクライアントの社員が担えるように人材育成との両面で支援しています。ここにはアクセンチュアのAIグループも協力してくれています。

――DXプロジェクトはどのような流れで進めていくのでしょうか。

佐々木:まずは数年後の“あるべき姿”を描くところから始めます。グランドデザインのないDXは、全体整合性のないストーリーになるか、単発の小さな効率化施策で終わってしまうことが少なくありません。

アクセンチュアには世界中の事例、私が従事している金融業界でも、各金融機関がどのようなDXを実現しているかといったナレッジが集約されています。そうした知見も参照しながら、クライアントと未来の姿を共有し、順を追って変革を進めていく。並行してクライアント社内のデジタル人材を育成し、DXおよびその後の運用がスムーズに進むようサポートしています。 description

全チーム、全世界のナレッジを結集して人や組織に変革を起こす

――本当に、私たちのイメージする人材・組織領域の案件とは大きく違いますね。

佐々木:本当にやるべきことは、デジタルを活用して投入リソースを最適化するのと同時に、高付加価値の仕事にシフトすることです。この発想ややり方は、社内で検討しても解決策が見出しにくいと感じる企業が多いのではないでしょうか。

自動化ツールで効率化するところまでは独力でいけるでしょう。しかし、大事なのはその先にある、デジタルを活用して、どう的確にニーズを抽出するのか、どうサービスを抜本的に変えていくのかということ。そこまで支援することが、改革支援の真のゴールだとアクセンチュアでは考えています。

――さらに言うと、人の育成や組織文化の変革も担っている。

佐々木:おっしゃる通りです。私自身は、すべての組織は「ヒト」が根幹だと思っています。この考えはMBAで人材組織を学んだ時からブレていません。商品開発や設備投資した時の効果は、ある程度予測がつきますよね。

でも「ヒト」は生ものです。意欲が高まり、能力を発揮した先の効果は無限大の可能性を秘めている。投資対効果は数倍になって返ってくることもあります。デジタル人材育成プロジェクトの一環として、クライアントの社員向けに研修も行うのですが、何日かご一緒する中で目に見えて伸びていく姿を見られるのは本当にうれしい。机上で戦略を描いて終わりではなく最後まで伴走できることも、この仕事の大きな醍醐味(だいごみ)です。

――アクセンチュア社内の別チームと協働することも多いのですか。

佐々木:むしろ、今の私の案件では、T&Oのメンバーだけで完結するプロジェクトはほぼありません。全体戦略はT&Oが描いたとしても、例えばデータサイエンティストやスクラムマスターを育てることは私にはできない。そのような場面ではAIグループやテクノロジー コンサルティング本部に協力を仰がないとクライアントへの提供価値は最大化できません。T&O部門は、人材・組織を主軸に社内のさまざまなチームとつながるハブのような存在だと思います。 description

成果を出すためのキーワードは、内省、インプット、そして“on the same boat”

――成果を出すために大切にしている考え方があれば教えてください。

佐々木:コンサルタントってどういう仕事ですかと聞くと、クライアントが知らない知識や情報をお伝えすることだと答える人もいます。でも、それはほんの一部。コンサルタントの本質は、クライアントが考えられないほどに深く考え抜くことだと思っています。目の前の課題を特定して、解決策を考え抜く。そのために大切にしているのが、良質なインプットを増やすこと。良質なアウトプットは良質なインプットがなければ出てきません。

アクセンチュア内で共有されている成果物などには可能な限り目を通すようにしていますし、社内の勉強会にも参加します。休日には本もかなりの量を読みますね。そうやって色んなインプットを自分の中に蓄積しておくと、ふっとひらめきが出てくるようになるんです。

――武器となる引き出しを日ごろから増やしておくということですね。

佐々木:あとは、ひらめきを出せる脳と体のコンディションを保つことも大切にしています。要は、疲れすぎないこと。2人の子どもを育てながら働いているのですが、アクセンチュアはいい意味で制度に縛られすぎない会社なので、この辺りは助かっています。私にとって一番の壁だったのは、長女が小学校に入学した時でしたが、時短勤務に移行せず、プロジェクトの関与工数を1カ月だけ下げてもらいました。今や、上司にあたる男性MD(マネジング・ディレクター)でも子育てには積極的で同じ境遇の方も多く相談しやすい環境です。

――これからアクセンチュアに入る方には何を求めますか。

佐々木:2つありまして、まずは自身のスキルの足りない部分、至らない点についてしっかりと内省できる人であること。私達コンサルタントは、商品を売っている集団ではなく、自身の知恵、アイデアや考える力を提供する仕事なので、「商品やマーケット状況が悪いから」と言い訳して逃げることはできません。うまくいかなかった時に自分ではない誰かのせいにすることは簡単ですが、そうした他責の傾向がある人はどうしても伸び悩むケースが多いですね。いかなる状況でも、自分にも非がある、改善ポイントがあると素直に認められる人は、コンサルティング未経験でも伸びていく。これって口で言うほど簡単なことではなくつらいことなのですが、自分の経験からも、内省して壁を乗り越えられるかが重要な要素だと言えると思います。

そして何より、クライアントの課題を自分事として捉えられることが大切です。クライアントの方より「“on the same boat”だよね」という言葉を頂いたことがあるのですが、要は同じ船に乗っていると思えるかどうか。同じ船から周囲を見て今とるべき策を考える視点がないとクライアントの課題や悩みを察知できなくなってしまいます。自分ではないクライアントのためにつらい局面でもレバレッジをかけて貢献したいという熱い思いを持った人に会えればうれしいですね。

――on the same boat、素敵な言葉ですね。

佐々木:アクセンチュアがご支援する領域は難易度が高いものが多いです。そもそもクライアントで自ら解決できそうな課題は相談されることはありません。そのため、非常に厳しい試練も多いのですが、クライアントと一緒に変革のムーブメントを仕掛けて並走しクライアントの役に立っているという実感は、確実に自分自身のモチベーションにつながります。 また、もう一つ私のモチベーションの源泉は、アクセンチュアにいる各領域で専門性を発揮し、企業変革をリードしているメンバーです。業界で有名な方もたくさんいますし、社内の会議で他の方の案件内容を聞いて「先を進んでいるな」と驚くことも少なくありません。

そうした他のクライント支援をしているメンバーと社内で切磋琢磨し、アクセンチュアグローバルで最新のナレッジに触れながら、クライアントと同じ船に乗って変革を実現する。そんな働き方に興味を持っていただける方は、ぜひ一度私たちに会いに来てください。 description

コラム作成者
Liiga編集部
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