M&Aが成約するまでのプロセスは、ひとつの「作品」を作り上げていくようなもの
2021/07/06

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M&Aの仲介サービスのパイオニアである株式会社ストライク。M&Aコンサルタントの業務はどのフェーズにおいても困難な壁が存在し、求められる能力も多岐にわたる。そんな過酷ともいえる領域において、日本トップの規模とクオリティーを目指すその熱量はどこから生まれるのか。「人間力が重要だ」と話す金田和也氏(同社取締役)のまっすぐで力強い言葉から見えてきたのは、徹底された“お客様視点”の数々だった。

〈Profile〉
金田 和也(かねだ・かずや)
取締役 公認会計士
大学卒業後、あずさ監査法人(現有限責任あずさ監査法人)を経て2009年に株式会社ストライクに入社。数々のM&A案件を担当し、後継者不在の中小企業の支援や、ベンチャー企業の非連続的な成長に向けたM&A支援などを手がけている。2017年、同社の取締役に就任。


どんな企業でも経営判断の選択肢になり得るM&A

――貴社におけるM&Aの流れを教えてください。

金田:大きく分けると、M&Aには「ソーシング」と呼ばれる売り手企業の開拓、「マッチング」と呼ばれる買い手企業の開拓、そして、案件のクロージングに至るまでの最終手続きである「エグゼキューション」という3つのフェーズがあります。

まずは、会社を譲渡したい方(売り手企業)のニーズを掘り起こしていくソーシングのフェーズです。売り手企業と受託契約を結んだあとは、さまざまな資料などをいただきつつ、コンサルタントがその企業をより深く知るための作業に入っていきます。ここで買い手企業に向けた、売り手企業のビジネスなどを説明するための企業概要書を作成します。

社内の審査を通過したら、マッチングへと移行。さまざまな候補先企業に譲渡の提案をさせていただいた上で、お互いにベストマッチする会社を探し出すわけです。前向きに検討してくださる企業には、意向表明書と呼ばれる書類、つまり「御社と一緒になりたいです」という決意を示していただきます。

その書面を売り手企業に見てもらい、いくつかの企業とのトップ面談を経た上で1社に絞っていただく。最後は売り手企業と買い手企業の最終的な条件交渉をしていくフェーズです。案件によって期間は異なりますが、おおよそソーシングに1~2カ月、マッチングまでに3カ月、エグゼキューションに2~3カ月ほどかかるケースが多いですね。

――貴社では具体的に、どのような案件を手がけられているのですか。

金田:当社の案件の約半分は、事業承継を目的としたM&Aです。つまり、後継者がいないという方々のお手伝いですね。残りの30~40%は、会社をより成長させるための戦略的な売却。大手企業との提携を進めるためのM&Aや、事業のうちノンコアな部分を切り出したいとか、業績悪化に伴い経営再建をしたいというケースもあります。なかには純粋に創業者利潤を獲得したいという方もいらっしゃいますね。

その他に近年力を入れているのが、ベンチャー企業の支援です。起業して間もない方々にM&Aは関係ないと思われがちですが、大企業の側からベンチャーを買いたいというニーズは絶えないですし、一方でベンチャーの方々にも、大企業と接点を持ちたいというニーズがあったりする。その両者を結びつけて、ゆくゆくは資本提携につながるように支援していきます。

――直接的にM&Aに結びつかないケースもあるということでしょうか。

金田:そうですね、もちろん当社としては結果的にM&Aにつながればベストですが、ベンチャーと大企業を結びつける過程においてなんらかの付加価値が生まれれば、双方の企業にとってプラスになりますから。当社のビジネスの本質はM&Aというツールを通じてさまざまな企業を支援し、新たな付加価値を生み出すことです。そのためには常に新しいことにチャレンジしながら、進化し続けていくことが必要です。

そもそもM&Aというのは、企業の生産性を向上させ、より高い付加価値を生み出すためにおこなわれるものです。そういった意味では、どんな企業においてもM&Aは活用できると考えています。

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求められるのは、専門的な知識以上に“人間力”

――金田さんから見て、M&Aの一連の流れの中でもっとも難しいのはどのフェーズですか。

金田:フェーズごとに求められるスキルが異なるため、どの局面も難しいというのが正直なところです。売り手企業に対しベストな買い手を見つけ、成約に至るまでの一連のプロセスは、「案件」を進めるというよりもひとつの「作品」を作っていくようなイメージが近いかもしれません。

会社を売却されるという大きな決断の背景には、当然ですがさまざまな思いがあるはずです。私たちはその思いをくんだ上で、より良い買い手を見つけてマッチングをおこない、ひとつの会社やグループになっていただく。だからこそ、素晴らしい作品を一緒に作っていくというイメージで、各フェーズを大切にしたいと思っています。

――業務において、コンサルタントに求められるのはどのような能力だと思いますか。

金田:まず、案件の開拓には行動力と突破力が必要になります。マッチングにおいてもこのふたつは欠かせませんが、買い手企業が決まって本格的な交渉が始まると、どちらかというと求められるのは“人間力”です。お客様には、「あなたが見つけてきてくれた企業だから信頼するよ」と思っていただかなければいけない。コンサルタントが案件に携わるおよそ半年から1年ほどの間に、お客様と最大限の信頼関係を築けるかどうかがポイントです。そういった意味では、専門的な知識以上に人間力、営業力が重要になってくるのかなと考えています。

――クライアントからの信頼を得るために、金田さんが心がけられていることはありますか?

金田:お客様のことを徹底的に考え、求めていることに最大限応えようとする姿勢が信頼を得ることへの第一歩です。信頼は時間をかけて醸成されていくものですから、過程が非常に大事だと思いますね。お客様のことを考え続け、関わり続けていくと「こういうご提案を喜んでくださるのではないか」「こういった条件なら納得していただけるのではないか」ということが、少しずつ分かってくるようになります。

同じ物事を伝えるにあたっても、ストレートに結論から言ったほうがいい方もいれば、データや資料を用いて丁寧に説明したほうがいい方もいる。お客様の性格やニーズを見極めるためにも、やはり人間としての総合力を磨いていくことが重要ですね。

――案件は、ソーシングからエグゼキューションまですべてひとりのコンサルタントが担当するのでしょうか。

金田:はい、ひとりのコンサルタントがすべておこないます。効率という側面から見れば売り担当と買い担当に分かれたほうがいいのかもしれませんが、M&Aという取引には効率以外の面も大いにある。経済的な面だけを見て判断するのであれば、より良い条件のところに売却すればいいわけですから、非常に簡単です。けれどそうではなく、今お話ししたように、お客様の気持ちをくまなければいけないところにM&Aの難しさがあります。

だからこそ、ひとりのコンサルタントがお客様の間に立ち、それぞれの企業とダイレクトにお話を進めていくという形をとっています。そのほうがお互いの気持ちを伝えやすいですし、齟齬(そご)もなくなりますから。

一方で、当社には100人を超えるコンサルタントが在籍しているのですが、仮にその一人ひとりが1社ずつ買い手の候補先企業にコンタクトをとれば、一気に100社以上の選択肢が生まれます。そこは一部機能分化もしていて、売り担当とは違うコンサルタントが買い手を見つけてくることもありますが、完全にバトンタッチするのではなく、一緒になって案件が成約するまで伴走し続けます。

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難度の高い仕事。だからこそ、「一生続けたい」という気持ちが消えることはない

――金田さんと貴社の代表はおふたりとも監査法人ご出身の公認会計士ですが、貴社のコンサルタントに求められる経験や資格などはありますか。

金田:必須とする経験や資格は特にありません。業界の歴史自体がまだ浅いというのもあって、当社に入社してくれる人の99%はM&Aの未経験者です。私もM&A業務について知識のない状況で入社した未経験者でした。金融機関からの転職者が多くを占めてはいますが、最近は事業会社出身の人も増え、より多様性のある組織になってきています。商社や広告代理店、IT企業出身者もいますし、中にはベンチャー企業から入ってきて、ストライクでもベンチャーの支援をしたいという人もいる。それぞれのバックグラウンドはこれまで以上に広がってきています。

実際に入社した人には、実務的な研修と座学の研修を受けたあと、OJTで先輩のコンサルタントに帯同しつつ業務の流れを身につけてもらいます。そこで吸収が早い人の場合はすぐに独り立ちして案件を進めていくこともありますし、引き続き先輩とペアを組みながら案件の掘り起こしをおこない、実力をつけてもらうこともあります。社員一人ひとりの能力や特性を引き出していくことを大切にしています。

――どのような方と一緒に働きたいですか。

金田:明るく前向きで、粘り強く業務に取り組んでくださる方がいいですね。M&Aは会社の将来を左右する決断ですから、「この人にお願いすれば会社の明るい未来が切り開けそうだ」という印象をお客様に持っていただけるかどうかは非常に重要です。もちろん会社にとって大きなインパクトのある取引なので、さまざまな課題や障壁にぶつかることも多くあります。そのようなときにはお客様と一生懸命話をしながら業務を遂行していくことが求められますから、粘り強さも欠かせません。

また、特定の業種・業界に詳しいスペシャリストももちろん歓迎しますが、目指してほしいのはあくまで、多様な企業のニーズに応えられるコンサルタントです。現状は社員のほとんどが中途採用者ということもあり、長く会社に在籍している人が優遇されたり、年功序列で評価されたりするようなことはありません。しっかりと業務に取り組んで成果を出す人が称賛されるカルチャーなので、中途入社でも会社の中核を担う人材になっていただけると思います。直近でも、入社1年目の人がチームリーダーを任されて活躍していますし、能力が高く、粘り強く業務に取り組んでくださる方には大きなチャンスが広がっています。

――最後に、金田さんが思うストライクにおける仕事の面白さや魅力を教えてください。

金田:M&Aは非常にやりがいのある面白い仕事だと私は思っています。企業を譲渡される方と買われる方を結びつけるお手伝いをすることで、双方のお客様に喜んでいただく。私たち自身が何か商品を作って買っていただくわけではなく、人が大切に育ててきたものを他の方にお渡しするのをつなぐ役目ですから、双方の思いを懸命に考えることが何より大事になってきます。

私たちコンサルタントもやはり、M&Aが無事に決まって喜んでいるお客様の姿を見るとうれしくなりますね。お客様の気持ちに全力で応えた結果が、自分の業績にもダイレクトに跳ね返ってくる。そこにやりがいや面白さを見出せる方には、この仕事は向いていると思います。こんなにやりがいのある仕事は他にないと思いますし、難度の高いプロジェクトに立ち向かうことを楽しいと感じられる人であれば、一生続けていける仕事です。

私自身は、当社をM&Aの支援企業の中で日本一にしたいという目標を持っています。まだまだ先行している企業もありますから、そういった企業に追い付き、追い抜けるようにしていきたい。規模としても業務のクオリティーとしても日本一のM&A支援会社はストライクだと言ってもらいたい。その目標を一緒に達成してくれる、チャレンジしたいと思っていただける方をお待ちしています。

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コラム作成者
Liiga編集部
Liigaは、「外資就活ドットコム」の姉妹サイトであり、現役プロフェッショナルのキャリア形成を支援するプラットフォームです。 独自の企画取材を通して、プロフェッショナルが必要とする情報をお伝えします。