内定に近づく職務経歴書の書き方〜コンサル⇨経営企画職への転職を例に〜
2021/11/23
#職務経歴書の書き方基礎
#経営企画は何をするのか

description 現在コンサルタントとして活躍中のLiiga会員の中には、将来的に事業会社に移って会社の中核を担う人材へと成長したいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

クライアントに対して『第三者』として提言を行うコンサルタントが”手触り感”を求めて転職するポジションに、「経営企画職」があります。

本記事では、「経営企画職」とはどういったポジションなのか、そして記事後半では、コンサルから経営企画職への転職を成功させるための職務経歴書の書き方のポイントを具体例を示しながら解説します。

“経営に関すること全て”が守備範囲 エース級社員が集う経営企画職の業務内容

経営企画職の概要

経営企画職は、企業の中/長期経営計画の策定や管理、さらには実行を主業務とし、M&A、新規事業創出、事業の撤退・縮小などにも関わる職種です。経営戦略・計画の策定と、その実現に必要な経営資源(人・物・予算・情報)のコントロールを行う職種になります。 企業によっては、経営企画室(部)、経営戦略室(部)、FP&A、社長室などの別名で呼ばれることもあります。会社が意思決定を下すにあたって、必要な情報を収集し経営陣と議論を行ったり、経営会議で協議するというのが一般的な業務フローとなっています。 この経営企画職は、プロパー社員の中でもエース級の社員が配属になることが多いと言われています。近年、コンサルティングファームでの勤務経験がある人材やMBA・公認会計士といった経営・財務関係の資格保有者が、中途社員として経営企画部に参画する事例も増えてきているのです。 また、大手企業のみならず新興ベンチャー企業にも経営企画職が置かれているケースもあります。会社の中核を担う人材として重要な意思決定を迅速に行うことが求められるポジションで、一会社員という立場ながら、経営者に近い目線で企業を捉えることができ、課されるタスクも非常に難度が高く、充実感とやりがいを得られる職種です。

経営企画職 転職先の企業規模による違い

ここまで、経営企画職の業務内容について解説しました。ここからは実際に求人として経営企画職を募集している企業を、その企業規模に応じて解説します。求められるスキルセットや業務内容の違いに着目してみましょう。

日系大手企業

大手企業における経営企画職は、企業の中/長期経営計画の策定や管理がメインの業務です。大手企業の場合、動くことになる金額や規模感がベンチャー企業とは桁が違うことが多いため、過去にコンサルタントとして中期経営計画の立案を経験している人材や、M&Aに携わった経験がある人材を求める傾向にあります。そのため、大手企業において求められるスキルセットは非常に高く、経営企画職への転職は非常に難しいといえます。

ベンチャー企業

ベンチャー企業における経営企画職も、メインの業務は大手企業と同様ですが、求められるスピード感や規模感が違います。市場での地位が盤石になっている大手企業とは異なり、成長中のフェーズにあるベンチャー企業では、経営計画の策定から実行までを素早く進める必要があります。そのため経営企画職には、実行フェーズを見据えたクイックな対応が求められるのです。 また、企業ブランディングが十分ではないなどの理由から人材の確保が難しいため、ベンチャー企業における経営企画職は、経営・マネジメント未経験の人材にも門戸が開かれているケースもあるのが特徴です。

左脳的能力はもちろん、大切なのは“コミュニケーション能力” 経営企画職に活かせる能力と経験

経営企画職は元コンサルの方が中途入社するケースもあります。これは、コンサルタントとして培った能力が経営企画職においても大いに役立つと考えられているからです。ここからは経営企画職に活かせるコンサルの能力について解説します。

経営の根幹に携わった経験

まず挙げられるのは、経営の根幹に携わった経験です。 コンサルの中でも戦略コンサル出身の方の場合、プロジェクト内でクライアントの中期経営計画の策定やM&A戦略の立案などに携わった経験がある方も多いです。経営企画職は、自身が属している会社の経営の大きな方向性を決定しますので、過去に経営の根幹に携わった経験がある方はダイレクトにその経験を経営企画職での業務に生かすことができます。 コンサル時代の経験に加えて、現場の社員の声やプロパー社員だからこそ分かるファクトをうまく拾い集めながら、会社の方向性の意思決定を主導することが、コンサル出身の社員には求められているのです。

リサーチ力/仮説構築力

次に挙げられるのは、リサーチ力/仮説構築力です。 コンサル在籍期間の中でも、いわゆる『ジュニア』の時期には、顧客の抱える課題の解決を目指して膨大なリサーチを行い、仮説構築・検証を行うことは日常茶飯事です。これらの経験を通して、コンサルタントにはリサーチ力や仮説構築力が備わっています。 経営企画職においても、その能力は遺憾無く発揮されるでしょう。自社の将来的な方向性を決定するにあたって、市場調査や競合調査、さらには営業手法やマーケティング手法など、リサーチしなければいけない事項は山積みです。変化が激しい事業環境では限られた時間でアウトプットを出すことが求められ、仮説ドリブンでリサーチを進めることができる人材は重宝されることになります。

プロジェクト推進力

次に挙げられるのは、プロジェクト推進力です。 コンサルタントは、プロジェクトベースで日々の業務にあたります。同僚のコンサルタントはもちろん、クライアント側の社員やその顧客など、多くの人々を巻き込みながらプロジェクトを推進していきます。また、総合コンサルやITコンサルに在籍されていた方の場合、PMO案件と呼ばれるプロジェクトマネージャーの業務や意思決定、各プロジェクトの円滑な進行を支援する部門での案件の経験もあることでしょう。 経営企画職は、役員を含めた多数の関係者がかかわるプロジェクトを推進することになります。会議のファシリテーションや各作業の進捗管理、ドキュメントやppt作成など、コンサル時代に培ったプロジェクト推進力を活かす場面は多くあります。 また、経営計画を立案して経営陣の承認を得たのちに、各事業部門など現場に通達し、結果を出すところまで求められるのが経営企画職です。実行フェーズまで責任を持ってプロジェクトを完遂できる能力が必要になります。

コミュニケーション能力

次に挙げられるのは、コミュニケーション能力です。 コンサルタントは、論理的思考力など左脳的な能力に長けているというイメージが一般的ですが、他人に向けて自分の考えを伝える、コミュニケーション能力も身に付く職種です。 コンサルは最終的にクライアントに向けて提案を行いますし、プロジェクト期間中にクライアントの社員や同僚などに自分の仮説をぶつける機会が豊富にあります。「結論ファースト」で話すことを徹底している方もいらっしゃることでしょう。 経営企画職は、経営計画を作成し社長や経営会議に提案を行い、多くの人々を動かすことが求められます。また、経営計画を策定する過程で、多くの社内外の方々の協力を仰いでプロジェクトを進めていきます。このようにコンサル時代に身につけた高度なコミュニケーション能力は、経営企画職においても大いに役立ちます。

プロジェクト内での自分のバリューを明示せよ コンサルの職務経歴書の書き方

職務経歴書の重要性

まず大前提の話とはなりますが、なぜ転職活動において職務経歴書が重要なのでしょうか。書くべき内容について解説する前に、その重要性を確認することから始めましょう。 職務経歴書は、書類選考にのみ用いられるわけではありません。採用担当者は書類選考の際にそれらの書面を確認するにとどまらず、面接時にも使用します。つまり、多くの選考官が何度も目を通す文章のため、選考を通して非常に重要となってきます。 また、職務経歴書を通して自分が保有しているスキルを間接的にアピールできます。 自分の伝えたいことを正しく、わかりやすい日本語で伝えられる「ライティング能力」や「コミュニケーション能力」、自分の現場を客観的に捉えられる「客観的な視点」の持ち主であることなどを、職務経歴書を通して伝えられるのです。 職務経歴書は、履歴書のように決まったフォーマットがないのも特徴です。長い分量を書くことが重要なのではありません。募集ポジションに求められている能力やスキルを保有していることを、簡潔にアピールできるように推敲を重ねましょう。

コンサル⇨経営企画で気をつけるといいこと

では、実際にコンサルタントから経営企画職への転職活動をする際の職務経歴書について、注意すべき点について解説します。 まずは、経営企画職の業務に近いプロジェクト経験がある場合は、守秘義務に触れない範囲で明確に記述してください。当時の役職やクライアント、チームメンバーの構成、内容や成果についても、読んだだけでイメージができるように記述しましょう。 次に、課題解決力やマネジメント能力の高さが伝わる記述を加えましょう。経営企画職は自社の抱える経営課題を踏まえ、更なる成長を目指して会社の道筋を示すのが仕事です。その過程で社内外の多くの人々を巻き込みながら、決められた期限内に業務を遂行する必要があります。こういった能力をコンサル時代に身につけてきていることを示せるようにしましょう。 また、コンサルタント時代の成果を経営企画職の業務においても発揮できる『再現性』をアピールする事も忘れないようにしましょう。コンサル時代の成果が一過性のものではなく、経営企画職に転身した後も発揮できると分かるような記述にするようにしましょう。 加えて、英語系・経営・財務関係の資格を保有している場合には、これらのアピールも忘れないようにしましょう。高度な専門知識が求められる職種であるため、資格を保有していることはその証明になります。 また、これは職務経歴書一般に言えることにはなりますが、CANだけではなくWILLを示すことも忘れないようにしましょう。これまで行ってきた業務からこれからはどのような業務に関わりたいのかまでを示すことで、採用担当者は入社後の姿を具体的にイメージできるようになります。

コンサル⇨経営企画の具体例

≪職務要約≫
新卒で〇〇コンサルティングに入社。〇〇コンサルティングでは、コンサルタントとして、△△で事業環境のグローバル化に対応した全社戦略の立案、及び施策の推進支援に従事
≪職務経歴詳細≫
20xx年x月~現在 〇〇コンサルティング
【職位】
アナリスト(20xx年x月~20yy年y月)
コンサルタント(20yy年y月~20zz年z月)
シニアコンサルタント(20zz年z月~現在)
【主な担当業務】
クライアント業界分析(市場動向、競争環境等)
戦略・戦術の立案、戦術の施策への落とし込み
クライアントへのプレゼンテーション資料作成、プレゼンテーションの実施
【主要プロジェクト履歴】
大手製薬会社における戦略の立案、施策の推進支援(20yy年y月~z月)
<概要・成果>
クライアントは□□という課題を抱えており、全社的な戦略を再検討する必要があった。
これを受けて〇〇コンサルティングは、以下の3点について支援を行なった。
❶~~~
❷~~~
❸~~~
このうち弊職は❶を担当した。具体的には△△を行い、▲▲に貢献した。
<規模・自身の役割>
弊チームは●名で組成され、弊職はマネージャーの下で△△を担当し、▲▲を顧客に向け実行した。
※この職務経歴書においては、【主要プロジェクト履歴】という部分で、経営企画職でも直接的に生きる経験を記載しています。そこに至るまでのどのような背景があったのか、そしてプロジェクトの中での自分の役割についてもしっかりと明記できている点がポイントです。どのプロジェクトについてアピールするか悩んだ際は、上述の経営企画職に生かせる能力と経験を意識して判断しましょう。

情報不足によるミスマッチを防ぐ。エージェントなしでの経営企画転職は困難

転職には情報収集が欠かせませんが、コンサルから事業会社の経営企画職を考える際は経営の中枢に近い業務となるため、その情報収集は簡単ではありません。

特にベンチャー企業の経営企画職へと転職を考えても、内部情報を得ることが難しいことは想像に難くないでしょう。多くの情報公開が義務付けられている大企業においても、転職後のミスマッチを防ぐために、正しい情報にアクセスすることは非常に重要です。

公開情報では十分な情報が得られない場合、活躍するのが転職エージェントです。数多くのコンサルタントを経営企画職へと導いてきたエージェントのみが知っている情報は、転職希望者にとって有益であることは疑いの余地がありません。

本記事では、コンサルから経営企画職に転職する際に重要な情報を豊富に持つエージェントをご紹介します。

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おわりに

今回は、コンサルタントのポストキャリアとして人気の高い「経営企画職」に関して、その具体的な業務内容や必要なスキル・能力、さらには職務経歴書を執筆する際の注意点について解説しました。

経営企画職は、業務難易度の高さとやりがいの大きさから選考難易度は非常に高くなっています。選考を通して重要な資料となる「職務経歴書」を納得いくものに仕上げて万全の対策をした上で、ぜひ内定を掴み取ってください。

コラム作成者
Liiga編集部
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