問題:コンサルティングファームは、本当に顧客の成長に寄与しているのか
2021/12/20

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たとえばコンサルティングファーム、たとえばDX(デジタルトランスフォーメーション)コンサルタント。株式会社エル・ティー・エス(以下LTS)を紹介するための言葉をいくつか並べてみると、どれも間違ってはいないものの、どこかに違和感も覚えてしまう。それはおそらく、私たちが一般的にイメージするコンサルファームやDX企業とは、考え方もアプローチもまったく異なっているからだ。 この類いまれな企業を一言で表す言葉は、まだ世の中に存在しないのかもしれない。そう思ってしまうほどに、LTSの独自性は群を抜いている。ファウンダーの一人であり現最高経営責任者(CEO)でもある樺島弘明氏へのインタビューから、LTSの際立つオリジナリティーを紐解いてみたい。

〈Profile〉
樺島 弘明(かばしま・ひろあき)
代表取締役社長CEO
慶應義塾大学卒業後、アイエヌジー生命保険株式会社(現エヌエヌ生命保険株式会社)入社。その後、株式会社アイ・キュー・スリーを経て、株式会社ラーニング・テクノロジー・コンサルティングで営業担当ゼネラルマネジャー。2002年3月にLTS設立に参画し取締役に就任。同年12月より代表取締役社長。



プロジェクトの「成功」と、顧客企業の「成長」は、イコールではない

――貴社はサービスラインナップも幅広いですし、一般的なコンサルティングファームとはかなり立ち位置が異なるように感じます。LTSとは一体、どんな会社なのですか?

樺島:一言でいうと、顧客の成長創造・変革支援カンパニーということになるでしょうか。コンサルティングを主軸にはしていますが、おっしゃる通り他の一般的なファームとは支援スタイルがかなり違うと思います。

LTSは、2002年に当時外資系の企業に勤務していた数人のコンサルタントが集まって設立した会社です。創業当時の思いは2つ。まずは、日本発でグローバルにプレゼンスを発揮できるプロフェッショナル集団を作り上げること。時間がかかる難題であることは分かっていましたし、現在もまだ道半ばですが、必ず実現してみせると心に決めています。そしてもう一つが、当時の大手外資系コンサルティングファームに対するアンチテーゼです。

――それはどういうことでしょうか?

樺島:私たちの問題意識は、コンサルティングファームは本当にクライアントの成長に寄与できているのか、という一点です。数カ月から半年程度のプロジェクトが「成功」したとしても、その後に顧客企業は「成長」していますか、と。現在のLTSは幅広いソシューションを提供していますが、すべて顧客の成長にとって必要となるラインアップを取りそろえてきました。

コアとなるスキルは“ビジネスプロセスマネジメント”です。顧客のビジネスプロセス、つまり事業構造の全体像を可視化して、改善が必要な箇所を一目瞭然にする。その上で、随時必要な支援をご提供しています。

事業の流れをフローチャートにしたとして、どういった流れでデータが遷移して、そこではどんなシステムが使われていてどれぐらいの人が動いているのか。コストや工数はどうなっているのか。これが見えている状態であれば、健全な変革プランを容易に策定することができます。逆にいえば、ビジネスプロセスを適切に把握しないまま立ち上げられたプロジェクトは、それ自体が成功したとしても企業の成長に寄与するかどうかは分からないということです。

たとえば、次から次へと新しいサービスや機能を現場に落としていけるコンビニエンスストアがある一方で、なかなか変化を生み出せないスーパーもある。 両者の最大の違いは、ビジネスプロセスマネジメントができているかどうかだと考えています。プロセスが見えていない状態、つまり暗闇のなか手探りでプロジェクトを進めることがどれほど危険かは、なんとなく想像してもらえるのではないでしょうか。

――一つひとつのプロジェクトを切り出して成功失敗を問うのではなく、そもそもどんなプロジェクトが必要なのかを見極めることが必要だ、ということですね。

樺島:その通りです。創業当初から変わらないコンセプトですが、特にこの10年ほどはそうした視点がより重要になっていると感じています。なぜかというと、変革の“日常化”と“内製化”が加速しているからです。

以前は、10年に1度の大変革を半年かけて成功させる、というストーリーもそれなりに意味はありました。初めての海外M&Aだとかグループ企業の整理再編、大規模基幹システムの刷新などですね。しかし2010年を超えてからは、あらゆる企業が大中小さまざまな変革を日常的に立ち上げて、推進、管理する時代を迎えています。

いずれこういう時代になることは分かっていたので、その時にどういう支援サービスが必要になるかを徹底的に考えた結果、たどり着いたのがビジネスプロセスマネジメントなのです。 description

「何を変革すべきか」を、顧客とともに見定めていく

――なぜこの10年で変革の日常化と内製化が進んでいるのでしょうか?

樺島:世界の変化スピードが高まり続けているからです。これだけ外部環境の変化が激しいと、10年に1度の変革では間に合わないし、外部にばかり頼っているわけにもいきません。変化に対して迅速に適応できる組織能力を高めていくことが、何よりも重要になります。

いわゆるビジネスアジリティということですが、アジリティの高い組織の特徴として、「軌道修正を前提とした戦略策定と運用」が挙げられます。正解を作ることに固執するのではなく、学びや修正をあらかじめ戦略と実行プロセスに埋め込んでおく。その上でPDCAを高速に回し続ける企業だけが、継続的に成長していくことができるのです。

――アジャイル型開発の考え方を経営戦略に持ち込むようなイメージですね。

樺島:そういうことです。そしてこれもLTSが元々持っている特徴ですが、経営をアジャイル化していく際に大切なのは、とにかくビジョンアプローチで進めること。イソップ寓話の「北風と太陽」でいうと、太陽のやり方ですね。今は分かりませんが、2000年から10年代は、北風アプローチでお客さまの危機感をあおるような提案手法を取るファームが少なくありませんでした。

これをやらないと競争に負けますよ、他社はここまで進んでいるのに御社は遅れていますね、と。しかしそのやり方は、案件を受注しやすいとは思いますが、現場の皆さんのパワーが出ないんですよ。だから我々は恐怖心をあおるアプローチではなく、「御社は本来こういう目的で生まれたんですよね?」「ここが御社の良さなんだから、全力で伸ばしていきましょう!」といったように、ビジョンをベースにしたワクワクするようなアプローチを大切にしています。

――公開できる顧客事例などはありますか?

樺島:例えば大手総合商社さんに対し、全社的なデータ利活用を通じたDXを支援しています。当初は経営陣主導のトップダウンでの取り組みを構想されていたのですが、大上段に構えた取り組みは現場の皆さんからの反発が強かったんですね。そこで我々は、現場が一番困っていることを解決していく中で徐々に成功体験を積み重ねていくアプローチを導入。現場に足しげく通い、「どんなツールであれば使えそうですか?」「今本当に困っていることは何ですか?」とヒアリングと提案を繰り返し、まずは現場の方々の業務を軽減できるような環境を整備していきました。

もともとは業務自体が非常に属人的で、経験を基に意思決定をすることが当たり前だったお客様で、自動化やデジタル化に抵抗感のある方もいらっしゃったのですが、そうした活動を通じて少しずつメリットを実感してもらえたんだと思います。徐々にビジネスプロセスマネジメントの価値に気づき、データを活用する文化が根づき始め、しばらく経つと単に目の前の業務をデジタル化して便利にするだけではなく、「蓄積されたデータをもっと高度な戦略立案に生かせないか」というご相談をいただくようになりました。

今ではLTSとお客様で一緒に構築したデータサイエンティストチームが、クライアント内で高度なデータ分析を行って経営に貢献しています。それに加えて、クライアント社内でデータ活用を実践できる人材育成の取り組みもスタートしました。先ほど申し上げた“内製化”の部分ですね。ITを駆使してビジネスプロセスを見える化したことで、人の意識や組織の在り方そのものが変革されたLTSならではの事例だといえるでしょう。

このクライアントに限らず、我々は3カ月や半年スパンの単一プロジェクトで終わるのではなく、中長期的にお付き合いするケースが大半です。もっと言えば、LTSは顧客から案件を受注する立場だけでなく、顧客とともにコンサルティングファームやITベンダーを選定する立場でもあります。

ビジネスプロセスマネジメントによって見えてきた課題の解決に際し、我々の得意分野であればそのままお請けしますが、そうでなければ他の会社に依頼することもあるわけです。プロジェクトが立ち上がってから支援するのではなく、何を解決するべきなのかという変革計画自体を作り上げていく。それが私たちLTSの役割であり、ここで働く何よりの醍醐味(だいごみ)ではないでしょうか。 description

1つの道を極めたければ、それ以外の経験も積んでおいた方がいい

――社員の成長環境という観点で、特徴的な制度やカルチャーはありますか?

樺島:コンサルを主軸にした会社なのに、コンサル以外の打席にも数多く立てるところですね。たとえば出資先のベンチャー企業に経営陣として参画したり、グループ内の事業会社で営業を経験して数年後にまたコンサルタントに戻ったり。ベトナムの会社と当社が作った合弁会社の立ち上げに携わりたいといって現地に行った3年目の社員もいましたね。関西オフィスを立ち上げたのは、ある社員が京都で子育てをしながら働きたいという希望を出してきたことがきっかけです。

LTSでは、「社員が3回本気でやりたいと言ったことはかなえよう」という考え方を人員配置の基本スタンスにしています。1回目は本人の意思や内容をチェックして、2回目は上司や周囲が、その人の成長タイミングとして今が本当にふさわしいかどうかをアドバイスします。そして3回目も意思表明してくれば、会社として無理のない段取りを組んで実際にチャレンジしてもらうという流れです。

先ほど北風と太陽の話をしましたが、対クライアントだけでなく対社員でも考え方は変わりません。無理やり押し付けてもパワーは出ない。本人がやりたいことを尊重して、自由に生き生きと働いてもらうことを大切にしています。

これは、脳の働きだけでなく心の感じ方も大事にしようということでもあります。頭では「やるべきだ」と思っていても、心がやりたくないのであれば止めた方がいい。逆も同じです。心はやりたい、でも頭では今はやるべきじゃないと思うのであれば、一度冷静になった方がいいですよね。どこまでいっても組織を動かしているのは一人ひとりの人間なので、論理性に加えて情緒や感性も大切にする会社であり続けたいと思っています。

――今いる環境に満足していない、もっと自分の力を試したいと思っている若者にメッセージをお願いします。

樺島:現代は、60歳を過ぎても第一線で活躍することができる時代です。だからこそ、30代や40代で取り組む仕事は今までの延長線上の業務だけでなく、新しい領域をどんどんプラスしていくことが大事だと私は思っています。そうしたチャレンジを許容して、背中を押してくれる環境に身を置くことをお勧めしたいですね。

自分自身の幅を広げるという意味でもそうですし、何か一つを極めるためにもそれ以外の領域を経験しておいた方がいい。新たな領域にチャレンジしてみて、面白ければそっちの道に進んでもいいし、数年たって戻ってきても構いません。戻ってきた結果、以前とは段違いの成長を遂げたという人もたくさん見てきました。吉本興業では「お笑いしか知らない人は、本当の意味でのお笑いを知らない。だからお笑い以外の仕事もしなさい」と言われるそうですが、私も近しい感覚です。

それにカッコ悪いじゃないですか、今までの立場や経験だけにしがみつく生き方って。LTSではいくらでも自由にキャリアを切り開いていくことができますし、固定された上下関係もありません。一人ひとりがプロとして、自分のことは自分で決めて、自由な行動とともに責任を引き受けて生きていく。自分の人生をちゃんと歩みたいと思う方に来ていただければ、とてもうれしく思います。 description

コラム作成者
Liiga編集部
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