創造と変革をリードする、「とがった個」を輩出。A.T. カーニーの代表・関灘茂が語る、ファームの未来と人材育成
2022/03/14

sponsored by A.T. カーニー

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A.T. カーニーといえば、少数精鋭のグローバル戦略ファーム。「とがった個」を尊重し、各コンサルタントが自らのパッションに基づいてキャリアを形成することをサポートし、創造と変革に挑んでいる。掲げるミッションは「日本を変える、世界が変わる」。どのような未来を切り開くのか。また、その実践はどのようなマインドセットで進められていくのか。日本代表の関灘茂氏に、メンバーのキャリア形成という観点も踏まえて、語ってもらった。

〈Profile〉
関灘茂(せきなだ・しげる)
A.T. カーニー 代表取締役 マネージングディレクタージャパン(日本代表)。
1981年生まれ、兵庫県神戸市出身。兵庫県立兵庫高等学校卒業。神戸大学経営学部卒業後、2003年、A.T. カーニーに新卒入社。2014年、同社最年少でパートナー昇進。2020年1月、同社最年少で日本代表に就任。新卒入社の日本代表は同社初。INSEAD(欧州経営大学院)MAP(Management Acceleration Programme)修了。グロービス経営大学院で教員を務める他、大学での講演多数。


変革すべき大企業20社と、新興企業200社にフォーカス。経営者の“相談役”となり、共に日本を変えていく

――A.T. カーニーが掲げる「日本を変える、世界が変わる」というミッションは、どのように導き出されたのでしょうか。

関灘:「日本を変える、世界が変わる」。このミッションの根底にあるのは、創業者のAndrew Thomas Kearneyや歴代の日本代表から脈々と受け継がれてきた姿勢です。

2019年12月に日本代表に就任が決まった後、パートナーやプリンシパルからなるリーダーシップチーム、クライアントなどとの対話を重ねました。

我々は何のために仕事をしているのか。個々人のパッションはどのようなものか。A.T. カーニーと他ファームの本質的な違いは何か。議論を交わし、ミッションを導き出しました。

ミッションを実現するには、日本の各産業を代表する大企業の変革に加えて、新たな産業、企業、商品、サービスの創造に貢献する必要があります。

平成元年には世界の時価総額ランキングTOP50に日本企業が30社以上あったにもかかわらず、平成31年にはトヨタ自動車のみとなっています。

平成の約30年の間に、IT・通信、サービス、ヘルスケアを中心に成長産業・企業を創造できた米国と中国が躍進し、世界の時価総額ランキングTOP50は米国企業が30社以上、続く中国企業が7社となりました。

唯一TOP50に入るトヨタでさえ、令和のうちに圏外となってしまう可能性もあります。日本経済の成長のけん引役であった自動車や、エレクトロニクスなどの産業を代表する大企業に蓄積されている豊富な人財、知財、資本を生かした創造と変革が求められています。

また、日本企業が世界に向けて新たな価値を発信し、世界中の企業のロールモデルになってほしいと思います。加えて、日本が「課題先進国」から「課題解決先進国」に変わり、多くの人々が身体的にも精神的にも社会的にも充足する “Well-being”な世の中になることを願っています。その実現に微力ながら貢献したいと考えています。

――A.T. カーニーは、これから具体的にどのような動きをしていきますか。

関灘:「誰に」「何を」「どうやって」の3要素を全従業員で共有しています。まずは「誰に」ですが、大企業20社と新興企業200社と対象を明確にしています。日本の大企業20社と新興企業200社で、日本のGDPの50%以上に達すると見ています。

日本の大企業の人財・知財・資本の蓄積は厚く、その潜在能力を解放することで、世界に対してより良い価値の創造ができるはずです。また、世界の時価総額ランキングTOP50には、GAFAMなど平成の間に台頭した企業が多く見られるように、産学官が連携して正しいアクションを重ねれば、2050年までには日本の新興企業も台頭できると思います。

――大企業20社と新興企業200社に対してA.T. カーニーは「何を」提供していきますか。

関灘:創造系と変革系の双方のCEOアジェンダについて、各クライアント企業にテーラーメードの支援を提供することです。クライアントが内製化すべき組織能力の獲得と目に見える成果の実現に貢献します。

そのために、A.T. カーニーはやみくもに規模の拡大をせずに、社内外の“とがった個”からなるベストチームを組成することを重視しています。

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コンペに負けても提案を実現。「明日会社がなくなっても困らない」プロフェッショナル集団だからできること

――プロジェクトの実行面ではどうですか。

関灘:CEOアジェンダの設定、プロジェクトの設計、戦略や戦術の立案から実行までクライアントに伴走します。

ビジネス領域に軸足を持つA.T. カーニーの「とがった個」、テクノロジーやクリエイティブ領域に軸足を持つ社外の「とがった個」が、クライアント内の人たちと密に協働します。だからこそ、クライアント企業にとっては、業務がブラックボックス化することなく、投資対効果の高いプロジェクトになります。

クライアントの内部人財が、目に見える成果を残し、プロジェクトを完遂できるように、仕事の型を作り、人財育成プログラムに落とし込みます。また、プロジェクトの完遂のために社外から人財を登用してもらう必要がある場合には、クライアントに紹介することもあります。

――そうすると、A.T. カーニーが1社から請け負う仕事量は減ってしまいますよね。

関灘:そうですね。クライアントにスキルやノウハウを移転し、A.T. カーニーが必要ではなくなることを理想としています。“仕事量が減る”と捉えるのではなく、あるクライアントとの、あるテーマの仕事を終えれば、別のテーマや別のクライアントの仕事に取り組めると考えています。

業界やサービスを細分化し、急速に1000人や1万人といった規模に拡大したファームであれば、システムエンジニアリングやデザインなどを内製化し、クライアントの代わりに実行し、プロジェクトの継続性を担保することを考えてしまうかもしれません。

対して、A.T. カーニーの日本オフィスは、やみくもに規模を拡大することなく、人財育成を丁寧にしている少数精鋭だからこそ、真にクライアントの立場に立つことができます。社内外の誰に、何を、どのように任せれば、コストパフォーマンスが高く、目に見える成果につながるかを考えることができる。これがA.T. カーニーの実行支援なのです。

だからこそ、クライアントに心から信頼していただき、長く深い関係が続いています。また、このような安心感だけでなく、時には健全な緊張感を提供することもあります。

――どういうことでしょうか。

関灘:クライアントの皆さんは、一人一人が血の通った人間です。時に、向き合いたくはない事実、想定したくはない未来、改善したくはない人間関係、変革したくはない自分など、第三者から指摘されたくないことがあるものです。

その背景や、文脈に深く思いを巡らした上で、伝えるべきことや提言すべきことがあれば適切な方法で真摯(しんし)に伝えます。

例として、ある企業の話をします。仮にZ社としますが、その経営者とは定期的に会って、「社長の言葉と行動から変えなければ、会社が良くならない」と率直に伝えていました。もちろん信頼関係に基づいたものですが、緊張感を伴うものでもあります。

Z社とは、中長期戦略の策定、既存事業の変革、新規事業の創造、組織風土の改革といったプロジェクトを進めています。もともとは、Z社が主催するコンペに声を掛けてもらって、提案をしたところから関係が始まりました。

そのコンペでは、Z社は他ファームを選択しようとしていました。しかしながら、「Z社の未来を考えると失敗が許されないタイミング。他ファームとともに失敗する姿は見たくはない。A.T. カーニーとの本質的な創造と変革の計画と実行が必要不可欠。もう一度提案の機会を」とZ社に伝えたところ、再プレゼンの機会をいただき、支援することになりました。

話はここで終わりません。Z社のコンペに参加していた他ファームのコンサルタントを含めて、Z社の本質的な創造と変革に必要と考える人財をリストアップしていました。そして、支援を開始した後に、Z社の経営者に複数人を紹介し、「役員として招き入れるのはどうか」と提案し、入社していただくことになりました。

多くの日本企業が、役員層を中途採用で強化することにためらうものですが、Z社の経営者には本質的な創造と変革のために必要であると判断していただきました。

その結果、さまざまな創造と変革のプログラムの企画が具体化され、実行が加速しました。Z社の経営陣や現場の人たちからのメッセージが書き込まれた色紙とともに、「A.T. カーニーに頼んで本当に良かった」という言葉をいただいたのは、チーム一同うれしいことでした。

――自社の利益や立場よりもクライアントが本当に必要なことを優先する、そんな仕事のやり方はどうして実現できるのでしょうか。

関灘:失うものがあまりないことが、大きな要因といえるかもしれません。A.T. カーニーは少数精鋭、ホンモノの基礎能力を持ったプロフェッショナルが集まっています。極端にいえば、たとえA.T. カーニーが明日なくなっても、活躍できる場所がいくらでもあります。

だからこそ、自社の利益や短中期的なことに捉われずに、「日本を変える、世界が変わる」というミッションに照らして、本当にやるべきことを取捨選択して取り組めています。

「とがった個」を磨くために海外留学や大企業、ベンチャーへ出向。“事業の当事者”としてキャリアを積む

――次に、その動きを「どうやって」進めていくのか聞かせてください。

関灘:コンサルティングファームの競争優位の源泉は、「人財」です。つまり、「日本を変える、世界が変わる」の実現に貢献する人財が集い、切磋琢磨する環境を整えることが最重要事項です。そこで、A.T. カーニーは「強い個」であるコンサルタントが、さらに「とがった個」へと進化できるよう、さまざまな取り組みをしています。

――「とがった個」について具体的に教えてください。

関灘:ビジネス、テクノロジー、クリエイティブの領域を越境し、「創造と変革」をやり遂げられる人です。A.T. カーニーは他ファームとは一線を画する厳選採用を行い、コンサル業界でよくある「Up or Out(昇進するか退職するか)」ではなく「Progress or Out(成長を続けるか卒業するか)」という考え方の下に、中長期的なキャリア形成を支援しています。

2050年までを見据えると、新卒入社の日本人の男性が経営陣の中心となっている日本の大企業の経営陣も、中途入社、外国籍、女性などより多様になっていると思います。仮に、自身が日本の大企業の経営陣であるとしたら、どのような人財を登用したいか。

A.T. カーニーでコンサルティング業務に従事するだけではなく、ビジネス、テクノロジー、クリエイティブの領域での留学経験、大企業、官公庁、ベンチャーへの出向経験、世界の複数大陸での業務経験を積み重ねてきた人物がいれば、ぜひとも会ってみたい、声を掛けてみたいと思うだろうと考えています。

そのような考えから、出向プログラム、留学制度、海外オフィストランスファー制度などさまざまな制度を拡充し、大企業の変革、世界に羽ばたく新興企業による価値創造の現場のリアリティが分かる人財、官公庁の皆さんと政策や規制の在り方を見直すことができる人財が増え、「創造と変革のリーダー」となる「とがった個」を輩出していきたいと思っています。

――大企業やベンチャーの現場を体感することで、コンサルタントの能力は確かに大きく伸びそうです。

関灘:世界の時価総額ランキングTOP50に入るような企業は、複数大陸で事業を展開しているものです。将来、日本を代表する大企業20社と新興企業200社で、創造と変革のリーダーとして貢献するには、複数大陸での経験も必要でしょう。それゆえに、A.T. カーニーの留学制度や海外オフィストランスファー制度に手を挙げたメンバー全員を後押ししています。

海外での挑戦には覚悟も必要です。そこで、経験豊富なパートナー陣、起業経験や大企業の役員経験があるアルムナイ(A.T. カーニー出身者)に、自身のキャリアやその分岐点を語ってもらうキャリアを語る会も定期的に開催しています。A.T. カーニーのメンバーが多様な刺激を受け、より自分を深く知り、熱中できることは何か、よく考えてもらえるような組織づくりを心掛けています。

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強い知的好奇心と大胆さを持ち合わせているなら、特定のスキルはいらない。共に“ベストプラクティスの先”をつくっていこう

――A.T. カーニーに来てほしいのはどのような人ですか。

関灘:「日本を変える、世界が変わる」の実現に、大真面目に取り組みたい人です。「強い個」から「とがった個」へと進化し、「創造と変革のリーダー」として活躍する志を重視しています。

A.T. カーニーは、そのような人材を、2050年までに2000人輩出する計画を立てています。A.T. カーニー出身者の全員が「創造と変革のリーダー」にならないと、2000人には達しません。

だからこそ、「日本を変える、世界が変わる」という志に共感する人財に参画してほしいのです。特定のスキルや経験は問いません。何よりも大切にしているのは、価値観。私たちのバリューである「Curiosity(知的好奇心)」や「Boldness(大胆さ)」、「Generosity(寛容さ)」、「Solidarity(連帯)」、「Passion(情熱)」を体現できる人財を求めています。

多くの人が、大なり小なり、知的好奇心を持っているものです。しかしながら、我々は中途半端ではない知的好奇心を必要としています。例えば、Amazonのジェフ・ベゾスと仕事をするなら、ECだけでなくメディア、デバイス、クラウド、宇宙などの領域まで議論し、付加価値を提供しなければなりません。

日頃から広範な領域で知の探索を行い、それらを統合的に考察し、新たな視座・視点を提供することができて初めて、真のトラスティッドアドバイザー(Trusted Advisor)になれるかどうか。それほど、知的好奇心があふれ出し、広く深く考え、動き回り、世界中の知を結集できるような人財が集まり、刺激し合うのが楽しいですね。

自分が何者で、何に「Passion」を感じるのか。どんな「創造と変革」ができるとワクワクするのか。徹底的に考え、実行してほしい。そのような人生を歩みたい人には、A.T. カーニーの門を叩いていただきたいです。

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コラム作成者
Liiga編集部
Liigaは、「外資就活ドットコム」の姉妹サイトであり、現役プロフェッショナルのキャリア形成を支援するプラットフォームです。 独自の企画取材を通して、プロフェッショナルが必要とする情報をお伝えします。