戦略立案だけで終わらない。世の中に新たな価値を生み出すまでを支援し続ける。新規事業の運営を通じて、得られた経験とは
2022/04/14

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2008年にコンサルティング会社として事業を開始した、シグマクシス。2013年にマザーズに上場。その後、投資事業を開始し、2017年の東証一部(2022年4月4日よりプライム市場)への市場変更を経て、2021年に持株会社体制へ移行。持株会社となったシグマクシス・ホールディングスからコンサルティング事業を承継し、新たなグループ体制での事業を立ち上げた。

戦略立案から実行までの一気通貫のコンサルティングに加え、グループ企業であるシグマクシス・インベストメントとの連携により投資能力も駆使するなど、多様な形で企業変革を支援している。

同社に2009年から参画する安藤望氏は、社長補佐の傍ら新規事業開発プロジェクトに取り組んだり、自身が中心となってジョイントベンチャーの立ち上げや経営に携わったりと、数多くの経験を持つ。そうした取り組みによって得られた成長、新規事業開発をはじめ、多様なプロジェクトに関わることのできるシグマクシスの環境について聞いた。

〈Profile〉
安藤 望(あんどう・のぞむ)
ベリングポイント(現PwC)、金融機関を経て、2009年よりシグマクシスに参画。 シグマクシスでは事業開発関連のプロジェクトの他、複数社によるジョイントベンチャーの立ち上げと、その事業運営に従事。新規事業開発・新サービス開発をメインとするSX(サービス・トランスフォーメーション)領域を担当。

※内容や肩書は2022年2月の取材当時のものです。

練り上げた戦略を、成果につなげきれない現実にジレンマ

――現在の業務内容を教えてください。

安藤:2021年4月から、Heuristic Sherpa(ヒューリスティック シェルパ)のサブチームの1つであるSX Team(サービス・トランスフォーメーション チーム)のリーダーを務めています。

Heuristic Sherpaとは、企業変革やイノベーション促進に向けたオファリングを開発・デリバリーするチームで、5つのサブチームから構成されています。我々の他には、デジタルを活用した事業の生産性変革の推進をサポートするDX(デジタル・トランスフォーメーション)チームや、デジタル化時代のマネジメント組織の変革を推進するMX(マネジメント・トランスフォーメーション)チームなどがあります。

SX Teamは、デジタルを活用した新規事業や新サービスの開発を行っているチームで、15人ほどが在籍しています。私はその責任者として、チーム運営やメンバーのマネジメントの他、チームで手掛けるプロジェクトにも参画し、クライアントを含めたプロジェクトメンバーと議論しながら、課題解決に取り組んでいます。

――これまでの経歴を教えてください。また、どのような経緯でコンサルタントに興味を持ちましたか。

安藤:2004年に大学を卒業し、1年半ほど公認会計士の勉強をした後、2005年に外資系コンサルティングファームのベリングポイントに入社しました。コンサルティングに興味を持ったのは、業界や企業の変革に携わり、エキサイティングな仕事ができると考えたからです。また、経営コンサルタントとして当時から著名であった大前研一さんの本を読み、仕事にハードに打ち込みながら、それと同じくらい遊びにも全力を注ぐという豪快な姿に憧れました。

ベリングポイントには2年半ほど在籍し、企業の事業戦略や中期経営計画の策定支援などに携わりました。自分たちのベストを尽くしてクライアントと向き合うという、刺激にあふれた日々を過ごしていました。

ただ、戦略策定プロジェクトの終了から半年後にクライアントに戦略実行の進捗を尋ねると、社内調整が困難といった理由で思うように施策が実行できていないケースが多かったのです。戦略の実現までやり切ることができないジレンマを、徐々に感じるようになっていました。

そんなとき、金融業界に勤めている友人から業界の話を聞き、同業界で経験を積むことを目的に、メガバンクに転職しました。そこでは、投資銀行業務に携わることに。

メガバンクでは、企業買収の案件をいくつか担当しました。M&Aファイナンスの実務を経験し、大企業での意思決定プロセスがどのようになされているか、従業員がどのようなモチベーションで働いているのか、といったことを体感できました。

外資系コンサルティングファームと異なる企業文化に触れながら、厳格なルールにのっとって行動する環境で仕事をしたことは、貴重な経験となりました。

――コンサルティングやM&Aファイナンスの経験を体得した期間だったのですね。次に、シグマクシスに入社した経緯を教えてください。

安藤:これから先のキャリアを考えていた時に、ベリングポイントでお世話になった先輩方から、三菱商事とRHJインターナショナルのジョイントベンチャーでシグマクシスという新しいコンサルティング会社ができると聞きました。

シグマクシスが重視するのは“成果を出すまでやり切る”ということ。また、自社からも人材や資金を出すなどリスクを取りながら戦略を実現することが事業コンセプトだと聞き、面白そうだと思って二つ返事で入社を決めました。それが2009年2月のことです。

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複数社によるジョイントベンチャーを提案し、自らが代表取締役社長に着任。思うような結果が出ず、メンバー一人一人に向き合う重要性を知る

――以前在籍したコンサルティングファームや金融機関とは異なるチャレンジを、シグマクシスならできると感じたのですね。シグマクシスでは、どんなプロジェクトを手掛けてきたのでしょうか。

安藤:事業戦略や経営戦略といったコンサルティングの他、新規事業や新サービスの開発支援も行ってきました。戦略を描くだけでなく、それをサービス化し、世の中に価値を生み出すまでサポートしたプロジェクトも複数件あります。

中には、自分が代表取締役社長として運営を任された事業もありました。

事業設立の発端は、小売業のクライアントから、「新しい顧客体験を創造したい」といった相談があったことです。しかし、予算が限られていたことから、中途半端な形のコンサルティングになってしまう懸念がありました。

当時はシグマクシスで事業投資を積極化していた時期でした。そこで新たな成功事例を作りたいという思いもあり、「予算内でのコンサルティングという形におさめるよりも、互いに人材とお金を投資して一緒に事業をつくりませんか」と、私と上司でクライアントに逆提案しました。

他にも企業が加わり、複数社の人材がコラボレーションしながら事業構想や、サービス提供アプリのデモ版の開発、テストなどを行い、2019年3月にジョイントベンチャーとして事業をスタートしました。私は発端となったコンサルティング依頼から一貫して携わってきたこともあり、社長として経営を司ることになりました。

ただ、当初見通していたような成果が出せなかったことから、1年後にサービスを終了し、ジョイントベンチャーは解散に至りました。

――代表取締役社長を務めたジョイントベンチャーで思うような成果が出せなかったとのことですが、当時の経験が今に生きていることはありますか。

安藤:当時は、うまくいくと確信を持てる事業構想や戦略を立てて臨みました。しかし実際に事業を始めてみて分かったのは、どんなに良い戦略や座組を構想しても、結局は、会社を構成するメンバーや周囲で支えてくれている人たちを本気にさせなければ成功させるのは難しい、ということです。

メンバーはわずか10人でしたが、出身元の会社が異なれば当然考え方も一様ではありません。その中で、私自身は出資元の社長や株主に対して結果を出さなければならないという焦りもあり、チームの一人一人に向き合ったり、異なる意見に耳を傾けたりする時間を十分に持つことができませんでした。

人間が1人でできることには限界があります。世の中に少しでもインパクトを出そうとするのであれば、チームで取り組まなければならない。その時に、10人集まったチームが発揮できる力が10人分であるかというとそうではなくて、10人未満になってしまうこともあれば、15人分、20人分の力を発揮できることもあるのです。

チームとして大きな力を発揮するためには、一人一人がいかにワクワクしているか、安心して目の前のことに打ち込めているか、困ったときに助けてくれる仲間がいるかといったことが大事で、そうしたチームを作れなかったことが私の失敗でした。

そのような経緯でシグマクシスに戻ってきたわけですが、会社は私に、その苦い経験を踏まえての再チャレンジを後押ししてくれました。それが現在のSX Teamのリーダーという役割ですが、今、私の中で一番大事なのは、チームメンバー一人一人が仕事を含めた人生を謳歌(おうか)していること。それぞれがシグマクシスの環境を生かして個人のストーリーを実現していける場所、これを作ることが私のリーダーとしてのミッションだと考えています。

経営層と直接会話できる距離感の中、ゼロから事業を立ち上げる機会をつかむ

――安藤さんのように新規事業の経営に携わりたい人は、手を挙げれば挑戦できる環境なのでしょうか。

安藤:クライアントとの新規事業開発や、事業のカーブアウトといった取り組みに携われる環境はあります。誰でも気軽にというわけにはいきませんが、経営層に対しビジネスとしての価値を説明でき、共感を得られるものであれば、支援を得られる素地があります。

私が事業を手掛けた時も、経営会議で何回かプレゼンテーションを行い、そこでアドバイスやフィードバックをもらいながら構想を練り上げて、最終的には背中を押してもらいました。

また、当社は2017年から、フードテック・コミュニティを軸とした食の新たな産業づくりの取り組みを手掛けていますが、それもあるディレクターが発案し、経営層や管理部門に提案し、そしてコンサルタントも仲間に引き入れ、皆で一緒になって実現させた一例です。

過去には私のように、事業会社と設立したジョイントベンチャーで、シグマクシスからマネジメントのポジションへ出向した事例もあります。こうした、ゼロから事業を立ち上げる経験や、その経営責任者として事業を成長させていく経験は、他のコンサルティング会社ではなかなか得られないものではないかと思います。

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――シグマクシスには、他のコンサルティングファームと比較してどのような特徴があると思いますか。

安藤:2008年の設立から14年、グループとして東証一部に上場しガバナンスの強化などにも注力し、企業としての成長に向けて前進していましたが、今もまだベンチャーの延長のような雰囲気は残っています。振り返れば創業当初は、「とにかく会社として生き延びなくては」と必死でやっていく中で、個人やチーム単位、または会社全体で助け合ってきました。

このようなコラボレーションを通じて、助け合いながら皆で成長を目指す文化が、今でもずっと変わっていないというところは、魅力の一つだと感じています。

また、マネジメントとの距離感にも特徴があります。組織構造に階層を作らないポリシーのため、マネジメント層との直接の会話が可能です。

自ら取り組みたいことを丁寧に提案すれば、経験豊かなマネジメントのアドバイスやサポートを得られるだけでなく、物事を前進させるための意志決定が即座に行われます。このスピード感は、外資系コンサルティングファームでの経験ではなかったものの一つです。

さまざまなバックグラウンドを持つ人材があふれていることも、大きな魅力です。戦略コンサルティング、総合コンサルティングに始まり、ITベンダーや事業会社、アカデミアの出身者など、さまざまな領域にキャリアとネットワークを持つ人材がコラボレーションしているため、戦略を描いて終わりではなく、あらゆる手段を駆使して実行まで伴走できるのです。

2021年からはグループ内での投資会社であるシグマクシス・インベストメントの本格的な立ち上がりにより、投資も私たちの打ち手の一つとなりました。

――どのような人と一緒に働きたいですか。求める素質について教えてください。

安藤:私のチームは「一人一人がユニークで新しい価値の創出をワクワクと楽しんでいる社会をつくる」という目標を掲げており、事業開発を通じて未来社会をつくっていきたいと考えています。

チームには「新しいこと志向」「コラボレーション志向」「成長志向」を持った多様なメンバーが集まり、お互いが個人のストーリーを尊重しながら全員で価値創造に取り組んでいます。こうしたチームに共感し、これまでの経験を生かして社会により大きなインパクトを生みたい、自分の可能性を広げたい、という人を歓迎します。

具体的には、事業会社で事業開発に携わりながらも、社内のルールや仕組みから、個人のストーリーを実現できていない人や、コンサルタントとしてプロジェクトワークの経験はあるが、今後は事業開発の経験を広げていきたい人は、即戦力として活躍していただける可能性があります。

これまでに業務改善や大規模システム開発、PMO(Program Management Office)などに携わって事業の感覚がつかめている人には、チャレンジしてほしいですね。

さらに、事業開発には構想策定と合わせて構想実現力が必要となるため、ITのケイパビリティがある人や、UI・UXをつくれるデザイナーなど、従来のコンサルタントとは異なる素地を持った人にも、活躍できる機会は多数あります。

日々目まぐるしく変化が起こる中、どんなときでも目の前のことに意義を見いだし、それを「楽しめる力」が大切です。自らの能力を広げ発揮していくタフさが、これからのコンサルタントには求められます。そのような人とチームとして共に成長しながら価値創造を続け、新たな時代づくりに参画していきたいと考えています。

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コラム作成者
Liiga編集部
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