面接の流れと対策(必ず聞かれる質問と回答例、マナー、注意点)
2022/11/04

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就活や転職の面接は、流れがほぼ決まっています。必ず聞かれる質問もあるので、回答例や押さえておくべきマナー・注意点を確認して、緊張せずに面接を進められるよう、準備をしておきましょう。



面接の流れと必ず聞かれる質問・回答例

  • 入室
  • 質問① 自己紹介
  • 質問② 転職理由
  • 質問③ 志望動機
  • 質問④ 自己PR(活かせる経験・実績)
  • 質問⑤ 応募者からの質問
  • 退室


面接は、上記のようにマナーに準じた入退室と、必ず聞かれる5つの質問を中心に進みます。面接官の意図や回答例を参考にしながら、面接の準備をしましょう。

入室

入室では、社会人として基本的なマナーが守れるかをチェックされます。そのため、以下のことを自然にできるようにしておきましょう。

  • 入室
  • 身だしなみは「清潔感」を重視する
  • ドアが開いていてもノックをしてから入る
  • ドアは後ろ手で閉めない
  • 部屋に入ったらお辞儀をして下座のイスへ
  • 着席する前に名乗る


ドアが開いていると、ノックを忘れがちです。しかしノックには「入室の許可を求める」という意味もあるので、ドアが開いていてもノックをして、「どうぞ」という返事が聞こえてから入室するようにしましょう。 ノックは一般的には3回といわれます。ただし意識しすぎて動作がぎこちなくなるくらいなら、自分にとっての自然な回数でも構わないでしょう。

特に転職の場合には、面接官が来る前に部屋に通されることがあります。その場合は、下座のイスに座って待つようにしましょう。

質問① 自己紹介

入室し簡単な挨拶をしたら、自己紹介を求められるのが一般的です。応募者の人柄を確認すると共に、「簡潔に話すスキル」「初対面の人と打ち解けるコミュニケーション能力」などが見られています。

そのため、数分くらいで分かりやすく話すことを心がけましょう。相手の顔を見ながら、和やかな空気を作ることができれば理想的です。

【質問例】
「まずは簡単に自己紹介をお願いします。」

【回答例】
「あらためて、本日はお時間をいただきありがとうございます。〇〇〇〇と申します。今は人材業界の株式会社ハウテレビジョンで、マーケティング部の一員として働いています。
主にデジタルマーケティングを担当しており、消費者調査や競合調査、徹底的な効果検証を繰り返すことで、毎月50万人が訪問するサイトに成長させてきました。『ビジネス目標のためにデジタルやテクノロジーをどう使うのか』という視点で物事を考えられるので、DXを重要施策として掲げる御社でも役に立てると考えています。
ちなみに御社のXXという商品の大ファンで、子どもの頃は食べ過ぎて鼻血を出したことがあるくらいです。本日はどうぞよろしくお願いします。」


自己紹介の中に、自分のスキルや強みなどのPRポイントなどを折り込むと、その後の会話がスムーズになります。ただしメインは自己紹介なので、この場では簡潔に触れる程度にとどめましょう。

質問② 転職理由

転職理由を聞く一番の理由は、「同じ理由でまた退職してしまう可能性はないか」を把握するためです。転職理由を聞くことで、その人が何を重視しているのかが分かるので、お互いのミスマッチを避けることにも繋がります。

【質問例】
「なぜ転職をしようと考えたのですか。」
「前の仕事を辞めるに至った経緯を教えてください。」

【回答例1】
「今の会社の規模では、マーケティングに使える予算や検討できる施策にも限りがあります。また商品の性質や現状のラインナップを考えると、リピートやアップセル・クロスセルなども見込めず『売って終わり』になってしまっています。
より効果的なマーケティングをし、また消費者と長く付き合える関係を築いていきたいと思っていたところに御社の求人を見つけたので、チャレンジしてみたいと思いました。」

【回答例2】
「前の職場では人材不足が常態化しており、『緊急ではないが重要なこと』にきちんと対応ができていませんでした。結果として社会の大きな動きへの対応が遅れ、更に競争力を失くすという悪循環から抜け出せなくなっています。
わたしも含め社員でも採用活動やコスト最適化に向けてプロジェクトを立ち上げてきましたが、既に手遅れといわざるを得ません。わたし自身も、より今の社会に合った商品・サービスを提供していきたいと思ったため、退職しました。」


何かしら満たされないものがあるから転職するのは、面接官も承知しています。だからこそ、過剰に取り繕ったり、ネガティブな面を徹底的に隠す必要はありません。

しかし「今回は同じ理由で転職することはない」と思わせられるような、前向きな話に展開するようにしましょう。「だからこそこの企業を選んだ」「このポジションにチャレンジしたいと思った」と論理的に話すように心がけましょう。

また、言っても未来に繋がらないような悪口は控えるのが、ビジネスパーソンとして最低限のマナーです。

質問③ 志望動機

志望動機を聞くのは、応募者の熱意をはかると共に、企業研究ができているかを見極めるためです。きちんと企業研究をした上で応募しているのであれば、ミスマッチが起こりにくく、長く活躍してくれることが期待できます。

【質問例】
「弊社の求人に応募した理由はなんですか。」
「競合他社も多い中で、弊社に応募してくださった理由を教えてください。」

【回答例】
「消費者と長く付き合っていける商品・サービスを選びたいと考えていたため、その点で消費者の生活に密接している食品や飲料の業界は魅力的だと考えていました。その点、御社には多くの商品があり、子どもからお年寄りまで付き合えるので、ぜひ御社で働いてみたいと感じました。
また御社はD2Cブランドの設立などデジタル活用をした新たな取り組みにも積極的なので、これまでの経験やスキルを活かせると感じたのも大きな理由です。」


志望動機を伝える時には、「なぜこの業界なのか」「なぜこの企業なのか」の両方を説明できるようにしましょう。

その時には、その企業の「らしさ」「強み」などを織り交ぜ、企業研究をしていることも伝えてください。そして、その「らしさ」「強み」が、自己PRや退職理由など自分の「軸」と重なるように話を組み立てると良いでしょう。

質問④ 自己PR(活かせる経験・実績)

自己PRを求められるのは、「本当に自社で成果を出し、活躍できる人材なのか」を確認するためです。売上実績など数値が評価されることも多いですが、チームで働く仕事であればコミュニケーションやチームワークもアピールポイントになります。

【質問例】
「あなたの強みを教えてください。」
「今までの仕事で特に記憶に残っているのはどんな時ですか。」

【回答例1】
「わたしの強みは、失敗を恐れずに挑戦するチャレンジ精神です。だからこそ上手くいかない企画もありましたが、何が学びだったのかを抽出することで、次に活かすことができました。例えばXXXXという企画は、〇〇〇〇という理由で失敗しましたが、△△が重要であるということが分かりました。
次の商品ではその学びを活かした結果、売上が〇%上がりました。円熟期にある事業には向かないかもしれませんが、今回応募した新規事業開発には向いている性格だと考えています。」

【回答例2】
「一番記憶に残っているのは、ウェブサイトの大規模改善をした時のことです。良いものにするため、調査を繰り返し、売上に繋がるサイトにすることを目指しました。結果として、売上が30%伸びました。またその時は、マーケティング部のスタッフだけでなく、社内のサポート部門や外部のベンダーとも密な調整が必要だったので、それをやり遂げることができたのも達成感に繋がったと考えています。
利害対立になりがちですが、『売上に繋がるサイトにする』という目標に立ち返ることで、一丸となって進むことができ、期間内にリリースを迎えることができました。」


この時にアピールするスキルや実績は、応募する仕事・ポジションに合ったものを選びましょう。職種やポジションによって、マネジメントスキル、リーダーシップ、知識、協調性など求められるものも異なります。

また具体的なエピソードを語ることも重要です。「数値実績がないとアピールしにくい」と思われがちですが、「期間内にリリースができた」「ミスがゼロになった」といったものも立派な実績です。

【関連記事】P&Gとグーグルを経て起業、伊丹順平さんが面接で感じる「上辺だけの人」

質問⑤ 応募者からの質問

面接の最後には「何か質問はありませんか」と聞かれることが多いです。これは「応募者が自社にどれくらい興味を持っているのか」「ミスマッチを避けるために確認したいことは何か」を知るためです。

【質問例】
「弊社について何か質問はありませんか。」

【回答例】
「採用になった場合、最初にどのような仕事を担当することになるのでしょうか。」
「一緒に働くのはどのようなキャリアの人が多いのでしょうか。中途の人もいるのでしょうか。」
「[面接官の名前]さんから見た、御社の社風やそれに合っている人材を教えてください。」


何か質問がないかと尋ねられたら、必ず何か質問をするようにしましょう。聞きたいことがあるということは、応募者がきちんと企業について調べ関心を持っていることの証になるからです。 特に担当することになる仕事や一緒に働くメンバーなど、「具体的に働くイメージを持っている」ことが伝わると良いでしょう。

退室

面接が上手くいった時ほど、退室時のマナーがおざなりになりがちです。面接に時間を割いてもらったことのお礼を言い、建物を出るまでは気を抜かないようにしましょう。 具体的には、以下に留意してください。

  • 面接の終了を告げられたら、着席したままお礼を言う
  • 立ち上がって、椅子の横でお辞儀をする
  • ドアの前まで移動したら、面接官に向き直って再度お礼を言う
  • 廊下に出てすぐに電話をかけたりおしゃべりをしたりしない


コンサル等の場合は「ケース面接」の可能性も

一般的な面接は上記で紹介したような流れで進みますが、コンサルなど思考力を重視する採用の場合、「ケース面接」が行われることがあります。ケース面接とは、「XXという商品の売り上げを上げるには」など具体的な事例(ケース)を出されて、「どう考えるか」を問われる面接です。

ケース面接を攻略するには、色々な事例や回答例を見て、シミュレーションをするのが重要です。同じ事例が出されることは少ないですが、考え方を参考にします。

Liigaでは「コロッセオ」という、ケース面接の過去問に挑戦できる機能があります。コンサルティングファームなどへの転職を考えている人は、ぜひ活用してみてください。

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面接前にしておくべき準備

面接の流れや聞かれる内容がほぼ同じであるということは、面接対策がしやすいということです。そして、ちゃんと準備をした人とそうでない人の間に差がつきやすいということでもあります。 だからこそ、以下のような準備をして面接に臨みましょう。

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社長や社員のインタビューを読んでおく

その会社が目指す方向性や取り組みを知るために、会社のホームページはもちろん、社長や社員のインタビューにも目を通しておきましょう。特に自分の応募する部署・ポジションについては、インターネット検索で見つかるインタビューや記事は全て目を通しておくくらいの準備が必要です。

ただその会社について知るだけでなく、「自分はその中でどう働き、どんな成果を残すことができそうか」を考えてみましょう。また調べている中で気になったことは、面接の「応募者からの質問」のところで積極的に尋ねてみるのもおすすめです。

Liigaでも、企業経営者や業界のトップランナーのインタビュー記事を多く紹介しています。「他の業界ではこういう動きがある」「競合はこんな施策を取り入れている」といった知識も面接では役立つので、定期的にチェックしてください。

経営者の視線や業界の動きが分かるコラム|若手キャリアの支援ならLiiga

面接のシミュレーションをしてみる

実際に面接のシミュレーションをしてみるのも非常に重要です。自己紹介は簡潔にまとまっているか、転職理由・志望動機・自己PRに一貫性はあるか、論理的かつ具体的に話すことができるか、実際にシミュレーションしてみましょう。

自分が話している姿を動画撮影するのもおすすめです。そうすると自分を客観視することができるので、「ついつい早口になってしまう」「視線が下がって暗い印象を与えてしまう」といった注意点にも気付くことができます。

面接が進んだら条件や入社日についても整理を

最終面接が近付くと、配属や肩書、入社日などについて確認されることがあります。特に入社日については、他の選考の都合もあり、即答しにくい可能性もあるでしょう。

そのため、二次面接や三次面接の前には、自分なりに譲れない条件や入社日・スケジュールについて頭を整理しておくと安心です。

面接に関するQ&A

特に初めての面接の場合、「どんな風に進むの?」「どこまで聞いていいの?」など気になるポイントも多いものです。そこでよくある疑問点・注意点をQ&A形式でご紹介します。

面接の結果はどれくらいで分かる?

面接の結果は、早いところで数日以内、遅くとも10日程度で分かるのが一般的です。もし10日を過ぎても連絡がこない場合は、こちらから問合せをしても失礼ではないでしょう。

面接の時に「結果はいつ頃ご連絡いただけるでしょうか」と確認しておくのもおすすめです。こうして確認しておけば、その期日を過ぎた時に問合せをしやすくなります。

面接時はどれくらい前に到着しておくと良い?どれくらいかかる?

面接の時は、約束時間の5~10分ほど前に受付に行くのが理想的です。早く着きすぎてしまった場合は、誰でも立ち入ることができるロビーエリアや近くのカフェなどで待ちましょう。

面接そのものの時間は30分~1時間が一般的です。「1時間」と書かれていても、実際は40~50分ほどで終了するケースも多いようです。

面接の時の服装はスーツじゃなきゃダメ?

「堅い」といわれる職場の場合はスーツで行くのが理想ですが、スーツが難しい場合はオフィスカジュアルやジャケット着用が良いでしょう。「私服で」「服装は自由です」と言われた場合も、自分の身体にあった、清潔感のある身だしなみを心がけてください。

ウェブ面接の時の注意点は?

ウェブ面接の場合、前日までにURLが届いているかどうかを確認しましょう。慣れていないシステムの場合は、接続テストなどをしておくと安心です。

当日は、面接に使う機材のバッテリーや電源を確認し、不要なアプリケーションは終了しておくことをおすすめします。5分ほど前になったら指定されたURLを開き、待機しましょう。

答えにくい質問にはどう対応したら良い?

面接で聞かれることがある、答えにくい質問には、以下のようなものがあります。

  • 欠点、失敗や挫折の経験など、自分のネガティブな面
  • 「〇〇に例えると」といった発想やアイデア
  • 他に面接を受けている会社やその選考状況
  • 残業時間、勤務地、部署が希望とは違った場合にどうするか


どんな質問に対しても、基本は正直かつ焦らずに答えましょう。嘘をつくと話が矛盾しやすいので、良く見せようと嘘をつく必要はありません。「考えを整理するので、1分ほど下さい」と言って少し考えても構いません。

ただし、欠点など自分の悪い面を問われた時は、「長所と短所は裏返しなので」など良い面も一緒に伝えられると良いでしょう。また、いくら正直に答えると言っても、「今の職場への悪口」など今後に繋がらないネガティブな内容には気を付けてください。

ここまでご紹介したように、面接の流れや質問はどこも大きくは変わりません。その中で他の応募者と差をつけるには、社会の変化や業界の動きを把握し、それを自分の志望動機や自己PRに結び付ける必要があります。 Liigaでは、面接対策はもちろん日頃の業務や自分のキャリアプランニングにも役立つコラムを数多く掲載しています。求人、転職エージェントの口コミ、イベント情報も見られるので、ぜひ活用してみてください。

コラム作成者
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